tixさんのレビュー一覧
投稿者:tix
紙の本処女執事
2016/02/15 16:49
純愛物です
16人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
こんな扇情的なタイトルと表紙ですが、
この作品、単なる執事受けエロエロBLではありません。
腐女子の下世話な予想を裏切る、純愛ものです。
私が今まで読んだ沙野さんの作品の中では、一番エロがノーマルかつ控えめ。
読み始めてしばらくは、これがどうやったらハピエンが望まれるBLとして
評価の高い作品になれるのか、見当もつきませんでした。
しかし、そこは沙野さん。
巧みな構成で無理なく運ばれた先は、予想以上に素晴らしい着地点でした。
読後感も良かったので、世間の評価が高いのも頷けます。
紙の本天国に手が届く
2016/02/13 20:31
ノンケ同士なのに説得力がある
9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
登山に関する描写が詳しいので、
お仕事BLに通じるような骨太感があります。
BL読者にとっては不案内な分野にも関わらず、
説明過多な文章にならないような配慮があり、
登山に関する知識が、エピソードを読む間に自然に入ってくる感じで、
大変心地よく読めました。
さらに、登山なんてしたこともないのに、
山に登ったときの爽快感がわかるような気分にまでなってきます。
ノンケ同士の恋愛なのですが、
山好きな主人公(受け)が、才能あふれる攻めに憧れる気持ちや、
登山において息の合うパートナーの存在が非常に得難いものであることが、
読者によく伝わるように上手く描写されており、
互いに惹かれ合う二人の気持ちに説得力を与えています。
恋愛というよりソウルメイトじゃないか?
と思うほど、引き合う理由のある二人の先行きが気になり、
とても話に引き込まれました。
電子書籍深呼吸 plus story ~単行本未収録短編集~
2016/06/29 08:24
本編読者必読
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「深呼吸」本編だけでは両思い後の甘いやりとりがほとんど読めず、
甘々後日談が載っている、小-b付録の小冊子が読みたいと思ってました。
こちらの電子書籍は、後追いファンにも優しく、
くだんの小冊子収録の短編二編に加え、
イベント限定本(or 抽選販売)「Libre Premium2011」掲載の掌編
および、同人誌ペーパーの掌編の合計四編が収録されています。
いずれも甘々な内容で、時系列的には、
【本編の前半と後半の間にあたる掌編】
【本編直後にあたる掌編】
【本編から三ヶ月後、榛野の帰国時の短編】
【榛野の帰国から半年(同居して半年)後の短編】
になりますので、糖分補充・本編補完効果は完璧です!
「深呼吸」を読まれた方は必読の一冊だと思います♪
2018/08/15 10:00
悪い大人と一途で可愛い受け
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
受けが可愛すぎて萌え転がりました〜!
吉田さんお得意の『悪い大人と一途で可愛い受け』
病んでる一歩手前のような二人の関係の危うさに目が離せない。
年下なのに攻めの要求も葛藤も
すべて柔らかく受け入れる受けの愛が本人は意識せず深い。
受けが一旦自宅に帰る時のシーンはうるっっ…と来た
カーテンのピンク色を互いが
『相手に似合う』と思ってるというシーンも興味深かった。
紙の本恋は異なもの味なもの
2016/02/15 14:08
存分に楽しめたラブコメ
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
学生時代の知人が、陸自の音楽隊員(28歳)と
商社の営業マン(28歳)として再会するラブコメ。
商社マンは見栄えが良く軽薄なタラシで、
音楽隊員はちょっと浮世離れしたようでありながら
リアリストという不思議キャラでした。
主に商社マン視点なのですが、
時折音楽隊員視点が入るので お互いの気持ちがわかりやすく
受攻が最後まではっきりしないので、展開が気になり
余計に話に引き込まれます。
ストーリーのテンポも良く、キャラも魅力的で、オチも好みでした。
商社マンがオペラの登場人物に喩えられて揶揄されたり、
オペラのアリアやエピソードが上手に作中で使われているなど
小技も効いていて、とても面白かったです。
紙の本ダブルウルフ
2018/09/13 17:45
柔軟性が高い!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
表紙左の黒谷視点で、表紙右の白丘のことを
高校生の頃から可愛い、触りたい・・・と狙っているので、
白丘が受けなのかな~と思ったら、
実は白丘も黒谷が好きで、黒谷を抱きたいと思っていた・・・と。
これはマウント争いかな?
と思ったら、白丘が自分を抱きたいと知った時の黒谷の反応
「それもやぶさかでない」
黒谷、なんて柔軟性が高いんだっ!
マウント争いより百倍くらい萌えました。
黒谷は包容力あって色っぽいし、白丘はわんこで可愛いし、
どこがウルフなんだ・・・?ってちょっと思いましたが
ラブラブ美形カップルに癒されました。
黒谷はめっちゃ開発されてましたけど、
せっかくだから、リバってもいいのに・・・
電子書籍嘘つきは紳士のはじまり
2017/06/28 16:25
続編楽しみ!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
医学部の教授×学生。
初めて読んだ作家さんでしたが、非常に良かった♪
途中で挟まれてる過去編はじわりときました。
こんな煮ても焼いても食えないような攻めにも若い時はあったんですね…。
ズルい攻めの後退する額まで愛おしみを覚えました。
紙の本恋ひめやも
2016/02/18 16:31
地味だけど秀作
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
前半【いつか終わる恋のために】は雑誌掲載作品で一人称攻め視点。
ノンケで婚約者もいる棚橋が、同性である水原にゆるゆると惹かれて行く様子が
いかにもありふれていそうな日常の中に描き出されています。
一目惚れではないのですが、巧みな心情描写からは
自分でもコントロール出来ない感情の存在が確かに感じられ、
恋は理屈じゃないと、すとんと腑に落ちました。
後半【恋ひめやも】は書き下ろしの受け視点。
前半で婚約を解消して受け一筋になった棚橋と、
元カレときっぱり関係を絶ち、棚橋に寄せている好意を認めた水橋。
けれども水橋は、棚橋と恋人関係になることだけは、頑に拒み続けますが・・・。
同作家さんの他有名作品と比べると、設定などは地味ですが、読んでよかったと思った作品です。
紙の本恋愛前夜
2016/02/13 20:17
幼馴染同士の恋
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
幼馴染み同士の恋愛ものです。
前半は攻めが一方的に告白して別離まで。
後半は恋を自覚した受けが、
一年半後に攻めを追いかけて上京してくっつくまでの話。
後半ではキャラの立った憎めない感じの当て馬が出てきます。
攻めは、そっけなくてぶっきらぼうなタイプなのに
『(当て馬を)大事にしたいと思ってる』とか言って、
受けの見てる前で当て馬を大切にしてます。
(当てつけではなく、本気なんです。。)
前半で『……死ぬほど好きだ』って受けに告白した攻めの
そんな姿を見て、私は確実に受けよりショックを受けました(笑)
それにこの当て馬、主役級の存在感と不器用な可愛らしさがあって
『この当て馬と別れるの難しくない??』
と、こっちが心配するくらいの魅力があるんです・・・。
受けと一緒になって本気であたふたしてしまいました。
まぁ、そんな規格外れなくらい魅力溢れる当て馬と、
攻めの意外なふらふらのおかげで、
元サヤでくっついた時の喜びはひとしおですw
紙の本灰とラブストーリー
2016/01/30 22:16
灰がキューピッド
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
いわゆるツンデレ受けで、大人でちょっとムッツリな攻めが
とても上手な対応で受けを掌の上で可愛がりますが
ごくたまに、余裕がなくなって振り回されちゃうときもあるという、
攻めにも可愛いげのある話です。
受けは美形で女にもてるわ、仕事はできるわで、
しかも気が強くて意地っ張りな毒舌です。
最悪な出会いから恋に発展という王道展開ですが、
面白くてスルスル読めました♪
鹿児島が舞台の作品で、火山灰がキューピッドです。
この灰がキューピッドであり、受けの仕事にも絡み
全編で実に良い味出してますし、噴火や降灰の話自体がとても面白い。
鹿児島に行ってみたくなりました。
紙の本誓約の代償 贖罪の絆
2018/09/10 08:17
もふもふシリーズ二作目
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
おおよその顛末は知っていましたが、
それでもボロボロと、
主に、ギルの切なさに同情して涙しました。
皇孫ギルレリウスと体の弱い聖獣リュセランの物語ですが、
時系列は一作目と同時進行で交互視点。
一作目を読んでいた時は、
・リュセはギルが元々好きではない。
・繭卵のリュセに選定の儀で選ばれたのはヴァルでギルは横取りした
と思っていましたが、
真実は異なり、ギルに情状酌量の余地ありすぎっ!
一作目でネタバレしてるように、
リュセは魔獣に斃されて死んでしまいます。
そこに至るまでに、二人はどんな風に仲違いして、
互いにどんな気持ちを抱いて最期を迎えたのか、その過程が気になって
結末を知っているというデメリットは読書中ほぼ感じませんでした。
電子書籍見せかけ俺さまくん
2018/08/15 09:59
健気な一途受け
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
容姿に恵まれたみんなの人気者の王子様(童貞)が、
高校の同級生にずっと片思いしていて、
気持ちを隠したまま攻めのセフレになり、やがて恋人になるというお話。
健気な一途受けの心情と言動が可愛くてきゅんとした。
電子書籍鍵のかかる部屋
2016/03/22 17:32
濡れ場は見せないのにエロい
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
紺野けい子さんの短編です。
ゲイ同士、大学の同級生の再会ものです。
短編ですが、話は過不足なく綺麗にまとまってるし、
濡れ場は見せないのに、すごくエロチックだし、いい作品でした。
また、紺野けい子さんの作品が読めたらいいのに・・・。
紙の本聖夜
2016/02/15 12:46
二人のハピエンが嬉しい
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
始まりの舞台は札幌。二人は中学〜高校の同級生です。
受けの親の離婚によって17歳で離ればなれになり、27歳で東京で再会。
でも攻めには婚約者、受けには不倫の末に妻子と別れてくれた恋人、
とお互いの他に大切な人がいます。
再び惹かれ合うものの一緒にはなれず、また別離。
さらに十年後に攻めが受けを追いかけて再会・・・というお話。
ちょっとだけ出て来る17歳の思い出が苦いくらいの青さなのに対し
27歳のとき、相手を愛しく思う気持ちが
大人の理性で押さえられてるのが切なくて引き立っていました。
で、37歳のときの再会の舞台は沖縄なのですが
全てを諦観していた受けが生命感溢れる土地のおかげで生き生きと変化していて、
ハッピーエンドの幸せ度倍増でした。
旧版では二十年愛ですが、
新装版では書き下ろしでさらに十年後(三十年後)の二人がありました。
養子縁組絡みのSSでしたが、、
あまり深刻だったり激しかったりすることはなく、優しいお話でした。
紙の本上海金魚
2016/02/15 12:38
しっとりした良作
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
あらすじから、身体先行のちょっと俗っぽいお話なのかな〜と思っていたのですが
いえいえ全然。。
温かで誠実な人柄の滝乃が、無垢で繊細な水端の傷ついた心にそっと寄り添い
相手に気負わせない優しさでその気持ちを解し、
自然に距離が縮まって行く・・・
浮き足立ったところもなく、しっとりと展開するお話でした。
とは言え、滝乃は温かで誠実なだけが取り柄のつまらない男ではありませんw
実に察しが良く、物慣れていてスマート、精神的にもとても大人ですが
人を楽しませながら自分も一緒に楽しめちゃうような少年らしさもあり、
何事もポジティブに捉え、(ストレートなので)女性経験も豊富です。
滝乃は初めから水端を色恋の意味で好みだと思いつつも
そういう打算抜きで水端に上海での時間を楽しませようとし、
滝乃を男性として意識してなかった水端は、
滝乃と過ごす時間の心地よさに、次第に彼に惹かれて行きます。
ノンケ×ゲイのお話ですが、互いに惹かれていく様子が自然に思える良作でした。