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林田力さんのレビュー一覧

投稿者:林田力

17 件中 1 件~ 15 件を表示

電子書籍

電子書籍鬼滅の刃 6

2020/11/28 18:09

ダイバーシティの鬼殺隊

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

吾峠呼世晴『鬼滅の刃 6』は那田蜘蛛山の戦いの後始末から鬼殺隊柱合裁判、鬼舞辻無惨のパワハラ会議が描かれる。この巻までがアニメ第一期の範囲である。鬼殺隊最高幹部の柱が勢揃いする。奇人変人揃いである。那田蜘蛛山編終盤での富岡義勇と胡蝶しのぶのディスコミュニケーションは面白い。
昭和の日本型組織は、以心伝心の同質性あるメンバーの団結を強みとする傾向があった。しかし、ダイバーシティの21世紀は多様性が強みになる。それを反映した作品である。柱は、お館様を敬愛するが、納得できない言葉には正面から反対する。この点も昭和の日本型組織の上意下達とは異なる。21世紀の発想ではダイバーシティのある組織の方が危機に強い。
ダイバーシティ重視は剣士の育て方にも反映しているだろう。チームプレーを育む教育がなされていない。集団主義的な日本の教育の真逆である。これも個人主義が進展した時代を反映している。鬼殺隊の最終選抜試験は生き残ることが目標である。強敵と出会わずに逃げ回っていても良い。それが善逸やサイコロステーキ先輩も合格した要因だろう。
ダイバーシティの観点では女性の活躍も目立つ。鬼殺隊は女性も剣士として最前線で戦っている。これは『進撃の巨人』と重なる。鬼や巨人という人間よりも強大な存在が敵になると、男女の差は小さなものになるということだろうか。もしくは女性の社会進出が進んだ21世紀の現代社会の反映だろうか。
鬼舞辻無惨のパワハラ会議は衝撃的であった。これによって主人公達が下弦の鬼を一体一体倒していくよりも物語のテンポを速めることになった。
私はボスキャラのイメージは『ドラゴンボール』のフリーザが強い。フリーザは丁寧語を話すボスキャラとしてユニークな存在感を放ったが、『ドラゴンボール』の影響は圧倒的であり、逆にボスキャラのイメージになった。このイメージは『BLEACH』の藍染惣右介の台詞「あまり強い言葉を使うなよ。弱く見えるぞ」につながっている。
このために鬼舞辻無惨のような理屈が通じない理不尽なボスキャラが描かれると、化け物的な存在とする演出だろうが、小物と感じてしまう。『ONE PIECE』でもビッグ・マムやカイドウという理不尽なボスキャラが登場している。ブラック企業経営者が社会悪として広く認識されるようになったためだろうか。
『鬼滅の刃』の魅力の一つに炭治郎の緑と黒の市松模様のようにキャラクターが分かりやすいデザインを持っていることがある。逆にキャラクターの衣装と同じ模様の服が『鬼滅の刃』の流行で着られなくなったとTwitterで報告され、話題になった。
『鬼滅の刃』は人気絶頂時に連載を終了した。そこから連載終了の理由を話題にする向きがあるが、物語が完結したから終了した。この上なく明確な理由である。むしろ商業的な事情からダラダラ引き延ばす作品の方が問題である。人気のある『鬼滅の刃』連載終了に違和感を抱く人は、業界の悪しき常識に毒されているのではないか。業界の空気を読まない作者は素晴らしい。

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電子書籍

新鮮

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転生物の悪役令嬢物の漫画である。転生物の悪役令嬢物は悪役令嬢に転生した主人公が過去の悪役令嬢と異なる言動をすることで周囲の反応が変わる。このギャップが面白い。悪役令嬢物の典型は、良い方向に言動が変わる。この結果、悪役令嬢が攻略対象の王子から愛される展開が定番である。これに対して本作品は悪役令嬢の言動が王子をお仕置きするサディスティックな方向に変わる。この発想は新鮮である。

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電子書籍

電子書籍鬼滅の刃 7

2020/11/28 18:06

我の強さが役に立つ

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吾峠呼世晴『鬼滅の刃 7』は無限列車編が始まる。炭治郎と善逸、伊之助、炎柱・煉獄杏寿郎が無限列車に乗り込む。善逸は弱虫であり、伊之助は猪突猛進である。二人とも騒がしいばかりで話が進まないために、あまり好きになれなかった。二人の我の強さが無限列車の戦いで役に立つ。扱い難いくらいの強烈な個性を持っていることが強みになる。ダイバーシティの21世紀を反映した作品である。
ゆうきまさみ『機動警察パトレイバー』では内海の希望でバドはワガママな性格に育てられた。このバドの性格は内海の陰謀の足を引っ張る要素になった。これは20世紀的な限界だろう。
無限列車編を描いたアニメ映画は大ヒットした。あっという間に映画興行収入は百億円を突破し、煉獄杏寿郎が百億の男になった。週刊少年ジャンプ連載漫画のアニメ映画はオリジナルストーリーが定番である。『鬼滅の刃』映画のヒットには原作を映画化したことも一因だろう。アニメ映画オリジナルストーリーは、どうしても子どもっぽさが出る。その子どもっぽさは当の子ども達にも敬遠されがちである。

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電子書籍

電子書籍鬼滅の刃 10

2020/11/28 18:03

昭和の精神論根性論を否定

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吾峠呼世晴『鬼滅の刃 10』は遊郭編の続き。炭治郎は怒りから驚異的な力を発揮する。しかし、怒りだけで勝てないという現実も描く。既存のバトル漫画では窮地に陥っても精神力で何とかする展開が多かった。その種の昭和の精神論根性論を真っ向から否定する。21世紀の日本で『鬼滅の刃』が大ヒットすることは日本社会が昭和の精神論根性論から抜け出しつつあることを示す。
炭治郎は上弦の鬼にあと一歩というところに見えた。那田蜘蛛山編ではヒノカミ神楽で覚醒しても下弦の鬼に勝てなかったことを踏まえると、結構早く上弦に鬼に通用するようになったのかという感覚になる。ところが、まだ先があった。展開が奥深い。
音柱・宇随天元は当初、滅茶苦茶に感じたが、命を大事にする。旧日本軍のような無駄な戦死を否定する。封建的な日本の組織体質に違和感を持っていた。この点も昭和の精神論根性論を否定する精神が脈打っている。
伊之助は影響を受けやすい性質と説明された。このシーンは第10巻で最も笑ったところである。影響されやすいならば、文明社会で生活したら、服を着て猪の頭も付けないようになるのだろうか。無限列車では我が強いと説明されていた。影響の受けやすさと両立するのだろうか。それとも伊之助の影響受けやすさは『鬼滅の刃』が流行っているから漫画を読み始めるような一般人レベルのものと異なり、天元のような強烈な個性に対して影響を受けやすいということか。

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紙の本

紙の本新型コロナ時代のランニング

2020/11/28 17:48

ニューノーマル時代のランニングの効用

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Withコロナのニューノーマル時代のランニングの効用を説いた書籍である。2020年は新型コロナウイルス一色の一年になった。人々は感染防止からStay Homeの時間が増えた。このマイナス面として運動不足がある。その解決策としてランニングを提案する。初心者がランニングを継続できる方法も紹介する。
本書で好感を持てる点はニューノーマル時代を肯定的に捉えていることである。おうち時間が増えたことで「家族とのコミュニケーション、散らかった部屋を片づけること、健康づくり……。これまで気づかなかった、あるいは気づいていても忙しさで手つかずになっていたことに向かい合う時間ができた」と(3頁)。
著者はアウトドア派であり、イベントに生計を負っている面も大きいと予想される。それでも「元の生活に戻りたい」一辺倒ではない。新型コロナウイルス感染症拡大を契機としてテレワークやDX; Digital Transformation推進の機運が高まった。政府にもデジタル庁設置の動きがあり、国家的な課題と認識されている。コロナ以前から生産性向上や働き方改革からテレワーク推進やデジタルシフトは言われてきたことである。ところが、日本は抵抗勢力の声が根強く、昭和のやり方を成功体験と思い込む人々は脊髄反射的に抵抗する。抵抗勢力がのさばる日本をIT後進国との辛辣な批判もある。著者の思想の柔軟性は高く評価したい。
ニューノーマル時代は人々の価値観も変化する。コロナ以前は他人や世の中と比較して自分はどうかという相対的な物差しで優越感を抱く人が多かった。しかし、リモート生活で人との接触が減ると、他者と比較する機会も減り、優越感を得る機会も失われる。このWithコロナ時代に身につけておかなければならないものは自己肯定感である(151頁)。
この指摘には大いに共感する。高級食材を食べているから美味しいのではなく、自分が美味しいと感じるものを食べているから美味しい。値段と味は比例しない。自分が満腹と感じたら、それ以上食べる必要は感じない。飽食には価値がない。ライフスタイルや人生観についても考えさせられる書籍である。

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電子書籍

電子書籍BLEACH モノクロ版 74

2021/12/31 13:21

イチルキか一織か

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『BLEACH―ブリーチ―』のカップリングではイチルキか一織かという論争があり、最終的に一織になった。物語上のキャラクターの重要性という点では朽木ルキアである。しかし、重要な女性キャラと恋愛の分離は既に『ドラゴンボール』で実現している。同時期に連載した『NARUTO -ナルト-』でもナルサクかナルヒナかという論争があり、最終的にナルヒナになった。

井上織姫は破面篇では「あーあ 人生が5回くらいあったらいいのになあ!そしたらあたし、5回とも違う街で生まれて5回とも違うものをお腹いっぱいに食べて5回とも違う仕事をして…それで5回とも…同じ人を好きになる」との名台詞があり(『BLEACH―ブリーチ― 27』)、ヒロインしている。但し、虚圏での囚われのお姫様という受動性点が昭和のヒロイン的に逆に批判された。

しかし、『BLEACH―ブリーチ― 60』で黒崎一護の母親の過去が描かれ、それが織姫と似ていた。小説『BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU』でも夏梨が織姫は母親に似ていると言っている。これで一織が納得できるようになった。

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電子書籍

電子書籍BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU

2021/12/31 13:17

朽木ルキアと阿散井恋次の結婚

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漫画『BLEACH―ブリーチ―』のスピンオフ小説。最終回後の物語になる。朽木ルキアと阿散井恋次の結婚を描く。入籍という言葉に戦前や昭和の時代錯誤を感じる。尸魂界は江戸時代風であるため、入籍という発想になるのだろうか。

狛村左陣ら他のキャラクターのその後も描かれる。他の死神達が狛村の霊圧に気付いていても知らないふりをする点に集団主義的な村社会ではない優しさを感じる。

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電子書籍

女性研究員が18世紀フランスにタイムスリップ

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堀江宏樹原案、みやのはる漫画『ラ・マキユーズ~ヴェルサイユの化粧師~』は現代日本で化粧品会社の開発部に勤める女性研究員が18世紀フランスにタイムスリップする漫画。単行本は全5巻で、『JIN―仁―』や『信長協奏曲』などタイムスリップ長編漫画がある中では短い。ルイ15世の統治下であるが、マリー・アントワネットも登場し、フランス革命がすぐ近くである。フランス革命の激動も読みたかった。

18世紀のパリのアパルトマンは低層階が高層階よりも家賃は高かった。これは日本のマンションとは逆である。当時はエレベータのようなものがなく、上階は階段を上り下りしなければならず、大変であったためである。

しかし、エレベータのあるマンションでも上階の方が時間はかかり、不便である。タワーマンションではエレベータ渋滞も起きている。空虚なステータスで高い金を払うことは滑稽である。現代日本のタワーマンション住民よりも18世紀のパリ市民の方が消費者として健全である。

過去へのタイムスリップ物は知識面でチートになる。『ラ・マキユーズ』のリュカも化粧の科学知識がチートであるが、当時の最上級の教育を受けた人々は正体を見破っている。18世紀フランスという近代科学が起こりつつある時代のタイムスリッパーは、それほど圧倒的にはならない。

レオナールが好人物である。レオナールと出会わなければリュカは野垂れ死にしても不思議ではない。辛辣な見方をすると、主人公にとって都合の良い御都合主義的な存在となる。しかし、魅力的なキャラクターである。

『ラ・マキユーズ』はフランス革命直前の時代にファッションについて意識革命が起きたと位置付ける。タイムスリップした現代人が意識革命を触発したと描く。歴史を変えるタイムスリップ物ではなく、タイムスリッパーが行動することで知られている歴史通りになる。物語として面白いが、実際の意識革命はポンパドール夫人の影響が強いだろう。

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電子書籍

電子書籍大乱 関ケ原(1)

2023/05/20 10:08

『どうする家康』と重なる家康像

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関ヶ原の合戦を描く歴史漫画。物語は豊臣秀吉が亡くなった時から始まる。秀吉死後の家康は天下を狙う老獪な政治家イメージが強い。石田三成を手玉に取っていた印象がある。これに対して『大乱 関ヶ原』の家康は失策が多い。『大乱 関ヶ原』第1巻の刊行された2023年はNHK大河ドラマ『どうする家康』が放送されている。ピンチに陥り、「どうする」となる家康像が重なる。

秀吉死後の対立軸は天下を狙う家康と、豊臣家を守ろうとする、または自己の権力を維持しようとする石田三成と描くことが定番である。しかし、最初は異なっていた。朝鮮出兵中であり、如何に撤兵するかが課題であった。日本では軽視されがちであるが、撤退は侵攻よりも難しい。

さらに朝鮮出兵した諸大名に恩賞を与える土地がないことが分かっている。恩賞が配分されないと知った諸大名が不満を抱き、反乱を起こす危険があった。この危険を避けるという点で家康も三成も同じ立場にあった。家康も三成も本国にいた点で、朝鮮で苦しんだ諸大名から憎まれる可能性がある点では同じであった。

『大乱 関ヶ原』は仙石秀久を主人公とした大作歴史漫画『センゴク』シリーズ著者の作品。『センゴク権兵衛』最終巻では関ヶ原の合戦は駆け足で描かれた。秀久が関わっていないから簡略化したと説明することはできるが、『センゴク』シリーズでは賤ケ岳の合戦など秀久が関係しない出来事も詳しく描いていた。『センゴク権兵衛』では豊臣政権下の政治劇を描いており、秀吉死後の関ヶ原の合戦に至る政治闘争が簡略化されたことは不満があった。『センゴク権兵衛』最終巻の時点で関ヶ原の合戦を別の作品で描く構想があったのだろう。

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電子書籍

電子書籍GS美神 極楽大作戦!! 33

2023/01/14 21:35

冤罪

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椎名高志『GS美神 極楽大作戦!! 27』「暗殺のソロ!!」は誤認逮捕、冤罪が起きる。警察に任せるだけでは冤罪は解決しない。西条輝彦も冤罪被害者になる。ところが、西条は『GS美神 極楽大作戦!! 33』「疑惑の影!!【その3】」では冤罪をかけた側である。冤罪が明らかになった後は笑顔で「悪かったね、君!」と気持ちの籠らない謝罪である。お詫びの品は「インスタントコーヒー詰め合わせ」という文字通りの粗品に過ぎなかった。相手を馬鹿にしていることと変わらない。冤罪被害者の気持ちが理解できていない。

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電子書籍

神林しおりが面白い

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ギャグテイストの強い読書漫画。最初は名言漫画であった。主人公は読書を舐めている存在であった。読書漫画として発展する。町田さわ子に神林しおりが突っ込むパターンで始まったが、むしろ神林しおりが面白い。コアな読書家あるあるがある。

単行本の表紙は登場人物が迷言を話す一コマが使われている。表紙だけを見ても面白い。但し、第6巻の表紙の台詞「オドロキ」「オドラテク」は、これだけ読んでも理解できない。内容が読みたくなるものである。

『バーナード嬢曰く。5』71冊目「ストーブ」で神林は「誰かが評価したものしか評価できない人間になるぞ」と言う。値段で物の品質を判断することは、その典型である。

岡倉覺三著、木下長宏訳『新訳 茶の本』は現代社会の問題点を「値段の高いものを欲しがり、洗練されたものを欲しがりません」と述べる。ここには価格が高いものが洗練されているとは限らないという前提がある。値段と価値は比例しない。

高級な物を身に着けることで優越感に浸れる人もいるだろう。しかし、その行為自体が自分にとって有益かどうかを考えるべきだ。例えば、高級なスーツを着て、高級な腕時計をつけて、高級な靴を履いていたとして、それで仕事ができるのかと言えば、おそらく多くの人はできないと言うだろう。

高級な物を買い漁って、散財するような真似はしない方がいい。自分に合ったものでないとダメなんだ。必要最低限のものだけを揃えよう。「必要なものは何か?」を考えずに買いまくるようなことをすると、破産まっしぐらだぞ!

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電子書籍呪術廻戦 21

2022/12/14 19:23

「少し痩せたか」と言う点が爽やか

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秤金次とパンダの戦いが中心。秤は強い。乙骨より強いという紹介は信じられなかったが、好運が続けば勝てるかもしれない。秤と乙骨憂太がいたら、東京校は京都校に圧勝だろう。対抗戦で京都校が強気でいたことが不思議である。秤と乙骨がいないから威張っていたならば滑稽である。

領域展開がバーゲンセールになっているが、領域は単なる力だけの勝負ではないため、面白い。能力バトルは冨樫義博『HUNTER×HUNTER』の念や荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドと重なるが、領域は自分の空間を作る点はより中二心をくすぐる。藤崎竜『封神演義』の十天君を連想した。

それにしてもルールは難解である。恋愛漫画を使ったパチンコとは、何の漫画か分からなくなる。頭の固い保守的な呪術師ならば受け入れがたいものだろう。上層部からは排斥されるだろう。読者としてもパチンコ未経験者には理解できない。少年漫画なのでメインターゲットは少年であるが、理解できるか。少年誌として許容されるか。

第185話「バイバイ」で秤金次はピンチに陥ったパンダを助けに登場した際に「少し痩せたか!?パンダ!!」と言う。ありきたりな物語では「大丈夫か」と言いそうである。そうではなく、「少し痩せたか」と言う点がカッコよくて爽やかである。

この問い掛けによってパンダは気が楽になる。どうみても大丈夫ではない状態であり、「大丈夫か」と聞くことは誤りである。「大丈夫か」という言葉には「大丈夫です」という答えを強制する雰囲気があり、それが相手を追い詰める。

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電子書籍絶対可憐チルドレン 35

2022/01/11 20:21

ユーリが黒い幽霊と戦う

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ユーリが黒い幽霊と戦う。ユーリが自分達で戦おうとするから大変になるが、安直な昨日の敵は今日の友展開はつまらくなるため、現実的な筋書きになる。

蕾見不二子は一旦冬眠に入る。兵部京介と相手となる存在であり、兵部不在の中では物語の戦力バランスとしては妥当か。過去の物語は重たい話になるが、導入部はギャグが強い。

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電子書籍BLEACH Spirits Are Forever With You II

2021/12/31 13:27

孤独に収束することはオサレ

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漫画『BLEACH―ブリーチ―』のスピンオフ小説。ドン・観音寺を主人公とした。日番谷冬獅郎のような人気キャラではなく、ドン・観音寺という色物キャラをカッコよく描いている。その勇敢さは黒崎一護と重なる。一護と言えばチョコラテやチャン一と短期間のみ登場した脇役の台詞が代名詞になっている。脇役も印象に残る作品である。

小説では漫画で抱いた疑問がフォローされている。たとえばマユリが十二番隊士を爆弾に使ったことが許されるかという疑問である。そこでは中央四十六室の御都合主義ぶりが語られる。『BLEACH』世界の悪の根源と言えるのではないか。その意味では痣城剣八の目的も虚ではなく、中央四十六室を頂点とする貴族社会への復讐にならないだろうか。

ラストで孤独に収束することはオサレである。無駄を嫌って捨ててきたものを取り戻すというと、よくある展開はコミュニケーションに回帰になりがちである。しかし、逆に望まない人とのやり取りのシャットアウトを求める。漫画本編では常時解放型の斬魄刀はないかもしれないと指摘された。それでは雨露柘榴はどうなのかが気になる。

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電子書籍センゴク権兵衛(25)

2021/12/31 13:19

秀次の自刃は豊臣家滅亡の遠因

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秀次は文禄四年(一五九五年)に高野山に追放され、七月一五日(八月二〇日)に自刃した。秀次の自刃は豊臣家滅亡の遠因である。豊臣家は秀吉死後に柱石となる人物を失い、徳川家康の天下取りを容易にした。秀次を死なせたことは秀吉の愚行になる。

最も古典的な見方は摂政関白である。秀次は暴君・暗君であり、殺されて当然とするものである。しかし、これは秀次を死に追い込んだ豊臣政権を正当化するために作られた話である。逆に秀頼を後継者にしたい秀吉が秀次を滅ぼしたかったと見られている。さらに秀吉側近として権力を握り続けたい石田三成ら奉行衆が讒言したとの説が加わる。



これに対して秀吉も三成ら奉行衆も秀次を死なせるつもりはなかったとする見解が出ている。秀吉も三成も秀次を失った場合の豊臣政権の打撃を理解していた。秀吉は自分が死んだ後、天下がどうなってしまうのか不安を抱いていた。そこで、自分の死後、豊臣政権をまとめることのできる人物を必要とした。それが秀次だった。



秀頼可愛さのために耄碌した秀吉が秀次を殺したというほど単純ではない。しかし、そこまで愚かではないからこそ秀次を死なせたことは失策である。秀吉は秀次を謹慎させ、謝罪を取り付けて幕引きするつもりであった。ここにはマウンティングしなければ気が済まない権力者の浅はかさがある。



秀次は相手の思う通りにならなかった。自発的に自刃した。抗議の死、憤死である。権力者の意を汲んで自分が我慢して丸く収めるというヒラメ公務員的なことはしない。秀次も自分の死が豊臣政権に打撃を与えることを理解していた。自刃という行為が復讐になる。それ故に憤死と言っても悲壮感よりも、夢見心地で死ねたであろう。



秀吉の失策は、秀次を自刃に追い詰めたことである。秀吉は死後の対応も誤った。秀吉は秀次の謀反を正当化するために多くの関係者を連座させた。連座して処刑された人々の関係者は悲しみ、憤る。あまりに理不尽である。理不尽であると呪ったとしても無理はない。豊臣政権から多くの人々の心が離れた。



福島正則は寛永元年(一六二四年)に亡くなった。その遺体は幕府の検死役が到着する前に家臣が火葬にした。夏の暑い日であったために腐敗を恐れたと説明されるが、自刃を隠すためではないかと疑われ、家禄は没収された。徳川家綱時代の殉死の禁止も殉死することが当然という周囲の圧力や事実上の強要を否定する点は美事になるが、勝手に死ぬことを許さない、死を管理するという権力の傲慢もある。

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