松尾寛さんのレビュー一覧
投稿者:松尾寛
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2001/11/06 07:18
誠実な内容の「教科書」
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日本では台湾を知る機会が少ないようで意外に多い。年配の台湾人は僕たち日本人への親近感が高く、僕たち日本人も台湾に対してはあたたかかつおだやかな印象がある。しかし、ときに台湾と韓国の区別が出来ない日本人に戸惑いを覚えることがある。
この『台湾を知る』は、中華民国すなわち台湾政権が編集した国民中学生(中学生)のための台湾史の教科書である。授業用につくられただけあって内容は簡明かつ誠実だが、「教科書」がゆえ読み進めていくと睡魔に襲われることもある。もっとも難解がゆえに眠くなるわけではないのでご安心を!
台湾は複雑な歴史を持っているので、台湾となんらかの繋がりを持っている方や持たれる方は必ず読むことをお勧めする。僕はこの本でだいぶ助けられた。
2001/11/08 17:01
知りたいこと
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精神や心理は放射線と同様に不可視的なので、どうしてもわかりにくさが先立ってしまう。多くの人が知りたいと思う「精神」「心理」とはいったい何であろうか? それはけっして、迂遠な表現に修飾された輝かしい心理学史や晦渋をきわめる医学的見解に基づく概念説明ではない。明解な日本語で記述された人間の内面に有するさまざまな感情の概念に関する説明であり、また同時にみずからの明日の指針に資するものである。
この書は小難しい説明をいっさい排し、人間の感情そのものの説明に特化している。実用書の範疇に入るのだろうが、内容は斬新でまったく他に類をみない。あと他の追随を許さないめいりょうな日本語で書かれているところも特色だ。
「正統な心理学」をひょうぼうする徒はこういった実用書を「功利主義」と笑うのかもしれないが、彼らだってこういうわかりやすい書を心底待ち望んでいたのだ。そして正統な初学者達はこっそり読んでいるにちがいない。僕たちが知りたいのは難解な心理学用語などではなく、まずは人間の精神や心理そのものなのだから。
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