Chocolatさんのレビュー一覧
投稿者:Chocolat
紙の本姉の島
2021/06/11 15:52
読書は孤独なものなのか?
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
好きな作家は?と、尋ねられる度に「村田喜代子」と長年答えているが、未だ「読んだことがある」という人に出会ったことがない。というか「知っている」人もいない。いわゆるベストセラー作家とは言えないとは思うけれど、新作が出れば、ちゃんと書店に出ている。どこかにいるはずの愛読者に出会えないのは、私の運が悪いだけなのか?と、ずっと考えてきた。
先日、松村由利子氏がエッセイで、子供の頃から読書はご飯を食べることと同じ様にしてきたが、学校の宿題で読書感想文を書くのが大嫌いだったと語っていた。感動は心の中に大切にしまっておきたいので、好きな物語ではなく、事実の羅列の伝記やドキュメントなどで感想文を書いた。読書は、分かち合えない孤独なものなのだと‥まったく、子供の時からそれに気づいていたなんて、凄すぎ!
さて、今回の「姉の島」も読後、はあぁ満足、やっぱり好きだわあと、しみじみ。いつも、彼女の作品には、なんとも言えない味わいがあり、スックと背筋が伸びる様な読後感が。この感動を人と分かち合えるのか?これからじっくり問い直してみなくては。
紙の本泣くな道真
2015/09/21 02:24
みんなに薦めてます
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
菅原道真公といえば、九州の大宰府に左遷され、亡くなり、その御霊を慰めるために、太宰府天満宮が…と、学校で習ったような
でも、実は、こっちが本当では?と、惑わせる奇想天外な物語でした。
気の毒な人の代表のような道真公が、物語では、ちょっと幸せで、くすっと笑えて、ほんわかした読後感でした。
紙の本大きな文字の地図帳 7版
2015/12/07 21:08
これは見やすいです!
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
地図帳のレビューを書くというのもちょっとないけれど、これはお勧め!中身は、ごく一般の、高校くらいで使う、世界と日本の普通の地図帳ですが、文字が少しだけ大きく、ページ数も少しだけ多く…と、この、ちょっとの差がこんなに見やすいとは!という驚きでした。テレビを見ながら、または読書をしながら、「あれ?この国はどの辺かな?」という時のために、地図は定期的に買い換えて楽しんでます。
2017/05/28 22:39
読んで良かった
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「富士日記」の形体では、文章が上手いとか、下手とか、そういうのを超越した感性の魅力に取りつかれ、読むのをやめられませんでした
その後、「犬が星見た」などの作品に触れ、やはり、感性だけではなく、文章も上手い人なのだと、確信
そして、この「あの頃」は、一段と文章力が上がっていると感じました
個人的に好きな所は、富士の山荘時代に交流のあった外川さんとの再会の部分です
すっと、百合子氏は後悔を残したままだったのかな?と、考えていたので、その後が分かって安心しました
二人のぎこちないやり取りが実に良かったです
紙の本カフーを待ちわびて
2016/09/12 22:27
映画の評判も良かったような…
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
と、今頃読んでみました。
沖縄本島から更にちょっと行った離島
青い海と白い砂浜、犬とたわむれる、心美しい青年!
とはいえ、現実は、きれい事ばかりではなく…
「ひとりでも生きていけると思っていたのに…」
という、主人公のナイーブな魅力にやられました
2017/05/28 22:13
もっと続いて欲しかった
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
強引な設定で、笑いにぐいぐい引き込んでくれた作品の最後にしては、随分、あっさりだったな~と、ちょっと残念。
3兄弟の行く末も、結末も平凡で、急いで終わらせた感じですね
アシガールの方の続編に期待します
紙の本家庭で作れる北欧料理 スウェーデンの家庭で毎日食べているおいしいレシピ
2016/11/19 23:38
他国の文化は料理から
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
北欧ミステリーにハマっているので、作中に出てくる料理はどんなものか?と、読んでみました。
やはり、寒い国なので、食材が少なく、保存料理が多いという事情もありながら、食事を楽しむ様々な工夫があり、「おじいさんの栄誉」「ヤンソンさんの誘惑」などという名前の料理があったり、木曜日には豆のスープを飲む習慣があるなど、文化も知ることが出来て、小説も、より楽しく読めそうです。
2021/03/04 00:12
あっという間に50巻
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
よく練られたストーリーで、読み応えがありました。
シリーズ50巻の中でも、やはり、何度も読み返して楽しめるのは、ほんの数冊で(もちろん、エピソードなど楽しめる部分は多いですが)、その数冊に入れられる作品かと
あとがきの作者近況紹介では、コロナ禍で、ほとんど外出ぜず、ファンとの座談会もおこなわす、孫とも会えず、、というのを知り、おんなじなんだなあと、当たり前のことに気付き、いつもより作者が身近に感じられました。
執筆に夢中になってる間は、嫌な事も忘れられたとか
自分もコロナ禍での読書は、本当に励みになってます
次巻の出版も首を長くして待っていますので、頑張って欲しいです
紙の本円卓
2015/10/13 22:19
哲学する少女が可愛すぎ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
心洗われる子供の成長物語…なんだけど、野性味たっぷり! 真夏の…こてこての大阪の…大家族が…狭い家で暑苦しく暮らしている…なのに、そこはかとく雅な言葉遊びがあったり、哲学の香りも同時に楽しる異色作
紙の本氷の家
2015/08/30 01:31
強い女性物
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ミネット・ウォルターズの作品には、強い女性が登場することが多く、いつも、読後、爽快感を感じるが、自分としては、この『氷の家』に登場する3人の女性たちが、一番面白いと感じる
物語は、性格も境遇も違う3人の女友達が同居している大きな屋敷で、身元不明の遺体が発見されるところから展開する
無知と偏見に囚われたイギリスの片田舎の住民たち
そして、いささか強引な捜査をする警察の圧力
そんな中で、孤軍奮闘する女性たちの戦い振りがそれぞれ見事で、常に緊張をはらんだ会話や駆け引き…真実を語っているのは誰なのか?と、最後まで迷わされ、飽きずに楽しめた
紙の本通い猫アルフィーのはつ恋
2016/09/10 22:04
シリーズ2作目
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
相変わらずアルフィーの優しい心にやられるわ~
今回は、勇気が大切!って、とこでしょうか…
アルフィーの初恋は、前途多難な始まりです
紙の本若冲
2015/12/27 17:14
鳥獣花木図屏風は、こうして生まれた…のか?
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今の時代、江戸時代の日本画家で、彼ほど多くの人に親しみを持たれている画家は少ないであろう。
もちろん小説なので、物語ではあるものの、歴史学者である著者の作品は、実在の人物も多く登場し、きっとそのとおりだったのでは?と、思わせる臨場感があり、面白い。
作品中の若冲は、奇矯な作風でありながら、その画力により、多くの愛好者に恵まれている。
しかし、生き方不器用で、自分の内に籠り、ひたすら絵にのみ生きた末にたどり着いた境地があの絵か…と、思い起こせるのも感慨深い作品だった。
2015/11/17 20:44
楽観的か?悲観的か?
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
原題は「Rainy Brain,Sunny Brain」で、その二つの考え方について書かれているのは間違いないけれど、決してhow-to本ではなく、過去から現在に至るまでの、心理学と脳科学の両方の実験結果の説明が多くを占めていて、この一冊を読むと、脳全般に渡っての知識が豊富に得られます。もちろん、タイトルの答えは得られますが
2015/09/24 19:52
会いたくなる人
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
素晴らしい作家に出会えた!と思ったら、その人は既に故人だった…ということが、よくある
若くて才能がキラキラ輝くような作家も沢山いるけれど、やはり、長年「言葉」と格闘してきた人々には敵わない何かがあると思う
この「米原万里特集号」は、彼女の追悼であり、本人の文章は少ないが、それでも対談や、交友のあった人々の言葉から、彼女がいかに真剣に(しかも幼いころから)言葉と格闘してきたかが覗える
2016/10/29 00:25
それぞれなんだね
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ページ数も少なく、ホスピスで多くの患者さんを看取った体験談というより、小澤先生自身が学んだこと…という内容で、命令でもなく、説教でもなく、とってもソフトですんなり入ってくる感じでした