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Koreanさんのレビュー一覧

投稿者:Korean

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紙の本韓国IT革命の勝利

2001/03/18 15:41

ライバルは韓国だけ?

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 先日出張で韓国の社員と話す機会があり、それを機にこの本を読んだ。本書とは関係がない話で恐縮だが、そこで私と同年代(30代中ごろ)の彼らが盛んに強調していたのが、日本に対する認識の世代間のギャップということだった。私自身は、戦争のことと切り離して韓国のことは考えにくいが、彼らは全くそういう意識がないという。日本の映画をよく観、アイドルタレントのファンでもあるという彼らは、確かに上の世代—日本語を話せる世代には戦争の影響は色濃く、それは彼らをも戸惑わせるという。日本人を前にしての遠慮を差し引いたとしても、非常に興味深い話であった。

 本書の話に戻ろう。上記の松本氏の書評にあるように、本書はIT(主にインターネット)の切り口が多いものの、広範に韓国を紹介している本と考えるべきだろう。その点で、韓国のIT事情の掘り下げた情報や分析などを期待する向きに堪えるものではない。

 私にとって非常に読み辛かったのは、筆者の語り口がひたすらに「絶叫調」だった点だ。「韓国はインターネットを中心にしたITの世界では既に日本の遥か先を行っている」と繰り返される主張は、日本人の韓国に対する認識を叩き潰すかのような調子で綴られ、正直辟易させられた。

 通信インフラの整備状況などは、数字の示す通りなのかもしれない。また、ソフト面でも韓国発のインターネット・ビジネスやアプリケーション・ソフトウェアの進出が最近著しいのも事実だ。同時に日本の規制の問題等に対する指摘は謙虚に受け止めるべきとも思う。もっとも、この点は既に目新しい内容は本書にはないのだが。アジアの中で云々などというインターネットの世界では無意味な比較は無視するにしても、日本は学ぶべき隣国の実情を知らなすぎるとは確かに言えよう。

 ただし、携帯電話に関する指摘など現時点で明らかに分析を誤っている箇所もあり、やや性急かつ一点に結論を絞りすぎている点で、私は本書の評価を下げざるを得ない。

 インフラは問題の一部でしかない。また、小学生がインターネットを使うことの何がそれほどすごいことなのかも、私には分からない。アメリカなどでも話題になった子供の起業のことも同様だが、その評価はもう少し待つ必要があるのではないか。

 また、政治の世界とネットの効果の結びつけも、いささか強引に過ぎる。北朝鮮の金正日書記がネットで韓国の情報を入手しているといって、そこで得られる情報の深さ・正確さ・範囲は、彼ほどの権力者にとってどれほどの意味があるだろうか。

 再び脱線で恐縮だが、私が個人的に一番脅威と感じるのは、世界的に見ても中国・インドである。正確に言えば「中国人・インド人というタレント」ということになろう。数年前、IBM社のスーパーコンピューターがチェスのチャンピオンを破って話題になったが、そのシステムの開発は中国人の研究者が中心となったチームだった。インド人は、サプライチェーン・マネジメントの世界的な雄であるi2テクノロジー社を創立するなど、もはや安価なソフト技術者の供給国というポジションからは脱している。母数(人口)が多いからということだけでは説明のつかないこの状況を、深く分析・論評した著作に期待したい。

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