ちえこさんのレビュー一覧
投稿者:ちえこ
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紙の本新源氏物語 上
2001/03/31 09:47
「歌」という風流でもどかしい手段。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
言わずと知れた平安時代の、優雅で華麗な光源氏の物語。
美男で優しく、細やかな心遣いが出来る源氏の君は、とても魅力的な男であり、この男から愛されて嫌な気のする女性はいないだろうとまで思える。だが、愛された女性が皆幸せだったかと言えば、そうとも言えない。そしてそれは源氏自身も然り、である。
その情の深さ、優しすぎる優しさが、恋愛に於いては逆にアダになることもある。女性は源氏に愛される喜びを感じながらも、その優しさを自分一人のものに出来ない歯がゆさを、いくらあの時代であっても味わったはず。
そしてまた源氏自身も、ただ自由奔放に恋愛していたわけではなく、どうしようもない自分の性を恨めしく思い、悔いることもあるのに、やっぱり誰にも優しくしてしまうのを止められない矛盾を抱え、酷い男のような部分もあるのに決して憎めない男。たくさんの恋を楽しみながらも、どこか虚しさも残る生涯。
多くの登場人物のそれぞれの個性、駆け引き、誤解、上下関係などの要素を複雑に絡めつつ進められる恋愛模様は、確かにおもしろい。だが、そこに切り離せない「歌」という要素。
時に見苦しいほどの生々しい恋愛感情も、「歌」という、その風流で、ときにもどかしい手段の中で繰り広げられているところに、現代にない風情が感じられ、よりこの物語が愛されている所以なのではないだろうかと感じた。
紙の本金持ち父さん貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学
2001/03/29 09:56
一主婦として感じたこと。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
主人のお給料をアテにした生活。能動的にできることといえば、せいぜい節約し、いかにして支出を減らすか、またはパートに出て少しのお金を稼ぐぐらい。結婚してしまえば、女性はお金に対して受動的なものになってしまうものだとあきらめていました。
でもこの本に出会い、そんな考えしか浮かばないまま年齢を重ねてしまった自分が勿体無く、もっと若い頃、この本に出会っていればと残念に思いました。もちろん、だからと言って今まで通り、あきらめて人生を終わってしまわず、お金に関しても、またそれ以外に、自分の視野を広げるためにも、この本を読んだことは、もっともっと勉強していこうと思える良いチャンスになったと思います。
女性だから、年をとったから、と心の中で言い訳ばかりしている自分を戒めるためにも、これからもどんどん本を読み、たくさんの良い本に出会えれば、と思いました。
紙の本新・水滸伝 1
2001/03/18 10:34
頼もしく痛快。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本を読み始めて、こんなことが本当にあって良いものかと、何度も思わずにはいられませんでした。
思いもよらぬことで罪になったり、正しいことも言えない、ただ役人だけが強い権力を持つ風潮。そんな中で生きていかなければならない皆は、悪いことと分っていても、それに流されてしまうが、そういう人ばかりではない。そういう風潮に反発する人たちが寄り集まり、一つの集団をなしていく。
それぞれが一芸に秀でいる人達が集まったそれは頼もしく、力を合わせて闘っていく姿は痛快で、読んでいて本当に気持ちのいいものでした。
また、この百八人集まった人たちが、そうなるべくしてなった集まりなのだという運命的な星の定めにも感動致しました。
読み始めはハラハラドキドキ、後はスカッとした気分の味わえる作品でした。
紙の本脚からスラリとやせる本
2001/03/29 10:35
見た目だけの問題じゃなかった。
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普段、下半身肥満を気にする私は、脚ヤセのたぐいの本や特集には興味を持ち積極的に読んできましたが、ここまで私をやる気にさせてくれたのは、この本が初めてでした。
脚をヤセたい、脚をヤセたいと思う気持ちはいつもあっても、ストレッチ体操なども長く続かず、結局、少しぐらい格好が悪くても、まあいいかとあきらめてしまっていた部分があったと思います。
ところが、この本では、ただ脚をキレイにヤセるための秘訣が書かれているだけではなく、脚が普通以上に太ったり形が悪くなっていることそれぞれに「不健康さ」を指摘してあったのです。
見た目だけの問題しか知らなかったときは、どこか自分に甘くなってしまっていた「脚ヤセ」への取り組み。ですが、この本を読んで、下半身肥満が身体の中が正常ではないという訴えであることを知り、私の中の「脚ヤセ」ということへの姿勢が改まりました。
紙の本ゴールド・コースト 上
2001/03/26 17:54
人生には何が起こるかわからない。
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有能なる弁護士であり、善良な市民であるジョン。妻は知的美人で高級別荘地に邸宅を構え、乗馬に園芸にヨット遊びの日々。お互い自由で干渉しない自由な夫婦。だが、ある日隣家にマフィアのドンが越してきたことで、いろいろなことが思いもよらぬ方向に展開してしまう。
そのマフィアのボスも、いかにもそれらしければ近づきもしなかったのだろうけれど、なまじ優しそうに見えたために近づきすぎてしまった夫妻。
人生には何が起こるか、本当にわからないものだと思った作品。
紙の本他言は無用
2001/03/18 10:39
まさに他言無用な出来事だらけ。
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英国紳士の社交場であるクラブの幹事を勤めるレナード・フォード。
憩いを求め集まる者たちのために、すべての人たちの望みを叶えようとするが、そう都合よくはいかない幹事・フォードの仕事。
そんなフォードを困らせるために仕組まれたとある事件に沿い、フォードの苦労が綴られていく。
次から次へ持ちあがる問題を円満に解決しなければならない大変さ。誰を信じて良いかわからない孤独感。「クラブ」に悪い噂を立てないために、「クラブ」を守ろうと体面を保とうとしたことが、結局最後の最後までフォードを縛る。
とにかく他言無用にしておかねばならないことだらけの1冊でした。
紙の本オルゴールの鳴る部屋で
2001/03/18 10:25
歪んだ愛のかたち。
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愛、と言う言葉は、幸せな気分を想像してしまいがちですが、この物語の中では、姉のセアラの、たった一人の妹・ローリーへの思いやりの愛、とは対照的な誘拐犯の愛の歪んだ愛を見せつけられる。
善人の衣を着た誘拐犯の歪んだ考え方が、一人の人間をとことんまで追い込んでしまい、これでもか、これでもか、というほど迫ってくる怖さ。
自分の欲求を満たす為に、ここまで悪になれるものなのか。
突き詰めて見れば、これも愛なのだろうけど。
紙の本大地 改版 1
2001/02/16 01:22
それぞれの生き様が興味深い。
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大変貧しい家でも、夫婦が共に力を合わせれば、何かチャンスに恵まれるのでしょうか?
また、脇目も見ずに一生懸命働き、財産を築き、少し息抜きができるようになると、今まで共に苦労をして財産を築いてきても、男性と言うものは、綺麗な女性が目の前にいれば、そちらの方に気がいくものでしょうか?私はこの奥さんに大変同情してしまいました。
そして、子供達についても、親がこれほど苦労したことを知っていても、現実、楽な生活を経験してしまうと、やはり親の苦労はあまりわかっていないように感じられたのが、ある意味仕方のないことながら残念に思いました。
巻数のある本でしたが、それぞれの性格があまりにも違う子供達や、また、世代が変わっても、それぞれの生き様が、大変興味深く書かれていて、早く先を読みたいと、どんどんのめり込んで読んでしまいました。
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