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takumi_yさんのレビュー一覧

投稿者:takumi_y

34 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本腐蝕の街

2001/10/15 00:18

2024年なら死体が甦るのも可能でしょうか?

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 2024年の東京が舞台のSFで警察官(溝口)主役のちょっとハードボイルド。3年前に溝口が逮捕して、刑を執行されて死んだはずの犯人「ドク」の過去の事件をなぞるように起こる殺人事件。死体に付けられた溝口に宛てたメッセージが付けられていたことから捜査にかり出されるのですが、「ドク」はともかく周りの人がなぜそんなに溝口さんに執着しているのかは謎です。

 近未来SFということで、この街の荒み方はわたしとっても好きです。湿ったコンクリートを連想させる雰囲気がたまりません。そしてその中で逞しく生きるシンバ(♂…本名樹里)。この子生い立ちから何から、ひたすらかわいそうで胸が痛かった。足折られるわ、瀕死になるまでやられるわ。マジで死にかけてるし。なんでこんなに苛められまくりなのよ、いたいけな子供なのに……。
 溝口に追い出されるんじゃないかと気配を窺ってるのがいじらしいくてめちゃくちゃかわいいです。しかし人殺しだけど。

 しかし溝口さんいくら何でも警官がそんなにはやりものに疎くてどうするんでしょうか。よく仕事してこれたよな。というか彼には野生の勘があるんですね、ある意味一番の武器ですね。素直に羨ましいです。シンバ幸せにしてやって下さい。

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紙の本毎日晴天!

2001/12/03 04:01

人の心ってままならないなあ。

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 高校時代の友人が連れ子と共に姉の旦那として帯刀家(姉は放浪の身ゆえ男兄弟4人所帯)にやってくる話。どたばた喜劇っぽいが根底はとてもシリアス。

 登場人物が途方もなくぐるぐるしてるのが、とてもわたし好みでした。
 シリーズ通して3回くらい泣かされましたか、愛情(「家族」に置き換え可)を知らない子供に愛情のなんたるかを教えることは出来るのか?というところですれ違いや軋轢があって、でも互いの言い分理解しあって大団円でないところが好き。
 人の心ってままならないなあ。自分の根幹に関わることだし、そんなに簡単に心開いたり委ねたりはできないものだよなあ。
 でも切ないなあ、と泣きました。久々にやられました。

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紙の本ポプラの秋

2001/09/07 03:37

ほんとに駄目なのよね、老人と動物は……。

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 かつて自分たちが入居していた「ポプラ荘」の大家のおばあさんの訃報を聞いて、18年前に暮らしていた街へと出掛けていく主人公。そしてそこで過ごした日々のことを回想しながら、母が大家に託していた手紙を読んで、かつての母の思いを知る……という大筋だったかな。
 また泣いちゃった。しかも今回はおおよそ本筋においては特別重要とは思われないような、主人公が看護婦という職業を選ぶきっかけになった母方の祖母が入院している場面で。

 ある日突然夫を亡くした母親の呆然とした様と、それを見つめている子供の情景というのにはやはり胸を打たれた。突然のことに対処できなくなってしまう母とそんな母にしっかりしてよと思いながら、それでも心配で仕方ないという娘のどっちの気持ちも分かるので、過酷だったろうな、やっぱりと思うより他にはないんだけど。
 そんな中で一見気難しげで偏屈そうな大家のおばあさんの果たした役割はとても重要だったのですね。身の上話が本当の事じゃないと気付いていながら、それでも騙されていたい人の心理とか複雑だけど、みんな優しくていいなと思った。

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紙の本夏の庭 The friends

2001/09/07 02:41

わたしは年寄りに弱い。

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 一番最初にそれを自覚したのは小学生の頃に見た「ふるさと」という映画だったと思う。題名さえうろ覚えなのだけれど、山間部の農村で年老いた男性が徐々に痴呆に侵されて、家族がそれを持て余すその様子が子供心にも無性にやるせなくてただ悲しかった。そのいつ見たとも知れない一編の映画がわたしに老いは悲しいのだと知らしめた。けれどもそれは老いの先にある死ではなくて、痴呆のもたらす人間関係の齟齬でもなくて、老いることによって疎外されていく哀しみなのだった。

 そんな個人的事情はさておいて、人が死ぬところを目撃したいという3人の小学6年生が一人暮らしの老人を見張っているうちに交流を深めていくこの話は、社会から隔絶されていた老人に生きる活力を、子供達にそれまで知らない別の世界を互いに与えあっている。こんな理想的な交歓が特殊な状況下でなく、繰り広げられる世界が来るといいなぁ、というのは常なるわたしの願いなのだ。

 ああもー、ひさしぶりにぽろぽろ泣いちゃった。途中まで読んでこれは絶対泣いちゃうからダメだと思ったのに、まんまと……。やっぱり年寄りはメガトン級の破壊力だ……むむー、侮れん。

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紙の本六の宮の姫君

2001/09/07 02:20

これは一体何の本なんだろう……

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 北村氏の代表作である大学生と落語家の円紫師匠の「私」シリーズ4作目で創元推理から出てますけど、これは一般的な意味でのミステリじゃない。
 本質はれっきとした推理モノなんだけど、提示されている謎はいつものように日常に潜む謎でも一般的な推理小説の常である殺人でもなく、表題の通り芥川が「六の宮の姫君」を書いた理由を推測するというもので、それを残された書簡や作品群からひたすら掘り起こしていく。
 芥川や菊池寛の引用文が多くて、それはそれで面白いんだけど主人公が同い年な設定だけにひしひしと己の知識のなさを痛感いたしました、いやもうほんとにえらい落ち込みで。

 北村さんの書く文章はとにかく世界に対する優しい視点がいいなぁ、と思う。色彩や、風景描写なんかに綴られる日本語の美しさが秀逸。こんな人が国語の先生だったらいいのになぁ、としみじみ思う。しかしわたし現国の時間ひたすら寝ていた気がする……(笑)。文学論もこうやって人物掘り起こしていったら、こんなに面白いのに現国のあのつまらなさは一体なんなのかしらね? この本にもっと早く出会ったてたら、もしかしたら文学研究やってたかも知れないねぇと思うくらい興味深かった。
 北村薫読んだことなくても、芥川好きだったら是非とも読むべしな一冊です。勿論北村好きにはたまらないでしょう。何たってご自身の卒論が元ネタらしいから。

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「自分不器用ですから」

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 というのはさておいて、わたしはコミュニケーション不全な大人が好きだ。
 一見小器用なのに実はものすごく不器用なところを見せられると途端に愛しくなってしまう。とても大事なのに素直にそう言えない、天の邪鬼な大人がやせ我慢してる姿に惹かれるのだ。
 そして自己嫌悪でがんじがらめになって身動き取れなくなってるようなどうしようもない人も好きだ。
 そんな二人の共依存の物語なのだから、このわたしがはまらないわけがなく、「やっぱ好きだわ、菅野彰」と再認識してみた一冊でした。やられた。

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紙の本空色勾玉

2001/10/15 06:43

世界設定が面白い。

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 どこが児童書なのかしら?という、古事記をベースにしたファンタジー。「空色勾玉」(古事記)、「白鳥異伝」(日本書紀)、「薄紅天女」(奈良)という勾玉3部作のその1。勿論一作ずつ完結してるのでそれぞれで読めます。

 地上に天上の世界をもたらそうとする高光輝の男神(イザナギ)の子供たちである照日王(てるひのおおきみ)と月代王(つきしろのおおきみ)の双子の姉弟率いる勢力と、大地の流転を尊び闇御津波の女神(イザナミ)を信奉する人々の戦い。
 不死の肉体を持つ輝(かぐ)の者を倒すことができるのは「大蛇の剣」とそれを扱うことのできる水の巫女だけ。幼いときに両親を殺され、戦火の中拾われた狭也(さや)は闇の者ながら月代王の釆女として招かれる。
 そして封印してある大蛇の剣を盗み出そうと入り込んできた闇の者、鳥彦を助けるために忍び込んだ神殿の中で、「風の若子」稚羽矢(ちはや)に出会う……。
 とまあ文章は時代を意識してかちょっと難解な感じ(しかし、これくらいなら「金の海銀の大地(氷室冴子)」とあまりかわらないかな?)だけど、話的にはとてもさくさく進めます。

 稚羽矢は照日王と月代王の弟ながら、大蛇の剣の使い手でもあるとても重要な人物なのだけど、幽閉状態でずっと過ごしていたので、とてつもなく世間知らず。ボケボケで非常にかわいいですね。
 しかしラストの「祝言とはなんのことだろう」という科白にはちょっとくらり……苦労だな、狭也。

 やはりこれは十代のうちに読んどくべき話ですね。快活で他人を励まして回り、力無いくせに行動派ですぐ落ち込むというヒロインの造形がなによりも少女小説だった。
 それにしても人物の配置がヒロイン、ヒーロー、敵対者! って王道すぎて、脇キャラがあまりにも脇だよ……科戸王なんか戦陣から首飾り届けさせたり、病床に毎日端贈ったりまめまめしく気を配ってるのに、さっぱり報われないし……哀れ。
 でも稚羽矢に剣を教えた伊吹王が好き。この人のちょっと抜けた感じもさすが師弟って感じで。ラストはいいとこかっさらっていったし。

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紙の本屍蠟の街

2001/10/15 00:31

「腐蝕の街」続編

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 「腐蝕の街」続編ゆえに必ず先に読んでおいてください。前回溝口の身体を乗っ取るべく脳に写し込まれたドクこと菅野礼也の記憶と人格が、溝口とシンバに向かって牙を剥きだす……というのがメインなので、溝口への執着の理由がわかった方が面白いと思うから。やっぱり首謀者である赤坂との確執は押さえておかないとダメでしょう。

 今回シンバちゃんがあんまり痛めつけられてなかったので胸をなで下ろした。でも前回の扱いがひどすぎるんだな、あれは。
 微妙に行き当たりばったりな感があり、ちょっと気を抜くとすぐドクが出てくるのは、やっぱり明確なプロットのなさ故だったのかなぁ? 必然的にあまりにも出張るドクと溝口の対決に移行していったのも、連載小説の宿命なのか……?

 全体的にものすごく趣味に走った話だなぁ、という印象。前作の新型リラクゼーションマシンの氾濫を受けての電脳戦なんだけど、その参加者たちの狂奔の様が書いてて楽しんでらっしゃるなーと思わせます。ネットの神を自称する早川の人物像なんかを見ると、何かに情熱を傾けている人は本当に無条件に素敵なのだろうか、そんな幻想をばらまいていいのだろうか…と猜疑に駆られたり。あんなのがいるんならちょっとお目に掛かってみたいけど、わたし性犯罪者嫌いなので(好きな人はいないだろうけど)、きっと仲良くはなれないね…。

 とりあえずあまり問題解決してないようなのですが、これでおわりなのかしら……それはなんだか腑に落ちない感じなんですけども、とにかく健気なシンバちゃんの為だけにでも読む価値あり。ともかく、前回に引き続き脇キャラがどれだけ出て来ようとも、ラストは二人の世界だったのが、君たち素直でよろしい、という感じでした。

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紙の本さようなら、と君は手を振った

2001/10/11 23:57

無償の愛って切ないね…

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 どこまで行っても人は本当には他人を理解することは出来ない。だからこそどんなに互いを思いやっててもすれ違うし、決定的な言葉を突きつけられるのを恐わけで、それを愚かしいと笑うことは出来るけれども、やっぱりそれは傍観者の特権だなあと思った話。

 不実で派手好きで移り気な男をひたすら想ってるだけなのと、どれだけ言葉を尽くしても相手にまったく信じられてないのと、どちらも当事者だったら耐えきれません。
 でもこれ雑誌掲載時のように表題作だけだったら、なんでついてかないのよばかばかと涙に暮れつつ、抜けない棘のように心に残り続けたのでしょうが、続編でとても強引にではあっても収まるところに収まってるのが、基本的にはハッピーエンド傾向に引きずられるわたしには必要以上に心を痛めずにすんでありがたかった。
 わたしと作品にとってどっちがよかったのかはわかりませんけども。

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紙の本幻想運河

2001/09/07 03:45

でも「薔薇がバラバラ」ってコピーはどうなんだろう?

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 大阪とアムステルダムを舞台に起こるバラバラ殺人事件。貧乏旅行をしていたシナリオライター志望の山尾恭司はオランダに住み着いて、現地の日本人たちと知り合いになる。ソフトドラッグの使用が許可されているアムステルダムで恭司がドラッグの魅力に酔っていた頃、知己のヴィオラ奏者が殺されていた…。やっぱわたしミステリ好きだわ、と改めて実感しました。

 相変わらず見事な構成と滑らかな筆致、ステキです。有栖川好きにも、有栖川初心者にもお薦めできるでしょう、これは。ある意味ストーリーも王道だし、シリーズ物でもないので取りかかりやすいはず。アムステルダムと心理学とドラッグについて一通りの知識も得られます。
 くれぐれも過去の作品を思い返してこのパターン多いなとか思ってはいけません。しかしわたしはまたまた最後まで読んでも犯人の動機が理解できなかったのですが…ってミステリで動機がわかんなかったらまったくダメじゃん。
 そして途中ふんだんに盛り込まれている薔薇のモチーフが一体何を指すのかもいまいちわかってなかったり…ダメすぎ。

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紙の本死国

2001/09/08 00:36

あなた、どうあっても幸せになれないのねぇ。

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 20年ぶりに故郷を訪れた比奈子は幼なじみの莎代里が18年前に事故死していたことを聞かされる。
 故郷へ帰る道すがら白装束に身を包み、四国八十八カ所の霊場参りをしているらしい莎代里の母照子を見かける。けれど照子は死んだ人の年の数だけ霊場を逆に巡れば、死者がよみがえると信じ、娘を生き返らせるべく15回の霊場巡りを終えていた…………。

 東京での生活に疲れて故郷に帰ってきた比奈子が、子供の頃思いを寄せながらも内気だったために言い出せずにいた文也くんに惹かれていく様などとてもオーソドックスでよかった。離婚して村に戻ってきながらもどこかに居心地の悪さを感じている文也のそこはかとない哀愁、比奈子も傷心を癒そうと戻ってきてみたものの結局は異邦人である疎外感を覚えてるあたりの描写がいい。

 中盤までは比奈子が目にしていない風景をいつの間にか描いていたり、莎代里の父の書いた「四国の古代文化」の記述や、莎代里の母照子の不気味な言動、八十八霊場巡りをしている人の体験など不穏な気配はするものの、比奈子と文也のうら若き少年少女のような恋愛模様が中心だったので、クライマックスの不気味さがいや増します。
 あのほのぼのは、どこ行ったの〜?! って叫びたいくらいに。そして比奈子さんは、結局とっても踏んだり蹴ったりな目に遭ってます。

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紙の本地下街の雨

2001/09/07 04:06

しっとり、ほっとする短編集。

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 そもそもが余り守備範囲が広い方ではないので、優しい話というと月並みながら北村薫と宮部みゆきは双璧かなあと思っているんだけど、なかでも表題の「地下街の雨」が秀逸。地道に努力している人が心安らぐ幸せを掴む読んでてほっとする話。
 やっぱりこういう話を書くといいなぁ。でもこのご時世じゃあ、好きな人が親友と結婚してしまうってのをヤケ酒飲みながら管巻いてる男ってのはいい人なのかそうでないのか、判断に苦しむのが嫌だけどねぇ。

 「勝ち逃げ」もお得意の分野にて、ああ、いい話だなぁと思います。シュールでブラックな系統の話が半分入ってるけど、うーん、「不文律」の無邪気な子供が一番怖かったかな。無邪気というのはとっても怖いよねぇ。しかし小学校の担任、誘拐ごっこはやめさせようよ…。
 短編集なので1話ずつあっさり読めます。

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紙の本水に眠る

2001/09/07 02:27

この幅の広さが北村薫

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 基本的に北村薫は純正のミステリから、ちょっとミステリ風味の物語を書く人なのだけど、これは全然そういうものとは毛色が違ってものすごく普通の短編が、けれども北村薫の流麗な文章で連ねられている。ああ、なるほどこういうものを書きますかって印象。意外ではなくて、すとんと入って来た。

 一番北村薫だなぁと思うのは「はるか」。女子高生の憎めなさというか爛漫さがいいなぁと思う。一時期北村氏は実は女子大生では?? などと言われていたのだけど、さもありなんと頷けてしまう話なのだ。わたし自身は女子高生だったことあるけど、こういうの書けないんだよなぁ……。

 「くらげ」はちょっと星新一テイストのブラックなSFもの。個人空調装置。つまり個人用のエアコンが空前の大ヒット、そのうち職場でも学校でもみんなしてエアコン被って歩いちゃうのだ! しかも空気清浄機も付いてるすぐれもの。ラストは寒々しい感じがするんだけど、でも夏が鬼門なわたしには大変嬉しい商品なので、誰か開発してください。これがあったら、ご飯時に隣で煙草ふかしてても文句言わないからさ。

 そして一番好きなのは「ものがたり」です。なんかねえ、ああいいなぁって思う。気持ちを遠回しにしか告げられないのが。でもばればれなのが微笑ましいね。
 それぞれ短い話なので、毎日一編ずつ立ち読みが出来ますv←こらこら。

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紙の本華胥の幽夢

2001/12/03 04:10

十二国記短編集

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 インポケットとメフィストの再録と掌編3編の短編集、ということらしいです。
 本編にはあまり登場しない人たちに焦点が当てられているので、彼らが好きな人は勿論、この世界観の補完敵役割も担っておりましょうか。

 個人的には楽俊の久々の登場(「書簡」)が嬉しかったのでした。
 ああいう風に綺麗なとこだけで付き合いたいというと語弊があるか、お互いに相手に無用な心配かけたくないと思える関係は大人だなあと思うのですが、実際なかなか難しいよねえ。
 なんだろうなあ、他人との距離感の問題なのかなあ。

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紙の本蒲生邸事件

2001/10/15 14:42

1936年雪の東京。

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 宮部さんの書かれる主人公君達は概して、とても気配りする素直でいい人が多いので、心洗われます。主人公である孝史さん(18)、御多分に漏れずかわいいです。しかし、あなた何学部を志望してらっしゃるの? 理系なら別にいいけど、文系でリットン報告書知らなかったら、それはもう既に受験生ではないよ。

 事件といっても殺人事件じゃないし、一番重要な題材はタイムトリップという超能力とそれを持った人の苦悩でしたので、取っつきの善し悪しがあるのではないかと思う。とりあえず2・26事件についてはいろいろ勉強になりました。最初の火事から脱出して蒲生邸事件に辿り着くまでがちょっと長かったけど、それを過ぎれば、まあさくさく読み進めました。

 貴之さんの人物像がいまいちよく解らなかったりしたんですけど、労働階級のお友達がいてもおかしくないっていうのと、孝史に対する接し方違いませんかね? 弟だと誤解していた分差し引くとしても、珠子と葛城医師の含みありげな話し方に何かいまいち釈然としないものがあるのですが…。
 ラストでふきの手紙読む際の「ふきはきれいで優しい字を書いた。人柄そのものの字体だった」に彼女が綺麗な字が書けるまでの年月を思って一瞬涙腺が緩みました。

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