令和4年・寅年さんのレビュー一覧
投稿者:令和4年・寅年

魔の山 改版 上巻
2023/01/15 09:42
療養の生活の中で
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結核の療養施設で過ごす青年の日々。直ぐに良くなって元の生活に帰るつもりでいたが、一年が経ってしまう。その過程で、時間の流れを見詰め直す。人文主義の役割とは何かを問う。

時間は存在しない
2022/10/19 09:12
時間の不思議
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物理学から捉えると時間はどう語られるか。歴史を掘り下げていくと詩に辿り着く。科学者たちは、当たり前にみえる見せかけと科学によって明らかにされる真実の間に挟まれる。

一日一生 正
2022/12/14 09:41
目の前の一歩一歩
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歩くことが修行である。問いには答えを出さないで考え続ける。人は新しく変わり続ける。大きなことを成し遂げた人は、目の前の一歩一歩を積み重ね続けていくことでやり遂げる。

真空地帯 改版
2022/12/08 11:03
軍隊の内部という真空地帯
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日本陸軍の内部を文学の力によって追究した力作。日中戦争の時の兵が隊の不正行為の秘密を守るために個人にその責任を負わせ軍法会議にかける。戻って来た時には戦線は拡大。

シェイクスピア全集 8 テンペスト
2022/11/10 07:24
嵐に翻弄される人間の運命
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嵐が人間の存在の小ささを思い出させる。船もろとも翻弄されるのを神や妖精たちが眺めているのがそう思わせるのかもしれない。島に流されていた王妃の存在感がとても大きい。

無心ということ
2022/10/15 10:03
無心
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文字に頼らないで理解しなければならないことを西洋の人にも理解できるように説明している。何度も何度も読み直す類の本。心学にも目を向けて問いている所が興味深かった。

老記者の伝言 日本で100年、生きてきて
2022/09/19 08:48
いのちをみつめて
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戦中新聞記者をやっていた著者が、戦後その在り方を見つめ直して生きてきた軌跡。歴史をどこから捉え直さなければならないのかを教えてくれる。大きい言葉ではなく小さい声で。

夜明け前 改版 第1部上
2022/08/25 09:42
武家社会の崩壊と商人
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幕末の動揺を長野の木曽街道で見つめる若者の眼差しを丁寧に綴る。武士の体制が崩壊する中で、商人の在り方も問い直される。外国との貿易によって物価が高騰する中、智恵が問われ、国学の役割も重要。

わたしの芭蕉
2023/02/11 10:53
芭蕉の推敲を追う
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松尾芭蕉が俳句をどのように推敲したのか。順を追って追究する。着想からどの点を直して代表作にまで高められたのか興味深い。日本語の表現力を高めた点に注目しているのも良。

司馬遼太郎が考えたこと 6 エッセイ1972.4〜1973.2
2023/01/03 14:21
戦車の中で視た旧日本陸軍の思考
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戦車の中に居た、日本の陸軍、太平洋戦争とはを捉え直す思考。『坂の上の雲』を書き上げるまでの日露戦争について深めた思索。一篇の小説が歴史を描き出すまでの作家の眼差し。

八つ墓村 改版
2022/12/28 21:14
恐怖感
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自らの出生の秘密と、忌まわしい八つ墓村の伝説。そして、連続殺人事件。巻き込まれている感覚から生まれる恐怖感が凄まじい。親切心から聞かされる真実の恐怖。絶体絶命の危機。

司馬遼太郎が考えたこと 5 エッセイ1970.2〜1972.4
2022/12/19 09:34
三島由紀夫の自殺
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三島由紀夫の自殺について。時代の空気がよく表れている。思想と人生を歴史の人物を見詰めてきただけあってそれを一致させることがどういうことなのか冷静に分析している。

日本思想大系 39 近世神道論 前期国学
2022/12/17 11:43
江戸時代の神道の研究
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江戸時代の神道の研究。徳川時代の安定した文化が盛んになった時代に、儒教、仏教の理論を用いて、歌学や源氏物語、万葉集の文献的、史的研究が本格的に始められた。

植村直己、挑戦を語る
2022/12/17 11:33
冒険と、平和と自由。
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冒険は、平和で自由な世界でなければ出来ない。人は誰もが冒険をしているという植村直己の、自分は凄いことをしているというところが全くない謙虚さが印象的だった。