とある地方の公務員さんのレビュー一覧
投稿者:とある地方の公務員
2017/03/10 19:02
情報量に振り回されることなく、冷静に著者の主張を読み取ろう。
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労働、消費及び政治の分野を対象に、国家や企業、共同体が、巧妙に感情的な共感を引き出し、献身や購買といった形で人々を動員している実態を、豊富な例を提示し、詳述しています。
本書の難点として、具体例が多すぎて=情報量に振り回され、著者の主張ないし論点が読み取りづらいことがあげられますが、著者自身の主張は第5章(「自分自身をよく知る(釣る)ために」)に簡潔にまとめられています。途中であきらめずに、最後まで読み通してみることをお勧めします。
紙の本突変
2017/01/28 19:16
住民目線の特異災害SF
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「商品説明」から想像されるように、本書の登場人物は「ヒーロー(ヒロイン)」ではなく、ごく普通の「住民」です。
自分たちの生活する地域がいきなり異世界に転移(突然変移=突変)したにも関わらず、彼(彼女)らの思考や行動は、やはり「住民」のままであり、「住民」として「特異災害」を乗り切ろうとします。その思考や行動に、ドキドキ・ワクワクさせられることはほとんどありません。
しかし、その彼(彼女)らの思考や行動は、現実の災害時における我々「住民」の思考や行動を彷彿とさせるものがあり、人間のしぶとさを感じさせるものがあります。
ヒーロー(ヒロイン)、ドキドキ・ワクワク感を期待して読むとがっかりするかもしれませんが、「住民」目線の「特異災害SF」としては楽しめるのではないか、と思います。
紙の本ヨハネスブルグの天使たち
2014/02/02 16:50
それぞれの立場で、現代世界において「生きる」意味を考えさせてくれる本。
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南アフリカ、アメリカ、アフガニスタン、イエメン、そして日本を舞台とした短編集。いずれの編においても、日本製のホビーロボット「DX9」が「狂言回し」の役割を果たし、紛争(9.11を含む。)の現場や現代日本社会を彷彿とさせる「閉じられた空間」において生きる人間が描かれており、現代世界において「生きる」という意味を考えさせられます(ただし、舞台は近未来ですが)。
また、上記各国において、日本製のホビーロボット「DX9」が使用されていた(また、現に使用されている)という設定は、それぞれの国における出来事に、(間接的にせよ)何かしら日本も関わっている、ということを想起させ、現在の国際経済関係に繋がるものがあります。
一方で、本書の難点を挙げるなら、アメリカを舞台とした「ロワーサイドの幽霊たち」は観念的・情緒的に過ぎ、読みにくかった感があります。
紙の本辞めません。でも、頑張りません。 「新・ぶら下がり社員」の目の色を変える処方箋
2017/03/03 19:19
「辞めません。でも、頑張りません。」と思っている社員が読んでも、あまり役に立たない本
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「辞めません。でも、頑張りません。」と思っている「社員の目の色を変え、本気にさせる方法がある!」とあるように、使用者(管理監督者)の立場から、こうした社員に対する方法論(処方箋)が述べられています。
一方で、こうした社員が、使用者(管理監督者)の働きかけなしに、自分自身で「辞めません。でも、頑張りません。」という考え方を変えるにはどうすればいいのか? ということについては、ほとんど述べられていないため、当の社員本人が読んでも、あまり役に立つ本ではない、と思われます。