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yhoshi2さんのレビュー一覧

投稿者:yhoshi2

45 件中 31 件~ 45 件を表示

紙の本耳をすます旅人

2002/07/07 11:12

旅をしたくなる本

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著者の友部さんはミュージシャン。全国を旅しそこで出会った風景と人情を飾らないタッチでさりげなく綴る。ナイーブな感性が随所に光ります。すべて見開き2ページに収まっていてとっても読みやすい。対象箇所全部で130箇所以上。函館の「こすりだし」(ふるい民家のペンキ塗りの外壁をサンドペーパーでこすっていくと、過去のペンキの色が何層にも現れる、それがまた思いもかけない鮮やかな色だったりするというファンタジックな話)、沖縄の米軍基地に隣接する佐喜真(さきま)美術館屋上の空へ向かって突き出た不思議な階段、京都のイノダコーヒーのコーヒーカップなど。あなたの思い出の場所が多分ひとつやふたつは出てくる。そしてこころが触発されて自分も旅人になりたくなるような文章にもきっと出会えます。

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一味違う函館ガイドマップ

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函館市内の主要施設、飲食店、学校、病因から身障者用トイレまで多くのジャンルをカバーして地図上にプロットした便利な情報源。地図の枚数が30。1987年に初版発行以来1990年、1992年と改版を重ねてきた後、途絶えていたがこのたび第4版として8年ぶりの待望久しい刊行。
発行元のご苦労に感謝するとともに、是非とも定期的に情報を更新しての刊行をお願いしたいもの。函館の市民にはもとより、、観光で函館を訪れるヒトにも大層便利なガイドブック。特に今後増加が見込まれる、長期滞在型観光の生活ガイドにはうってつけ。
函館の数少ない出版社(しかも地味だが良心的な本を発行し続けている)の心意気を感じさせる本。みんなで応援したい(1000円です)。昔の版と比べてみて、街の変遷(中心市街地の衰退、新しい商業中心の出現など)をたどるというちょっと変った楽しみ方もある。

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紙の本御庭番の明治維新

2002/07/06 23:41

御庭番の確かな観察

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御庭番とは徳川幕府の隠密の元締め。幕末に新潟奉行も務めた御庭番川村修就(もとなり)の眼を借りて、大政奉還後の徳川慶喜の謹慎そして江戸開城にいたる幕末の混乱の渦中の江戸の市中の様子を描き出す。
一夜にして禄を失った旗本たちの周章狼狽、一方で庶民たちのしたたかな生き様など、今日の倒産した企業の役員と従業員の姿が彷彿させられる。
当時の様子がユーモアとペーソスをたっぷりまぶした、軽妙な語り口で記されると、まるで講談か落語のようにすとんと胸に落ちてくる。政治上の重要人物を描いた書は多いが、こうした市井の出来事についてのものは珍しいし貴重。

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冬眠図書館はどこに?

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2年前、惜しまれながら休刊した月刊「太陽」の最後の1年間に連載されただまし絵のような物語。まるで実在するかのごとく、巧緻に仕組まれた罠。思わず知らずはまってしまう快楽。特に「冬眠図書館」はサイコ—に刺激的な物語。「この図書館はどこにあるのですか?」との問い合わせが相次いだとか。たしかに、どこか地方都市の近郊の森の中にひっそりと実在して欲しいもの、と思う。いっそ作ってしまう!か?

実は、この「冬眠図書館」にはその原型となった物語がある。「すぐそこの遠い場所 」(晶文社)の中の「冬の図書館」がそれ。 そこには「冬の図書館」「夏の図書館」の外観スケッチもある。

この著者(大体著者名=クラフト・エヴィング商会 というのがそもそも怪しい)は他にも「ないものあります」「クラウドコレクター」「どこかに いってしまった ものたち」など、上質な冗談と空想の物語を出している。

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紙の本本屋はサイコー!

2002/07/02 08:54

「本屋はサイコー」を本屋志望の若者に捧げたい

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かの「往来堂」元名物店長、安藤哲也氏(ついこの間までネット書店BK1で「Booksアンド-」を主宰していたと思ったら、糸井事務所に転職とか、吃驚)が待望の「本屋」論を世に問うた。いままで「本とコンピュータ」その他で氏の数々の刺激的・挑戦的発言に接してきたが、今回それらの集大成を読むと、なるほどここには本来の「本屋」の経営論が、ごく素直に書かれていることにあらためて気づかされる。要は全国あまたの本屋から「本来」の本屋が消えかけているということ。「本屋」の経営者・従業員が店頭に置く本の選択から棚の編集、売り方の工夫、そうした技を磨き上げるプロ意識こそが「本」を衰退から守る最高(サイコー)の手段だという。本屋と出版の退潮が久しいいまがむしろ「本当の」本屋を立ち上げる絶好のチャンスかも知れない。そうした励ましの書でもある。これから「本屋」開業を志す(そんな奇特な人がいたとして)若者にはうってつけの教則本。表紙はいささかおふざけに過ぎたきらいはあるが(買うときにちょっと恥ずかしいくらい)。

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紙の本おぅねぇすてぃ 明治浪漫

2002/07/02 02:52

宇江佐真理:函館を描く

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函館出身の作者だが、なぜかいままで「函館」を舞台にはしてこなかった。今回の作は明治初頭の函館と横浜、築地を舞台にした『人情モノ』。函館の英学の発祥の物語を横糸に、主人公をはさんで二人の女性の悲恋が描かれる、著者お得意の構図。庶民のまなざしを通して函館の当時の情緒が描かれている部分はかなりよく書き込まれている。特に函館が、今日からは想像もできないほどの「欧化」社会であったことには驚かされる。それまでの蘭語主流の通詞(通訳)の世界に「英語」が急速に普及するには、新興の開港場、函館が過去のしがらみがない点で優位だったことなど十分には知られていなかったことが宇江佐さんの筆によって浮かび上がってくる。まだまだ函館の明治史にはコンテンツが豊富にありそうな予感がする。要は発掘の努力。そうした期待感を高めるには格好の「刺激」になりそうな本。

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紙の本武揚伝 下

2002/07/02 02:35

上質な歴史の謎解き

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推理/冒険小説の分野で有名な佐々木譲が、榎本武揚を真正面から取り上げた「武揚伝」(上下2巻、中央公論社刊)を出した。北海道中標津に仕事場を構え、ここ数年「大作に挑んでいる」といっていた佐々木にとって、満を持しての一作を世に問うたという心境かもしれない。確かに歴史に素材を求めたといっても、榎本の評伝ともなれば、かの開陽艦をオランダから回航して以後、幕府崩壊から江戸湾脱出、箱館までの艱難辛苦の航海そして箱館を中心とした官軍との戦い。特に函館湾内での日本初の本格的洋式海戦。海洋冒険小説としての題材には事欠かない。しかし、この書の価値は、歴史の謎に彼なりの独自の見解を提起したところにあるといってよいのではないか。もちろん、その見解を裏付ける「推理」の部分が小説の厚味を増しているわけだ。歴史研究者の見方からだと「資料不足」でそれ以上の追求がなされてこなかった、いくつかの「なぜ?」に敢えて切り込んだところは十分評価してよいだろう。一方で歴史学者としては、佐々木の「提言」をいわば「仮説」として捉え、研究者としての英知をこの「仮説」の当否を問うことに結集するくらいのことがあってもよいのではないだろうか。
私が気がついた範囲での佐々木の問題提起は下記の3つである。
(1)榎本およびその艦隊が東北諸藩からの支援要請に対してなかなか江戸湾を離れなかった理由
(2)勝海舟の度重なる自重要請を振り切って榎本艦隊が江戸湾脱出に至った経緯
(3)開陽艦が江差沖で沈没した真の原因
これらの自問に佐々木がどう自答したか、それを楽しむだけでも十分お買い得な本。

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紙の本本能寺の変

2002/06/30 11:50

まるで映画のストップモーション

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歴史小説家にとって、格好のテーマ。それだけに大抵のアイデア、謎解きは先人の「本能寺」モノで尽くされているようにも思えるのだが、そこはさすがに津本陽だ。「下天は夢か」であえて短い(しかし切迫した筆致で)記述で終わらせた「本能寺」をついに披瀝。淡々と史実を語っているように見せながら、日に日に心理的に追い詰められていく光秀の焦燥の高まりをじっくり描きこんだ。その息が詰まるような緊張が最期に堰をきった。その運命の日の光秀の一瞬の「解放感」がよく伝わってくる。ところが信長もさすが、まるで映画のストップモーションをみるかのような最期の場面では地下の火薬庫を爆発させることであとに肉片のひとつも残さないという信長らしい散り方を演出。この大胆な推理には脱帽。突然途切れた「信長」の最期の日をこれだけ迫真的に描いたのは最近では池宮彰一郎の「本能寺」くらいか。「信長」信者にはまた楽しみがひとつ増えた。

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紙の本函館街並み今・昔

2002/07/03 11:27

函館の街の貴重な証言

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昭和の初期から戦中戦後までを中心とした函館の古写真を
それと同アングルから撮影した今日の姿と対比させながら
の語りおろし。語りは、まちなみタウン誌主宰の木下順一
氏。貴重な証言があちこちに。
街並みの変化よりもむしろ、思いがけず残ったものの多さ
の方に感嘆。つい見過ごしがちな「残されたモノ」にもっ
と焦点をあてていくことの重要性が伝わる。
そういえば長らく函館のランドマークであった、特異なデ
ザインの尖塔をもつ旧金森デパートの解体撤工事が進んで
いる。
バブルの時代にも何とか持ちこたえたそれらの歴史的建造
物が今になって消えていくのをただ見守るだけなのは寂し
いもの。具体的な「モノ」が消えうせると、記憶も急速に
喪われる。記憶を甦らせる装置としての「歴史的建築」の
維持・再生・活用の意義はもっと重要視されてもいい。
この本、BK1ではもちろん注文可能だが、都内で実際に手
にとってみるには、都内では神田の書肆アクセス(地方
出版専門)くらいしか扱っていないのが残念。

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長崎在住外国人の息子たち

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ピンカートンとは歌劇「蝶々夫人」に登場する長崎在住英国人。彼のような立場にあった、明治初頭の長崎在住外国人と現地妻との間に生まれた息子たちの中で最も有名人な二人、グラバーの息子倉場富三郎と藤原義江の波乱万丈な生涯の伝記。日本人離れしたセンスと行動力の二人と日本近代史の明暗が重なり合う。特に倉場にとっての長崎被爆、そして敗戦はなんと痛切であったことか。父の国と母の国のいずれにも本当には属しきれない苦悩が胸に迫る。いっきに読ませる好著。

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紙の本凛冽の宙

2002/07/22 08:41

結局、不良債権とは何なのか

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ここに書かれていることは、日本の平成不況のキーワード、不良債権とは何であり、その解決を図る多くの政策がいかに間違いの多いものであったか、である。そして「不良債権」を巡る本当の事実関係は結局多くの国民には分かりやすい形で示されなかった、ということを教えてくれるのがこの本の存在価値。
税制と債権放棄とのミスマッチにつけこむ多くの海外からの投資家、その手先となった多くの証券マンたち。計算高さと、知恵の戦いで日本人企業家、金融人がいかにもろい存在であったかが浮き彫りになる。ともあれ、内幕ものとしてはなかなかよく読ませる本。ただし本書の中でで縦糸になっている主人公、坂木とその昔の不倫の相手綾乃とのやりとりは小説の添え物以上ではないばかりか、むしろ雑音でしかない。
日本の「失われた10年」をてっとり早く理解したい、「不良債権」問題を読み解くためのいくつかの有益な情報を得たい、そういう読み方に徹するならお勧め。

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紙の本古民家に暮らす

2002/07/14 01:28

古民家ブームの真相

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最近静かなブームになっている古い民家を再生して住むというスタイルを特集したもの。月刊太陽(一昨年12月惜しくも休刊)の特集をフォローする企画。豊富な実例が写真入りで紹介されていておおいに参考になる。古い民具の紹介も。ちなみに評者が推薦の広尾のレストラン「土火土火(どかどか)」も「土と火の温もりとおいしいワイン」の店として出てくるのにはわが意を得たり。服部真澄の骨董市で家を買うも、エスプリの利いた文体で同じテーマを追う、好著。

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ちょっと深く「近代」日本を感ずるための好ガイド。

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昔、ロンドンとその郊外に小旅行を敢行した際、石造りの古城や、英国式庭園などが適切に保存・維持され、かつ、非常に巧みに現代における活用の道を探っていることに感激した(例えば観光用途にとどまらず、レストランや、コンベンション会場とか)。その運営母体がナショナル・トラストという公益法人であり、英国がその発祥の地とはあとで知った。国や自治体が管理すると活力・事業性の面でなかなかうまくいかないというのは洋の東西を問わず似たような反省があるのだろう。英国人のお得意な、そして日本人がなかなか真似できない分野。さて、この本は日本・ナショナルトラストが編集したものだが、日本の近代の建築物や産業遺産などにスポットをあて、全国の主要なもの(全国約50か所)を網羅。要領よい説明とハンディな装丁がウリ。評者の住む函館は、巻頭の特集でヨコハマ、明治村と並んで、「レトロタウン・函館」のタイトルで3ページにわたって紹介されている。十字街の路面電車操車塔、旧丸井デパートのエレベーター、元町配水場、函館山砲台など。普通の観光ガイドでは見落とされがちな貴重なコレクションが掲載されている。函館をもう一歩深く探索するためにはお勧めのミニガイドになろう。続編、あるいは個別の遺産ごとのシリーズ企画に発展させて欲しいもの。

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北海道の歴史を知る定番

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北海道新聞社刊の「北海道百年」の35年ぶりの復刻。
新聞連載の単行本化であること、史料をよく渉猟してしかもジャーナリスト的視点でかかれていることなどから、結構読みやすくまとまっている。
意外な史実にも数多く出会える。「初期の北海道移民には数合わせの乞食が多数いた」「開拓が直営で遊女屋」など。
ともあれ一級の書物。こうした本は息が長いので在庫がなくなったら少しずつでも増刷していくという地味なしかし堅実な売り方をして欲しいもの。
ただし、最近の研究で訂正されたこと(たとえば神戸事件でのフランス兵1名殺害など)が散見されること。
また復刻のせいか写真画像が非常に不鮮明。原版にあたってデータを作り直せなかったのか、残念。

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紙の本宮本常一が見た日本

2002/07/07 00:16

宮本と佐野:二人の巨人

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日本が生んだ偉大な民俗学者、宮本常一は戦後のある時期、ほとんど憑かれたように精力的に日本各地(とくに辺境の地を選んで)を歩き回って膨大な写真を撮影し、聞き書きを行った。彼の聞き上手はほとんど神業の域。撮影した膨大な写真は当時のまだ素朴ななかに庶民の知恵や工夫の宿る日本の風景やヒトの営みを切り取り、定着させた貴重な記録。佐野は30−40年後の今日、遺された写真を手がかりにその足跡を自分で実際に歩き、宮本がみた「忘れられた日本・日本人」を追体験する。すでに喪われてしまったもの、そしてまさに喪われようとしているものが、佐野の鋭い観察眼によって炙り出される。しかし、バブルの爪も及ばない、変わらぬ風景もないことはない。ただし、そこにはヒトの営みが欠けている(そもそもヒトが最早住んでいないとか)という無残。
佐野はまるで平成の「宮本」たらんとしているようにも思える。執拗なインタビュー、敢えて「歩きとおす」姿勢。著者の厚い息吹とため息が聞こえそうな、渾身のルポルタージュ。

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