Sintraさんのレビュー一覧
投稿者:Sintra
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紙の本
紙の本クリスマスの思い出
2022/01/30 11:33
季節を感じながら感謝して生きる
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一見、貧しくて外の世界と遮断された暮らしであっても、大自然の中から人生の機微を見いだし、外の世界とも繋がっているという心の豊かさに魅力を感じた。豪華な食事を前に、大人数で騒ぐクリスマスも良いけれど、静かな環境に身を置いて、人生に感謝しながら、自分を見つめ直す時間を与えてくれる一冊。クリスマスの前に、「物欲と多忙」な日常から離れて「自省と静寂」を日々の生活に取り入れたい。夜中、もしくは張り詰めたような寒い朝に、静かな部屋で読むと良い。
クライマックスで発せられた「私たちが普段目にしている物体・光景が神様そのものである」という言葉は、自然と共生する素朴だけれども心の豊かな暮らしを象徴している。そして、この場面の直後には現実的で寂しい結末が描かれ、切なさと同時に「思い出」の美しさを強烈に突きつけられた。
カポーティはこの短編がお気に入りで、何度も朗読していたという。何度も口に出すことで、年の離れた友人との美しい思い出を、創作力の根っことして持ち続けていたのだろうか。
「私は年を取りすぎていろんなことを知りすぎた。目を無駄に使いたくない。」という、無邪気ながらも人生を精一杯生きた老女の言葉も、ずっしりと身に染みた。
紙の本
紙の本三千円の使いかた
2022/01/30 11:30
お金のことを気にかけながら、日々ていねいに暮らそう
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1人の「生活者」として、お金のことはとても大事な問題だが、家族や親しい友人との間ですら、話すことを避けてしまいがちである。お金の話をすることは厭らしいものだろうか?普段から話していないと(気にかけていないと)、マネーリテラシーが低いまま人生を過ごし、いざ結婚や引っ越しといったライフイベントを迎える段階で、お金の問題に直面して慌てふためくことになる。
この本でも詳細に描かれている通り、パートナーや家族の財政状況が絡むと、変な思い込みや嫉妬が原因で、人間関係に何となく溝が入ることは沢山ある。しっかり者の真帆が、友人から向けられた視線を敏感に感じ取り、心の中でつぶやく場面が印象的だった。
そういった微妙な要因をうまく受け入れて、友人関係を維持しつつ、自分の置かれた状況に幸せを感じながら、日々丁寧に生きる真帆の姿勢には好感を持てる。例えば、夫の帰宅時に小さな娘がはしゃいで、夕食の前に一緒にシャワーを浴びに行く、その瞬間に幸せを噛みしめる場面が好きである。
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