みやぎあやさんのレビュー一覧
投稿者:みやぎあや
紙の本舞姫通信
2001/09/04 17:20
『空に舞う舞姫を、私達は愛します。地に横たわる舞姫を、私達は愛します』
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テーマはとても興味深いものだが登場人物がダメだった。自殺志願のカリスマタレントを作り上げておいて、自分の子供が出来た途端に「死」を恐れるようになる佐智子の利己的な面がとても不快。その彼女に頭が上がらない主人公にしても同様。
作者が描きたかったものは何となく感じられるものの、小説としてはどうかなと思う。
2001/05/25 15:03
なぜか死人が続出。
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お医者さんが不可解な現象に遭遇するホラー短編。オチがあるようなないような…いわくのある写真や石に関わったばかりになんだか原因もよく分からないままに死ぬ人続出。こんなに沢山恩師や友人が死亡していたら、この主人公そのうち周りに誰もいなくなるんじゃ…なんて余計な心配をしてしまいました。
そしてあたかも霊能力者のように「これはいけない。危険だからすぐ寺に行きなさい」なんて断言してしまえる医者というのもどうも…(笑)
何より気になったのは彼らの笑い方。「ハッハッハー」「フッ、フッ、フー」……って。とりあえず一番怖かったのは表紙です。
2002/03/06 14:37
好きな人にはオススメできません。
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ハリー・ポッターの批判本のようなものでしょうか。グリム童話の裏話などでこの手の本はよくありますが、児童向けのファンタジーでも出版されているとは。大ヒットした作品なのでその反動と思えば分からなくもないですし、原作が好きなら思わず興味を引かれるタイトルですが、あまりオススメはできないです。
このエピソードやキャラクターはこんな見方もできますよ、という内容ですが、徹底的に批判的な内容ばかりなので読んで気持ちの良いものではありません。大人ならブラック・ジョークとして笑えるかもしれないけれど、とりあえず子供には読ませたくないです。
紙の本銀の檻を溶かして
2001/09/04 17:22
ヤングアダルトと本格ミステリの融合
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メインの登場人物は、深山木秋。座木。リベザル。彼らは外見は人間のようにしか見えないが、もう何百年も生きてきた妖怪だ。彼らが自分達が人間の社会の中で生きていくために、妖怪の起こしていると思われる事件を自ら解決する何でも屋のような仕事を請け負っていた…。
キャラクターを前面に押し出しすぎて、ミステリとしての面白さが半減しているような印象を受けた。彼ら3人ともタイプは違うけどそれぞれ見た目がいいんだぞ、とか普段ケンカしているように見えても本当はちゃんと心の絆みたいなものがあるんだよ、とか、そういうことをクドイ文章で説明されるのを読むのが辛い。もうちょっとシンプルにしてもらった方が多分読みやすいと思う。
紙の本闇の貴族
2001/05/25 12:03
ちょっとやり方がえげつない。
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とりあえず、悪どくのし上がっていく主人公、というのは結構好きなんです。誰のことも信用しないクールなヒーローというのもイイ。しかしこの主人公の加賀さんが、いまいちこう、熱烈に応援したい感じの人ではなく、苦手。彼のお金に対する執着がどうも成金くさいというか、とあるアパートの押入に隠してある札束の詰まった箱を眺めているときが一番幸せってあたりがちょっとイヤな感じなのですが…。
それからこの人の目的を達するための悪どいというよりえげつないやり口がまた、好きになれないです。因果応報で追い詰められた時の格好悪いうろたえ方も、自分だってそこまでのことをしてるんだから現状を把握して潔く敗けを認めるくらいはしたらどうかとまで思ってしまいました。彼は悪のヒーローというのともまたちょっと違うみたいだったなぁ…。暗殺者のチャンプとパンサーは良かったですけど。
紙の本哲学の謎
2001/06/15 17:51
噛み砕きすぎてかえって謎。
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「世界は5分前に作られたかもしれない」説や、その他もろもろのテーマには素人が読んで興味を持てるものが多い。ただし、誰にでも分かるように分かりやすくするためなのでしょうが、哲学者の名前やこういうのが××論と呼ばれている、みたいな書き方はあまりされていない。
だいたいは先生と助手(?)の問答形式で進んでいくけれど、その例えが本当に分かり辛かった。とっつきやすくしようと噛み砕きすぎて、逆に何がなにやらわからなくなってしまったという印象。何の話にしても、もう少しすぱっと言い切ってほしかった。
紙の本タイル
2002/03/08 14:11
誰かに解説してほしい。
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都会に溶け込んでしまっている変わった人たちの、ちょっと不気味な話。「文学だなぁ…」と、読み終わって呟いてしまった。何がって、結局よくわからないまま終わってしまうあたりが。主人公の心理もいまひとつ分かるようでわからない。すぐそこに答えがあるのに、自分では読み解けない世界を垣間見てしまったような気分。夏目漱石や太宰治みたいに国語の先生に授業で説明してもらったら、ずいぶん納得いくのではないかと。
2002/03/07 12:06
金融関係の人にはぜひ読んでみてほしい。
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大人が普段お財布に入れている金額は、まあ多くても数万円台。一月に貰うお給料は数十万円。サラリーマンやOLのの貯金額は数百万円台くらいでしょうか。でも、ニュースで流れる公的資金の額は何百億、何兆の世界。数字だけが一人歩きをしてその大きさをほとんどの一般の人が把握できていないのが現状でしょう。
……だったら、それだけのお金があったら何ができたの?
難民への援助から、ビートルズの全曲出版権、果ては愛人を作ったら、なんて話まで。幅広く比べてみたのが本書。北拓銀の不良債権が映画タイタニックの制作費の25倍というのはスゴイ話だ、なんて思ったけれど、全体的にいまひとつとらえどころのない比べ方だったのは残念。
紙の本ハチ公の最後の恋人
2001/09/04 12:55
どうなんだろう?
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霊能者の祖母が遺した予言通りに、インドから来た青年「ハチ」と巡り会った私は、彼の「最後の恋人」になった…。
全体的にとても透明度の高い小説。テーマがテーマなだけに全く泣かされなかったといえば嘘になるけれど、正直マホとハチの関係については「それだから…何?」という印象もありました。純文学的なお話なのかな…。微妙。
2001/06/17 22:25
『彼女達は、タナトスの娘たちなのです』
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伊集院大介シリーズ。今回のテーマは同人(しかもやおい)…なのかな。「仮面舞踏会」で主役として出ていたアトム君が再登場。
最近の栗本薫って思いきり自分の趣味に走ったものを書くなぁ、というのが感想。ここまで来るとあまりにも読む人が限定されるんじゃないだろうかと余計なことまで心配になっちゃったり。どうも何とも。小説としての出来はどうかと思うけれど、さすがにこういうテーマに対する洞察は深いと思います。
紙の本未明の家
2001/06/16 00:28
少女漫画すぎる?
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ミステリーとしては面白いものの、登場人物の形容やノリが、いくらか少女漫画ちっくになり過ぎていて受け付けない感じだった。
京介が美形なのは嬉しいものの、それをいきなり「天使のような」なんて表現されても困る。蒼や深春にしてもやはり少女漫画に出て来そうな雰囲気。推理小説として基本がしっかり出来ているので、どうもアンバランスな印象を受けてしまった。
紙の本猫の心を持つ男
2001/06/15 17:19
それはあんまりです…。
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精神科医ケイレブの患者が謎の死を遂げた。警察は自殺と発表するが、そんなはずはないと直観した彼は、独自に調査をはじめる。一方、捜査にあたったシネス刑事はケイレブに殺人の容疑をかけていた。人間を犬型と猫型に分類し、超然と生きる精神科医と、たたき上げの実直な刑事。ふたりはいつしか立場を超えて理解しあうが…。
話が絡みに絡んで結局最後の数ページまで犯人の予想が全くつかなかったことが面白味を削いでしまった。
しかも犯人は事件を追っていた医者と刑事が殺し合ったように見せかけようと細工するが、その動機を医者が刑事を強姦しようとしたため…とするのはあんまりじゃなかろうか。少年の売春やエイズなんかの話題も多く、どうも全体として爽やかさがない。話が変な風に濃くてなんだか読むのが辛かった。
紙の本メイドインジャパン
2001/06/08 13:37
破壊的で破滅的。
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ドラッグにはまりながら毎日だらだら生活している帰国子女の4人組み。友達というほど仲が良いわけでもなく何となくつるんでいる彼らだが、その中の一人、タカシは父親が密かに集めているキディポルノ(殺人を含む暴力的なポルノ)と呼ばれるビデオに魅了されていく。子供の頃アメリカに住んでいたシュウの隣家には殺人鬼が住んでいたという話に刺激されたタカシは、仲間の一人に「おまえもこんな風に死んでみたいだろう?」と持ちかける…。
これは、一体何の話だったのか? とにかく登場人物たちが病んでいる。彼らの抽象的な言葉にはいちいち何か裏の意味があるように感じるが、具体的にそれが何を指しているのか、彼らが何を考え何をトラウマとして背負い、結局どうなりたいと思っているのか、そういうことがまるで謎。どぎつい暴力描写も辛い。
かろうじてその思考が理解できたのは主人公(?)のシュウ。子供の頃に殺人鬼のターゲットにされかかったことをトラウマとしている彼は、タカシほどに狂っていないし、だからといってタカシの口車に乗せられ殺されようとしているシンを必死で助けようとするほどの善人にもなれない。殺されかけているのにどこかその現実を分かっていないシンを電話で説得しようとする時、シュウは必死でうまい言葉を探す。シンを思いとどまらせるだけの力を持った嘘じゃない言葉。そこで彼は「おまえは必要とされている人間だ」と嘘をつくことができない。偽善者になりたいのになりきれず、必死になっているシュウの姿は、滑稽でしかし人間くささに微妙な共感を覚えた。
紙の本顔
2001/05/25 12:52
それは、つまり、どうなってるの!?
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大学講師の主人公が顔のない"のっぺらぼう"を見るようになって、それは狂気か現実か??というお話。読んでみてわけがわからなかったというのが本音です。
最終的に精神病院行きになってしまう主人公の行動だけ見ていれば、「つまり過去のトラウマから幻を見るようになったのね?」、という落ちで終るけれど、彼の他にも吉田という全くの他人がそれを見ているらしいことでまた話がわからなくなる。
この男については色々と胡散臭い所もあるし、実は主人公を落とすためにそれらしく話を合わせていたのかという気もしないでもないけれど、「ん?んん??」と思っているうちに最後の後日談として…、ってことは、つまり、どうなってるの?? それがわからなくていまだ悩んでます。
2002/03/07 11:38
買っても大丈夫らしい。
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ヤマザキパン、コカコーラ、味の素などなど。食品を中心とした様々なヒット商品をあれもこれも「コレを買ったらヤバイぞ!!」と徹底的に攻撃した『買ってはいけない』がベストセラーに。
そして今度はそれに真正面から反論する本書が現れた。『買ってはいけない』で取り上げられた商品が本当にアブナイのかをきちんと検証してみる、というコンセプトだが、結局すべてについて反論で終わっているので、逆に信憑性があるのかないのか良く分からない感じ。取り上げられている商品を食べる食べないはともかく、とりあえず両者の意見を比較してみよう、と思ったら読んでみるのも良いかも。