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TF さんのレビュー一覧

投稿者:TF 

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本新これが透析療法です

2002/02/24 10:21

面白くてわかりやすい、透析患者向けの本

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 この本は、透析界では超有名な太田和夫先生の著書で、最も分かりやすく、かつ内容の濃い本のひとつと言えます。対象は患者さんのようですが、透析室スタッフにも是非読んでもらいたい本です。

 まず、この本は患者さん向けだけあって、表現が非常に分かりやすいという特徴があります。また、表現方法も例を用いて、普通の人にも理解しやすいような工夫がなされています。他の本との決定的な違いは、文章自体に遊び心がある点だと思います。ここでひとつ例を挙げますと、「(足がつる理由)…そうすれば、あなたは「つり同好会」から脱会することができます」というような感じです。今までいろいろな透析の本を読んできましたが、全て医学書らしい、角張った表現ばかりのなかで、この本のような非常にやわらかい表現方法の本というのは初めてです。このことが、一層この本を読みやすいものにしてくれていると思います。

 また、価格も手ごろで1600円(税抜)です。この値段なら、経済的にちょっと苦しい患者さんでも、無理なく出せる金額だと思います。もちろん、透析に携わっているスタッフなら、内容と見比べるとタダ同然と言ってもいいと思います。透析を扱う書籍は1冊の単価が非常に高いことが多いので、そう何冊も買うことができないというのが正直なところでしょう。そのような中で、高品質低価格のこの本は、買う価値が充分にある内容だと思います。

★この書評は、私が発行しているメールマガジン「よくわかる人工透析」に掲載されたものに加筆、修正を加えたものです。

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紙の本透析生活もまた楽しからずや

2002/03/03 20:47

現在も腹膜透析を受けながら充実した毎日を送る筆者。透析導入から職場復帰、大好きな旅行の体験談も。

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 筆者は1993年7月に透析導入し、ほどなく腹膜透析に変更し、現在に至っています。この本では、筆者の透析導入前後から現在に至る生活の経過が描かれています。透析導入と腹膜透析への移行、職場復帰とその後、再婚、旅行の体験談、透析導入後の心境の変化などが書かれております。

 一般の人にとって、透析というのは全く未知の世界であり、知っていても誤った知識や偏見のこともあります。しかし、この本を読んで頂くと、透析を受けていても社会復帰も可能だし、海外旅行を楽しむことだってできるのだということを理解して頂けると思います。医学的に難しい語句や言い回しはなく、普通のエッセイと同じペースで読み進めていくことができます。透析導入を言い渡されて落ち込んでいる方には、まさにうってつけの本だと思います。

 しかしながら、血液透析に関する記述は、誤りを多く含んでおります。例として挙げますと、「生の果物はカリウムが多いので、(血液)透析患者は食べてはいけない」、「腹膜透析で、薬液が体内に入っていれば何を食べてもかまわない」とありますが、これは大きな間違いです。確かに、血液透析患者は、カリウムの高い生の果物を大量に摂取すると高カリウム血症となり、時として死に至ることもあります。しかし、量を控えめにし、他の食品からのカリウム摂取を減らすなどの工夫により、生の果物を食べることは可能ですし、実際に四季折々の果物を楽しんでいる患者さんもいます。また、腹膜透析であっても、血液透析ほど厳しくはありませんが、食事制限は必要となるため、無条件で何を食べてもかまわない、という訳ではありません。一度、透析に詳しい人に、透析に関する部分のチェックを受けられておいた方が、更に良い本になっていたと思います。

 もうひとつ残念な点は、最後の最後に出てきた「透析生活ほどつらいものはない」という言葉です。これは、糖尿病患者へ、糖尿病性腎症にならないように、という警告のなかで出てきた言葉ですが、タイトルにもなっている一番伝えたかったメッセージ「透析生活もまた楽しからずや」という言葉を一気に吹き飛ばしてしまうものだと思います。もう少し柔らかい表現にできなかったのかと、本当に残念に思います。

 この本は、自分の経歴を恨むのでもなく、自慢するのでもなく、ただ淡々と、そして明るく前向きに綴っています。一人の透析患者としての生き方を示し、不安に恐れおののく透析患者への道標となり得る本だと思います。

 ★この書評は、私が発行しているメールマガジン「よくわかる人工透析」に掲載されたものに加筆、修正を加えたものです。

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紙の本やさしい透析患者の自己管理

2002/02/24 10:23

やさしい透析患者の自己管理

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 最初からこんなことを書くのはちょっと著者の方に失礼かも知れませんが、この本で一番最初に目につくのが価格です。950円+税で、1000円出せばお釣りが来る、という医学書の中では破格の安値です。これなら患者さんでも無理せず買える金額だと思います。

 ただ、いくら安くても内容が伴っていなければ意味がありません。A4サイズで67ページと、非常に薄いですが、内容はポイントをよく押さえ、端的にまとめられています。また、本が大きい分、中の文字や絵も普通の書籍に比べると大きく、文字もゴシック体なので読みやすくなっています(この辺は個人差かも知れませんが)。

 ただ、タイトルにある通り、自己管理に重点を置いているため、透析療法についての説明は非常に短くなっています。透析療法全体を知る、というのではなく、自己管理について知りたいスタッフや、透析を始めたばかりで何も分からないという患者さんやその家族の人にお勧めしたい本です。透析は、一生つきあっていかなければなりません。人工的に血液を浄化するには、現在の透析技術ではまだまだ不完全です。そのためにも、患者さん側の自己管理が必要となってきます。よくまとまってはいますが、まだまだ不十分なところもありますので、この本を踏み台として、より多くの知識を得ることを願っております。

★この書評は、私が発行しているメールマガジン「よくわかる人工透析」に掲載されたものに加筆、修正を加えたものです。

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著者は実際の透析現場を見たことがあるのか!

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 最初にお断りしておきます。この本は現在行われている人工透析療法に対し不適切と思われる表現や、いたずらに透析に対する恐怖心を煽りたてると思われる部分があるため、これから透析を導入する人やその家族、また透析に関する一般的知識や現在の透析療法を見たことのない人にはお勧めできません。

 あらすじは、医学博士である著者の息子さんが糖尿病性腎症を発症し、透析を受けていましたが、ある日、突然に帰らぬ人となってしまいました。その時の経緯を基に、著者が透析や治療を受けた透析施設や透析療法の悪を指摘しています。著者の指摘するずさんな点は何カ所かあり、死後の病院側の対応にも悪い点があります。同じ透析に関わる者として、その点は深くお詫びします。しかし、確かにずさんな透析死でありましたが、ここまで透析を恨む必要性があったのだろうか、という疑問にも駆られました。

 著者の定義する「腎臓透析病(人工透析の闇の部分)」は、治る見込みがなく、ただ死を待つだけと書いています。その意味では治る見込みが少しでもあるガン患者のほうが幸せだとしています。しかし、腎不全末期になり、かつては生きていることができないような状態になってもなお生きることができるのは、透析のためではないのですか。もし、医学が進歩して、末期ガンであっても治癒せずとも生きることができるようになれば、著者はそれに対しても「ただ死を待つだけ」と言うのでしょうか。

 透析を受けると体力を消耗し、その日はずっと寝ていなければならない、と書かれていましが、それは個人差があります。そのような人がいることも実際に現場で働く者として知っています。しかし、朝透析をして、昼からバリバリ働いている人もいます。現在の透析を知っている人であれば、今、私の書いたことは決して例外ではないことはお分かりのはずです。そのような事実を一切隠して(書かずに)、透析患者さんを生きる屍のごとく評するのは誤りを超え、事実の歪曲と言っても過言ではありません。ましてや、医療職の長たる医師なのですから、この本を読んだ方が、「医者がこう書いているんだから間違いない」と誤解してしまいます。専門外の分野とはいえ、医師という肩書きで書く以上は、しっかりと事実は事実として伝えて頂きたいと思います。著者はいったい現在の人工透析療法の現場をどれだけ見たのか。現在の状況を見ておらず、知識や人の話だけで書いたのではないかとも思えてなりません。

 ある物体に光が当たれば、当然のことながら陰もできます。光が透析療法という医学の進歩だとすれば、陰の部分が、著者の定義する「腎臓透析病」です。光が薬剤であれ、他の治療法であれ、必ず副作用などの陰ができます。それを、なぜ透析の陰ばかりにこだわるのでしょうか。透析に導入せずに死んでいた方が幸せだったのでしょうか。筆者はそのことに対して否定していますが、本を読み終わった今でも、「死んだ方が幸せではなかったのか」ということに対する疑問が解けません。

 この本は、患者、スタッフに関係なく透析に関わる人すべてに読んでもらいたいと思います。ここに書かれている透析の姿がすべてではありません。一人の人間の末路が、果たしてこれで良かったのか。残された家族の胸中はどんなものなのか。そして、病院側の対応は本当に良かったのか。一人ひとりがゆっくりと考え、答えを見つけ出していかなければならない重い問題を提起していると思います。

 ★この書評は、私が発行しているメールマガジン「よくわかる人工透析」に掲載されたものに加筆、修正を加えたものです。

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