正美さんのレビュー一覧
投稿者:正美
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2005/10/29 23:03
あなたのいる所を描いています
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
やっぱりジブリの人たちの絵というのはレベル高いな、と素直に思いました。ここにある絵はみんなファンタジーではなく、生活感溢れた、と言うよりもそこに住んで生活している人たち−−子供、高校生、若者、そしておばあさんの生きている姿です。
「晴れあがった空のようなつきぬけた開放感(帯での宮崎駿のコメント)」の様に晴れた日の絵はもちろん、雨や夜の絵もまた格別です。アニメの舞台はあなたの住んでいる場所もなるかもしれないヒントを、この本は与えています。これら作品が遺作になっているというのが、本当に残念です。
紙の本男鹿和雄画集 2
2005/11/17 22:34
動画だけがアニメじゃない
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
写真の様で写真でない−−アニメを見ていると動画の表情や動きに目が行きがちですが、全体の出来不出来を決めるのが実は背景画。この重要でかつ美しくそして細かい絵は、別のアニメ鑑賞方法与えてくれるようです。本画集を企画したのは「海がきこえる」の美術監督を手がけた田中直哉氏が解説、対談相手を務めています。額に飾っておきたくなるくらいです。
また道具、技法についても細かく記述されています。これは今までなかった事だと思います。絵を描くのが好きなこれからの若い人たち、特にアニメ関係を目指すのであれば座右の書になる事は間違いないでしょう。
アニメというと漫画、イラスト系のようなイメージもありますが、そんな事はないと思います。私もいつかこんな感じで風景画を描いてみたい!!
紙の本シムソンズ
2006/02/27 08:31
数少ない冬の団体競技
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
やっとこういう本ができました、というのは私が日本カーリングの黎明期、今から18年前に彼女達の様に88年のカルガリーオリンピックからカーリングにはまり、オリンピックへの正式競技化の運動員として東京や日本協会関係でもちょっと仕事をしていたからです。
今回のトリノオリンピックでこのシムソンズのメンバーだった二人が、ソルトレークから連続出場しているのはご存じの人も多いと思いますが、話の後半に出てくるホワイトエンジェル(ス)も実在したチームで、両チームは95年のJOCジュニアオリンピックカップ・カーリング大会にも出場しています。この時は私もカーリングから一時的に離れかける頃ですが、当時帯広と北見の某建設会社のチームと名を並べるくらいの強豪になっていた記憶があります。登場人物も誰が誰だか分かってしまう所もあのころカーリングをやっていたからだと思いますが、それは伏せておきます。>笑
文面はこの話の主人公、和子の主観で書かれているかと思えば次の瞬間「第三者」的に書かれており、主観が行ったり来たりしているのは最近の小説の傾向なのかもしれませんが、私はあまり好きになれません。でも個性の違う少女達が「あこがれ」のスパイスも付けて、いかに一つのチームを築いていったかは、同じ人ばかりでしか固まらない今の若い人たちにもくみ取って欲しいと思います。
一つ付け加えさせて頂きますと、カーリングの上陸時期ですが、私が調べたものでは戦前に入ってきた「カーリング」は今ではアイス・シュトックと呼ばれ、今の物とは異なります。それでも昭和30年代にはカーリングは日本に上陸していた事を書き加えておきます。
それにしてもオリンピック−映画−原作と、よくリンクしています。カーリング漫画は以前にもありましたが、やっと小説・映画という段階までやっと来ました。冬季スポーツでの団体競技はただでさえ少なく、スキーやスケートも工夫して団体「種目」を作っています。チームという組織の中でどんな役割を果たすかというのが、こういうスポーツ青春小説のパターンという感じもしますが、カーリングを紹介してくれた事は本当にありがたいと思いますし、自分も「カーリングやってて良かった」と思う一人です。でも常呂町に住んでいる私の友達には、合併前の花道になったと思います。
この本を読んでカーリングに興味を持ってくれただけでも、私はうれしいです。でもプレーを始めてくれたらもっとうれしいです>笑
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