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sakさんのレビュー一覧

投稿者:sak

5 件中 1 件~ 5 件を表示

ハウスメーカーにしっくり来ない方&建築を志す高校生大学生へ

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読了して最初に考えたのは「ぼくらの家」を読んで、何年後かに一番読んで良かったと体感できるのは誰か?ということ。それがレビュータイトルになっている。
「家を買う」に違和感ある方、ハウスメーカー回っても回ってもしっくり来ない方、注文住宅なはずなのになんかパッケージぽいなぁと感じてる方、土地はあるのに形や場所が悪い方、拘りと予算のバランスが取れてない方、建築家と対話したい方などパッといくつも思いつくこんな方々は読む価値ある。
また建築を志す高校生大学生はP.246の「おわりに」だけでも目を通してほしい。
「家を手に入れる」ことは多くのクライアントにとって人生で一度きり。著者であり建築家の光嶋はクライアントからの依頼を人生の”ハレ”の舞台で仕事し「幸福のおすそ分け」してもらってると感じると書いている。そんな”ハレ”の8つの家と未来の自宅が構成となっている。
 そんなこの本の特異なところのひとつめ、各クライアントからAnswerが章末にあること、ふたつめ各章で目線が変わること。建築家目線ではなく「家」「ネコ」「石」「娘」「息子」「炎」目線である。
ひとつめがあることで建築家からだけな書き方にならなくクライアントの本音が分かること。
ふたつめは敢えて目線を変えることで客観性を担保しつつ建築家として伝えたいことを代弁させることで腑に落ちやすくしている。

「家」が漠然とでも頭にある方は、もし本屋で手に取れるなら、各章末のAnswerSong(特に第二章にあたる祥雲荘から)だけでも読んでみて欲しい。(第一章の凱風館は思想家内田樹自宅兼道場で別枠)そこだけでも読めば買って読む価値があると分かるはず。
そして「家を買う」のではなく建築家と二人三脚で「家を建てる」ことに興味を持つはず。

建築家や個人の設計事務所はネットの普及したこのご時世ではそんなに敷居が高くはない(ちゃんとホームページで家を公開してくれてる建築家が多い)

「家」は《ハウスメーカー》や《建売》で間取りを見て「買う」のではなく「自分で建てる」という選択肢を持てたならこの本を読んだ価値は十分にあると思う。

建築を志す高校生大学生は、受験や卒論修論、資格試験の先にこそ学ぶことがあるのが伝わると思う。それを明記することなく伝わるのは本書の良いところだと感じる。

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紙の本はじめての沖縄

2018/06/19 20:31

元在沖ナイチャーとして

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2018/5/27【はじめての沖縄】刊行イベント@ABC岸政彦&温又柔(敬称略)の備忘録も兼ねて

在沖4年を超えて5年目を迎えた時に刊行された【はじめての沖縄】を読み、なぜ刊行イベントに行こうと思ったのか。もちろんこのイベントのタイミングで沖縄→川崎に戻ったので物理的に行けたのもある。ただやはり沖縄赴任中に”沖縄で”岸さんを知って著書を3冊買い今回の【はじめての沖縄】を読んで、自分が沖縄の言語化できなかった部分、ラベリングで逃げた部分を言語化されていたからだ。

もし本屋で手に取ることがあったらぜひ序章だけでも読んでみてほしい。【はじめての沖縄】というタイトルなのにベクトルは180度逆を向いている。言葉が分からなかったら自分でググるなりしながら読み進めてねとある。実際スマホ片手に何度もググった。在沖4年程度だからしょうがない。でもこの能動的に調べる行動が親切な脚注付の本よりも、この本を深い理解へ誘う。
岸さんは”沖縄”を”知ってほしい”わけでなく”理解してほしい”わけでもなく、”沖縄”に対し”考えてほしい”し”そのまま受け入れてほしい”のだと受け取った。

”考える”ことや”そのまま受け入れる”ってめんどうなのではないかと感じた方はその通りで岸さんみずから「めんどくさい本」と書いている。「私」「私たち」「ナイチャー」「ウチナンチュ」「境界線」からひとつひとつ言及していく。でもこの序章が終章まで読むなかで積み重ねる思いの最下層として支えることになる。

本書は全10章で構成され全章に書きたいことはあるが、とくに第7章にあたる《ほんとうの沖縄、ふつうの沖縄》が印象にのこった。
温又柔さんからはものすごくキモいと一刀両断された(笑)エピソードに始まり、沖縄について語りがたがるナイチャーへつながる。自分もこの語りたがるナイチャーのテンプレートだ。『内なる他者』『沖縄を持て余している』『それは反転した日本』キーワードが連発するP.174-175。刺さりまくりである。
”久茂地のビジネス街”でウチナンチュ相手に仕事をしていたので、否応なしに『ふつうの沖縄』に接していた。転勤で在沖になったので『ほんとうの沖縄』を探すことはなかったが、沖縄病患者目線での沖縄らしさが失われつつあるのはよくわかる。内地よりハイペースで飲食店が出来て、ハイペースで消えを繰り返すゆえに新店へはよく飛び込んだのが懐かしい。『ふつうの沖縄』が見えてくると沖縄への見方が変わる。『そのように世俗的に語らなければならない』(P.187)はよくわかる。

そして終章【境界線を抱いて】
『どう語っても政治的になってしまう』(P.240)『私たちは、沖縄について、「単に正しいこと」を述べることが、とてもむつかしいのだ。』(P.241)
自分は沖縄について知れば知るほど語れなくなった。『ここでは、「中心と周辺」という関係が、幾重にもねじれたまま重なっている。』(P.241)のが分かってしまった以上、後から沖縄に赴任した同僚の言葉に歯切れよく返せなくなった。知らないほうが歯切れがいい。
だが著者は『語らねばならない。』(P.248)と言い切る。考えることが求められる。そう『めんどくさい』(P.16)のだ。
『沖縄の独自性を、単なるラベリングやイメージに還元しないこと。』(P.249)と『できるだけ世俗的に語ること。』(P.249)を著者はいう。


この本は沖縄に関わる方、関わりたい方、色んな方に読んでもらいたい。ただ自分としては在沖、元在住のナイチャーが一番刺さるのではないか。特に沖縄病全開で沖縄へ移住して、本土に帰ってきてしまったナイチャーはご自身の心の整理も兼ねてお勧めしたい。

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紙の本半年だけ働く。

2018/01/06 19:52

20代の会社員や大学生は読んでみてもいい

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タイトルは半年だけ働くだが、この本の本質はそこにはない。会社員として給与を貰う立場でも社内的に評価を得るには社外からの評価が高い方がいい。つまりいつ辞めてフリーで働けるスキル、考え方は持っていた方が結果として社内評価も上がる。身の回りも考え方もミニマムにすることで時間単価の最大化、選択と集中の話。真似が出来るかというと真似を出来る訳ではないが、この本の10%でも20%でも真似れるところから真似るのは社会人として必ずプラスになる。

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「家を買う」と言ってしまう方々にこそ読んでほしい(建築の学生は必読で)

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◆家を「建てますか?」それとも「買いますか?」
「これからの建築」の最終章には沖縄が出てくる。建築家なのに「アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)」の全国ツアー舞台設計を著者が担当したからだ。標題に沿わず、なんで沖縄から話をするかというと自分が転勤で関東から沖縄に来ているから。
産まれてから40年以上内地(本州のこと)に住んで、マンションも購入して、沖縄に異動になり暫らく住んで気づいたことがある。持ち家についてだ。内地にいるときは「家を買う」という表現をしていたし実際に買った。沖縄に来たら皆「家を建てる」という。最近はマンションも増え建売も増えてきたとはいえ「家は建てるもの」。沖縄は「設計事務所」へ頼むハードルが日本一低いとこの後知った。
逆に内地時代は家を建築家に頼んで建てている方は殆ど見なかった。大手ハウスメーカーやデベロッパー、建売業者が強いから。よほどの拘りがないと建築家に頼まない。でも社会学者の岸政彦さんが「愛と欲望の雑談」で「もう一軒建てたいほど家作りは楽しかった」と。建築家と自分でやった家作りは、一年論文を書かなかったくらい楽しいらしい。
自分は建築業界で働いてないけど、次があるなら建築の知り合いに設計を頼みたくなってきている。

◆「建築は身体性がベース」
この本を読んで受け取ったメッセージはこれになる。著者は建築物をスケッチすることで身体を通して咀嚼している。頭でっかちにならないよう、血や肉にするために手法としてスケッチし、記憶のトリガーにもしている。
著者は数百のスケッチがあるというが、それだけ世界各地に実際に足を運んでいる証左。スケッチを通し設計を身体に染み込ませているからこそ、クライアントから依頼された設計のその土地のイメージを多く馳せることが出来る。
自分たち設計を依頼するクライアント側としたら設計する建築家の抽斗が多いことはどれほど安心できるか想像に容易い。
「そのひとの住まう空間は、そのひとの身体の延長である」(P.50)のあるよう設計するために、設計を依頼した建築家と対話を重ねることになる。建築家が欲しいのは「設計のためのパラメータをなるべく増やすこと」(p.187) クライアント側のパラメータを増やせるだけ増やしてくれて、設計することで調和してくれることが建築家に設計を依頼する最大の理由だし醍醐味になると思う。
この部分が大手ハウスメーカー、デベロッパー、建売と真逆な部分になる。こちらではクライアントではなく(マンションを買った自分も含め)カスタマーであり、選んでいるようで選んでいない。建築家と違いここが真逆でパラメータを限りなく少なくし、3つのパラメータ「立地・価格・間取り」だけで判断させて「買わせて」いる。
この本は、つい「家を買う」と言ってしまう、「立地・価格・間取り」だけを見てしまう方々へ、「買う」前に関わる家族皆で読んで「買う」のか「建てる」のかを家族で話し合うための良い題材になる。
何千万円かの人生最大の買い物の前に、2千円弱払うのは安いものだと思う。

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紙の本愛と欲望の雑談

2017/01/10 14:41

続編がありえないことが残念な雑談

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岸政彦さんと雨宮まみさんの雑談。本当にただの雑談。最高に楽しい雑談。もう二度と続編がでることのない雑談。岸政彦さんも雨宮まみさんも知っていたけど買ったことも読んだこともない方が信頼しているミシマ社からコーヒーと一冊シリーズとして刊行されたので購入。お互いの第一印象が冒頭にあるのだけど、会話がしっくり噛み合って初めて会ったとは思えない。
この雑談が面白すぎて、岸さんの本、雨宮さんの本を何冊か購入。ただ積読にしているうちに雨宮さんが亡くなるという。この本が雨宮さんの遺作となるとは読んでいるときに思いもしなかった。この雑談の続編を読みたかった。

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