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渡辺 純一さんのレビュー一覧

投稿者:渡辺 純一

8 件中 1 件~ 8 件を表示

私たちの身近にある食べ物の成り立ちを知るとともに,加工品についての豊富な知識が得られる

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 1995年に発刊された『食材図典』の第2弾。前書では生鮮食材を取り上げたが,今回は加工食材に焦点を当てている。加工品の分野として「魚介類・藻類」「肉・卵・乳」「野菜・キノコ」「果実・ナッツ」「穀類・豆・芋」の5つを設け,これらに不可欠な「調味料・香辛料」も併記する体裁。また,西洋・エスニック・中国の3つの料理分野を取り上げ,各地域で見られる加工および生の食材も紹介している。
 全9分野からなる本書は,総項目数2000。各分野ごとに,例えば「みりん干し」「冷凍野菜」といったタイトルを揚げ,それについての概説を付けたうえで,その範疇に入る数種類の品目を提示して解説する。カラー写真で品目とその加工工程や栽培風景などを載せていることが,加工品などの理解度を高める役目を果たしている。必要に応じて,テーマごとに書かれたコラムは,多くの話題を提供していて役立つ。単に知識だけを得るのではなく,食卓を創造する知恵も与えてくれる。
 本書は,誰もが気軽に楽しめる本である。食関係の仕事をする人々にとっては,より知識を充実させるのに便利だ。主婦は,日々の食事作りの中で使う加工食材の成り立ちを理解して,改めて食事の重要さを知るだろう。そして,子供に食べ物の大切さを教えることもできる。
 また,食べることの好きな人には,たまらなく嬉しい本である。「たたみいわし」に「奈良漬け」,それに「さきいか」があれば熱燗(かん)の一本も飲みたくなる。フランスパンにはどんなハムとチーズを合わせようか,デザートは洋ナシがいいかな。はやりのエスニック料理の食材を眺めれば「明日はトルコ料理を食べにいこう」と考えても不思議はない。
 日本の伝統的な食品のみならず,世界各地から渡ってきた加工品群を見ていると,自由に食を選択できることの幸せを感じるのではないか。読み終えて,思わず「ごちそうさま」と言ってしまうかもしれない。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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1980年代以降のアメリカの穀物流通などの構造変化を分析。企業の買収・合併などの具体的事実を基に描きだす

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 アメリカは優れた工業国であると同時に,大量の食料を輸出する農業国でもある。わが国もその恩恵にあずかる。例えば小麦の場合,毎年300万トン以上をアメリカから輸入する。それは,パンなどに姿を変え,私達の命を養う。こうしてみると,この本が取り上げる同国の穀物流通などの構造変化を単に“国内事情”として見過ごすわけにはいかない。農業政策転換の重要な政治経済的背景の一環をなしていると思われるからである。
 本書の中心テーマは,1980年代以来続いているアメリカ穀物流通・加工セクター分野での大規模な構造再編である。具体的な事実を積み重ねて,穀物流通などの変化の現状を明らかにする。著者は,詳しい調査を基に事実を追い求め,それを忠実に書き残すことで,アメリカ・アグリビジネスの真実を浮き彫りにすることに成功したといえそうだ。
 本書は,同国穀物流通などの21世紀初頭の今を概観するのに有益な書で,現代穀物流通小史としても読める1冊だ。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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食品産業の64業種を具体的なデータを基にまとめた。各業種の現状を把握するとともに,将来見通しにも役立つ

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食品企業で特定の業種に長年携わっていると,その業種と関連産業の動きに敏感に反応するようになる。当然だろう。
 しかし,現在は,一業種の動向さえ把握していれば業績がアップする時代ではなくなってきたと思われる。たとえば,消費者の健康志向や高齢化社会の到来は,これまで以上に食品市場の変化をもたらすはず。単品のマーケティングではなく,食品市場をトータルに捕らえることが業績増につながる。
 本書では食品産業の64業種を取り上げる。各業種ごとに,具体的な数字をあげて市場の動きを示し,現状を正確に理解できるよう工夫した。加えて,メーカー動向などを伝えることで,より深く,各業種の現状把握を可能にした。また,「今後の展開」では将来予測も試みる。
 現在の食品産業の様子が一目で分かる1冊である。食品企業などで働く人にとっては,今後の製品動向を占うためにも必要な書といえる。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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身近なカレーを例に,ブランドのあり方やタイアップソングの有効性などの具体的な話に説得力がある

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 多くの資料を駆使しながら,食品産業全体の新たな市場創造にむけ,具体的な事柄を例に,製品戦略と販売促進戦略との双方向的な関係を鮮明に描きだす。
 最初に,ブランドの役割として(1)製品を競合他社の類似製品から識別する,(2)品質保証,同時に商品機能,(3)商品機能以外の付加価値,(4)経営資産,の4点を挙げる。そして,ブランドは製品の名前にすぎないが,企業経営における独特の重要性を持っていることを指摘した。
 表題に「バーモントカレー」とあるが,第4章では,カレールウ市場に例を取りながら,製品開発とブランド戦略の実際を小気味よく描きだす。この市場は,ハウス食品,ヱスビー食品,江崎グリコの3社でシェアの大半を占めている。市場は成熟しており,差別化がしにくい。その中にあって,業界3番手の江崎グリコが『一晩寝かせた,あの旨さ』という明確なコンセプトで「熟カレー」を開発した。負けじと,超ロングセラーブランドの「バーモントカレー」をもつトップメーカーのハウス食品が,「こくまろ」を対抗馬として登場させる。
 両社が新ブランドを開発するにあたって把握したことは,消費者ニーズの変化であった。次に行ったことは,誰をターゲットにし,新製品のポジションをどこに置くかということである。もちろん,コンセプト,技術革新,価格,ネーミング,コマーシャルの打ち方までが検討された。
 新製品に対するアプローチの方法は,当然,両社に違いが生じる。例えばターゲットは,江崎グリコの場合「高学年の子どもから大人まで」であり,ハウス食品は「子どもと若い女性」となる。こうした事柄を的確にとらえる著者の分析力には説得力を感じる。
 また,特定の企業や商品などと契約し提携するタイアップソングの食品コマーシャルとしての有効性の指摘には現実感がある。というのも,現在のポップス系ヒット曲のほとんどにその傾向が見られるからにほかならない。
(C) ブッククレビュー社 2000

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ヤシ酒を巡る25年間の旅。専門的な部分もあるが,人との心の触れ合いを記したルポルタージュ

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 ヤシ酒の魅力に取りつかれた旅である。紛れもなく,ヤシ酒を仲立ちにして書かれた一編の旅行記といえる。
 植物病理学を専門とする著者がヤシ酒の存在を知ったのは30年も前のこと。イタリアの商人で旅行家であったマルコ・ポーロ(1254〜1324年)が書いた『東方見聞緑』を読んだことによる。樹の枝を切り,そこに壷をかけておくだけで無尽蔵に酒ができるという話に著者は魅せられていく。1975年,農林省熱帯農業研究センターの長期在外研究員としてスリランカに赴任したことが,ヤシ酒を巡る旅の幕開きであった。
 最終章では,東南アジア各国で得られた情報を基にしてヤシ酒の不思議に迫っている。専門的ではあるが,樹液の謎に近づこうとする著者の努力は敬服に値する。植物学や醸造学の専門家には興味を引く章といえよう。もちろん門外漢にとっても関心をそそるだけの面白みは十分にある。
 本書は,植物病理学を専門とする研究者によって書かれているが,研究者というよりも,ルポルタージュといってよい。25年前に長期滞在したスリランカにはじまり,時を経てインドネシア,タイ,フィリピン,インドを歩く。色々なヤシの酒類があること,樹液を採るときの道具類の微妙な違いも伝える。各国のヤシ酒の様子も語られているが,それは国々の文化の相違を感じさせるものである。
 要所要所に論文を掲載するなど専門的な部分はある。その点は必要な「事実」として読めば納得がいく。それ以上に大事なことは著者がヤシ酒発見の旅を通じて,各国の人々と出会い,濃密な人間関係を築き上げたことである。突然訪れた外国人を自然に受け入れ,歓待する庶民の姿には,現在の日本では忘れ去られてしまったような心の暖かさを感じる。
 『東方見聞緑』という優れた旅行記の現代版が数百年の時を超え現れたといえよう。ヤシ酒を媒介にして,人間と人間の結び付きの大切さを,今日の社会に教えてくれているような気がしてならない。
(C) ブッククレビュー社 2000

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食品産業の過去から現在までを,グラフを使って分かりやすく記す。市場動向の分析にも優れる

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 単なるデータによる表現集ではない。1961年から2000年までの40年間にわたる食品産業界の動向を示すと同時に,わたし達日本人の食生活変遷史とも呼べる本である。
 酒類・食品統計月報500号記念増刊号として出版された本書は,月報創刊以来収集・蓄積してきたオリジナルデータや公的データを,グラフを主体にして表現したもの。各業種,各品目を視覚的に理解できるように編さんしている。
 また,食品メーカーや問屋などの100社売上高ランキングや,今年までの40年におよぶ酒類・食品産業界の歩みが業態別に記されている年表も掲載してある。その時々の社会情勢とともに業界の動向がひと目で分かる。
 食品産業といっても,そのすそ野は広い。本書には,食品市場として14市場。関連市場として3つが取り上げられている。酒類,牛乳・乳製品,清涼飲料,油脂,食肉加工品,小麦粉・同2次加工品,冷凍食品などである。取り扱われている品目は82にも及ぶ。
 各品目ごとに,マーケットヒストリー,ブランドの攻防あるいはメーカーの攻防そして,価格の推移が書いてある。これらには,各製品市場の動向が,社会的な背景と一緒に,具体的な数字を上げながら示されており,その市場の過去から現在までを知ることができる。また,将来の動向を推し量ることも可能にする。
 経済の発展は,わたし達に食生活の変化をもたらした。洋風化しかり,消費者ニーズの多様化またしかりである。食の多様性が求められた結果,あまたの新製品が登場するとともに,新しい市場も誕生させてきた。これに伴い食品の輸入量も大きく広がった。年々衰弱していくかのように思われるわが国農業の実体もかいま見える。
 食品産業を通じて食の実相を教えてくれる本書の持つ役割は大きい。既に各食品業界で働く人々のみならず,今後この世界を目指す人達の基礎的な道しるべになる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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加工食品の作り方を示すことで,食べることの大切さを教えてくれる。食の原点とは何か,を考えさせられる

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 食品加工実習書として,家政系の大学や短大などの学生に役立つばかりでなく,自分自身の手で“食作り”にトライしてみたいと考えている人には絶好の書といえるだろう。
 本書で取り上げられている加工食品は,穀類・豆類・果実・野菜・肉・水産・乳類・菓子・卵など多岐にわたる。具体的に製造方法が示された加工食品は64品目にもおよんでおり,全ての製品の製造にチャレンジすれば,後は応用だけ。食のエキスパートを目指すことも不可能とはいえない。
 ここで採用された64品目には,全て製造理論と製造工程が分かりやすく記されている。加えて,比較的簡単に加工ができるように,道具類もなるべく一般的なものを使おうとする姿勢がうれしい。
 読者自身が,加工食品の基本的知識を得ながら,手作りを通して食べることの楽しさとともに,その大切さの原点も知ることができる。これこそが本書の特徴だといえる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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今起きている食をめぐるさまざまな問題を,輸入食品の検疫実態を通して我々に知らせてくれる

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 食料輸入大国日本。我々が口にする食料の60%以上(カロリーベース換算)を海外からの輸入に依存する現状に「NO」を突き付ける著者は,食の安全や農業のあり方などについて,輸入食品の検疫問題を通して訴えかける。
 検疫は輸入食品の安全確保を目的に行われるものだが,実際は輸入届出件数127万件(98年)に対して,検査件数は10万件と,その検査率は8%にすぎない。これは輸入手続き簡素化のためのさまざまな輸入検査の省略制度によるところ大である。
 その結果の一例に,96年夏の大阪・堺市での病原性大腸菌O-157による大規模な食中毒被害が挙げられる。これを境に輸入牛肉の食品検疫として,O-157検査が行われるようになった。
 国民の生命や健康を守るためには,検疫体制の整備のみならず,営農意欲を刺激する農業生産基盤を確立したうえで,食糧自給率の引き上げ体制をとらなければならないという。
(C) ブッククレビュー社 2000

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