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真泰さんのレビュー一覧

投稿者:真泰

15 件中 1 件~ 15 件を表示

考えさせてくれる

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 何やら出版界や読書好きな人たちの間でえらく話題になっていた小説です。どれほどすごい話なんだろうと思い読んでみましたが、中身自体は想像してたよりもエグさは感じませんでした。
 
 国の絶対命令でクラスメートと殺し合わなければならない…確かに設定としては怖いです。でも、単に血生臭いだけの話ではないです。途中で感動して涙ぐんだり、自分ならどうするだろうと、とにかくいろいろ考えさせられました。これほどまで考えさせてくれた本は本当に久しぶりでした。
 
 今の時代を生きる私たちは、常に生き残りをかけた戦いをさせられています…なんて言ったら少しオーバーかも知れませんが、でもそんな気がする時があります。仕事でも受験でも。そして時には、目には見えない凶器で相手の心を傷つけたり殺したりしているのではないでしょうか。殺人は恐ろしい事だと誰もが思います。でも、それは身体的な殺人だけを指し示していて、精神的(内面的)な殺人は無視されがちです。心だって血を流します。この作品は、そういう精神的な戦いや殺人を、敢えて身体的な殺人として置き換え描かれているのではないかと感じました。

 賛否両論に意見は割れるとは思いますが、この本はきっと心の中に大切な何かを残してくれますよ。

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紙の本文通

2001/07/12 16:25

全ては“運”でしかない

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 文通ならではの落とし穴、不気味さ、恐怖が描かれています。雑誌の文通相手募集のコーナーを見た4人の男女が主人公の女子高生に手紙を送ってくるのですが、本書の中では、その送られてくる手紙自体がとても写実的に表されているので、ますます鳥肌が立ちます。

 文通には手書き文字の温かさや個性が感じられ、相手に親近感が持てる良い面もあるけれど、その反面、相手に不信感や嫌悪感を感じる度合いがEメール以上に高いように思います。何より相手に自分の住所・氏名が知れてしまうことがどんなに不安で恐ろしいことか……。どんな文通相手にめぐり会うかは、本当に“運”でしかないのかもしれません。

 最後の主人公の涙がとても印象的でした。

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紙の本セシリア・ドアーズ 2巻セット

2002/07/05 20:12

「WET」のある世の中であってほしい

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 「染視病」という不治の病がはびこる近未来。少女・響が街で出会ったのは海という不思議な少年。海は自分に欠けている「WET」(=身体(ハード)でも知識(ソフト)でもない何か)を探しているという。彼と一緒に旅に出た響だったが、荒んだ社会の中で見つけたものは……。

 重いテーマと、どこか壊れかけた人間たち。死んだ妹をコインロッカーに捨てたり、親に毒物を盛ったり、このままでは死ぬと分かっている子供をあっさりと見殺しにしたり……。特に主人公の響や海など子供たちの言動には恐怖すら感じました。しかも毒気のない爽やかな絵で、さらりと描かれているので余計に怖いです。それでもこの漫画から目が離せなくなるのは、それだけ魅力があるのはもちろんですが、いつの日かこういう荒んだ時代が現実として訪れるんじゃないかという不安を感じているからなのかもしれません。最後に救いがあって欲しいと望まずにはいられない、痛いけど優しく切ない漫画だと思います。

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紙の本怪奇小説傑作集 2

2002/02/16 21:07

モダン・ホラー

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 近代怪奇小説の巨匠たちの作品を集めたアンソロジー本です。ハートリイ「ポドロ島」、コリアー「みどりの想い」、デラフィールド「帰ってきたソフィ・メイスン」、スミス「船を見ぬ島」、クロフォード「泣きさけぶどくろ」、サキ「スレドニ・ヴァシュタール」、マリヤット「人狼」、アダムズ「テーブルを前にした死骸」、ヘクト「恋がたき」、カットナー「住宅問題」、ウエルズ「卵形の水晶球」、ベレスフォード「人間嫌い」、ローマー「チェリアピン」、ホワイト「こびとの呪」の全14編の作品が収録されています。

 結構古い時代の作品ばかりなのでとても怖いかと思っていたのですが、心底怖いという感じではなく、不思議な話だなあという程度でした。それでも興味深く読むことができました。
 特に印象に残ったのは、「帰ってきたソフィ・メイスン」です。悲しい死に方をした幽霊が出てくるのですが、恐怖を感じたのはその幽霊にではなく…。他に「住宅問題」も面白かったです。

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紙の本D−ブリッジ・テープ

2001/05/28 10:39

私たちは少年の叫びを聞かなければならない

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 不法投棄のゴミに溢れた近未来の横浜ベイブリッジ。そこで一本のカセットテープを大事そうに抱えた少年の死体が発見された。親にゴミと一緒に捨てられ、ゴミしかない場で生き、そして死んでいった少年。再開発計画の会議が行われようとしていた室内に、その少年が残した遺言とも取れるテープが再生された。その内容は凄然たるものだった。

 とても重要な現代の問題を真正面からぶつけてきた作品だと思います。グロテスクなシーンが多く、怖さも気持ち悪さもありましたが、それよりも辛さと息苦しさを強く感じました。少年の「生きたい」という気持ちが嫌という程に伝わってきて涙が溢れてきます。また、ゴミの中で生きることに必死な少年と、綺麗な部屋の中でうんざりとテープを聞く会議の出席者たちの、あまりに正反対すぎる境遇や光景が印象的でした。そして読後も少年の声がいつまでも耳に残りました。
 ホラーとしてというより、小説全般の一作品としてとにかく素晴らしかったです。こんなに少ないページ数ながら、内容は濃厚で、きっちりと纏め上げらています。近未来の日本を舞台に書かれてますが、いつかはこんな事態になるのではないかという不安は募るばかりです。

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紙の本夏の庭 The friends

2001/07/19 15:54

少年とおじいさんの素敵な物語

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 死んだ人を見てみたいという好奇心から、一人暮らしをしているおじいさんの観察を始めた小学六年生の三人の少年たちの姿に、最初は、まるで人の死を願っているようで、なんて怖い子供たちなんだろうとぞっとしました。けれど、身近に「死」を経験したことのない子供たちにとっては、それはごくごく自然に湧き起こる素直な気持ちなのかもしれません。そんな等身大の子供の心を軸に描かれているので好感が持てました。

 始まりは観察というものでしたが、次第にストーリーは、おじいさんとの交流へと変わっていきます。少年たちはおじいさんという一人の人間からたくさんのことを学び取ることができたと思います。そして「死」と「生」のことも。人は死んでも生きている人の心に何かを残していけるのですね。夏の匂いに満ち溢れた最高に素敵な物語です。

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紙の本クリス・クロス 混沌の魔王

2001/05/23 06:05

「現実」とは?

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 よくある剣と魔法もののファンタジーなのかと思っていたら違っていました。ホラーかと思うほどにとにかく怖かったです。
 その人の意識だけがゲームの世界に入り、戦士や魔法使いとしてRPGを疑似体験出来るなんてゲーム好きな人には堪らなく魅力的な話です。でも、読み終えた時には考えが180度ひっくり返りました。正直言ってこんなゲームが開発されたら嫌です。また、遠い架空の世界の話ではなく、近い将来もしかして……と、私たちの世界の延長線上の未来に存在し得る話に思え、余計に恐怖心を掻き立てられました。

 「現実」っていったいなんだろうと考えずにはいられませんでした。今、こうして書評を書いている自分は現実世界の自分なのだろうか? いつかは覚める長い夢を見ているだけなのだろうか? それともこの作品のように疑似体験できるコンピューターによって他人の生活を疑似体験しているだけなのだろうか……。考え出すとキリがありませんが、「現実」を証明する術を知らない自分に空虚にも似た気持ちを感じました。

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紙の本江戸川乱歩傑作選 改版

2001/09/16 04:14

乱歩の初期作品集

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 乱歩の初期作品9編が収録された作品集。
 乱歩の小説は何度読み返しても飽きず、いつも新鮮で面白いのが魅力です。初めて読んだ時、これは本当に大正時代から昭和初期に書かれたものなのかと大変驚きました。時代を感じさせるものも多く登場しているけど、古臭さや、分かりにくさといったものは感じません。

 処女作の「二銭銅貨」は、その見事な暗号とトリックに溜め息でした。最後の展開もまた見事です。
 「赤い部屋」は、法律に反しない方法で99人を殺害したと告白する男の話で、この9作品中で一番ドキドキさせられた作品です。こういうことを思いつく乱歩はやっぱり凄い。終わり方も好きです。
 「人間椅子」は、ある女性(作家)に届いた手紙の、その恐るべき内容に恐怖がじわりじわりときました。最後が圧巻です。

 乱歩作品を初めて読まれる方には特におすすめの一冊です。

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伝説の王ドロボウ

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 輝くものは星さえも、森羅万象たちまち盗む伝説の「王ドロボウ」。その一族の末裔のジンと、相棒の鳥のキールが、お宝を求めて街から街へ渡り歩く冒険物語。
 初めて読んだ時、鳥肌が立つほどに興奮しました。ジンたちが狙うお宝がまた面白く、金貨や宝石といった普通のものではなく、「ダブルマーメイド」、「時計じかけのブドウ」などといった、いったいどんな物? とわくわくさせてくれるものばかり。登場人物たちも生き生きとしていて本当に面白く楽しい作品です。

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紙の本そして誰もいなくなった

2002/07/07 00:56

驚き

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 それぞれ面識の無い10人の男女が、 U・N・オーエンと名乗る人物から招待を受けインディアン島の彼の邸宅へやって来た。客人たちの部屋には、何かを示唆するかのように古い子守唄の「10人のインディアン」の詩が額に飾ってあり、さらに、応接間のテーブルの上には10個のインディアン人形が。そして、突然部屋の中に、10人の客人の過去の犯罪の告発の<声>が響いた。それを皮切りに、「10人のインディアン」の詩になぞらえた惨劇が始まってゆくミステリー。
 ミステリーの女王クリスティーの最高傑作ということで、推理小説をほとんど読んだことがなかった当時、評判の良さとタイトルに好奇心を擽られたという理由から読みました。孤島で10人の人間が1人また1人と殺されていく恐怖。今ではありきたりな古典的な展開だけれど、最後まで作品に引き込まれ夢中で読みました。そして、最後に犯人が明らかになった時の驚きは今でも忘れません。でも初めて読んだ当時は、推理小説とは何か全然分かっていなかったので、あのまま犯人が不明で終わって欲しかったと強く思ったものです。それじゃ、推理小説として成り立たないんですけれど(笑) 想い出の一冊です。

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絵の細かさに圧倒

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 この巻でこの作品の本当の良さと面白さを知りました。
 前半は「爆弾生物ボルヴォーラ編」の後編。命を無視され道具にされるポルヴォーラ……人間は勝手だと思いました。ジンが運ぶ小さなチビポルだけはどうか生き延びますようにと、幸せを祈らずにはいられませんでした。
 後半は「不死の街リヴァイヴァ編」。ベルモットという少女から、永遠の命と巨万の富を手にできるという“もうけ話”を持ちかけられたジンとキール。だけど“もうけ話”の裏には……。キング・コアントローの書き置きの言葉と穏やかな表情に涙が零れ、そして最後のジンのセリフがとても胸に響きました。

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紙の本46番目の密室

2001/06/20 14:03

テンポが良く、読みやすい

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 臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖の二人が事件を解決していく本格推理小説です。推理小説は苦手だという人の中にもファンが多いと言われています。
 ストーリーのテンポがとても良く、推理小説を読み慣れていない自分でもスラスラっと読むことができました。主人公二人の会話も息が合っていて面白く、男同士の友情(?)っていいなと思いました。そして火村には心に残るような名言も多いです。結末はとても意外でしたが、読後の感触は最高でした。

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やっと拭うことのできたイメージ

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 「銀ねず城の黒騎士団」完結編です。
 読み終え、本を閉じると同時に大きく息を吐いてしまう程に、とにかく読み応えがありました。デュアンとチャールズ王子の間にあったギスギスした雰囲気が緩和していく様子がとても良かったです。お互いに刺激し合えて、結果的に二人とも大きく成長した感じが見て取れました。頼りなかったエヴスリン王も、今回の出来事によって、これから本物の王様らしくなっていくのではないでしょうか。
 お城が舞台で魔道士や騎士団も大勢登場し、剣を交えるシーンも多かったせいか、良い意味で重みのあるストーリーでした。

 『デュアン・サーク』は、同作者の著名作『フォーチュン・クエスト』の世界から約100年遡った世界を書いた作品です。そういうこともあり、これまでは、『デュアン・サーク』=『フォーチュン・クエスト』のサイドストーリーというイメージをどうしても拭えなかったのですが、この銀ねず城の物語により、やっとで両作品を同等のものとして、切り離して見ることができるようになりました。

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紙の本リング

2001/03/14 14:57

背筋が凍る程の恐怖

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 質の高さで爆発的支持を受けた作品です。後に映画にもなり話題になりました。
 ホラー小説は結構読んでおり、ホラー慣れしているつもりの私ですが、背筋が凍る程の恐怖を感じました。気持ちはストーリーの先へ先へと急かされるのに、その気持ちとは裏腹に、本を持つ手は次のページを捲るのを思わず躊躇ってしまいました。
 更に、全てが終わったと思い、安堵の胸をなでおろしたのも束の間、再び恐怖のどん底に突き落とされ、最後の最後にくる果てしない失望感……。絶妙です! 読み終えた後は一人でいるのが怖くなるのと同時に、この本を誰かに読ませなきゃと思わずにはいられませんでした。
 どこの家にも1本はありそうな、ラベルの貼っていないビデオテープ。「何が録画されてたっけ?」と、安易に再生してみるのは危険かもしれませんね。(笑)

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ひと味もふた味も違う冒険物語

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 RPG(ロールプレイングゲーム)要素がいっぱいの冒険ファンタジー小説です。そして、そんじょそこらの冒険ファンタジー小説とはひと味もふた味も違いました。

 どんな冒険(クエスト)が始まるのだろうと思えば、なんと主人公たちメンバー6人は冒険に出発するお金が無く、借金を返済するために温泉水を運ぶアルバイトをすることに。しかも乗合馬車に乗るお金さえもないので、移動手段はてくてくと歩く徒歩のみ——。自分が思い描いていたかっこいい冒険(クエスト)物語とは大分かけ離れていて、一瞬呆然としました。でもこのアルバイトを機にホワイトドラゴンのダンジョンに踏み込むことになるのです。

 主人公のパステルを含め、パーティの仲間たち6人は、冒険者といっても全員がレベルもまだまだ低い初心者。方向音痴のマッパー(地図を書く人)、戦うよりも剣のお手入れの方が好きなファイター、トラブルメーカーで派手な服装の盗賊、記憶喪失の農夫、無口な運搬・運送業の巨人族、メモを見ないと呪文を言えない子供の魔法使い——と、彼らは特に剣の腕が優れているわけでも、すごい魔法が使えるわけでもありません。思わず、「おいおい、大丈夫かい」と心配になってしまいますが、これがなんとかなってしまうのです。そして個性的な主人公たちに加え、怖いはずのモンスターたちも実に面白く、にんまりしました。

 全体的には、ほのぼのしていますが、わくわく感はピカイチです。

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