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sfこと古谷俊一さんのレビュー一覧

投稿者:sfこと古谷俊一

171 件中 61 件~ 75 件を表示

紙の本

紙の本ゲームのデザイン 盤上の魔力

2001/06/02 21:39

ビジュアル豊富なゲームの発達史の概説

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 歴史的な古典ゲームを、貴重な遺物・伝来品の豊富なカラー・モノクロ写真で紹介した本です人生ゲームや野球盤まであたりのゲームの通史を、簡単に紹介もしています。図版が多くページ数の少ない割には読み応えがありますね。

 INAXは、トイレやタイルなどの陶製品で有名な大会社。この本は、その会社の文化支援事業的な狙いで運営していると思われる、 INAX GALLERY の名古屋支部(というのかな)が企画した書籍です。INAXの出版部門では、他にも美術や住環境関連の興味深い本を、色々と出しているよ
うです。
 奥付には掲載されている写真の対象となった古ゲームの収集をしている個人や企業の名前が並んでいまして。ああ、ゲームを文化として持ち上げる動きがあるんだなあと感心します。

 ゲームについての哲学的論考や芸術論などを引いた冒頭の話は、TRPGの視点からはいろいろな意味で面白いものがあります。“通常のゲームのような終局は存在しない。 一つの[手]が次なる[手]を呼び、不断に[どのように判断すべきか]という問いを発しつつ、ゲームは続行されねばならない”という「不可能なゲーム」はTRPGに極めて近い気がします。
 また、ゲームの分類も面白いですね。 競争ゲーム(先にゴールにたどりついたものが勝ち/すごろく他)、戦争ゲーム(飛び越してとりあい/チェッカー他)、配列ゲーム(直線に並べる/連珠他)、包囲ゲーム(はさめば勝ち/囲碁他)、マンカラ系統(取り合った駒の数を競う/数合わせ他)。 歴史的なゲームの網羅的な知見はなかったのですが、こうしてみると現代のボードゲームも、数千年も前から存在するパターンの組みなおしである部分が多いのがわかります。
 初期のサイコロが四角柱とかだったりしたのも興味深いところです。四面ダイスはこのほうが良いような気もします。

 全体として、ゲームそのものの全体的な概念や発達史・デザインの基本をつかんだり、昔からゲーム盤などが美術的な要素をもち、どのように作られていたのかを理解するのに役に立ちます。

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紙の本

考古学的なヴァイキングの実相についてのビジュアルな入門書

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 カラー写真満載のヴァイキング入門書。700年代末から1000年代なかばまであたりの北欧・デンマーク・アイスランドなどに居住し、現在のロシアからカナダ沿岸までで交易・植民・略奪などで活躍したヴァイキングとはなんだったのかを、ビジュアルに理解できます。
 はっきりとは書かれていませんが、イヴ・コア著のカラー写真満載の概説書に、資料編としていくつかの書籍や論文からの抄録を加えたものだと思います。

 前半2/3ほどは、フルカラーの写真や図版、昔の絵画などをたくさん配した解説書になっています。
 色々と面白い写真がありますが、まるで丘のようなロングハウス(P102)には、びっくりしました。防寒のための厚さ2mの泥炭の壁、その上に芝生が生えているという感じでしょうかね。『指輪物語』のホビット庄ってこんなもんなのかもな、とか思ったりしました。

 後半1/3ほどを占めているモノクロの資料編も、いろいろな本からの抄録とはいえ、短めでわかりやすくまとまっているので、けっこう便利です。
 神話や儀礼などの信仰を中心に、軍事教練についてや、遺物研究からの生活についてなども含まれています。とくに、弓や水泳の訓練の内容についてなどは、たいへん興味深く読めました。

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紙の本

日本の歴史的奇術を知る入門書

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 主に江戸自体の古文書の記述と昔の記述の思い出をもとに、江戸時代の奇術についてトリックを中心に解説した本です。図版も豊富で、ひとつひとつの解説は短めですがわかりやすくなっています。

 著者の泡坂妻夫は、家業は紋章上絵師。奇術をからめた話も多いミステリ小説家で泉鏡花賞や直木賞など受賞多数。創作奇術家としても有名で、優れたオリジナル奇術に贈られる石田天海賞の第二回を受賞しており、奇術についての著作も多くあります。

 出てくる道具類の素材などは戦後あたりまで利用されていたものですが、現代の人間はあまり知らないものが多いですね。ここ数十年で身の回りの品が様変りしたことを痛感します。

 呪術と奇術と信仰がすべてがマジックであった戦国時代以前、料理と奇術の類似性、見立ての美学なども、興味深い一冊です。

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紙の本

紙の本新世紀未来科学

2001/04/29 21:40

科学技術の未来とSFのステキな関係

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 科学技術についての将来的に発展が期待される・計画されている・危惧されている興味深いトピックスについて、その発展の歴史と現在の研究段階、SFでの扱われかたと将来への展望について書かれた本です。
 章題で内容を追いますと、宇宙科学(軌道エレベータやテラフォーミングなど)、医学(臓器培養や老化防止など)、生命科学(設計レベルからの人工生物や絶滅生物の復活など)、コンピュータ/ロボット工学(AIや微小ロボットなど)、情報/通信(ネットワーク社会の未来など)、エネルギー(各種のエネルギー獲得法)、環境(人口問題や気象制御など)、ファーアウト物理(慣性制御やワープなどの超技術のたぐいの可能性)、といった感じになっています。

 SFと科学をいっぺんに、手広く概観できます。もちろん浅くひろくですから、詳細については別の本をということになるでしょう。しかし参考になる書籍が多数紹介されており、興味をもった人がさらに調べたりするのにも便利でしょうね。索引はないので、特定のキーワードについての情報がどこに載っているか、関連書籍は……という使い方には向きません。
 ただまあ、短くまとめるために解説は最小限ですから、ある程度の基礎知識がないと理解しにくいような気はします。静止衛星や遺伝、進化や古典物理学など、現在も良く使われている科学技術についての、高校の理科程度の知識を持っている必要はあるのではないかなと思います。

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紙の本

紙の本中世大学都市への旅

2001/03/31 22:31

大学がいかにして誕生したか

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 エッセイ的な書かれかたであり、内容が整理されて網羅的に提示されているとは言いがたいところはありますが、中世ヨーロッパの大学を概観する上では便利な一冊。大学の組織が、人の集団から場所に依存する集団へと変化を遂げて行った過程。大学の組織の変化と役職の推移、学業のあり方の変化などについて記述されています。

 この本の中で大学の流れの主軸は、移動する大学から固着する大学へというものだと考えられています。
 中世を彩る旅人たちのなかに、学生というものの存在があった12世紀ごろ。いまだ大学という概念が特定の建物に属するものではなく、人間の団体、つまりギルドであった時期には、今風にいえば適当に場所を借りて講義などをする、学問サークルであったわけですね。
 それが特定地域にいくつもの建物をバラバラに借りている状態となり、のちには権力者などの後援を得て建物を丸ごと所有できるようになる。そんな中で、官僚の育成のための最高学府の利便性から、給与により教授を都市に永住させるようになり、地方各地にもそれぞれの大学ができるようになっていく。
 そうして大学というものが、あちこちの都市をまわり良い先生につこうとすることから発生した独立自尊の存在から、政府のための組織に変化して行くなか、どのように変化して行ったのか、というあたりについて、色々と書かれています。
 その過程で出てきた、パトロンによる独自の目標や選抜基準を持つ学寮で、生活費を保証されるかわりに、パトロンの決めた規則や理念に基づき特訓を受けるというような構図は、TRPGで使ってみると面白い環境かも知れません。PC全員が学寮住まいで、みんな寮の規則で厳しく縛られているとか。
 ちなみに、大学共通語としてのラテン語の存在意義ってのは、こうしてあちこちから集まった学生が共通の言葉で学問を納めるために必要とされたという側面があったわけですね。だからのちに地方ごとの大学が重視されるようになるとは、あまり流行らなくなったわけなんでしょうね。
 あと、我々の想定するようなキャンパス、塀で囲まれたひとかたまりの建物が誕生するのはアメリカにおいてであるという話も、けっこう興味を引きました。

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紙の本

ヨーロッパの住宅史の入門

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 古代ローマの複合高層建築物であるインスラを中心として、中世フランス・中世ドイツ・近世イギリスなどの集合住宅の構造と思想について述べたものです。
 貴族・豪商の館といえば、庭つき一戸建の建物を想像してしまいがちですよね。しかし実際にはラテン系の都市文化においては、富めるものの屋敷と貧困なものの住宅とがひとつの建物として成立していることが、ローマ時代よりありきたりのことであったのだそうです。
 五・六階建の粗悪な集合住宅が立ち並び、夜中には高層建築の崩れる音がうるさい……というような恐るべきローマの市街。道を歩いているさいに建物が倒れてくる可能性を考慮する必要があるというのは、センスオブワンダーを感じます。
 フランスの町屋の構造や、ドイツの商館の構造などもあり、巻末には古代ローマの発掘された各種市街と一般建造物の簡単な地図などがありまして、図版的に理解しやすいのも良い点でしょう。

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紙の本

紙の本地名の世界地図

2001/03/29 21:07

世界の地名の由来を大量に

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 世界各地の地名の由来について、ひたすらたくさん詰め込んだ本。網羅的でも学術的でもありませんが、ページ単位でも大丈夫な読み物として楽しめます。
 分量的にはヨーロッパの比率が高いですが、世界のですからむろんアジアや日本の地名もありまして。うちの近くの当麻ってのはアイヌ語の沼に由来するのかと感心したり。

 フランスの由来のフランク族とは投げ槍(フランカ)に由来するとか、ケルトとは石斧の意味だとか。カリフォルニアって地名は『ローランの歌』に出てくる架空の国に由来するとか、ソウルは都(みやこ)の意味だとか。カイロは本来はアル=カーヒラ(カーヒラの英語表記がカイロ)で勝利の都という意味で、アル=カーヒラはアル=カーヒルの女性形でアル=カーヒルは火星のことなのだとかいう繋がりは、なんか知るだけで楽しくなります。
 マルタとは避難所の意味で、シチリアはシクリ(鍬)を持つ人という意味とか。コルシカが森林の多いという意味だと聞けば、なんかイメージ変わりますし。

 索引も充実しており、すべての国名・首都名の語源が網羅された付録もあり、いろいろと便利です。新書サイズで索引があるのは珍しいと思いますが、やはり無いと困りますね。

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紙の本

計測結果でみる格闘技の威力

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 なにやらあやしげで人目を引くための題名となっておりますが、副題は「最新スポーツ・バイオメカニクスが教える"強くなるコツ"」であります。内容的には副題が正しい……というわけでもなく、実際には衝撃力実験の計測結果と高速度撮影による体の動きの分析のほうが主体となっています。
 ゲームデザインの参考や小説の描写用にと購入してみたものですが、なかなか興味深いものです。速度や運動量の定量的なデータ・図表がたくさん入っているあたりが、科学マニア好み。
 内容的に面白かったものとしては、格闘技別の力の入れかたやスピードとパワーのバランスとか、一般人と訓練した人間の差異がどのあたりにあるのか、というあたりですか(大相撲の力士って恐すぎ……)。
 あとは、蹴りのパワーがパンチの三倍だという誤解(誤解です……実際には大差ないようです)が腕と足それぞれの筋肉繊維の太さ、つまり筋肉の発生エネルギーの大きさが三倍ちがうことによるものだというあたりかな。実際には全身の筋肉の力をうまく伝えないと、ろくな攻撃にならないわけで、どちらも全身の運動を利用しているわけなんですね。

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紙の本

地方都市の藩士の生活からみる江戸時代

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 尾張藩の朝日文左衛門重章なる藩士が、18才から26年間書きつづけた日記をもとにして、当時の世相を描き出そう、という本です。時期的には1991年から1717年、元禄の好景気とその崩壊の時期に相当します。
 この文左衛門なる人物ゴシップ好きの男だったようで、当時の噂や事件を克明に記録しています。また遊びのすきな男で、月に三度の仕事を片付ければ暇なためもあって、芝居見物やら釣りやら女遊びやらと、これまた遊び歩いては日記に書き残していたのだそうで。
 江戸の風俗などについては比較的書物も多いのですが、それ以外の都市についてはあまり情報がありませんよね。当時の地方都市の下級武士が、いかに軟弱で、仕事をサボリ、ひまだらけで、接待三昧であったか……そしてどれだけ妻の尻に敷かれていたのかを、日記を引用しつつ軽妙に解説してありまして、この本はなかなかの拾い物でした。

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紙の本

紙の本プラトンのアトランティス

2001/03/28 13:00

アトランティス伝説の形成過程のまっとうな入門書

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 かの『闇よ落ちるなかれ』やハロルド・シェイのシリーズで知られる、SF作家のディ・キャンプによるノンフィクション。
 アトランティスに関する言説をプラトンの『ティマイオス』『クリティアス』から説き起こし、その後の書物においてアトランティスの描写や位置づけがどのような変遷を遂げていったのか、アトランティスの実在を信じた人々はどのように考え行動したのかを紹介しております。
 現在の知見からは古い情報・間違った理論も無いわけでもありませんが、基本的に正統科学的な見地からの記述といえるでしょう。

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紙の本

紙の本暗黒太陽の浮気娘

2001/03/28 12:54

アメリカのSF大会の雰囲気を伝えるミステリ

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 この小説は、アメリカ探偵作家クラブ賞を授賞したミステリです。
 この作品はアメリカの地域SF大会ルビコンを舞台にして、人気ファンタジー作家が殺された事件について、ハードSF作家がTRPG(テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム)のセッションを介して犯人を自供へと追い詰めていく話です。
 で、小説中で使用されているルールはD&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ:RPGの元祖、世界最初にして最大シェアののTRPG)です(文中で明言されています)。
 この小説の描写がどこまで実情を示しているのかは、むろん良くわからないわけですが、ついついアメリカのTRPG事情を理想化して考えてしまう人などにはけっこうショックの大きな描写がたくさんあります。社会生活にあまり向いているとは言いがたい性格の人々、キラーダンジョン的バランスのシナリオ、社会人の遊びではなく子供の遊びであるという認識、低リスク高報酬シナリオを期待する風潮。まあ、そんな連中をファンのまなざし・仲間意識をもって描写しているところが、好感がもてるんですが。

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紙の本

紙の本ゴールド 黄金

2001/03/21 18:52

SFを書くことにまつわる短編とエッセイ集

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 アシモフ最後のSF作品集と銘打たれた短編集。第1部はSF短編集ですが、第2部はSFについて、第3部はSF小説の創作技法についての、アシモフ誌初出のエッセイです。
 最初の作品は「作家になりたかったロボットの話」。作品内作品も面白いが、全体として「もの書きのもつ思い、恐怖」などが出ていて興味深いかと思います。第1部では他にも表題作が、SFという形式に対する想いが出ていて興味深いと思います。
 第2部は、SFの基本的な題材や社会的な影響についてのエッセイ。SFのものの考え方を再確認するのに有益かと思います。
 第3部は、SF小説作法と題しまして、実践的な指針や話づくりの考え方などについて書いてあります。自分の詰まっているところ、疑問に思っているところとを年頭に読んでみると、とくに有用です。
 全体として「SFを作ること」についての分厚い一冊となっており、SFものを書いてみたい、遊んでみたい人の参考になると思います。お値段は文庫としては高いですが、548ページありますしね。

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紙の本

紙の本中国の住まい

2001/02/25 20:20

中国建築のわかりやすい入門書

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 中国建築の基本構造・中心思想と、それが各地でどのような応用がなされているか。そして建築にまつわる信仰まで扱う、中国建築の入門書。中国の歴史的建造物について理解するうえで最良の入門書でしょう。我々日本人の多くは、似たような建物のつもりで、その基本構想を全く理解していないことを痛感させられます。
 Images of Asia とはオックスフォード大学出版局による、東南アジアを中心としたアジア各地の歴史・文化・生活を紹介する入門者向けのシリーズだそうで。この本も、そのうちの一冊の翻訳。翻訳分は、主に都市や建築に重点を絞ったとのこと。
 写真や図版も多いので分かり易いですし、木造で柱を中核とした建造物を知らない人間向けに書かれているため、説明も丁寧で理解しやすいと思います。

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紙の本

ヨーロッパの城の発達史がイラストでわかる

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 中世から近代までのヨーロッパの城郭発達史を、豊富な図版と解説で概観する事典。
 〈歴史群像〉グラフィック戦史シリーズの一冊。だいたい半分がフルカラーという贅沢なつくりで、グラフィック戦史の名に恥じないできになっています。
 城郭についてのビジュアル面が、写真、平面図、鳥瞰図、断面図、などなど、豊富に掲載されていまして、イメージや歴史的推移をつかむのにたいへんな有用です。近世の火砲時代の要塞の記述がけっこうな割合なのですが、中世から近世のヨーロッパの城についても、歴史の流れの中で理解できます。

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紙の本

紙の本パンの文化史

2001/02/25 20:00

パンからみた中世ヨーロッパの生活

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 パンといえば食物の代名詞。そんな社会は世界に広く存在します。われわれ日本人には良くわからない、家庭で焼くパンという文化。その発達過程について、考古学資料や文献資料、そしてフィールドワークの成果を駆使して解説した本です。
 パンに利用される穀物の特性について。醗酵パンと無醗酵パンの使い分けをもたらす、土地の植生や信仰。バン窯やオーブンの成立に至るまでのパンの焼き方の変遷。古くからの田舎でのパンの焼き方と生活のありかた。中世におけるパン屋の持つ意味。といった構成でしょうか。
 定量的なものが色々と示されているあたり、たいへん参考になります。実際のパン窯の構造や、中世の一般家庭の構造(どこで料理し、煙突がどうなっていたのか、ストーブと暖炉の違いや意味など)。具体的な調理法(材料からタイムテーブルにいたるまで)、どのようなパンがあったか。パン屋の社会的位置づけや法令、などなど中世ヨーロッパのイメージを固めるのに役にたちます。
 中世ヨーロッパでは料理の煙はどう処理されていたのだろう? これ一つとっても、日本人にはイメージがわかないものですよね。しかし、この本を読めば、そのあたりの感覚も、だいぶとつかめてくるのではないかと思います。欧米の人たちは、そのあたり、あたりまえのものとしてつかんでるんでしょうけどね。

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