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takumi_yさんのレビュー一覧

投稿者:takumi_y

34 件中 31 件~ 34 件を表示

紙の本大修院長ジュスティーヌ

2001/09/07 02:47

精神的支柱の瓦解がもたらす阿鼻叫喚の物語、というと大仰すぎ。

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 既成の概念や因習に縛られた生活と、フランス革命によってもたらされたその瓦解に性愛を絡めた悲劇というところなのだろうか。
 これに収録されている3つの短編は総じれば価値観の崩壊がもたらす悲哀の物語なんだけど、主人公達は一様に幼少時の原体験における衝撃に囚われ続けていて、藤本さんの得意分野でもある精神病理的な物語でもある。
 特に「公爵夫人ドニッサン」のそれまで異常なまでに娘に愛情を注いでいた公爵夫人が新しい時代を渇望し、自分の権威回復に情熱を燃やし始めたことで、娘が母親の愛情を失うことを怖れるあたりは多分に現代の親子関係にも共通する問題だなぁと思う。
 でもこの3編だとやっぱり表題作が代表だなぁという印象。

 キリスト教においては基本的に性悪説なので、常に自らを律して正しき道を進まねばならないという教えと、ある意味とても原始的な欲望の葛藤はとても興味深くはあるのだけど、やっぱり個人的に女を家畜と同列に扱う考え方を受けいけられないので、いくら布教活動に勤しんでくださっても無駄なのだけどな……。

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紙の本破線のマリス

2001/09/07 02:35

これぞ報道の裏側?

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 一言で表わすならばとても後味の悪い話である。
 テレビニュースの編集者である遠藤瑶子は郵政省幹部と学校法人との癒着の事実をもみ消そうとした殺人事件の証拠であるテープを内部告発として託される。そのテープを編集したニュースは犯人と思われる男が警察の取り調べを終えて出てきた瞬間の笑顔を大写しにしていたために騒動を呼んだが、のちにそのテープは捏造であった事がわかる。そして顔を映された男は、殺人犯のような扱いを受けて左遷されたことに対して瑶子に謝罪を求めてテレビ局へ通い詰めてくる。

 この男の執拗な接触に不気味さを覚えるのですが、大元のところでこの主人公がとにかく好かないのでちょっとこの男応援してみた……。あなたの被害妄想が一番怖いんですよ。
 そして瑶子に捏造のテープを渡したのはマスコミの報道の偏向を前面に出して、前出の郵政官僚と学校法人との癒着を誤魔化す意図ということだが、そんなに都合よく大衆の目先を変える事ってできるのかなー?

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紙の本ひまわりの祝祭

2001/09/07 02:31

8枚目の「ひまわり」

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 フィンセント・ファン・ゴッホの幻の8枚目の「ひまわり」をめぐる物語。
 7年前の妻の死から世捨て人のような生活を送っていた男が「ひまわり」を手に入れようと画策する人々の思惑によって、騒動に引きずり込まれていく。現存する7枚の「ひまわり」とは別にもう一枚8枚目の絵があったのではないかという仮説を立てていた妻との会話を思い出しながら、2人で過ごした過去の記憶を反芻する。
 世界的な名画の謎なのに日本が舞台なあたりからしてものすごく都合よすぎなんですが、エンターテインメントとしては楽しめるのではないでしょうか。特に印象に残るような印象的な場面はなかったんですけれども、読後感の何とも言えない気分は前作同様でした。

 わたくし的には理知的な女性が、自分が夫のものでない子供を妊娠してて自殺なんかしたら旦那がずーーーっと思い悩むであろう事に気が回らないはずはないと思うのですが。しかしまあ堕胎してても調べればわかるらしいので、結果的には一緒かも知れんが……腑に落ちん。
 ついでにホモセクシャルを「性的な趣味」とかいうのはいかがなものなのでしょう。趣味って言葉は嗜好に近くないですかね。そういうものではないような気が……。
 この話の端々に出てくる安田火災のひまわりはファン・ゴッホの研究家によると高い確率で贋作らしいので、実際には7枚目がどこかに埋もれているのかも知れません。
 そういえば一時期CMでよく見たのに最近ちっとも見ないねぇ、あのひまわり。

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紙の本流しのしたの骨

2001/09/07 02:38

変な家族の話、だからかちかち山なのか?

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 作者みずから変な家族が書きたかったと仰っているとおり、変な家族の話。
 一年前に結婚して家を出た一番上の姉そよちゃん、短大を卒業後就職して、給料を貰うたびに家族みんなにプレゼントを贈ることを常としている次姉ことちゃん、そしてフィギュアを作ることを(あくまでも作成することを)趣味にしている弟の律。深夜の散歩を唯一の日課にしている、主人公。母は、食卓に野趣溢れる装飾を施し、誕生日のプレゼントにと9ヶ月前からハムスターをねだる。父は規律正しくあることを頑なに自らに課している人だし、とかくこの家族誰をとってもちょっと変だ。家族それぞれに家族の形態とか兄弟関係が存在しているというのは興味深かった。互いにあるがままを受け止めているこの姉弟に流れている特殊な空気はとても好ましい。
 でも他人の家庭を覗き見する以上の面白味は感じなかった。やっぱり向かないのかな、こういう日常物語は……。みんなちょっと特殊なので、何やっても傍観者の位置でしか見られなかったからかな。こういう人と付き合ってる深町君は一体何考えてるんだろうというのに一番興味を引かれました。

 ちなみに表題はかちかち山の狸が隠した骨の事なのだそうですが、いまのかちかち山は残虐性を薄められて、狸の悪戯がとてもかわいくなっているのであれ読んでる人には意味わかんないんだろうなーと思ったのでした。こうしてジェネレーションギャップは作られる………?

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