某亜さんのレビュー一覧
投稿者:某亜
2002/07/21 20:09
本書だけで十分
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前著「英語で日記を書いてみる」の続編という位置にありますが、率直に言って前書は必要ありません。文法をほとんど忘れているという人は別ですが(そういう人はむしろ他の文法書を使った方が良いでしょう)英語で日記を書こうという意欲のある人はたいていこのレベルをクリアしています。日記を書く上で必要なのはむしろ大量の例文です。日常的な言葉が思い浮かばなくて手が止まることがよくあるからです。前著ではそれがなかったため実用性が低かったのですが、本書はそれを見事に実現しています。普段体験すること(平凡な出来事を書く、という項があるのがすばらしい)や感じること(驚く、恥ずかしがる、心配する、ムカツクetc)を自然な表現で綴る例文が大量に載せてあります。これ一冊で大抵のことは表現できてしまいます。細かい名詞の違いは辞書を引けば済む話ですし。
口語表現が満載なので、日記をつけていくうちにスピーキング力も自然についてくること間違いなしの一冊です。
紙の本現在から読める古文
2002/07/20 19:46
古典の世界がわかる!
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古典の勉強をしていて、現代語訳を見ても筋がよくわからないことってありませんか? 「なぜにそこで泣く?」「なんでいきなりハッピーエンドなんだ?」「で、アンタはなぜ出家する??」などなど。どれもこれも、古典の世界に住む人々の風習や価値観を知らないことが原因です。現代語訳では何となくわかるようなことも、古典のまま読むとその世界観を完璧に理解していないと読解力が大幅に落ちます。本書の冒頭の言葉が説得力があって、「道路を渡ってる子に『赤だよ!』と言えば、現代の人はそれが『危ないよ!』のことだとわかるでしょう。でも昔の人が聞いても何のことかわかりませんよね。それはその世界の常識や考え方を知らないからです。逆も同じで、古典が読みにくいのは古典の世界を知らないからというのが大きいんですよ」と。
レイアウトや構成も申し分ありません。薄い問題集なので気軽に通せます。お薦めの一冊。
2002/07/18 19:35
微積の仕上げ
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非常に厳選された問題を集めている良書です。微積はこれの他にも、シリーズ内に「微分」「積分」などがそれぞれ独自に出されており、本書はその仕上げという位置にあります。レベルは標準問題の最高級といっていいでしょう。標準問題とは「誰でも解ける」という意味ではなく、重要な問題や頻出の問題であることを示します。ただ単にレベルが高いだけの問題は数学マニアを喜ばせるだけであって受験には役に立ちません。本書は解けるべき問題の最高レベルを扱っています。
すらすら解けるまで繰り返し解きましょう。方法を覚えたら第一段階突破。でも受験は時間の勝負です。わかる問題をどれだけ早く解けるか、そのためにも何度も解くことは重要になります。
2002/07/18 19:04
運は「来る」のではない、「つかむ」のだ
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「運が悪かった」そんなことを言っていると一生運が悪いまま終わってしまう。運は自ら手に入れられるものなのだ。しかも、この本に書いてあることを実行すると、本当に運が巡ってきたときも「運を勝ち取った」ではなく「運が良くなった」と思えるだろう。それくらい自然に運はつかめるのだ。
第二章ではまず、一般の人が抱いている「運」に対する誤解を指摘している。「幸運は、懸命に努力することでのみ得られる」というのを誤解だと喝破しているのが気持ちいい。確かに努力する姿勢は大切である。しかし、「ただ努力すればいい」と思っている人は得てして方向を見失っている。目の前にあるチャンスをも見逃しやすいのだ。「努力は報われる」の意味を取り違えてはならない。
第四章で、「人生がうまくいく人」が必ず実行していることを挙げている。何らかの成功者は自分なりの生活スタイルを数多く持っているが、多くの成功者の共通項があるとなればそれを参考にしない手はないだろう。「現在自分が持っている物に対する感謝を忘れない」「嫉妬は自らの意欲をそぐだけ」など8つの心構えを紹介している。続く5章ではその具体的行動を示す。
ではなぜ、運が強く見える人はそれを明かさないのか? いや、明かしたこともあるのだろうが、聞く人が信じなかったのだろう。彼らが行っていることは常人離れしたことではないから。「見返りを期待するな」「相手が誇りを持っていることを褒めよう」「重大なトラブルの時こそ、まず手を休めて落ち着こう」など、どれも一般の人が実行可能なことである。しかしほとんどの人が行っていない。あなたも「強運」になれる資格は十分にある。
著者紹介
マーク・マイヤーズ:運命開拓法を扱う第一人者。運命開拓法というと少々いかがわしい印象を受けるが、ビジネスアドバイザーと換言して問題ないだろう。考え方は非常に合理的で、成功者達の考え方・行動規範・人脈術を多く集めて分析している。
紙の本はじめての結婚
2002/07/16 20:04
男と女の結婚観の違いがおもしろい
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恋愛指南書の類は数多くあれど、結婚した後の男女関係を論じた本はさほど多くない。あるにはあっても、家庭内暴力などセンセーショナルなものばかりで、一般的な夫婦の関係について語ってはいない。さらに、多くは女性側、もしくは男性側から一方的に書かれたものであり、相手の気持ちに憶測が混じったまま論じられている。本書はそれらの欠点を全て克服しており、読んでいて目が覚めることが多かった。
まず秋元康と柴門ふみという恋愛論の大家である二人が対談している。テーマは一般的な夫婦であり、しかし論議そのものはまったく一般的ではなく納得させられるものばかりだ。一方が夫や妻の立場で議論・弁護すると、もう一方がそれに反対する。口調は穏やかだが、夫婦(というより男と女)の視点の違いが極めて鮮明にわかる。例えば結婚すると夫は妻にプレゼントは与えなくなることに関し、男は「結婚したんだからいいじゃないか」と思うのに対し妻は「結婚したんだからもっと愛して」と思う、など。特に「たとえ結婚していても、妻は夫からの“言葉の”愛情を受け取りたい」という柴門さんの意見は、多くの男が肝に銘じるべき言葉だと思った。
2002/07/16 19:51
二番煎じだが役に立つ
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講談社のベストセラー「これを英語で言えますか?」の人気に乗じた感が否めないが、内容は役に立つので買って損はない。特に本書は、感情や性格の表現を多く扱っているところが講談社のと異なる。「勝ち気な」「押しつけがましい」「なつかしい」など日常で使う表現を満載している。さらに、日本語の特徴である「擬音語」を巻末に特集してあるのがおもしろい。「ガツン」「ポリポリ」「カチカチ」といった音(英語にこれに相当する言葉はない)をどういった単語で表現するのかがわかる。数が十分でないのが多少不満だが、もしかしたら英語に置き換えられる擬音語そのものが少ないのかもしれない。
紙の本清水の経済攻略経済理論と時事テーマ 大学受験政経・現社
2002/07/13 13:13
経済がわかる!
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最近は経済についてわかりやすく解説してある本がよく出るようになってきて喜ばしい限りです。一般用の書としては、数学で有名な細野先生の書経済のニュースが面白いほどよくわかる本がお勧めです。けれどもやはり受験用の経済を手っ取り早く学ぼうと思えば受験用の参考書を使うのが一番です。本書は受験の範囲に限って、経済の理論やその実際をわかりやすく解説しています。政経の問題集と併用すると効果が倍増します。これを読んで経済そのものに興味を持った人は、受験を越えて経済の勉強をしてみるのもおもしろいでしょう。
紙の本きめる!センター物理ⅠB
2002/07/13 13:01
センター最高レベル
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かの有名な橋本先生の著。お得意のたとえ話で物理の概念をわかりやすく説明してあります。ただ、橋本先生の他の著書と考え方は大差ないので、それらの本を読んだことがあるなら取り立てて本書を使う必要はないかもしれません。また、センター用にしてはかなり高レベルなことも扱うので、「失点がなければいいや」という程度の人にも向かない可能性もあります。さらに、物理は二次試験用の勉強をしていればセンターは確実に取れます。これらのことを考え合わせると「センターで物理を取るし、高得点もねらいたいが二次試験ではいらない」という人にぴったりの参考書といえます。問題数も豊富。
紙の本きめる!センター倫理
2002/07/13 12:47
見取り図がわかりやすい
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もともと範囲が広くない科目なので、倫理はこれ一冊で事足りる。構成は、各章の始めに「見取り図」と呼ばれるまとめがあり、各テーマにおいて
(1)センターの秘訣(重要なポイントを図示してまとめてある)
(2)理解を深めよう(センターの秘訣の解説:レイアウトが良い)
(3)ここに注目(最近のデータなど)
(4)過去問とその解説×2
があり、全範囲を網羅している。
特に見取り図が画期的で、思想や哲学テーマの流れが一目でわかるようになっている。初めて勉強する人はまとまりすぎていて使いにくいかもしれないが、少しでも勉強したことがあるなら本書で理解が深まるであろう。
2002/07/10 19:15
息をのむ政治取引
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戦後最大の緊張を与えたキューバ危機。その裏でアメリカはどのような状況にあったのか。ケネディは何を考え、何をしたのか。「外交政策の金字塔」と謳われたこの危機回避の様子を、映画『13デイズ』は息をのむ映像と演出で視聴者を圧倒します。この映画を見て感動した人にぜひ買ってもらいたい一冊です。スクリーンプレイシリーズの中でもかなり難易度が高い部類に入りますが、少々単語がわからなくても気にすることはありません。なんといっても政治用語、アメリカ人でもわかっていない部分が多いと思われます。全部読もうなどと思わず、映画を見ていて気に入ったセリフをこの本で探し、それを暗記するだけでも楽しいではありませんか。
2002/07/10 18:52
演習編
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同系列の参考書きめる!センター現代社会の演習版です。参考書で学んだことを実戦で使えるようにするための本です。分量も適切であり、センター用に適しています。ただ、参考書の方にもかなりの量の問題がついており、これだけでもかなりの演習になるのと、この演習編の問題ははその参考書と重なる部分が多いので必ずしも必要というわけではありません。また、2000年以降改訂がなされておらず(2002/7月現在)「現代」社会というには少々問題が古くなってきていることも否めません。最近は現代社会用の問題集も増えてきていますから、よく吟味して買うべきでしょう。
紙の本一日に24時間もあるじゃないか 時間を味方にする50のヒント
2002/07/10 18:34
スピードの時代
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いったいいつ寝ているのかと不思議になるほど膨大な仕事をこなしている中谷さん。その彼が、時間の使い方のコツを伝授する一冊です。といっても、「どうスケジュール帳を作るか」といった小手先の技術をひけらかすものではありません。時間に対する心理的な姿勢を変えさせてくれるのです。
たとえば、こんな言葉が私は気に入りました。
「5分遅れは1時間遅れよりも大罪」
1時間遅れは何か事情があると思われるけれども、5分遅れは気の緩みでしかない。周りからの信頼を、本人が思っている以上に失うことになる。学生時代の浪人や留年による1年遅れを気にする人は多いのですが、社会に出てから他人の1年遅れを気にする人などいません。でも5分遅れの人は「こんな人か」と思ってしまいます。5分、この重要性を知るべきです。
「趣味の時間を最初に取る」
たいていの人は、1日の時間から生活の時間と仕事の時間を引き、残りを趣味に当てようとします。これでは永遠に趣味の時間などあり得ません。仕事を引き延ばしても誰も叱らないのでつい時間が延びてしまうからです。仕事ばかりやっていると仕事の質も上昇しません。それぞれが趣味でやっていることが仕事にも生かされていくのですから、趣味の時間をなおざりにするべきではないのです。
他にも、「最後の1秒、相手の話を聞く人が最速で仕事をこなす」「気が効く人ほど時間を短縮できる」「何をするかより、何をしないかを決める」など、これまでの膠着した考え方から抜けさせてくれる言葉が満載です。お薦めの1冊。
紙の本図説おくのほそ道 新装版
2002/07/08 20:04
視覚で楽しむ「奥の細道」
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「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也…」多くの人が教科書で出会い、暗唱してきたフレーズです。今日、奥の細道を研究・鑑賞した本は山ほどありますが、本書は少し見方を変えて、「目で見て楽しめる」ことを重点に置いています。百数十に及ぶ現在の写真・当時の図版・懐紙を載せており、芭蕉がどんな道を歩んできたかが視覚的にわかる本です。芭蕉についてそれなりの知識を有している人は感動するかもしれません。巻末には著者による奥の細道の解説も収録してあります。
著者紹介
山本健吉:文化勲章受章者
渡辺信夫:東北大学名誉教授
紙の本7つの習慣ティーンズ 1
2002/07/08 19:51
10代のための「7つの習慣」
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世界的ベストセラー「7つの習慣」の著者の息子が、10代の若者向けに同書を全面的に改定した本です。7つの習慣の原則はそのままですが、例として挙げられているものは全て10代の人のもので、読者に親近感を与える構成になっています。もちろん全員アメリカ人ですが、悩みの種類はまったく日本人と変わりません。著者自身かなり若いため、若者の立場に立った言葉を選んでいるのも好感が持てます。
この「7つの習慣」は、他の書と違い表層的な成功テクニックを伝授するものではありません。ものの見方(パラダイム)を広げていき、自分の内面を高めることで総合的・絶対的な「成功」を治めることができると説きます。そのためにはまず、自分の価値観を表したミッションステートメントというものを作り(詳細は本書を読んでください)毎日それを読むことで自然に将来の指針をより確実なものにしていくことが必要です。若い頃からミッションステートメントを持てばこれほど強力な指針はないでしょう。決断することに無駄な時間を費やすこともなくなります。将来を見つめる若い世代の人に強く勧めたい本です。
紙の本人を動かす「この一言」 読むだけで、人づかいに自信が湧いてくる!
2002/07/08 19:30
古今東西、賢人の言葉を収録
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精神医学者が語る、「これぞ人の心を動かす一言」を100本ほど収めています。普段人の心というものに深く関わって生きているせいか、載っている言葉をかみしめるにはそれなりにの経験が必要かもしれません。全て解説が付いているので意味が理解できないことはありませんが。レイアウトは、右ページに格言、左に解説という形になっており見やすさも優良です。
私が気に入った言葉は
「ピラミッドは頂上から作れはしない」(ロラン)
「『私は三度失敗したことがある』と言うのと『私は失敗ばかりしている』と言うのではその後の結果に違いが出るということを知るべきだ」(ハヤカワ)
「紙に書かれた思想は著者の足跡に過ぎない。歩行者のたどった道はわかるが、彼が何を見たかは自分の目を用いなければならない」(ショーペンハウエル)
などです。
どれもこれもその格言を言った人の性格や器の大きさがわかるものばかりです。
欲を言えば、もう少しジョークの含んだ格言を織り交ぜても良かったと思います。あまりにも硬派の名言は読み続けると肩が張るので。