紫苑さんのレビュー一覧
投稿者:紫苑
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15歳のテロリスト
2024/03/27 20:10
明かされる真実にどんどん惹き込まれます
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少年犯罪だからこそ生まれた、少年の物語だと思います。この物語に登場する記者・安藤も、少年・渡辺篤人もアズサもその他の人たちも、きっとこの世界のどこかにいるんだと思うと、それぞれの叫びに胸が痛くなりました。
それでも向き合わなければならない現実、過去の過ち、たった15歳が引き起こしたテロに正面から向き合って初めて、真実に辿り着く。世間の声もリアルで、全て今の世の中に起こりうることなのかもしれない、これが真実の叫びなのだと痛感しました。
2024/08/28 20:58
正義と悪とは何か。
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何が正解で、何が正義で、何が望ましいのか。正解のない問いを投げられている気がします。
例えば家庭環境。例えばクラスのヒエラルキー。
恵まれている、羨ましがられている、一般的に理想で過ごしやすいと言われる立場。それは本当に理想なのか。
悪だけど憎みきれない。誰を信じ、何を真実と見なすか。一面的な見方や一般論で判断することを今一度、考え直す機会をくれます。
終わりがスッキリしない部分もあるけど、それが妙にリアルで現実社会な気がします。現実も悪と正義を綺麗に線引きできない。狡い汚い手を使って繰り広げられる正義のヒーローのパフォーマンス。同情の余地のある悪。まさしく現実で、心に刺さります。

ポチャッコの『道は開ける』 不安から自由になる行動法
2024/07/31 13:21
お守りのような言葉
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お守りのような言葉と、それをわかりやすく言語化して伝えてくれるもの。大事な日でも何気ない日でも、1枚めくってみてそこに書かれた言葉をお守りのように、小さな目標のようにしてみるといいのかなと思える言葉たち。優しい言葉だからこそ、すぐにでもできそうな心の持ち方のあり方が示されていて心が温まります。

ルビンの壺が割れた
2024/05/08 16:37
それぞれの視点
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たった2人のメッセージのやりとりの繰り返し。でもその中にそれぞれの印象を形作るものがあり、読み進めていくにつれてどんどん変わって巡ってくそれぞれの印象。自分の思い描いた人物像が、めくるたびに変わっていく。最後のメッセージをどう受け取るか、読み手や読み方次第で変わるまさしくルビンの壺でした。

何もかも憂鬱な夜に
2024/03/27 20:43
自分の中にいるもう1人の自分が共感します
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きっと誰もが抱えているであろう、非道徳的で後ろめたい黒い感情。だからこそコントロールする感情や衝動。そこにゆっくりと、しかし確実に入り込んでくる言葉に揺れ動く心に、自分の中にある黒い感情が共感する。やりたい、手を出したい、普段なら抑え込めるはずの衝動が自分の中にも潜んでいる。その叫びに気付くことができる作品だと思う。

真夜中のパン屋さん 1 午前0時のレシピ
2023/10/24 17:19
パンに運ばれる物語。
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一見、なんてことのない少しだけ謎を秘めたパン屋さんが舞台のお話。転がり込んでくる主人公はただ少し恵まれなかっただけで、芯の通ったある意味素直すぎるほど真っ直ぐに育ったんだと思う。彼女の「こだま」を思う気持ちは本当に彼を大切にしていると感じることができる。パン屋の2人の不思議な関係、「紅林」の笑顔の奥にある本当の想い、その全てを知った時、温かさと後悔、それでも前に進む気づきに読んでいるこちらまで背中を押される、包み込まれるような気がします。

鎌倉うずまき案内所
2023/10/15 21:51
悩みもぐるぐると。
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ぐるぐる考えてしまうことがある。それぞれ収録されている物語、人生は違うものだけど、なんとなく共感できたり想像できたりするお話ばかりで。時々、エピソードや経験に刺さるものがある。でもストンと心に落ちる。それが青山先生のお話の温かく感じるところ。きっと少しだけ、明日を頑張って踏み出してみようと思える作品たち。

家族のかたち
2023/10/15 21:45
それぞれの人生
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ひとりひとりに人生があって、それはそれぞれ全く違うもの。抱えているものも置かれた環境も、良くも悪くもその人だけが感じるもの。その中でそれぞれが出会うべくタイミングにそれぞれの出逢いがある。それがどんなものでも、どんなに些細なものでもそれが何かのきっかけになることがあるんだと気づくことができる作品。自分の人生にもきっとそんな出逢いがいつかきっとあることを信じて。

宇宙のみなしご
2023/06/29 16:57
それぞれが抱えているもの
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ちょっと変わった姉弟にも見えるけど、本当は姉弟の育つ環境が危険な遊びでしか満たされない、そう2人を作ってしまったんだと思う。
人間関係のバランスもグループの格差もリアルな子どもの姿。危険な遊びでしか満たされない姉弟と、そこに加わる同級生もどこか物足りない、現実に満たされていない。
大人じゃない、でも子どもだって満たされないし、それを埋めるために生まれるものがある。
みなしごと表現されるに相応しい、でもきっとみんなそうで、今の満たされない現実から踏み出してもいいのかもしれないと思える物語。

海の見える理髪店
2023/06/29 16:50
どこかにある家族の物語
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表題作の『海の見える理髪店』では、最後まで読んで始めて、たった2人の登場人物の本当の姿を知ることができる。その他の短編においても、それぞれの物語における登場人物は基本的に少ない。基本的にたった2人のやり取りがストーリーの基本となっている。でもそこから関係性や背景は明確で。それでもその全てが、それぞれの物語の最後に本当の姿がようやく見えてくるものばかり。
家族って、親子って、ありふれた多数派の形に当てはめがちだけど、ふと客観的に見れば、意外と近くに大事な人がいることに気付ける物語。

水曜日の手紙
2023/02/18 20:26
温かな誰かの物語。
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誰かから誰かに送られる手紙。それぞれにそれぞれの物語があって、きっかけがあって、綴る内容がある。それが幸せなものから辛いもの、理想から現実まで、それも一人ひとりの物語。今の自分なら何て綴るんだろう。今日が水曜日なら、何を綴るんだろう。今日1日を振り返って、誰かに聞いて貰えるようなことはあっただろうか。そんなふうに、何気ない今日にフォーカスを当てたくなって、心が温かくなる物語でした。
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