shauさんのレビュー一覧
投稿者：shau
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紙の本
2019/02/09 19:58
美味しい。けど苦い。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
これが70年以上前に書かれた本という事が信じられない。
非常に分かりやすい所もあれば、難解で飲み込むのに時間がかかったり、
何度読んでも素養が無ければ理解しがたい箇所もある。
というのは、「グローバリズムは良いことだ」という頭脳の持ち主には、耐え難い事が書かれているからだ。
大学で学んだ経済学は何だったのか…
学費を返せと言いたい。70年以上前のこの本一冊で論破出来るものを
何十時間もかけて高額の授業料を払って教わってきたのだと考えると、
本当に無駄な時間だったと思うしか無い。
本のレビューというより間違った進路を選んでしまった後悔だが、
この本はそういう「気付き」が無数にある。世に流布する「常識」を疑う事が大事だと、
気付かせてくれる。
この本と、オルテガ・イ・ガセットの「大衆の反逆」は共に読むべき古典の名著。
福澤諭吉や伊藤仁斎らと共に、本棚に一冊はほしい所。
紙の本
2017/09/29 04:21
本書に解決策を求める人は間違っている
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
各所で絶賛されているのも頷ける。
両者が対談本を出すのは5年ぶりだと思うが、当時語っていた未来予測が全て的中しているのも凄い。
まずはじめに本書を買おうかどうか迷っている方には以下のとおり伝えておきたい。
本書や著者二人に「解決策」や「処方箋」を求めないでいただきたいということ。
そもそも、問題提起をする本書に対して「じゃあどうするの」みたいな反応は的外れであると言っておきたい。
経済が不景気だから一般家庭で「節約する」という至極真っ当な行動を、国家にも当てはめて考えるような人は、危険である。
国家と個人は違う。国家と企業は違う。
いわゆる「合成の誤謬」だが、それを理解しているのなら、「じゃあどうするの」とはならない。なぜか。
マクロ環境とミクロ環境では物事を考える際の道筋が異なり、それを解き明かすのがマキャベリを始祖とする「社会科学」の大使命だからだ。
つまり、「解決策なんて存在しない」のだ。
国家は複雑で、だからこそ知恵を絞って考えないといけない。
そこを理解した上で、現状に対する認識を深めるためにも、読まれることをおすすめする。
きっと、自分自身の絶望が足りないのだと、はっきりするはずだ。
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