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今野裕一さんのレビュー一覧

投稿者:今野裕一

16 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本寺山修司と生きて

2007/05/23 15:55

円環の破断

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

円環にある「私」を破ろうとすれば定型からでて街にでなくてはならない。
対峙する、向き合うという姿勢をとる。だから寺山修司は劇場という閉じられた円環から出ようとしたのだ。納得がいく。寺山修司は中心を空洞にしたまま、終焉に様々なトリックをばらまきながら生きていたから、なかなか論じるのが難しい。この本はその手がかりになる。
寺山修司が死んでからもう少しで四半世紀になる。そしてまた5月が巡ってくる。
「寺山修司と生きて」を読みながら久しぶりに寺山修司を考えた。
今は、それぞれが自分の世界、「私」を囲込みながら世界と向き合うということになっていると思う。その世界はあくまでも「私」がチョイスした世界なのだ。限りなく「私」に近い。だから多面体である寺山修司を印象は、対する「私」の分だけ存在することになる。
田中未知の書いているシーンに私も居た。しかしピック・アップされている事柄が異る。僕は『観客席』で三浦雅士が、寺山修司のトリックに引っかかったり、夜想の『アルトー』号の寺山修司の記述、そのアルトーの引用部分に引っかかったりすることに印象があったが、田中未知の寺山修司と三浦雅士の関係はそんな風ではなかった。かくいう私も「私」によって寺山修司とあっていたのだ。
それでもこの本は、より寺山修司に近づける手引き書になる。ドキュメントでしか近づけない存在。素敵だ。

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残酷劇ハムレットの新訳

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ドイツの代表的な演出家のペーター・シュタインは、「ハムレット」を「言葉のうえで最も美しい作品」と語っている。翻訳の「ハムレット」でしか「ハムレット」を知らないぼくにはちょっと分からない感覚だ。
「生か死かそれが問題だ」とか「尼寺へ行け」という有名な台詞は、ぼくにとっては、美しい言葉というより、古い文学として植え付けられている。シェークスピアの訳は学者の解釈によってできあがってきた。それは日本のちょっとした悲劇である。
「ハムレット」は、演劇である。恋愛とか政治劇とかそういうことでなく演劇なのだ。ハムレットがクローディアスを殺せるのに殺さないのはそういうことなのだ。事実のリアリティではなく、演劇のリアリティが優先されている。ハムレットは筋を追っていく復讐劇でも恋愛劇でもないのだ。
登場人物は、親友のホレイショーを除いて全員死ぬ。そういう悲劇の構造自体が劇なのだ。最近までそんな簡単なことが分からなかった。ペーター・シュタインとピーター・ブルックと、芝居の現場に立ちあい続けた松岡和子訳の「ハムレット」によってそれを知った。遅すぎた!
松岡和子の訳はそうした現代におけるハムレット演劇の傾向をふまえている。そこが最大の魅力だ。

今野裕一の書評はこちらです。

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松本大洋の原点はこの短編集にある

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

夏が……。俺達の夏がよ……。終わらねぇんだ。

キャッチャーのカーブのサインに首を振ってエースはストレートを打たれた。それで甲子園行きはふいになった。高校野球の放送を聞きながらワンマンのエースとセンターとキャッチャーとサードは卓を囲んで延々と麻雀をし続けた。昼も夜も。甲子園の優勝校が決まる時まで。エースのパイを握る右手には包帯が巻かれている。エースは負けて手首を切ったのだ。

野球不良少年たちの夏。終われる役をあがるまでパイを引き続けるエース。

1973年、夏の甲子園、2回戦、延長12回の裏、雨の降りしきるなか作新学院の江川卓はマウンドに野手を集めた。1死満塁、カウント2ー3。ワンマンの江川がはじめてみんなに聞いた。何を投げる? 江川卓の投げたストレートは大きく外れ押し出しのサヨナラ負け。江川卓は夏はそこで終わる。

おそらく江川はそこで夏を終えることができたのだ。終わらなかったエースは呟く。
もし取り返しのつかない一球があるとして……それを取りかえす事が……
そう、取りかえすことは絶対にできないのだ。そんなことは分かっている。麻雀で取り返すことはできないのだ。
しかし、松本は取り返しのつかないはずの結論に……結論を書く。

『ピンポン』でペコがスマイルに勝つのは何故か。『夏でポン』のラストでそれが分かる気がする。
松本大洋は不良のヒーローを待望しているのだ。そして松本はそっとそれを見守っる男の子なのだ。松本大洋の青春ブルースは徹底して湘南している。

豊田利晃が俺しか映像化できないと豪語して撮った『しあわせなら手をたたこう』を含む『青い春』には松本大洋作品のエスキースに充ちている。多くの松本作品がこの短編集の作品をベースにしている。

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スマートドラッグを使いたいならまずこの本かも

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 歳を取るにしたがって脳は衰える。それは、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質を分泌する脳細胞が衰えるからだ。衰えるもう一つの原因は、脳細胞が酸化され、破壊されてフリーラジカルができるからだ。フリーラジカルは、ニューロンなどの細胞を殺し、神経伝達物質を破壊し、しわや肝斑、記憶力や知力の衰えの原因となる。
 スマートドラッグを使うにはまず脳の老化のメカニズムを知りたい。普通はそう思うだろう。得体のしれない薬を飲むのだから。しかし日本のスマートドラッグの本にはそこが書かれていない。この本にはそれが書かれていてよしスマートドラッグを使ってやろうという気になる。
 日本で使われている、知力や記憶力を良くするためのスマートドラッグは、大半が痴呆症の改善薬なのだが、それはアセチルコリンという神経伝達物質を補填する力がある。しかし脳を改善するにはその一つの方法だけでは不十分なのである。
 『ブレイン・ブースター』を読むと、スマートドラッグが、どう頭に効くのか、頭の能力が衰えてくるということはどういうことなのかがメカニズムとして分かってくる。日本のスマートドラッグは、少し偏っている。たとえばターゲットとする神経物質でもドーパミン、セロトニンが中心で、ノルエピフリンやエンドルフィンは余り重視されない。この本はそれを充分に補完してくれる。
 スマートドラッグの他にビタミン、ハーブドリンクまで幅広く紹介した上で、アメリカ食品医療品局(FDA )の厳しい認可と、スマートドラッグとして薬を使うことを認めないアメリカの現状をレポートしている。たとえばデプレニルはパーキンソン病の治療薬として認められているが、他に性欲の亢進、鬱病の軽減、老化防止などの効果が明らかになっている。しかしFDAはパーキンソン病の治療以外にデプレニルを使うことを認めていない、とか厳しいほうの現実も書いてある。
 スマートドラッグの先駆国であるアメリカの現状と問題が浮き彫りになっている。アメリカの現状を読んでいると、いかに日本がスマートドラッグに対して時代遅れな考え方をしているのかが分かる。自分の頭は自分で守るしかないなと改めて思わさせられる。
 

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紙の本ヘルタースケルター

2003/08/05 18:14

岡崎よりも岡崎らしく

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『へルタースケルター』というタイトルは、ポランスキーの奥さんを惨殺した、チャールズ・マンソンが大好きだったビートルズの曲。『へルタースケルター』(最終戦争)に備えろとマンソンは信者を鼓舞した。そして自らが最終戦争を引き起こして囚獄された。岡崎京子のセンスの良いタイトル。いつものことだけど。
岡崎京子の『へルタースケルター』は、世紀末のフリークスショウ。21世紀の始まりに世紀末が遅れてやってくるのを予見していたかのような設定。全身整形のタレント、リリーは、存在そのものがフリークスだけど、壊れてゆく様が哀しく美しい。
そして、今までの岡崎作品、壊れたところがエンドだったが、『へルタースケルター』は、崩れたあとにもう一つの物語を感じる。リリーの旅はこれからかもしれない。さらにさらに壊れていく日本で、崩れて生きる逞しいリリーの姿が見えてくる。岡崎作品の新たな展開が懐胎されている。
『へルタースケルター』は、『リバーズ・エッジ』を越える最高傑作かもしれない。軽い感じなら『うたかたの日々』だけど岡崎の本領はこちらにある。

今野裕一のhpは["http://www.tctv.ne.jp/sparabo/peyotl.html"]です。

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これが意外にインテリでしかも鬼畜ときているから魅力的

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ゴシックなのにロリータ。パンクなのにデカダンス。ヘビメタなのにゴシック。分かるようで分からない『ゴスロリ』流行現象。
その中心にいるのがマリリン・マンソン。でも自称ゴシックの女の子は言う。『マンソンはゴシックじゃない。』『じゃぁ何がゴシック?』と聞くと答えはいろいろ。『バウハウスのようなほんとに暗い部分がないとね。』『バウハウスってポジパンのバウハウスだろ?』『そうだけど私たちには、バウハウスはゴシックの原点。』えっ??? 疑問は膨らむ。ポジパンでデカダンスだったバウハウスは、今やゴシックの教祖になっている。何故そうなったか。なぜ混乱しているか、この本を読むとそれが分かる。
マンソンは、アレイスター・クローリーに本気で傾倒し、悪魔教会のアントン・ラヴェイの聖職者になっている。かと思えば、プロデューサーのトレント・レズナーのアンダーグラウンドな音の好みをポップで透明感ある音に仕立て直すバランス感覚をもっている。アカデミー賞のスピーチで、嘘の選挙で当選したブッシュ、嘘の理由で戦争をするブッシュと、けなしまくった『ボウリング・フォア・コロンバイン』のマイケル・ムアが、舌を巻くほどのインテリ発言。多面体マンソンを面白がるには、この一冊、どうしても必要だろう。

今野裕一のHPはこちらです。

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小説より評論

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大島渚の『愛のコリーダ』や中上建次の『水の女』が、オレ達に勇気を与えてくれるのは、制度に抗する生命力をうたいあげているからだ。しかも、制度の恐さを十分に知っていて、生命力を支持しているから勇気が湧くのだ。
アヴァンギャルドがエンターテイメントとなぜ異なるのか、純文学がなぜ大衆文学と異なるのかということを明確に書いている。芸術と芸能が異なることを上下でしか語れない日本の中で、村上はその違いをひと言で書くことができる。
村上龍の直球指南は小気味がいい。しかもあっている。たとえばこういうことも言う。
どんな国家でも近代化より大きな国家目標はないはずだ。日本は、近代化が終わっている。それをきちんと認識しておかないと子供たちにはフェアではないと私は思う。国家的な目標でなく、個人の目的が大切になるわけだから、いい大学やいい会社に入るだけでは個人のプライドを支えることができないということを言ってあげれば子ども達はだいぶ楽に生きられるのではないだろうか。と、確かにそうだ。自分たちのポジションを自覚できずに、若い子たちに期待を込めて古い制度や考えで対するからいろいろな齟齬が起きるのだ。
真っ赤なカバーと『自殺よりはsex』というタイトルは売るための戦略だろうが、なかなか洒落ている。援交のことや若い男のこのsexについて書かれているが、むしろ真面目な感じで納得することが多い。青春出版社の人生相談のパターンに近いが、それでも論の切れ味は一読に値する。
面白いのは映画を撮ったりするときに新人の女優に惚れちゃうとこで、この子は凄い才能を褒めるのだが……結果、そうはならない。これだけ評論的洞察力があるのに、何でアーティストに対する目がないんだろうと不思議だ。もしかして村上龍、評論の方に才があるのかもしれない。最近の小説、調査小説のようなところがあって、あっているんだけどどこかリアリティに欠けているものが多い。この本からはそんな村上龍の裏事情まで読み解けるぞ。面白い。必読!

今野裕一のオススメは

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紙の本小説ヘッジファンド

2002/08/12 08:01

ヘッジファンドを知るよりも

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株や為替の売買は実際にやってみないとその面白さも怖さも分からない。
「ディーラーにとって、いちばん大切なのは利食いのときだ。日本人は買うのはうまいけれど、売るのがすごく下手なんだ。負け相場の損きりは、特にそうだ」。日本を売り崩そうとしているDファンドが、一世一代の大勝負の売り立てをするときに、この警句が若い岡田に向かって放たれる。
売りがむずかしいとは良く言われることだ。ちょっとした証券のマニュアル本なら書いてある。なぁんだ簡単だよ、と思っても売るに利をとるのはむずかしい。買いは待てるが売りは待てないものだ。常套の警句を幸田真音はぴたっと使いこなす。証券の現場にいただけあって、ディーラーがどこでどういう心理に陥るのかという描写にリアリティがある。しかし、幸田真音の神髄は、証券の現場の雰囲気を描けていることではなく、その警句のなかに「日本人は」と書くところにある。題材は金融だが書かれているのは日本人論だからだ。
1969年、安田講堂陥落が陥落したとき、「この闘いには破れたけれど、必ず世の中は変わる。この闘いに参加した人たち、見ていた人たちが社会を動かせる年代になったら時代は変わる。今日は負けの日であるが、変化の始まりでもあるのだ」と思った。その思いをもちながら現代美術や文化にまつわる仕事の中で変わらない日本と付き合い続けて何十年かがたった。変わらないならまだましかもしれない。91年ごろから始まる空白の10年を過ごして、日本は崩壊しつつある。今やアジアの中でも遅れをとりはじめている。
問題なのは、遅れていることではなく遅れていることを認識しようとしないことだ。幸田真音はそのことを金融という世界で描こうとしている。この小説には、日本経済の再生に向けて財界人、民間人が立ち上がるというシーンがある。起こりえないことだ。しかし幸田は起こって欲しい、いや起こるべきだと思っている。
日本を売り崩そうとしているように見えるDファンドの総帥は、実はボランティア組織の維持のためにお金を稼いでいたという終わり方になっているが、そこに描かれる世界は日本の文化を支えるほぼ唯一の方法であると思われる。
重要な現代美術のギャラリーや美術館が不況で閉鎖に追い込まれたとき、海外ならばディレクター、観客、作家のボランティア的運動によって再生に向かうのが常だ。しかし日本ではまったくそうしたことが起きない。幸田真音も、現実に民間人が立ち上がることはあり得ないと思っているだろう。それでも日本の再生の可能性を敢えて書く気概と力量は大変なものだ。おそらく金融や経済小説をピカレスク仕立てにするのは簡単だろう。逆にヒューマニズムと日本への期待をもって書くのは至難の技だ。新しいタイプの小説家が登場した。

今野裕一の文章が読めるのは2-comです。

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麻薬と脳の関係が分かる本

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 日本では、「快楽」という言葉をどこか避ける傾向がある。儒教という道徳律にいまでも縛られているからだろうか。そのために性や麻薬に関する快楽についても、そのメカニズムが科学的に語られることが余りない。
 大木幸介のことを私は勝手に快楽の脳科学者と呼んでいるが、大木は快楽というタブーに科学者として向かい合っている。
 麻薬・覚醒剤を特別な「薬物」と思うな、酒やタバコ、カゼ薬や精神安定剤などの仲間なのだ。覚醒剤を使うと食欲がなくなると言われているけど、それはそうだ。とか目から鱗なことが書かれている。
 麻薬や覚醒剤への問題取り組みは、まず科学的理解からはじめないと駄目だろう。薬の効くメカニズムが分かった上で、されになぜ使ってしまうかを脳的メカニズムで理解した上でないと、薬物乱用をやめろとは言えないのだ。そしてそのメカニズムははっきりと分かっていないのが現状だ。
 この本は、覚醒剤が脳に効くメカニズムも解説している。人間の脳は、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどの神経伝達物質によって動いているが、それらの神経伝達物質は、覚醒剤やコカインの化学構造に良く似ている。脳はもともと覚醒と快楽の海に漂っていると大木は言う。神経伝達物質よりもはるかに強烈な作用をもつ覚醒剤などにもともと人間は依存しやすいのだ。
 大木幸介は、1918年生まれのベテラン科学者だが常に最新の研究に目配りががあり、それによって自分の説を変えたりもする。その柔軟性が大木の本の魅力であり、この著作でもそれが発揮されている。今までは、A10神経とドーパミンが脳の快楽の起因として上げられる傾向にあったが、この本では側坐核や麻薬レセプターやドーパミンレセプターにポイントがあてられている。
 最近、大木幸介の本を順番に読んでいる。日本の脳科学史の移り変わりが手に取るように分かるからだ。この本は1990年に発行された。
 

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スマドラをはじめるにはこれ

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 スマートドラッグをうたった数少ないガイドブック。そしてこの本がスマートドラッグという言葉を日本に広げていったのかもしれない。
 危ない薬にかたよりがちなスマドラ本のなかで、正統的に頭の良くなる薬を取り上げている。頭の良くなる薬に焦点をあてたドラッグ本は少ないので貴重な存在。
 抗鬱剤、老化防止薬も充実している。眠る薬は睡眠薬でなく、メラトニンとGHBだけを取り上げているのもまさにスマドラ本らしい。
 1998年の出版だが、少し情報が古くなってきているのが惜しい。頭に効く薬の微妙な作用と効用の差が書かれていないので、薬ごとの特色が少し分かりにくい。どれを選ぼうかという気持ちになってしまう。それぞれの関連性や効く仕組みに対する説明が詳しければ、自分でいろいろ判断できるのにと思ってしまう。
 セックスする薬はバイアグラしかないので、その方面を期待する人には期待外れである。

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紙の本薬ミシュラン

2001/08/25 02:29

頭を良くする薬をさがしている人には……

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 ミシュランというだけあって、スマドラ本として群を抜いている。
 認可待ち、医者頼み、メーカー頼みもやめよう。自分の意志でスマートドラッグを使え! という姿勢があって小気味よい。
 8人のライターが担当を分担して書いているが、相田くひをの抗不安薬・睡眠薬・抗うつ薬の項目が特に充実している。類書でこれまでこの項目が充実しているのをわたしは知らない。取り扱っている薬の数も多いし、内容も充実している。SSRI(最新抗うつ薬)の項目も相当のレベルだ。SSRIも一級の情報が満載されている。薬の効くメカニズムから体験記からすごく役に立つ。もっと言えば抗うつ剤じゃない使い方をするときに参考になる。
 勃起補助薬(バイアグラ、バソマックス、ミューズ、ヨヒンビン、亜硝酸アミル)もダイエット薬(プロザック、メリディア、ゼニカル、デクサトリム)も、民間療法的な効くかもしれない薬でなく、効く薬が取り上げられていて、EDで困っている人には必読だろう。
 残念なのは、いわゆるスマートドラッグである頭を良くする薬が、ほとんどのっていないころだ。というかほとんどページが割かれていない。内容的にも否定的である。効くか効かないか分からないという評価である。相田くひをが効きを体験できなかったのだからしかたがないが、そうではないだろう。効く頭脳薬、記憶向上薬はあるのだ。
 頭を良くする、記憶を良くするという薬を探している人は、この本を買ってはいけない。
  
 

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紙の本うたかたの日々

2003/06/29 04:06

パリのデカダン、六本木の夜

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あんなにたくさんあったお金ももうほとんど使い切って、コランは働きに出なければならなかった。したくないけど、仕事をしてお金を稼がなくては。肺に睡蓮の花が咲く奇病にとり憑かれたクロエを花で埋めるため。治療費を稼ぐため。最後の仕事は、人に不幸を告げに行く必殺不幸告知人。
パイナップル入り歯磨き粉で、水道の蛇口からウナギを誘って料理を作る、不可思議料理人・ニコラも雇っておけなくなった。おまえなんか嫌いだ出ていけよ。本心でなくそう言うコラン。うたかたの日々が崩れていく。哀しい恋愛譚を通底するのは、デカダンのパリ。
1940年代ドイツ占領下のパリ、サン=ジェルマン・デプレには、ビアン、サルトル、ラディゲ、ツァラ、クノー、プレベール……。綺羅星のごとく才能が遊び歩いていた。
うたかたの日々は、日本の80年代にもあったの。アサダやサカモトが遊び歩いていた六本木。岡崎京子はその空気を描き続けた。だからヴィアンの「うたかたの日々」は彼女にぴったりだ。
コランが、不幸を告げるリストに、クロエの名前を見つけた。明日、クロエは死ぬんだ。アメリカン・ロードムービーのように、やんちゃしていてもいつかエンドマークはやってくる。終わりが突然くるのがアメリカで、ぐずぐずと崩れていくのがヨーロッパ。
岡崎京子は「うたかたの日々」に哀しく美しく崩れゆくパリのデカダンを描いている。

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紙の本マリリン・マンソンの言葉

2003/05/07 23:56

インテリ・マンソンを分かる基本資料はこれだ

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マリリンマンソンのサイトに行くと現在進行形でマンソンのコメントが読める。マンソンは超インテリだ。アントナン・アルトーやニーチェについて言及する。
愛読書はバラードの『クラッシュ』、キャサリン・ダンの『異形の愛』、バロウズが愛読書。ロスで展覧会をやった水彩画もなかなか良いし、最新アルバムは、ヘルバインにビジュアルを頼んでいる。こんなインテリなミュージシャンがかつていたんだろうか。
マンソンは思想を変化させていく。だからその時々のコメントが面白い。
でもまだマンソンの言葉に染まっていなければ、デビューの頃からのマンソン語録を読むと面白いだろう。マンソンはミュージシャンというより存在だ。存在を享受するにはマンソンが何をアピールしてきたかを知るのが手っ取り早い。まだ一冊もマンソンを読んでなければこの本が便利。

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紙の本薬ビューティフルライフ

2001/08/25 23:34

スマートドラッグ入門

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 ライフスタイルドラッグとサプリメントをかなり幅広く取り上げている。範囲の広さは、他に例をみないだろう。ライフスタイルドラッグとは、生活の質をあげるために飲む薬という意味で、スマートドラッグにも近いが、頭に効く薬だけでなく、血管強化の薬まで網羅している。
 鬱、不眠、セックス、前立腺、頭脳、リラクゼーション、血管強化、禁煙、断酒、偏頭痛、花粉症、いびき、ダイエット、豊胸、消臭、関節の痛みなど、項目は生活全般に広がっている。それぞれの代表的な薬が取り上げられていて、しかも薬が作用するメカニズムも分かりやすく書かれている。各症状に取り上げられている種類が少ないので、選択肢が限られるの難点だが、必要充分なデータと知識が得られる。はじめてスマートドラッグを使うとき、そんなに凝らないけどちょっと使ってみたいなという人が読むのに最適。

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紙の本Pieces of peace

2003/06/06 02:12

窪塚は好きだけど

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覚醒剤はケミカル。大麻は自然物だ。覚醒剤のマイナス要素は大きい。大麻は煙草レベルだ。ここを間違えてはいけない。日本では両方とも規制物質だが、あのお堅いイギリスでさえ、大麻は、許されてはいないが収監されない。この本の大麻発言が問題になっているけど、ちゃんと読まないとね。
窪塚のコメントは大麻についてだ。しかも森林伐採による地球的規模の光合成の不足を補う植物としての大麻について語っている。
窪塚は自然派なのだ。横須賀生まれの湘南ボーイなのだ。湘南のやんちゃなのだ。大麻はやっても覚醒剤はやらない。

「とめどなく空に黄昏に染まるだけ」引用された歌詞は、癌で死んでいくおばあちゃんにあてたもの。愛する人を前にして、彼の心が散り散りになり、一生懸命励ましそして静かに見送った窪塚の体験がリアルに書かれている。

おばあちゃんが死んで、自分の子供が産まれる。その感情が素直にでている。窪塚の文章は好きだし、窪塚の演技も好きだ。

だけど、この本は商売だ。少なくとも講談社のやることじゃない。大麻擁護で、問題が起きたとき講談社は身体を張って窪塚を守れるのかな。

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