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林田力さんのレビュー一覧

投稿者:林田力

17 件中 16 件~ 17 件を表示

紙の本

ボトムアップの政治

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宮下英樹『センゴク一統記 6』は山崎の合戦が始まる。理想を掲げた明智光秀と手段を選ばない羽柴秀吉の対決である。今後数百年の民のあり方を規定する戦いと説明される。秀吉が勝利したことは日本の民衆にとって不幸である。光秀が危惧したように、お上に依存する国民体質が出来上がった。
光秀の理想はボトムアップの政治である。民が村の代表者を出し、どんどん上位に代表を出していく。民主主義であるが、日本の民主主義は皆の決めたことに従うという上から下の発想が強い。明智光秀のボトムアップの思想は日本で最も欠けているものである。このボトムアップの思想は、トップダウンの指導者であった信長を倒すことと一貫する。
光秀は自己の理想を貫くために自治の町を戦場にすることを避ける。手段を選ばない卑怯者ではない。光秀が軍を引いたために秀吉は無傷で町に進駐する。秀吉は町人に対して平和的に進駐したかのように振舞うが、光秀が軍を引かなければ町を戦場にするつもりであった。秀吉の偽善が腹立たしい。
前半は明智軍が優勢である。ここは史実と同じであるが、羽柴軍は敗北を意識するほど浮き足立っていた。逆に明智軍に謀反人という後ろめたさは皆無であった。織田信長を倒した軍として勢いがあった。
秀吉自身、気持ちが折れそうになっていた。しかし、最後に秀吉が気持ちを奮い立たせ、前進する。兵達も秀吉についていく。ここで次の巻になる。発奮することで逆転勝利する展開が予想されるが、それではあまりにベタである。やる気を見せることが重要という昭和の精神論根性論に陥ってしまう。もっと新たな要素を期待したい。

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紙の本

紙の本銀行総務特命 新装版

2020/11/29 10:26

不祥事処理を担当する総部部特命

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銀行の不祥事処理を描くビジネス小説。不祥事処理を担当する総部部特命担当が主人公。私は顧客に価値を提供することがビジネスという感覚があり、公務員的なスタッフ部門の仕事に感情移入しにくい。

このような設定が支持されることは、推理小説が人気ジャンルであることと同じ理由か。日本人は顧客に価値を提供することよりも、目の前の問題を解決することに熱くなる傾向が強いのか。

人事部と総務部の縄張り争いが描かれる。グローバルなマーケットで顧客から選ばれることが求められる中で、そのようなことをしている場合かと感じてしまう。公務員的価値観が跋扈するならば日本社会の後進性を示すことになる。

主人公の敵側からは総務部特命の調査が過剰であり、それが圧力となって不祥事が起きたと批判される(303頁)。この論理自体は共感できる。公開されたルールに基づいてではなく、総務部特命という権力が恣意的に調査することは昭和的である。主人公を陥れるためにこじつけられたものであるが、主人公側に感情移入しにくい。

銀行の支社長が殺されそうになった事件で刑事が冷ややかに言う。「法律の上で問題なくても、人として許されない行動ってのはあると思うんです。そういう事をして気づかないのは特に銀行さんみたいなエリートに多いんじゃないですか。感情を踏みにじったとしても、銀行の記録には残らない。そして本人も自分が殺されるほどの恨みを買ったとは思っていない」(323頁)。これを刑事が言うかという感じである。こえは自分達の点数稼ぎと保身しか考えない平目公務員の警察官に言うべき台詞だろう。

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