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滴州さんのレビュー一覧

投稿者:滴州

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

民俗学のエッセンスが満載!

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22人の民俗学者が読み解く、暮らしの中に潜む67の不思議!歴史的な内容(儀礼や祭りなど)から現在的な内容(ネットやLGBTなど)まで、おおよそ、誰が読んでも自分の興味にひっかかる内容が満載です。多くの写真と図表が用いられており、文章も簡潔かつ明瞭で、様々な不思議に対して、論理的に回答の一例が示されています。なお、本書の内容には、通説を大きく超えた仮説や大胆な理念的モデルも含まれていますが、これは今後の議論の可能性を広げるためのもの、とのこと。とはいえ、各トピックの説明は荒唐無稽ではなく、なるほど!と思わせる話の展開がなされています。

見開き2頁で一つのトピックとなっており、いつでも、どこからでも読み始めることができます。文字数が限られている分、かなり文章の内容と記述の方法は吟味されているようで、さらっと読んで楽しむこともできますし、一字一句、吟味して読んで理解を深めることもできます。

「現代民俗学」と「民俗学」の違いについてですが、編著者の島村恭則教授によると…同時代(現代)との関わりを強く意識して研究を行う民俗学を「現代民俗学」と呼ぶそうです。ただし、ことさら「現代民俗学」を名乗らなくても、多くの民俗学の研究は、同時代的な意識を持っているとのこと。なので、民俗学=現代民俗学であって、決して、過去の民俗や歴史的な視野を排除しているわけではないとのことです(151頁)。民俗学という語感から、一般的に想像される偏見?(古臭いなど)をなくすために「現代」という語を冠しているといったところでしょうか…。実際に本書の内容を見ると、多くのトピックで、現代的なことは過去の事例や研究と繋げて、過去のことは現在の事象と繋げて語られています。

世の中には『〇〇入門』『はじめての〇〇』といった本があふれていますが、簡略化され過ぎていて読み応えがない、専門性が高くて読者に優しくないなど、両極端のものが多いのですが、本書は、豊富なイラストと写真を用いて、日常の様々な疑問に答えつつ、その答えが導き出された論理や、次のステップにつながる専門書の紹介などもあって、しっかりとした「民俗学入門の書」となっています。

編者と各トピックの担当執筆者の、民俗学に対する想いが凝縮されている、熱量の高い作品です!

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電子書籍

電子書籍現代民俗学入門

2024/04/27 19:06

民俗学のエッセンスが満載!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

22人の民俗学者が読み解く、暮らしの中に潜む67の不思議!歴史的な内容(儀礼や祭りなど)から現在的な内容(ネットやLGBTなど)まで、おおよそ、誰が読んでも自分の興味にひっかかる内容が満載です。多くの写真と図表が用いられており、文章も簡潔かつ明瞭で、様々な不思議に対して、論理的に回答の一例が示されています。なお、本書の内容には、通説を大きく超えた仮説や大胆な理念的モデルも含まれていますが、これは今後の議論の可能性を広げるためのもの、とのこと。とはいえ、各トピックの説明は荒唐無稽ではなく、なるほど!と思わせる話の展開がなされています。

見開き2頁で一つのトピックとなっており、いつでも、どこからでも読み始めることができます。文字数が限られている分、かなり文章の内容と記述の方法は吟味されているようで、さらっと読んで楽しむこともできますし、一字一句、吟味して読んで理解を深めることもできます。

「現代民俗学」と「民俗学」の違いについてですが、編著者の島村恭則教授によると…同時代(現代)との関わりを強く意識して研究を行う民俗学を「現代民俗学」と呼ぶそうです。ただし、ことさら「現代民俗学」を名乗らなくても、多くの民俗学の研究は、同時代的な意識を持っているとのこと。なので、民俗学=現代民俗学であって、決して、過去の民俗や歴史的な視野を排除しているわけではないとのことです(151頁)。民俗学という語感から、一般的に想像される偏見?(古臭いなど)をなくすために「現代」という語を冠しているといったところでしょうか…。実際に本書の内容を見ると、多くのトピックで、現代的なことは過去の事例や研究と繋げて、過去のことは現在の事象と繋げて語られています。

世の中には『〇〇入門』『はじめての〇〇』といった本があふれていますが、簡略化され過ぎていて読み応えがない、専門性が高くて読者に優しくないなど、両極端のものが多いのですが、本書は、豊富なイラストと写真を用いて、日常の様々な疑問に答えつつ、その答えが導き出された論理や、次のステップにつながる専門書の紹介などもあって、しっかりとした「民俗学入門の書」となっています。

編者と各トピックの担当執筆者の、民俗学に対する想いが凝縮されている、熱量の高い作品です!

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紙の本

岸和田だんじりの美

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全国的に有名な岸和田だんじり祭。岸和田だけではなく泉州(大阪府南部)一帯には、岸和田と同じ形態の地車(だんじり)が多数存在しているようだ。テレビなどを通して岸和田の地車は、その勇壮な姿で有名であるが、ここまで精緻な彫刻が施されていたとは想像すらしていなかった。まったくの驚きである。彩色が施されていない(それが逆に木目の良さが出ていて美しい)日光東照宮と表現すれば良のだろうか?特別寄稿を寄せている木彫家で東京藝術大学名誉教授の籔内佐斗司(奈良の「せんとくん」のデザインをされた方)は「日本のバロック建築」と表現している。

何より驚かせられるのは、これが江戸時代の話ではなく、現在、令和の時代で、このような伝統的な社寺建築を彷彿とさせる屋台を造る岸和田の大工、岸和田の彫刻師が存在し、その製作費用を段取りすることができる自治会が存在するということである。

コロナ禍において祭を行なうかどうか、また、事故が起こるたびに岸和田の地車が槍玉に上げられているような気がするが、我々は、岸和田の地車というものを誤解していたのかもしれない。偏見をもって見ていたのかもしれない。

本書は、これまで知られていなかった、岸和田の地車の魅力、そして、サブタイトルにもあるように、祭を支える心と技が、精緻で明晰な解説で描かれている(島村恭則教授・民俗学者)。

美しく品格のある地車の写真の数々とともに、とにかく圧倒的な情報量(写真・絵画・図版)で構成される本書。それにしても、この値段でオールカラー164頁で販売は可能なものなのか。著者の森田玲の「あとがき」によると、岸和田型の地車の歴史と魅力を一人でも多く届けたい、との想いで価格を抑える努力をしたという。

祭に携わる人たちだけではなく、日本の木の文化の一つの展開の事例として、建築関係や美術関係の皆さんも楽しめる内容になっているかと思う。

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