ジャッキーさんのレビュー一覧
投稿者:ジャッキー
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国宝 上 青春篇
2024/05/15 20:41
等身大
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息継ぎなしに一気に読んでしまう。読んでいると、どんどん本と顔との距離が近づいて、目が寄っていっていくから、まるでこっちが見得を切っているような見た目になっていく。
私はまだ人生の何を知っているわけでもないが、何も知らないわけではなくて、青春編の喜久雄と俊介と徳次を見ていると、歯痒かったり理解できたり悔しかったり。等身大の彼らを、等身大の自分で追っていた気がする。
スピノザの診察室
2024/05/15 20:16
読んでいて安心する本
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夏川草介さんのどの本にも当てはまるが、この本もやはり登場人物が誰しも魅力的。読んでいると、頼もしい気持ちになる。
こんな風に、医療と人間の暮らしを織り交ぜて、丁寧に人の生と死を考えていく人がいるのなら、なんか良い世界だなあと思ってしまう。
医療のことも哲学もよく分からないけれど、満ち満ちた生命力とユーモアに溢れていて、読んでいて安心する本の一つになった。
国宝 下 花道篇
2024/05/15 21:11
人間の生涯×美しきものを描き切った作品
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どの登場人物も遠くにいってしまった。等身大の姿だった喜久雄は、二倍三倍と大きくなったと思ったら、私よりも小さくて繊細な姿にもなっていって、軽く狼狽えた。
芸人の華やかさと、背後にある壮絶な覚悟を描きつつも、その隙間にある世間の眼差し、社会の非情さが鋭く描かれていたので、時々ハッとさせられた。
何より、そういった醜いものすらも吸収し、狂気と紙一重の輝きを放つ人物としての喜久雄を描き切った最後のページに、すごく強くて大きな意志を感じて、胸がいっぱいになった。
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