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  3. ポラーノの広場さんのレビュー一覧

ポラーノの広場さんのレビュー一覧

投稿者:ポラーノの広場

50 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本素白先生の散歩

2023/04/17 09:39

素白先生、お久しぶりです

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

岩本素白の随筆は美しい。余裕があり、無駄がないのです。それは素白の生き方をうつしているのでしょう。だいぶ前に『岩本素白全集』を古書店で見つけて、かなり高価であったけれど、思い切って買ったことがあります。それらの文章から『素白先生の散歩』が編まれています。散歩の達人池内紀さんの編、解説なのですから嬉しさ倍増です。「賑やかなのは好きだが、騒々しいのは嫌い、静かなものは好ましいが淋しいのはいやという厄介もの」と素白は自身のことを述べていますが、池内さんも解説のなかでこの言葉を引いて素白の人となりを紹介しています。。岩本素白を知るにはその随筆を読んでみるのが一番。数ページの短いものをひとつ読めば、「素白先生、お久しぶりです」と思わず言ってしまいます。

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紙の本

紙の本珈琲の表現

2023/04/16 11:57

一杯の珈琲に心を込める

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者は東京の下町で小さな珈琲店を営む方です。コーヒーではなく珈琲と書くところに何か著者の思いが感じられます。お店は決してカフェではありません。珈琲店と言うしかないないのです。その珈琲店のご主人が、一杯の美味しい珈琲を愉しむ思いを、その淹れ方、豆のこと、そして楽しみ方のいろいろについて語ってくれます。それはあたかも静かなお店のカウンターの前に座って珈琲を飲みながらお話しを聞いているような気持ちにさせてくれます。

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紙の本

紙の本ルリユールおじさん

2023/04/20 11:01

職人の矜持

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

矜持といういまではあまり聞かなくなった言葉があります。自らの人生にプライドを持つといった意味でしょう。この本は矜持の大切さをパリの路地裏のルリユール職人の仕事の様子を少女の目を通して描いています。最後の場面でルリユールおじさんが「ねむっちゃった」のは亡くなったということなのでしょうか。

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紙の本

社会主義者の明るい生活

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

山川均・菊栄夫妻といえば、言わずと知れた、社会主義者。戦前戦後を通して日本の民主主義に貢献した。夫妻はともに、論壇と政治・社会運動で活躍し、その著作は今日なお読まれている。しかし、本書は、そうしたご夫妻の堅苦しい論戦の紹介ではなく、写真集と銘打っているとおり、お二人の社会活動の場面やご家庭の日常生活で撮られたたくさんの写真から、ご夫妻の素顔を紹介したものである。その生活の現実は厳しいものであっただろうが、動物を飼い、草花を育てた夫妻のつつましく、明るいご様子はほほえましい。そうした生活の中で社会主義運動の鋭利な理論が書かれたのである。写真の合間に、お二人の社会活動の歩みについて簡潔な記述もはさまれている。

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紙の本

神田神保町を愛する人には必読の書

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

神田神保町を愛する人には必読の書だ。出版社、書店、古書店の集まるこの街がいかにして生まれたか、その誕生から現在までが、微に入り細に入り書いてある。神田神保町を知ることはすなわち近代日本の書籍文化を知ることだ。鹿島茂氏でなければ著し得ない本である。

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紙の本

紙の本ポラーノの広場 改版

2023/04/19 10:02

賢治の理想と孤独

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

宮沢賢治の童話といえば「銀河鉄道の夜」がまず第一に挙げられますが、本書のタイトルにある「ポラーノの広場」もとても良い作品です。銀河鉄道が宇宙へ向かっていくのにたいして、ポラーノの広場は大地の上で想像をひろげていくことができます。物語の話者はモリーオ市の博物局に勤めるレオーノキュースト。賢治の分身でしょう。少年たちが、大人の邪魔を乗り越えて、理想の産業組合(協同組合)を作るまでをキューストさんは優しく見守りました。そして最後のところで、キューストさんはモリーオから遠く離れたトキーオに一人いるのです。農民を愛しながらも農民になれなかった賢治の孤独が、「ポラーノの広場のうた」と共に、悲しく響いてきます。

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紙の本

紙の本フランシス・ジャム詩集

2023/04/18 17:33

自然を愛し、深く思索した結晶

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

手塚伸一さんは、ご自身が訳された『フランシス・ジャム全詩集』から選んでこの文庫版を編まれた。自然と共に田園に生きる人びとを詩の世界に描いたフランシス・ジャム。これまで堀口大学や尾崎喜八の訳で読まれたジャムの詩を、手塚さんはもう一段の高みへと訳し直しており、この文庫版はジャムの詩の全体を見渡すのに良い。『キリスト教徒の農耕詩』が好きだ。ミレーの絵を観るようだ。できることなら、『全詩集』ですべてを読んでみたいくなる。

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紙の本

紙の本フランチェスコ

2023/04/18 17:02

はらだたけひでさんの最高傑作

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

アッシジの聖フランチェスコ。その生涯をこの本はなんと優しく表現しているのでしょう。富裕な商人の家に生まれ、騎士に憧れて兵士となって出征したフランチェスコ。しかしその後の人生はまったく違う。フランチェスコはこう語ります。
「あなたに すべてを
 おかえしいたします
 空にうたう小鳥
 野にさく百合のように
 わたしは いきるのです」
はらだたけひでさんの最高傑作だと思いました。

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紙の本

はらだたけひでさんの深い思索から生まれた絵本

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本にこんなことが書いてあります。
「森にないものはない
 こわれたり 
 なくしたり 
 すぎていったものは 
 かならずかえってくる 
 木々に実となって」
森のなかを歩いてゆくパシュラル先生。ゆっくりゆっくり。「むかしよんだ本をよみ むかしきいた音楽をきき」ながら。そうして私たちにこう語りかけてくれます。「わたしたちの こころには森がある」と。この森はパシュラル先生でもあるのでしょう。著者はらだたけひでさんの深い思索から生まれた絵本です。大切にします。

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紙の本

いのちの尊さを思い、平和への祈りを込めて

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

はらだたけひでさんの絵本は、人も虫も草木も星も、この世界のすべてにとってほんとうに大切なことは何なのかに気づかせてくれます。パシュラル先生を訪れたてんとう虫のマルメロは先生にこうたずねます。「どうしてでしょう 人の思いがみえなくなりました 人には虫たちの思いがみえますか」。私たちはマルメロに真っ直ぐにこたえることができるでしょうか。戦争のニュースのない日はいつ来るのでしょうか。パシュラル先生とマルメロの友情に心を打たれずにおれません。

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紙の本

ひとつのことに人生を使いきる

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牧野富太郎先生は草木を愛し、草木と共に生きた人です。幼少の頃から始められた身の回りに見る小さな草や花を観察してありのままに記録する。この作業を丹念にし続けるなかで次々に湧き起こる疑問を解くために人生を使いきった人。ご自身も植物分類学の研究者である著者は本書で牧野富太郎の生涯を丁寧に描いており、牧野富太郎の生き方と共に草木を愛する心を学ぶことができました。人生をかけてひとつのことに打ち込むことの大変さと大切さ。誰でもできることではありませんが、だからこそ尊いことなのだと思います。

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紙の本

紙の本北八ツ彷徨 随想八ケ岳

2023/04/17 12:10

詩心をもって山を歩くこと

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山口耀久さんの代表作です。山を愛する著者は八ヶ岳、それも北八ヶ岳がことの外お好きだといいます。「南八ヶ岳を動的な山だとすれば、北八ヶ岳は静的な山である。前者を情熱的な山だといえば、後者は瞑想的な山だといえよう」と山口さんは書いておられます。それは詩情に通じる雰囲気があるとも。本書を読めば誰もが北八ッに行きたくなります。けれども、そうして皆が北八ッに押しかければ、山口さんが本書で書かれた北八ッは失われてしまいます。静かな山を愛し、静かな山を大切にするにはどうしたら良いのか、本書の読者一人ひとりが考えなければならないと思いました。

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紙の本

紙の本八ケ岳挽歌 随想八ケ岳 続

2023/04/17 11:48

詩人が山に見るもの

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著者山口耀久さんにとって八ヶ岳を歩くことは人生の深い喜びであり、その八ヶ岳に別れを告げなければならない悲しみが本書全体を通して描かれています。『定本 北八ッ彷徨』で山口さんが書き上げたあの美しい世界。山口さんの読者であれば誰もが知っている「八ヶ岳はいい山である」から書き始められている山口さんの八ヶ岳。八ヶ岳をめぐる数々の文章はほんとうにうるわしい。本書の最後に「八ヶ岳挽歌」の一文を置かなければならないのは、痛々しい限りです。

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紙の本

紙の本山頂への道

2023/04/17 11:14

山を愛するということ

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何と言っても著者山口耀久さんの山を愛する心が深く伝わってきます。私は山登りをしないので、山口さんの山登りの体験を共有することはできないのですが、この本を通して山を愛する心に共感することはできます。そういうことでいえば、第3部の尾崎喜八や辻まことについて語られた文章はとても楽しく読みました。山口耀久さんの思いが今の登山者にどう受け止められるのか知りたいと思いました。『定本 北八ッ彷徨』「八ヶ岳挽歌』と共に三部作。

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紙の本

紙の本「アルプ」の時代

2023/04/17 10:48

山を愛する心

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

あの『北八ッ彷徨』の著者が、山の文芸誌「アルプ」の編集に携わっておられた頃を振り返り、山を愛した思いが、惜別の言葉のように綴られています。串田孫一さんと共に語られがちな「アルプ」ですが、そこには山を愛する多くの仲間が集い、毎号の編集を心から楽しみにしていたことがわかります。そこには出版を引き受けていた創文社の名編集者大洞さんの努力があったことも知りました。創文社もなくなり、「アルプ」の終刊と重なってしまう思いがします。山を愛し、山を歩くことを人生の深い喜びとした人たちの悲しみを、今の時代にどう受けとめれば良いのか、考えずにはいられません。

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