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  3. 月乃春水さんのレビュー一覧

月乃春水さんのレビュー一覧

投稿者:月乃春水

234 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本パリのおばあさんの物語

2009/03/21 20:26

岸惠子さん翻訳の、パリにひとりで暮らすおばあさんの物語。静けさの中に感じられるのは…

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

フランスで20年以上も読みつがれている絵本だそうです。岸惠子さんがはじめて翻訳されたというので手に取ってみました。

小さなアパルトマンにひとり暮らしのおばあさん。市場でお金を払うのも、自分の家の鍵をあけるのもひと苦労。

あなたにとって、人生でいちばん難しい仕事は何かしら。
おばあさんはきっとこう言うでしょう。
「それは、なんにもしないでいるということよ」

ともかくも、と彼女は思います。
「やりたいこと全部ができないのなら、
できることだけでもやってくことだわ」
(P6より抜粋)

おばあさんの過ぎ去った日々の回想が挿入されています。フランスに来たばかりの頃のとまどい、中央ヨーロッパからの移民だった婚約者のカフェで起きたハプニング。

「陽気で忠実な連れ」であるテレビで聞く「戦争、クーデター、テロリズム、飢餓、亡命」。おばあさんはナチスが幅をきかせていた1942年のころをつらく思い出します。

おばあさんの現在の日常の中で、くっきりと思い出される忘れられない過去。あとがきに書かれているように、おばあさんはユダヤの人なのです。

「この広い世界には、いろんな人が生き、日本にいては考えられない暮らし方をしているのだ」と、しみじみ知って欲しい、という岸惠子さん。

たしかにこの絵本は、知るための手助けをしてくれます。

加齢していく現実、そして忘れられない過去。どちらも淡々と受け入れているおばあさん。静けさの中に、強さが感じられるお話です。

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紙の本仕事と日本人

2008/11/02 19:44

近代的な労働観を超えた働き方は?江戸時代から現代までの仕事のあり方の変化を知り、自分の働き方について考えてみる。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本経済史が専攻の経済学博士(東京大学大学院経済学研究科教授)によって書かれた、江戸時代から現代までの仕事のあり方を、多くの文献をもとにたどり、近代的な労働観の意味を考える本です。日本だけでなく、フランス、アメリカ、オランダなど海外での事例も取り上げられています。

『人は仕事を通して多くの人たちと出会い、協力し合い、あるいは競い合うことで社会的存在としての自分を見出していく。

労働は社会的な存在としての人間にとって、きわめて重要な絆をもたらす意味をもっているはず。

20歳代から50歳代の終わり頃まで、寝る時間よりもおそらく多くの時間を
人は「仕事」をすることに費やしている。

それだけ多くの時間を費やす人間の活動が、単に金のためだけではない、働くことそのものに意味を見出すような働き方、そうした働き方にもとづいた労働観は考えられないだろうか?』
(はしがきより抜粋)


「労働」という言葉は、そもそも近代になって日常的に使われるようになったそうです。語源をたどっていくことで、日本人の「はたらく」ことの捉え方の変化をたどっていく。この試みは、興味深いものです。

江戸時代の農民たちのように自分が労働の主人たりえた時代から、明治以降、新しいはたらき場所として工場、会社が生まれ、雇用関係が生まれてきます。
「組織のなかでの労働」であるがゆえの、不自由さ。これはわたしも会社員としての生活で身をもって経験しました。

これからも「はたらく」ことの捉え方は時代とともに変わっていくことが予想されます。たとえば社会起業家の誕生にもみられるように。


職種や雇用形態によって、また個人個人によって、働くことの捉え方はいろいろだと思います。この本を読んで、感じるところも、読み手によって様々ではないでしょうか。
わたしの場合、とてもよかったのは、読み進めていくうちに、過去と現在の自身の「働き方」を振り返ることができたこと。

独身時代に10年弱、会社員として働いていた日々。その後、自宅で家業の経理・事務とNPO法人の受付業務を、主にパソコンで行っている現在。
働き方も、時間のとらえ方も、ずいぶん変化していることに気づきました。

この本を読み、自分の働き方について、思いをはせてみるのもいいかもしれません。



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こんなたのしみ方もあり。虫好き大人女子の観察、発見&愛の詰まったかわいらしい本

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「虫目」とは、自然のディテイルの美しさ、おもしろさが発見できる目のこと。
いつも「むしは、どこ?」という気持で、ゆっくり歩くというフリーライターの鈴木海花さんの虫への愛が詰まった、とてもかわいらしい本です。
月ごとの観察日記、虫グッズ集め、ほぼ日手帳に書いて貼った虫目歩きの記録、虫好き大人女子の「蟲愛づるお茶会」の模様、遠出して出会った虫の記録、本棚の虫の本などなど…。

虫は見るのもイヤ、という人は別として、庭先などで「あら?」とおもわず虫の姿に目を留めたことがある人(わたしはこれに該当します。時折、日々の記録として写真を撮ることもあります)ならば、「こんな虫の見方もあるのか~」と驚くのではないでしょうか。いや、もっと言うなら「こんな世界があったのか~」と。

くらしの雑貨だったり、文房具だったり、花だったり、犬や猫だったり。
こよなく愛するものや生きものは、さまざま、人それぞれです。
虫が好き、というのももちろんあり、だと思います。
専門家の目ではなく、あくまで「虫目」。
『その道のプロでなくても、熱狂的な標本コレクターでなくても、博物学的興味をもって小さくて大きな虫の世界の魅力を楽しむことはできる』という鈴木海花さんのことばには納得です。
その窓口となるような本。興味を持った方はぜひページをめくり、雑貨や旅の記録のように紹介されている、きれいでかわいい本のつくりも含め、たのしんでみてください。

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紙の本ズルい言葉

2010/09/22 20:48

ついつい使いがちな「ズルい言葉」。「え?」な気分の採集標本。あなたはどう思う?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ついいつい使いがちな責任逃れ語、曖昧語、紋切り語がずらりと45個。
『広告』『料理通信』『ランティエ』と、それぞれ違うジャンルの雑誌に掲載された、酒井順子さんによる言葉に関するエッセイ集です(掲載順はシャッフルされています)。

暑い
あとは若い人に
ある意味
いまどこ?
ウチ
おいしい
オーラ
おかわりいかが?
お砂糖、いくつ?
お薦めは?
おバカ

会費はいくら?
蟹食べてると……
嫌いじゃない
ごちそうさまでした
ご予算は?
コラーゲンたっぷり
これは、何ですか?
今度、ごはんでも
直箸、失礼します
してあげる
していいですか?
昭和
そんなにたくさんは……

近くで申し訳ないんですけど
次につなげる
どうする?
どこか懐かしい
年明けってことで
取り分けますか?
なかなか
夏バテ防止
一口、どう?
普通
本当ですか?

負けない
ママ
見えなーい
みんな
みんなで食べるとおいしいね
もしアレだったら
持って帰っていいですか
料理、得意なんです
私、大食いなんです
私のこと、好き?

端正な文章の中に、鋭い視線と深い洞察がのぞきます。
わたしは酒井順子さんとは同年代なので、まさに!わかる!同感!と頷くところもあれば、ほぉ~そういうことか、と酒井さん流解釈に感心するところもあれば、うーん、それは考えすぎかも?と思うところも。

あとがきには、このように書かれています。
『日頃使いがちな言葉をしげしげと眺めていると、私達が言葉によって表現しているのは、気持ちの中のほんの一部でしかないということに気付くのでした。言葉というのは、生々しい気持ちを他人様に開示する時の化粧であり、ファッションのようなもの。
その化粧が時に濃すぎたり、とんちんかんなセンスだったり露出度が高すぎたりすると、受け手としては「え?」と思うわけですが、本書はそういったちょっとした「え?」という気分を、採集してみたもの。ともに「え?」な感覚を楽しんでいただければ、幸いです。』

「え?」な感覚、つまり、言葉の感覚というのは人それぞれ。
まずはこの本を読んで、酒井さんと。そして今度は身近な人と、採集された「ズルい言葉」について検証してみるのもおもしろそうです。


本についてのよもやま話。 <ブログ> 本のことあれこれ

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紙の本にじいろのさかなとおともだち

2008/10/09 15:19

友達とふれあうにじうおの一日を描いたボードブック。入門編としても。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

にじいろのさかな「にじうお」を型どった(上部だけではありますが)ボードブックです。シリーズの絵本同様、うろこやひれがきらきらと光っています。

にじうおの一日(「おはよう」から「こんばんは」「おやすみなさい」まで)が、たくさんの友達とのふれあいを通して描かれています。

あざらしとのおいかけっこ、うみがめとのダンス、イルカに声をかけ、たつのおとしごとかくれんぼ、おおくじら、かいとの会話まで。

これといって「何か」が起こるわけではありません。ストーリーを期待する人にはちょっと物足りない、あかちゃんから2、3歳向きといえるかもしれませんが(あくまで私見です。明記されているのは「対象 2さいから」)美しい魚たちの色、水の色を存分にたのしむことができます。

暑い夏、地元の書店でこの「にじいろのさかな」シリーズの絵本が、水槽と中にビー玉やきらきら光るセロファンのようなものと一緒にディスプレイされていました。
おもわず見入っていた三男。水槽の中に入っていたのが、この絵本なのです。(蛇足ですが、「水の中にいるにじうお」ということなんでしょうね。)

絵本を読むときには、ふとんに入って、電気を少し暗くして、というのがわが家ではいちばん多いパターンですが、光るうろこやひれが、とてもきれいで、気に入っています。

「にじいろのさかな」シリーズの入口には最適です。

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人間ドックで何するの?何がわかるの?医療コンコルジェが案内、マンガ家が体験するカラダ点検講座。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人間ドック、健康診断についてがよくわかる女子のためのカラダ点検講座。
独身、31歳、「不摂生女」腹肉ツヤ子が人間ドックに初挑戦!ということで、体験談がコミックエッセイになっています。

人間ドックというと、なんだかハードルが高い、そう気軽には受けられない、という気がしてしまいます。かく言うわたしも未体験ですが、いったいどんなことをするの?

内容は
 Part0 <決意編> 三十路はつらいよ!
 
 Part1 <準備編> 人間ドックの疑問あれこれ
  費用はどれくらい?
  病院選びのコツは?
  どんな検査をするの?
  事前にしておくことは?

 Part2 <体験編> いざ、臓器ちゃんにご対面!
  7年ぶりの基本検査
  はじめての直腸触診&胃カメラ
  ドッキドキのCT&婦人科検診

 Part3 <結果編> 結果表の罠に気をつけて!
  正常の中に潜む異常
  誤解しがちな項目
  有効期限はどのくらい?

 お家でできる自己検診
 乳がん自己検診

人間ドックにかかる費用、補助金制度、どの検査が自分に必要なのか?などの疑問は、医療コンコルジェの馬渕知子先生(著書に『デキる人」ほどなぜ人間ドックに行くのか?』 )が案内、ポイントをアドバイスをしてくれます。
体験編では、ツヤ子さんが日帰り人間ドックを受けている所感が下ネタまじりで描かれています。

いちばん役に立つのは、検査結果の見方です。
基準値内だと安心してはダメ。正常の中に異常が潜んでいる場合もある。それはどんなとき?

健康状態がわかる「タンパク質」、体の機能が正常かどうかわかる「ビタミンB群」、酸素が足りているかどうかわかる「鉄」、気になる「コレステロール」、「血糖値」のチェック方法が具体的に書かれています。不足の場合、どんな食へ物が必要なのかもわかります。

人の体は日々変化しているから、人間ドックを受けた1か月後に病気が見つかることもある。この本では、定期的に血液検査を単体で受けることもオススメしています。

わたしは、がん検診を含む健康診断は毎年受けています。ただ「正常値範囲内」ということですっかり安心していました。
が、やはり加齢とともに、病気未満なのだけれど、不調が気になるこの頃。ちょうど、自分のカラダ、食生活についてあらためて見直しているところだったのです。
Part3を開いて、3月の診断結果と照らし合わせてみたら、あ、足りていない…!!

ただ診断を受けて異常がないからOKと終わりにするのではなく、結果を分析して、体の状態がどうなっているのか、これからどうしたらいいのか、までを考えて実行していくための「カラダ点検」なのですね。

一年に一度の健康診断でもチェックはできますが、検査項目がもっと多く詳しい人間ドックも、近いうちに受けてみてもいいかも。

人間ドックがどんなものかわかるだけではなく、日々のカラダ・メンテナンス(食事含む)が重要、ということが実感できる、お役立ち本です。

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紙の本ノンタンおよぐのだいすき

2009/09/03 13:54

ノンタンと友だちの水中冒険譚。擬音がたのしいしかけです。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ノンタンはおよぐのだいすき。タイトルのように、泳ぐことや水遊びがテーマかな?と思いきや、ちょっとちがいます。

ちびっこかめさんが泣いているのをみかけたノンタンたち。
迷子になったちびっこかめさんのママをさがしに出かけるんです。

いろんな海の生き物たちと出会い、ちょっとしたピンチも!
水中の冒険譚がテーマといえるかもしれません。

愉快な擬音もこの絵本の魅力のひとつです。読んで、たのしくなってしまうしかけです。

とってん とってん、
ばしゃ ばしゃ
とってん。

と泳ぐ様子。

にゅら にゅら、
にゅら。

とたこさんの様子。

ぶく ぶく、
ぶー。

というさかなさんはとっても不機嫌で…

という具合。

ノンタンシリーズは、三男が病院の待合室で見て気に入り読みだしたのですが、
弟が気に入っているのを知っていた二男が、出かけた時に三男にと、おみやげに買ってきてくれたのです。

絵本って、そんなふうに出会ったエピソードも含めてたのしめ、
そして思い出に残るのがとてもいいな、しみじみ思います。


個人ブログ□□本のこと あれこれ□□

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大切なのは愛、畏敬の念と感謝。親子関係、家庭を見直し、行動、実践していくきっかけになる一冊

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

子どもの犯罪についてのニュースが後を絶ちません。頻繁に、身近なところでも起こりうる事件。私たちはどうしたらいいのでしょう。
非行、いじめ、ひきこもり、心の病。子どもたちをめぐる問題の原因を有識者が分析しても、事態は好転に向かっていかない。
子どもたちの変化は大人たちの変化、社会の変化そのままの反映でもあります。
スピリチュアル・カウンセラーとして活躍中の江原啓之さんが、人間の本質は「たましい」であるという視点と、目に映るこの世がすべてではなく「霊的世界」があることも視野に入れた上で考え、提言しています。
子どもについて書かれた数多くの本とはひと味ちがったものになっています。
たましいを満たすものは、ただ一つ、愛。
愛だけが、子どものたましいを育て、子ども自身のたましいが持つ「愛の種」を育てる。
そのような「霊的、精神的価値観」は、今の世の中に浸透している「物質主義的価値観」と対極にあるもの。
また、人間がもっとも深く愛を学べる場である「親子」の関係、最大の「愛の電池」の充電基地である家庭を見直す、
自然霊への畏敬の念と感謝を持ち、言霊を軽視しないといった内容には、大いに頷きました。
「霊的世界」「スピリチュアル」に関しては、最近、議論がたたかわされているようです。
信じる、信じないはともかく、子どもと親、家庭について、真剣に考えている本書は一読の価値があると思います。
最後に「大切なのは行動、実践なのです」と書かれています。まさにその通り。
親として、人としてできることをひとつずつ、実践していきたいと思います。

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紙の本さくらのさくらちゃん

2012/03/27 16:49

さくらのはなびら「さくらちゃん」が見守り祝う入学式。4月のおたんじょう月絵本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「おたんじょう月おめでとう」シリーズの4月は小学校の入学式がテーマです。
語り手はさくらのさくらちゃん。かわいいさくらのはなびらです。
和田さんちの庭に満開で咲いている桜の木に咲いているさくらちゃんの目で
この家の新一年生ひろちゃんと家族、入学式の一日を語ります。

 きょうは ひろちゃん
 いつもと ちがう。
 かっこいい ランドセル
 ぴっかぴかだ。

玄関前で記念撮影をしたあと、おめかししたおかあさんとひろちゃんは入学式に出かけます。
さくらちゃんは木からひらひらとまいおりて、ひろちゃんの頭の上へ。
これで学校までいっしょに行けますね。

朝の街の様子がよくわかる絵がとてもいいんです。
住んでいる人のくらしぶりもうかがい知ることができます。
たくさんの新しい一年生が学校へ向っています。
昇降口で先生からおかあさんが書類をもらって教室へ。
さくらちゃんは、道で会った女の子の様子も気にしています。

入学式が終わり、おうちに帰ったところでおかあさんがさくらちゃんに気づきます。
さて、さくらちゃんはどうなるのかな…?

入学式の時期にさくらが満開になっていると、さくらの花に祝福されているような気持になります。
花びらのさくらちゃんがひろちゃんの様子を見守り、祝っているのがこの絵本のいいところですね。
小学校に入る前のお子さんに読んでみるといいですね。

ひとつ注文をつけるならば、入学式があまりにあっさりとしているのがもったいない。
そのような小学校が実際にあるのかもしれませんが、体育館に入場したり、上級生が歌う校歌を聞く場面もあったなら入学式の晴れがましい姿がさくらちゃんにも読み手にも、もっと伝わったように思います。

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紙の本ふゆですよ

2012/02/05 19:20

さまざまな場所の日本の冬の情景。冬になるたびめくりたくなる絵本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

四季のえほんシリーズの一冊。日本の冬の情景が描かれています。
すべての場面(ページ)は
「こんにちは ふゆですよ」
ということばではじまっています。

森、山、海辺、田んぼ、川、湖、里山、駅、街、公園、動物園、海の底、庭。
さまざまな場所での冬の景色。
日本の情景、というかんじが出ています。
最後はクリスマス会がはじまるところ。窓の外にいるのは…?

ところで、この絵本のいちばんはじめは
「こんにちは ふゆは もう きましたか?」と尋ねる人がいます。

最初は飛行機の中かな?と思ったのですが、
その前にある中表紙を見ると、
ん?空というより宇宙から地球を見ているみたい…?
ちょっと不思議な感覚に包まれます。

絵を描いた降矢ななさんの遊びごころでしょうか。
いかにも日本の冬、という雰囲気は、スロヴァキア在住だからこそ
描きだせるのかもしれませんね。

冬になるたび、ページをめくりたくなる絵本です。

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伝説の育児コミック復刊!本音の赤裸々体験談は読みごたえたっぷり。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1993年発行の伝説の育児コミックがふたたび復刊!
2003年復刊のものに加筆・修正を加え、リサイズ、再編成されたシリーズ1巻目です。
『かわいいころを過ぎたら』(リュウの思春期ルポ・ アン18歳 )を読んでこの『ママぽよ』を知った人も、当時読んで「なつかしい、もう一度」という人もいるかもしれません(わたしは前者です)。もちろんはじめて出会った、という人もいるでしょう。

収録作品のタイトルだけでも子育て中の人は「わかる!」と共感の嵐ではないでしょうか。これから子育て、という方は「えぇっ!?」…かも?

Prologue ぽよぽよザウルス─その生態
 その1 男の子の育ち方
  ACT1 男の子はイタイ
  ACT2 男の子はアブナイ
 その2 女の子の育ち方
  ACT1 女の子はナマイキ
  ACT2 女の子はワガママ
第1話 テーブルグチャグチャ戦争
第2話 ママだって遊びたい!
第3話 こんなハズじゃなかった!?
第4話 リュウのご入園
第5話 入園前の包茎手術
第6話 公園デビュー処世術
第7話 子連れ旅行記
第8話 上の子VS下の子
第9話 アン 地獄の旅巡り
第10話 ダーリンの実家
第11話 さすらいのリュウ
第12話 はじめてのお留守番
第13話 アンの関所
第14話 毎日ほえてます
第15話 遊園地のプロ
第16話 すじ金入り アンのジダンダ
第17話 ファイティング アン
第18話 地獄の寝かしつけ
第19話 おもちゃ回遊術
第20話 アン手伝い盛り
第21話 アンとリュウのお友だちづきあい
第22話 リュウのおけいこ
第23話 どうしてこんなに叱ってしまうのか?
第24話 子守りバトル
第25話 ハカイ王リュウ
第26話 ケンカ兄妹
第27話 人さらい?ダーリン
第28話 アンのパーマ
第29話 アンの発熱
第30話 荷作り大好き
第31話 プール大好き
第32話 おしゃぶり大好き
【2003年の青沼家】ぽよぽよザウルスがこんなに大きくなりました
【2010年の青沼家】描きおろし ママぽよRemenberその1

ずいぶん前に描かれたものにもかかわらず、古さを感じさせないのは、子どもや親の本質をとらえているからでしょうか?
子どもを取り巻く環境もいくぶんの変化はあっても、大きく変わってはいない、ということかもしれません。

「子どもってこういうものである」というような、大きな定義ではなく、
あくまで「うちの子、リュウとアン」、「ダーリンとわたし」、そして身近な友だち、「板橋マダムス」の状況、その考察、という体験談です。本音が満載!
そこが、読者の「そうそう、うちも!」「あぁこれはたいへん(わが家よりも)」「よかった、うちだけじゃないんだ」などの共感や安心感を巻き起こしたのではないかと思います。

巻頭はカラー、オレンジを基調にした2色刷り。「はみだし育児日記」も含めてびっちり描かれています。読みごたえたっぷり。 

最近は育児エッセイやコミックも多様化しています。いろいろと読んでいる方も、未読ならばぜひ「元祖・赤裸々育児コミック」をどうぞ。


<ブログ> 産後の読書案内(本のことあれこれ)

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身体の仕組みを知り、正しいテクニックを身につける。産婦人科医、性科学の研究家が説く、パートナーへの思いやり、愛情を育てるセックス指南書。

38人中、36人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

女性の産婦人科医であり、性科学=セクシャルサイエンスの研究家でもある宋美玄先生が人間の生活から切っても切り離せないセックスについて、真摯に書いている本です。

発売当初からビーケーワンをはじめオンライン書店で売り上げランキングの上位に入っていました。それもそのはず、この表紙の本を堂々と書店で購入できる人は少ないでしょう。春輝さんのイラストは官能的できれいなのですが、多くの人の手に渡すためのデザインとしてはどうなのか。「女性にも読んでほしい」という著者の意図とは離れてしまっていて、少々もったいない気がします。


◆目次◆
はじめに「すばらしきオーガズムをすべての女性に味わってもらうために。」
1 オーガズムって何?
2 感じるところ、感じにくいところ
3 セックスを始める前に…
4 実践篇1 まずは乳房の愛撫から
5 実践篇2 クリトリスはソフトタッチがお好き
6 実践篇3 膣はシンプル&丁寧に愛撫
7 実践篇4 男性だって愛撫してもらいたい!
8 実践篇5 いよいよ挿入=クライマックス!
コラム集 産婦人科医は見た!1・2
     ローションのすすめ
     締まりがよくなるエクササイズ
あとがき「気持ちいいセックスに必要なのは女性の積極性と、男性の思いやり」

データとイラストを駆使してわかりやすく書かれています。
男女ともにパートナーの身体の仕組みをよく知ること。ふたりで高まるための正しい手クラックを身につけること。この2点こそがお互いに対するおもいやりの表れであり、それさえあればオーガズムは自然に訪れると、宋先生は説きます。

AV作品や漫画で描かれているのは男性目線の幻想、勘違い。女性にとっては迷惑もいいところ。
「もっとセックスを楽しみたいという女性の積極性と、男性の思いやりあふれる愛撫があれば、ふたりそろってもっともっと気持ちいいセックスを体験できます。お互いへの愛情も、おのずと深まるにちがいありません。」という宋先生。
女性目線での指南は、男女ともによりよい関係を作るのにきっと役立ちます。
宋美玄の「女医が教える本当に気持ちいいセックス」


本についてのよもやま話。 <ブログ> 本のことあれこれ

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ハチクロワールドがディープに楽しめる!豪華で贅沢な1冊。

15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『ハチミツとクローバー』の世界がよりいっそう深く楽しめるOfficial fan book。
手にしてあまりの豪華で贅沢な内容に卒倒しそうになりました。これはすごい、すごすぎる…
キャラクター紹介はプロフィールだけじゃなく、足あと、パーソナルチェックでこれまでのストーリーがつかめるうえに、「ウミ子の部屋」(いうまでもなく某トーク番組のパロディ)に出演してインタビューに答えるという念?の入れよう。
もちろんメインだけじゃなく魅力あふれる動物たち、インパクト☆ピープルまで網羅しています。
さらにめぐる季節やイベント、思い出の場所に注目した「ハチクロをあるこう」、ハチクロファンによる作品(これまた素晴らしいものばかり!)、書店による「ハチクロ応援団」、見て読んで学ぶ「ハチクロ図鑑」、予告カットを集めたミニ・ギャラリー、羽海野先生撮影のお宝フォト、超レアネタのインタビュー、おともだちの漫画家による描き下ろしメッセージ、自分探しアドベンチャーゲームにカルトQなんていうのまであるんです。
よくぞここまで!!!と感心、放心してしまうほどの内容。
この濃さ、深さといったら…参りました。
これを見たからには、やっぱりもいっかいはじめから読みたい、読まなくっちゃ、『ハチクロ』を!とうずうずしてきました。
わたしのようにマンガを読んでドップリ浸っている人も、アニメを見て知った人も、どちらも未経験、これからという人も、きっと満足するはずの1冊です。

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一歩先行く先輩から、ターニングポイントにいる42歳に熱いエール。「人生の本番はこれからだ!」

14人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「あたりまえだけどなかなかできない」シリーズの42歳からのルール。
まさに今、42歳なので読んでみました。

カバーの内側には「人生の本番はこれからだ!」という力強いことばが目に飛び込んできます。

42歳はターニングポイント。大学を卒業して就職した人なら、社会人生活20年目。
「さて、これから自分はどこを目指して行くのか?」という分岐点に差しかかっている。この分岐点で、その後の生き方のスタンスをどう捉えるからよって、人生は180度違ったものになる。「守りの人生」か、「攻め続ける人生」か?

う~ん、最初からうなります。

著者の田中和彦さんは1958年生まれ。42歳のときは、生まれてはじめてハローワークに通い失業給付金をもらう失業者。リクルートで「週刊ビーイング」「就職ジャーナル」など4誌の編集長を歴任しながら、映画配給会社に転職。まったく異業種の映画プロデューサーに転身。その会社を辞めた時だったそうです。
現在は、人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍されていますが、そんなご自身の体験、エピソード、実感が込められたルールの提案です。

「生きざま」「キャリア」「働き方」「仕事術」「上司」「人間関係」「学び」「生活とお金」「遊び」「挑戦」の10章、ルールは10個ずつ、全部で100あります。

同世代のライター、知り合いの映画プロデューサーなど身近な人から、元巨人軍のピッチャー桑田真澄、サガン鳥栖のジェネラルマネージャー松本育夫、黒澤明監督、プロ野球の審判員として長年活躍した富澤宏哉、ベテラン女優などの考え方、生きざまも随所にちりばめられています。

・ 会社を辞め、失業者になって「1人の人間として何ができるのか?」ということが最後には自分を助けることになる、と痛感。そこから得た3つのこととは?

・ ビジネスの世界で生きるということは、不自由さから解き放たれて、自由を獲得するための戦いである。その戦いに勝つために必要な3つのこととは?

・ ガラクタチームのメンバーたちの可能性を信じ、一緒に大きな目標に向かって戦うリーダーの姿が描かれているオススメの3本の映画は?

・ 判断を求められて、とりあえずすぐに何かを決めなければならないときの4つのチェックポイントとは?

などなど、見開き2ページの中に書かれたルールの中で、参考になり、活かせることがたくさんあります。

『社会人20年のキャリアを今後どのように際立たせるかで、42歳以降の人生はまったく別物になっていく。大切なことは、自分を客観的に評価し、そこに何をプラスしていけば市場価値の高い存在になれるかを知ることだ。キャリアの本当の意味でのブラッシュアップは、42歳から始まると言っても過言ではない。』(P45)

ビジネスマンに限らず、42歳前後のアラフォー世代に限らず、たとえばこれからキャリアをスタートさせようとしている人にも役に立つヒントがあります。

女性の場合は、出産、育児で社会から離れていた時期も含めて「キャリア」になるのではないかと思います。人生の大きな転機となる出産、育児経験が、これまでにまったく気づかなかった視点を持たせ、未来のビジョンを見せてくれる、というのを実感している女性は多いはず。

最後に、こんな熱いエールを紹介します。

『42歳のあなたには、元気いっぱいでいてほしい。「諦めた大人」にだけはなってほしくない。自分らしい言葉でしゃべり、自分らしい夢に向かって、自分らしい生き方を手に入れようとする存在だ。この国の将来のためにも、心からそう願っている。』(P229)

『42歳で「もう人生も終わっちゃうのかなあ」と思っているのなら、「バカヤロウ!」だ。「まだ、これからじゃないか」と、少し先を歩いた先輩から、あなたにエールを送りたい。』(P233)


42歳になった友人(夫婦ともに同級生の42歳)にこの本をプレゼントしようと思います。


本についてのよもやま話。□□本のこと あれこれ□□

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コンプレックスをチャンスに変えていったトップモデル・押切もえの幸せをつかむ「姿勢」のつくり方。

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人気モデルの本が「モデル失格」。まずはタイトルが目を引きます。

太宰治の小説『人間失格』。主人公の姿がどうしても他人事とは思えないのは、モデルとして挫折し、苦しんでいるときの姿とあまりにシンクロするから。
私は「モデル失格」。それを認めたときから、私のモデル人生ははじまった、というもえさん。

読者モデルから『CanCam』のモデル、現在は『AneCan』の専属モデルとして活躍するも、これまでの道のりは、決して楽なものではなかったとふりかえっています。
たくさんの挫折や失敗を経験しながらも「愛されたい」というたったひとつの思いから、ただまっすぐに努力し、走り続けてきた姿。
この本を読んではじめて知りましたが、「応援したい!」という気持ちになりました。


「スーパー女子高生」として雑誌に読者モデルで登場、芸能界入り。最初から順風満帆だったわけではなく、オーディションに落ちまくる。そんなとき友達を事故で失う。悲しさと孤独の中で「だめだと決めつけているのは自分だ」と受け入れ、プロモデルとして生きることを決心。

2001年、『CanCam』のレギュラーになるも、所属事務所がなくなり、日雇いアルバイトをしてしのぎ、モデルなのに服が買えないとういう不遇の時代。

その後、『CanCam』専属モデルとしての4年間は順調に過ぎ、充実した日々を送るも「これでいいのかな?」という自分への問いが残るようになった24歳。
ハワイの海で海流に呑みこまれるという事故、そして頸椎損傷で入院。

絶望のなかでも回復していくうちに、できることからやり始める。そして復帰。
「あきらめなければ、絶対にハッピーはつかめるんだ」

2007年『AneCan』の誕生。専属モデルとして活躍、CMやTVに活躍の場を広げても現在まで。

読んで行くうちに、どんどん引き込まれてしまいます。

いわゆる「美人顔」でないコンプレックス、性格は「臆病、あきらめが早い、人見知り」。それがどのように変わっていったのか。

これまでの道のりに加えて、押切流・幸せになるための処方箋、押切流☆幸福論と続きますが、その中に答えがあります。

仕事に、人生に、おもっきりがんばって幸せになりたいという人にとって、実践のヒントがつまっています。そして、読むともれなく元気が出ます。


巻頭のカラー8ページでは写真をはじめ、雑誌で連載されたページと記事の中でのことば、そしてBIOGRAPHYが掲載されています。

これはファン向けサービスでもあると同時に、押切もえについてよく知らない人にも、どのようなポージングや表情で雑誌に登場しているモデルなのががわかるようになっています。

押切もえさんについては、わたしは名前と顔しか知らず、特にファンではありませんでした。写真集やエッセイ集として発売されていたら、手に取ることはなかったかもしれません。

新書として発売されたことが、わたしをはじめ多くの人の手に渡る結果になったと思います。

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