マンゴスチンさんのレビュー一覧
投稿者:マンゴスチン

君のクイズ
2022/10/10 07:47
クイズの解像度が高い
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
『クイズ思考の解体』物語ver.
「クイズのディテールがリアルだ」と多数のクイズ界の方が言っていて、クイズを始めようとしている人間にとっての勉強にもなった。
ミステリーとしての完成度も高い。すっきりできるラスト。ほんでタイトルが良い…

medium 霊媒探偵城塚翡翠
2022/10/07 22:35
圧巻!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ひぇー。凄い。巧み過ぎた。
すべてが、伏線。なのは全くもって誇張していません。
最終章の犯人については、途中から(こいつがやってるのか?)とは考えたけれど、まさかこんな展開が待っているとは…
いちいち予想の上をいかれて大満足。
真相を明らかにするパートのスピード感が凄くって、ぶんぶん振り回されながら事実を知っていく快感がたまらない。
でも最終的にはもうどっちなのかも分からない。どっちだとしても良い。
圧巻。ドラマで映像化されるのも楽しみ。

雪国 改版
2022/10/07 22:31
芸術作品
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ストーリーは別に面白くないし、登場人物に共感もできない。
微妙な進み方に困惑しながら何とか読了。
物語性というよりも絵画のような楽しみ方もひとつあるのではないか。
風景描写があまりに綺麗で語彙のあて方が絶妙なので、1ページずつ切り取って単語ひとつひとつを丁寧に読みたい。
時間を掛けたい小説。
しっかり追っていくと気づく対比表現とか、何度も読み返していくとだんだん魅力が分かってくる。

文庫版 魍魎の匣
2022/09/10 21:51
ほぅ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
1000ページ超え長かった。
文庫版はまさしく箱のような風貌。
猟奇性たっぷり。
宗教、民族、倫理、幸せになるには、魍魎とは何か、"魔が刺す"の本質、犯罪の動機、延命、
最後に強烈な印象を残して手の届かないところへ行ってしまった様な読後感。
ほぅ…

流浪の月
2022/09/02 12:33
悲しいけど温かい
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
愚かな他人たちの目に刺されながら、孤独から脱却して行くふたりのはなし。
何の利害も名前もなくただそばに居る関係が素敵すぎた。
教訓は、優しさを決めつけてはならないことと、日常の思い込み全てを疑うこと。事実と真実は違うと理解すること。

母性
2023/08/23 22:16
もどかしい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
各章の題と末尾がリルケの詩の引用でオシャレ。
私とわたしの主観がどこまでも互いにすれ違っていて、あまりのもどかしさに悶え楽しんだ。
ラストは一見ハッピーエンドと言って差し支えないように書かれているけれど、これもまた一方向からの主張でもう何が真実なのか分からない。

はじめての
2023/06/16 12:11
どの話も良い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
YOASOBIと直木賞作家のコラボなんて最高。
短編が4話。
物語は「色違いのトランプ」、楽曲でいうと「セブンティーン」が1番好きです。今までの原作小説と違ってガチ作家4人の短編がそれぞれ読めるとかいう贅沢を詰め込んだ本。

方舟
2023/04/12 09:07
衝撃
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
判りやすく読みやすいミステリ。
ネタバレを避けると何も言えないけれど結末の衝撃に浸ってほしい。
こんなにもすぐに再読したくなる小説は唯一無二。
解説も、内容とスタイルどちらも凄く良い。
新感覚どんでがえしを味わえた。
ほんタメの動画をこれから観ます。

エゴイスト
2023/04/12 09:03
既に再読したい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
映画も観に行きました。
LGBTG+の話だが主題はそこではなく、無償の愛とエゴイズムの曖昧な境界線を考えていく話。
凝った表現がなく、ただ純粋な葛藤を読んだ気持ち。
誰も悪くなくて全員が善人なのに残酷ともいえる哀しい話ではある。
巻末、鈴木亮平さんの解説が圧巻。

収容所から来た遺書
2023/03/15 08:58
風化しないでー
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映画『ラーゲリより愛を込めて』を観て素晴らしかったので原作も読んだ。映画とは登場人物やシーンが変わっていて違いも楽しめた。文章だと泣かずに済んだけれど映画はボロ泣き。実話とは思えないがこれが実話だという意識をしっかり持って読む本。

地獄の楽しみ方 文庫版
2022/12/26 15:09
教科書に載せるべき
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
京極夏彦先生の講義。贅沢。
言葉の怖さを理解する前に言葉を習得した気になってしまう人が大多数であるこの世が怖いなぁ。
この読書から私が受け取ったものもまた不完全な"言葉"であって、違う気持ちで何パターンかの読み方をしてそれぞれに感想を持ちたい。

アヒルと鴨のコインロッカー
2022/11/20 21:27
うーん、好き
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
現在と過去の物語が交互に綴られていて、それぞれの登場人物の繋がりや事実を理解して哀愁に浸った。
起きてる事は結構えぐいのに何故か衝撃は甘めに感じて、何より不思議な読後感。余韻が凄い。
文章がいちいちお洒落でタイトルも良い。

コンビニ人間
2022/11/17 12:35
さすがに傑作
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短くてとても読み易い。すぐ読める。
主人公はある種、才能の塊のように私には読めた。
世の中にはいろんな考え方の人間がいるんだよなぁと、何とも当たり前で且つ忘れがちなことを再認識。
個性や生きがいについて考えた。
読了後の思考が止まらない。よく考えたい。

怪物
2023/08/23 22:15
映画も良かった
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映画を先に観て、視点の移り変わりが小説チックだなぁと思ってたけどまさにそれ。
話せば分かるのは確かにそうかもしれないが、じゃあ実際全部話せるとは限らないし、切なくて現実的で細かく作り込まれていて好き。
やはり映画への理解はノベライズも読んでこそ深まる。