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ZEROESさんのレビュー一覧

投稿者:ZEROES

12 件中 1 件~ 12 件を表示

映画は語る

2001/06/21 12:31

真の遺作

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 淀川長治の最後の対談集。高名な映画批評家だけに、その著書は数多いが、安易な聞き書き、杜撰な編集によるものも少なくはない。彼の膨大な知識と辛辣で的確な批評を受け止めるには、編集者側も相当の力量を要求されるはずだ。山田宏一は、それができる数少ない一人であり、本書では、稀代の語り部から古今東西さまざまな話題を存分に引き出している。内容面では「映画千夜一夜」の続編に位置づけできるが、前著では触れなかった日本映画に一章を設けるなど、ファンの期待に応える充実した一冊である。

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シネマの快楽

2001/05/24 12:57

古びない視点

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 故人となった武満徹と、批評家休業宣言をした蓮実重彦が、今はもう無いミニシアター「シネヴィヴァン六本木」の上映作品をめぐって交わした対話を収めた書籍が、15年ぶりに文庫化された。
 ゴダール、シュミット、エリセといった監督の名前に(今も現役であるとは言え)ある種の懐かしさを覚える映画ファンは少なくないだろう。80年代におけるミニシ アターは、こうしたスター監督を中心に動いていた側面があったからだ。
 評論では、ときに抽象的な言説に溺れることもある二人だが、ここでは具体的な場面を論じて、常に明快である。禁欲的とされるタルコフスキーが<映画的な俗っぽさ>にも寛容であることを指摘し、孤高のスペイン人監督エリセにジョン・フォードの痕跡を見出す面白さは、知識のひけらかしに終始する凡百の類書では味わえない。
 なぜなら、二人の対論は、作品を表面的に論じて優劣をつけるような安易なものとは根本的に異なり、絶えず映画史を参照し、これからの映画のありようを模索しているからだ。この本がまったく古びていない理由はそこにある。

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ガンダムの現場から 富野由悠季発言集

2001/05/04 19:04

貴重な資料

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 『機動戦士ガンダム』に関する単行本は山のように出版されており、富野監督関連の著作に限っても、かなりの数になる。本書は、製作当時の文章を、アニメ雑誌のインタヴューからサウンドトラック盤のライナーノートに至るまで集めた、落穂拾いのような内容だが、にも関わらず充実したものとなっているのは、富野監督が、いかなる目的意識をもって作品の創造に向かったかを浮かび上がらせる、編者の構成の巧さに拠るところが大きい。製作時に記したアイディアノートは貴重な資料だが、ここでも、編者による懇切な注釈が、読者の理解を助けている。

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誰が映画を畏れているか

2001/09/22 11:08

現在進行形の映画史

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 映画評論家二人が、92年から翌年にかけてPR誌に連載した往復書簡集。イーストウッド、ゴダール、カメリーニ、カネフスキー、キアロスタミ、厚田雄春、伊藤大輔、川喜多和子、北野武、シュミット、オリヴェイラ、小川紳介、といった固有名詞がとめどもつきず流れ出て、読者に映画史の再編成を迫ってくる。本書で示された映画の新たな潮流は、新たな固有名詞を加えて現在も流れ続けている。

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ワン・ゼロ 1

2001/06/28 12:32

先駆的な作品

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 神話の昔より、善と悪にわかれて激しい戦いを続けてきた二つの勢力が近未来の東京を舞台に最後の決戦を開始する。両者が切り札として用いるのが、コンピューターである。テクノロジーが文化風俗に与える影響を活写することで、作者は同時代のSF作家とは異なる未来像を提示した。カルト的な閉鎖性に支配された雰囲気は、まさに「現代」そのものであるし、土着の神対仏教という構図を採用しつつ、民俗学的なアプローチも内包することによって、時代的な広がりも感じさせる本書は、あくまでも高校生を主人公としたアクション作品として平易明快に描かれている。

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スタジオジブリ絵コンテ全集 1 風の谷のナウシカ

2001/06/23 13:59

待望の再刊

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 かつてアニメージュ文庫から上下2巻に分けて刊行されていた絵コンテ集の待望の復刊である。アニメにおいて、絵コンテは設計図であり、とりわけ脚本が書かれずに製作される宮崎作品においては、極めて重要な見取り図である。精密に描かれた絵は、単純にマンガ作品としても良質な読み物として楽しめるが、何といってもこれは、世界を魅了する演出の秘密に触れられる優れた資料なのだ。

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愉しみはTVの彼方に Imitation of cinema

2001/06/21 12:46

見巧者

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 金井美恵子、二冊目の映画批評集である。小説家として、細部への執拗な描写に圧倒される「前衛小説」や、鋭い観察眼にいちいち感心させられる「風俗小説」などを発表しているが、本書においても、そうした資質はいかんなく発揮されている。映画をテーマ主義によって読み解くことも、物語に還元することも良しとしない著者は、その映像と音響にひたすらこだわり、俳優や風景を等しく愛でる。マキノ正博やルノワールの人生観に深く共感し、ケーリー・グラントや市川雷蔵を讃え、溝口やメルヴィルに対する違和感を表明する。ひたすら快楽主義的な観方に反発を覚えるむきもあるかもしれないが、これほど豊かに映画と接している人間は稀だろう

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ハリウッド映画史講義 翳りの歴史のために

2001/06/21 12:13

緻密な批評

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 本書に登場するハリウッドは、前書きでも述べられているように、公式な映画史からは窺うことのできない世界である。マッカーシーイズムとTVの台頭によって、崩壊の危機に瀕した映画産業が生き残りを賭けた大転換を迫られる中で、いかに豊かな伝統が失われていてったのか、ニコラス・レイ、ロバート・アルドリッチ、エリア・カザンらがたどった軌跡をたどりつつ浮かび上がらせていく。旧来の倫理規定の撤廃が、映画表現にいかなる影響をもたらしたかなど、実証的な論評も踏まえて、その筆は、現在、商業的には復興を遂げたハリウッドの問題点の指摘にまでいたる。著者の批評家としての射程距離の広さが結実した長編評論。

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2001年映画の旅 ぼくが選んだ20世紀洋画・邦画ベスト200

2001/06/19 18:37

雑多で豊か

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 誰かこの書名を使うだろうとは思っていたが、まさか小林信彦だったとは意外。さて本書は、副題にある洋画と邦画のベスト100リストを核に、多くが単行本未収録だった文章の落穂拾いと、書き下ろしのクリント・イーストウッド論から成っている。このように時期も題材も雑多な中身にも関わらず、一読よくまとまった印象を受けるのは流石で、批評家として一貫したスタイルと美意識を、永年にわたって持ち続けた事がうかがえる。

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わが心臓の痛み

2001/06/19 18:16

ハードボイルド

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 心臓移植手術を受けて休職中の刑事が、臓器提供者を殺害した犯人を追跡する。シンプルで心打つ設定を元に、作者は物語をドライヴさせ、その中で悩みを背負った登場人物たちの姿が浮かび上がらせていく。犯人の設定の凶悪さも印象的だ。

 クリント・イーストウッド監督、主演、ブライアン・ヘルゲランド脚色によって映画化も決定した。

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デジモンムービーブック

2001/01/30 13:41

新世紀の作家

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 細田守をご存知だろうか。未だ一部のアニメファンに認知されているに過ぎないマイナ ーな存在だが、21世紀のアニメ界を牽引する存在になり得る逸材だ。
 彼は現在、スタジオ・ジブリで新作長編を準備中である。詳細は未発表だが、2002年 の公開時に大いに話題を集めることは間違いない。
 『デジモン・アドベンチャー』は人気テレビアニメの映画化である。映画といっても「東映アニメフェア」の一作として上映された短編だが、細田守の才能に注目させるに充分な 完成度だった。
 本書は、詳細な解説と10ページにわたる細田へのインタビューによって、その魅力を鮮やかに浮かび上がらせている。体裁こそムック本だが、研究書と呼ぶに相応しい出来であり、将来はアニメ史を語る上で重要な文献となること請け合いである。買うなら今だ。

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リドリー・スコットの世界 The making of his movies

2001/05/04 18:52

教科書的な評伝

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 『グラディエーター』『ハンニバル』の大ヒットによって、再び脚光を浴びているリドリー・スコットの評伝である。著者はスコットの代表作『ブレードランナー』の成立過程を詳細に取材した『メイキング・オブ・ブレードランナー』で知られるが、さすがに全作品を追った本書では、あれほどの執拗な取材とマニアックな分析には遠く、作品によっては、ほとんど書き飛ばしているような印象を受ける章もある。ハリウッドの娯楽作家に脚光を浴びせた「カイエ・デュ・シネマ」誌をアンチ作家主義のように表現するなどの、事実誤認も見受けられる。アップルコンピューターのCMなど、映画以外の業績にも触れていたり、世評低い『G.I.ジェーン』を擁護するような、好ましいマニアックさもあるが、総じて教科書的な退屈さから逃れられていない。

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