のりのりさんのレビュー一覧
投稿者:のりのり
2017/05/28 07:40
対照的な二つの国
13人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
オメガバースの設定がしっかりしていて、矛盾もなく楽しめました。特に、シアが生まれた白国と追い出されてのちに行った黒国では、建国神話が違っています。アルファが支配し、オメガは劣ったものとする白国に対し、能力があるのだから、それを有効に使おうという感じでアルファは奉仕する者で、出産できるオメガは尊ばれる黒国、というのがそれぞれ一理あって面白く感じました。恋愛でも相手を選べず支配される(弱いオメガをアルファが保護するスタンス)白国と、自由に選べる(自由な反面、自己管理も自己責任もついてきますが)黒国。どちらも確かに、と思う面があって、絶対に悪者になっていないところが現実的でよかったです。
もちろん、最後にはシアの幸せもかなってほっとしました。コウキ。先生のイラストもかわいかったし、今後の白国の行方が気になるので、次巻が出ないかな。
紙の本雨降りジウと恋の約束
2018/10/27 08:07
心が洗われるような優しいお話でした
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
優しいお話でした。
人ではないジウは、現代社会にうとく、何にでも興味津々です。貴流が喜ぶとジウも喜び、とても純粋なジウ。二人の交流は打算や駆け引きもなく、とても美しいものでした。
少しネタバレになってしまいますが、ジウは遠い昔の約束を大事にしていて、最後の力を振り絞って貴流に会いにきたのでしたが、その約束を忘れている貴流に怒ることもなく、ただ会えてよかったという気持ちしかありません。ジウが消滅する前に、なんとか思い出して間に合った貴流も、色々あっても昔からジウが大好きだったのです。
読後、心の汚れが洗い落とされたような、とても清々しい気持ちになりました。
紙の本王様と幸福の青い鳥
2015/02/08 11:37
やっぱり切ない系
12人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
六青先生のお話の、王道な感じです。イリリア(先生曰く、イノセントなアホの子)は2度も助けてくれた王様を慕っています。王様には利用されてるだけと知った後でも、やっぱり王様が大好きなのです。王様も、一番の従者でさえ信じきれないで日々を過ごしていたのに次第にイリリアに心を開いていきます。そして、一波乱のあと、二人は真実に気付き、無事ハッピーエンドを迎えます。その過程が、こういう切ない話を得意とする先生らしいと思いました。でも、いつもよりは痛さがかなり控えめです。
紙の本夜啼鶯は愛を紡ぐ
2018/07/23 08:04
成長する愛
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
しっとりとした、よいお話でした。
二人の愛し方はまったくちがっています。
リンの一途に思いつめる愛し方はすごく重い。だからこそ、だんだん壊れていってしまうのでしょう。なにしろ、エリアスはその生い立ちや境遇のせいもあって、愛情はあってもそれが愛だと思っているので、優しいけれど自分でも認める不誠実な人です。本当の愛を知らないので、リンの思いに100%応えられません。
だから、バランスの取れない愛し方の二人が一度別れるのは、必要だったのでしょう。
10年かけて、二人の愛し方は成長し、やっと寄り添えるものになっていきます。
yoko先生のイラストが、しっとりしたこのお話の雰囲気にぴったりでした。
紙の本花降る王子の婚礼
2020/08/02 07:48
読後の余韻に浸っていたい・・・
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
読了後、しばらく余韻に浸っていたいと思わせる良いお話でした。つい二度・三度と読み直しました。
「ロマンティック婚礼ファンタジー」と紹介にありました。確かに最後まで読めばロマンティックですが、冒頭30ページくらいまでで、すでにリディルの覚悟と周りへの気遣いが痛ましく、思わず涙ぐんでしまうくらいでした。ほんとにロマンティックなのか?!ってお話に引き込まれ、相手のグシオン王が良い人で申し訳ないし、いたたまれなくなっていくリディルの気持ちにすっかり同調して、最後まで一気に読んでしましました。
ハラハラする戦闘シーンもあり、最後にはえ~っ、なんですとー?という感じの秘密も明かされ、最後の最後まで楽しませてくれました。色々あって迎えたハッピーエンド、二人には今後幸せになってほしいものです。
紙の本最強の夫婦騎士物語
2020/04/07 08:11
ダリオはかわいい
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ダリオの性格がかわいい!真面目でアルバートを一途に尊敬していて、でも孤児のため情緒面や色々とずれているところがあって、そのせいで互いに好きあっているのにずれているところが面白い。本人はいちゃついてるつもりは全くないのに、会話の内容は超バカップルなのが最高に面白く、この面白さはさすが海野先生だなぁ。
最後の方で、自己肯定感が皆無のダリオが、アルバートに何故自分を好きなのか訊くシーンがありますが、その返事が奥深い。騎士とは・・・となるほどと考えさせられました。単なるバカップルの面白い話で終わらないところも海野先生らしいです。
あ、まだ小さいけれどドラゴンも活躍しているし、とてもかわいいです。
紙の本黒鳳凰の愛する小鳥
2019/02/07 07:38
玻璃ちゃん大好き!に尽きる
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
烈の玻璃ちゃん大好きが首尾一貫していて、いっそ見事でした。
鳥モフもいいなぁ。作者さんは鳥の生態をよく御存じで、随所にでてくるしぐさなどに「ああ、こういうのしてたなぁ」とインコを飼っていた頃を思い出しました。
ドラゴンギルドシリーズに負けないしっかりとした世界観があって、1冊ではもったいないので続編をぜひ期待します。げい己(漢字がでない)も謎が多く、何考えてんだか知りたい。
そして、なんといってもイラストが最高でした。
少しネタバレです。
最後の章は烈の身の内にいる凶禍の様子がわかるのですが、きっと凶禍も「こんなはずじゃなかったのに、宿るヤツ間違えたー」と、さぞ悔しがっていることでしょうね。ちょっと笑ってしまいました。
紙の本海辺のリゾートで殺人を
2020/05/29 08:04
とにかく読んでみて!面白いから!
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
BLの枠におさまらない、確かに本格ミステリーでした。
本のタイトルから殺人が起こるのはわかっていて、最初から誰が疑わしいのかと気にしながら読んだのですが、半ばを過ぎるまで事件の首謀者が誰か絞れず、ドキドキしました。最後の方はなんと大胆な計画を!ってハラハラしましたが、とりあえずハッピーエンドにたどり着きました。読了後、何度も前を読み返して伏線の確認をしてしまいました。
ミステリーが分量多いので、エロシーンは少なめですが、ミステリ好き、ストーリー重視の人にはぴったりなお話です。色々とハードな部分もあるので、最後の方は思わず涙ぐんでしまうシーンもありました。
あ~っ!!ネタバレするからこれがギリギリです。
ハラハラ、ドキドキ面白かったから、ぜひ読んでみて!
紙の本龍と竜〜清明〜
2019/06/29 16:10
集大成かな
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今までの集大成と言ってもいいような、満足感のあるお話でした。
このシリーズが始まってから、本の中では16年が過ぎました。極道だった龍一郎もダンディなオヤジ(危険な香りがほの見える)に、保育園児だった颯太も独り立ちする歳になっています。今回のお話の中で、家族の今までのあり方を振り返り、これからの形を再び作り上げていくのですが、その形に納得するのはもちろん、そこへ至るまでの考えが素晴らしいのです。
綺月先生の話は登場人物の筋の通った考えがちゃんとあって、それを基に動いているから、読む方も心を揺さぶられるんだと思います。
既刊を知らなければ深く読み込むのは難しいかもしれません。もちろん、この本だけでも楽しめますが、是非シリーズ全て読むことをお勧めします。
そうそう、竜城と龍一郎がラブラブで、龍一郎の帰国に合わせてまた恋人からリスタートしているのがよかったです。竜城は相変わらず恥ずかしがりで可愛かったし。
2019/03/13 08:03
これは面白い!
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
こんなオネガバースあり?!ってくらい、他と違っていて、笑える要素も満載なのが海野先生らしいです。
もう最高に面白い。だって、アラブの王子でアルファなのにED!そして、受の泉生はオメガなのに、好き好きアピールしまくりのカラッとした陽性なワンコ型。健気で一途で非常に努力家で、当然オメガならではの葛藤もかかえています。でもそれさえ飲み込んで、いつも前向きでパワフルに陽性なんです。
だから、そんな泉生が弱った姿を王子に見られてしまった唯一のシーンは、とてもドキッとしました。
EDにも訳があり、事件を乗り越えて最後はハッピーエンドです。読んでいくうちに、普通のオメガバースだと受ちゃん頑張れ!みたいな庇護者目線で応援したくなるところが、泉生相手だと野球の応援団みたいな感じで、危機を脱するところなんかは「いけ~!ヒットかホームラン!」みたいな気持ちになって、とても楽しかったです。
あんなにまっすぐに愛情を向けられたら、運命なんて関係なく囚われてしまうでしょうね。
紙の本卵生竜を飼いならせ
2017/05/31 07:29
成長した!
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今回は、特に可畏の成長が感じられるお話でした。
あらすじにもあるように、潤が卵の形ではあるものの、まあ妊娠できる状態になります。二人がどのような選択をするのか、が大きなポイントでした。
潤の体が最優先で、少しでも不安要素は排除したい可畏は、卵を切除することを望み、命の可能性を捨てていいのかと揺れる潤と意見が分かれます。この時、可畏は実家に戻った潤を迎えに行き、言葉で説得します。
出会った当初の可畏なら、有無を言わさず手術して切除していただろうに、人間的に成長したなぁ、と感無量でした。
最後まで可畏の成長ぶりが頼もしく、潤を心身ともに守ろうとする一生懸命さが、高校生らしくて(まだ高校生だった!!!)一途でいいなぁ、と思いました。
紙の本蜜惑オメガは恋を知らない
2016/09/19 07:40
ありそうなオメガバース世界
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
オメガバース設定のお話です。智弘は自分がオメガになってしまったことを受け入れられず、一生恋も知らずに一人で生きていこうとしていました。親友の恒星へ気持ちが傾いても、オメガ性の特性のせいだからと離れる道を選びます。その気持ちがせつないです。
人間が途中でオメガ性に変転するとか、伴侶をみつけた男性のオメガが妊娠・出産していたり、色々と細かいところも設定が考えられていて面白かったです。
この世界のお話が1冊ではもったいない、ぜひ続編を希望します。
2023/01/26 09:19
結果的に「Rebirth」できてよかった
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
とても読み応えのある話だった。
あらすじにあるように、ガブリエーレは処刑される3年前に死に戻りをして、人生をやり直していく。復讐のために、以前とは違って注意深く、周りをよく観察しながら、対応も変えてやっていくうちに、一度目の自分がいかに狭い視野や世間で生きてきたかを痛感し、復讐のための行動が、図らずも良い変化をもたらしていく。そして、いよいよ真実に近づいていくのだがー
ネタバレになるのでその先は言えないが、「Rebirth」したのはガブリエーレだけではないと思う。ガブリエーレの変化のおかげで、良い方向に生き方を変えられた人たちが他にもいるので、彼らもある意味生まれ直したようなものだろう。良いエンディングだった。
2021/08/26 08:54
ルアンがかわいい!!!
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
もう、ルアンがかわいい!これに尽きます。挿絵も確かにかわいいんだけど、性格や行動がかわいい。今までの経緯から、次の婚約者に期待して裏切られまいとする姿がいじらしくて、「るー、ちょろくないもん」というのがたまりません。
さすが、成瀬先生、その後の二人の流れもとても自然で必然な感じで、最後二人とも幸せそうでよかった。
ここの王国は、今後良い方に改革されていくのでしょう。兄王も王妃も良い人でした。
紙の本雪降る王妃と春のめざめ
2021/05/04 07:42
映画を
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
さすが尾上先生、今回も最高でした。
あらすじにあるようにリディルは記憶喪失になりますが、グシオンへの愛は忘れておらず、思い出したいともがくのが不憫で・・・互いを思いやってのすれ違いも切なかった。
アイデースの兄のもとへ向かいますが、道中も大変だし、また兄の謎あれこれが分かるとここもまた切ないことになっていました。
最後はちゃんとハッピーエンドですのでご心配なく。yoco先生の挿絵も美しく、読後は一本の映画を見たような満足感でした。
ところで、尾上先生のTwitterでは後日談あれこれが読めてまた楽しいですよ。ただしネタバレ注意なので本編読後に限ります。