サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. かりんさんのレビュー一覧

かりんさんのレビュー一覧

投稿者:かりん

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

紙の本少年と少女のポルカ

2001/11/06 10:15

孤独と静寂と

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 プールに潜った時に感じる茫洋とした静けさは、ざわざわした教室の中で感じる孤独に似ている。この小説を読むたびに、いつもそのことを思い出すのは、なぜだろう。
 ゲイのトシヒコ、性同一性障害で少年の肉体を持つヤマダ、不安神経症と戦うミカコ。人は誰でも孤独を抱えて生きているという事実に、うすうす気づき始める、高校生という時間の中で、登場人物たちの抱える孤独は、深い海の底を思わせるような静寂に満ちている。
 藤野千夜は、淡々とした軽やかな語り口の中で、それぞれの孤独と向かい合う3人のティーンネイジャーを、決して甘やかさない。時に残酷なほど彼らを突き放す。けれどそのことがかえって、ぞっとするほど恐ろしい孤独というものの正体を、忘れがたいほどの美しさで、読む者の胸に迫ってくる。
 珠玉の一遍である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本スティーヴン・キング小説作法

2002/05/31 18:09

読者がためされる一冊

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 スティーブン・キングは、たくましい心を持った作家だと思う。ひ弱な心の大人たちはみな、希望を持つことの危険性ばかりとくけれど、キングはいつも、希望を持つこと、持ち続けることのすばらしさを説く。もちろん、大きな夢や希望を持ったところで、人生は、なかなか思い通りには行かないし、傷つくこともたくさんあるけれど。でも、希望を持って何かを始めなくては、何も得られはしないのだ。
 自分の人生や、小説を書くに当たっての真摯な姿勢を、キングは、いつも通り少々声高な調子で語っている。語りながら、読者一人一人に、問いかけ続けている。失敗を、成功するための道のりの一つと考えるか、自分の才能のなさの証拠の一つとしてファイリングするのか。僕が何を語ろうと、どう受け取るのかは、君しだい。そしてそれが、君の人生を決めるのさ、と。
 この本のおっかなさ、いや、スティーブン・キングのおっかなさは、たぶん、そこにある。そんなことを考えさせられた一冊だった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本ファイアボール・ブルース

2001/11/14 16:36

あこがれとため息と

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者は、あとがきで真っ先にこういっている。女にも荒ぶる魂がある。
 実にもって同感だ。男と同様、女にだって戦闘本能というものがあるからだ。そして、女だって毎日戦って生きているのだ。悪いやつとか、理不尽な世の中とか、自分自身と。
 ファイアボール・ブルースで描かれている女子プロレスの世界は、この3つがとてもわかりやすい形で存在している。そして、その世界で少しも輝きを失うことなく戦い続ける火渡抄子は、かっこよすぎる。かっこよすぎるけど、あこがれずにはいられない。
 彼女に憧れ、付き人をしながら強くなろうともがく近田は、多くの読者の代弁者だ。もし、胸の中に少しでも荒ぶる魂の炎が灯っているならば、きっと近田と一緒になって、火渡を見つめ続けずにはいられないだろう。もっと強くなりたい、もっとかっこよく生きたいと、心の底から願いながら。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

3 件中 1 件~ 3 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。