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すべかさんのレビュー一覧

投稿者:すべか

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昔話と現存在

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 現存在分析で有名な荻野恒一が、金沢大学へ赴任中の何年かに奥能登の精神病院の患者との接した際が、主な症例としてあげられているが、ここで興味深いのは荻野が奥能登の「昔話」を現存在分析をする際の材料として役立てていることである。
 そもそも、こうした分析の手法は、現存在分析の起源にも一役買っているフロイトの神話分析以来ポピュラーなものではあろうが、それを日本の具体的な昔話を利用したところに本書のおもしろさはある。
 しかし、そうした「昔話」を単に人間的な性格の分類として取り扱う姿勢には、哲学的にいって感心できない点が多く残っている。おそらく、精神病者を「キチガイ」として排除するか、そうでなくとも、薬を飲ませて終わりにするような従来の精神病理学からは、一歩さきにすすんでいるのであろうが、しかし、患者を「人間」として「了解」すれば、治療が完成するかのごとき記述には疑問を感じざるを得ない。あたかも、「患者」がいままで「人間」的なものにふれてこれなかった、かわいそうな人々であるかのように扱うのは、「人間」として扱っているように見えて、単に「落伍者」としているかのようにも思える点がある。読んでおくべき本ではあろうが、しかし、読みながらそのことを忘れてはならないだろう。

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