木更宜さんのレビュー一覧
投稿者:木更宜
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紙の本大いなる旅立ち 上
2001/10/15 13:08
次々と襲ってくる波乱に立ち向かう少年の成長を描いた物語
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急成長していく漢の生き様! 愛と憎しみ、そして友情。
年令設定の低さと偶発性の高さは、やや安直な印象も受けるが、最初から物語に入りこみ安さと身近さがあり、気づくと物語に持っていかれてしまう。軽快で疾風感のある読み物だが、物語の根幹が(或いはキャラクターが)かなりしっかりしているからこそ、読み応えも充分。
小説は主人公(シーフォート)の一人称で進みます。その分、読み手は気が付くと彼の大変危なげな情況に、一緒にハラハラさせられていくようになります。最初は世界観が取っつきにくい所もあるのですが、一度物語に入り込めばそれすらが作者の仕掛けになります。
きっと貴方も途方もなく主人公に科せられた試練に、その乗り越える様に引き込まれていく事でしょう。そしてこの物語の見所は、主人公ではなく、更に彼を支える仲間達の存在にあります。主人公よりも実は彼らの方が共感を抱きやすい気もします。
ヒーローとなるには功績が必要だ。彼は過酷な情況を過ごすうちに、いくつもの実績を積んで、新たなる宇宙の英雄に育っていく。その過程を描いたこの作品。
責任を負う人間の苦労と悲哀、孤独。そして喜びを貴方も彼と一緒に味わってください。
そしてこの本は是非、下巻をそろえてお読み下さい。そうでないと確実に「続きが欲しい!」とのたうつ事になるでしょう。
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