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  3. 凛珠 さんのレビュー一覧

凛珠 さんのレビュー一覧

投稿者:凛珠 

52 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本逃亡者

2002/01/25 14:41

父親として、夫として。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 主人公の燐之助が犯した殺人は、当時の法律からすれば、無罪にあたるものだと思うのだが、どうなのだろうか。仮に罪になるとしても、死罪以上にはなるまいから、1年で時効が成立している筈だ。それでなくても、燐之助の妻子に危害を加えることを公言している、岡っ引き風情の辰次郎に、同心は燐之助の妻子を監禁させるだろうか。結末も、少しご都合主義的に感じてしまった。
 とはいえ、作者の人間の描き方には、愛情を感じさせる。特に年頃の娘を持つ父親は、共感しながら読むことが出来るだろう。
 

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紙の本

紙の本定廻り同心 謎解き控

2002/01/17 22:19

やや地味な捕物帳。

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 6篇の短編を収録しているが、6篇とも主人公は違う定廻り同心である。
 それぞれの物語は、それなりにまとまってはいるのだが、主人公の印象が薄く、やや物足りないのが残念。時代考証的に、若い定廻り同心を登場させることが出来ないということは分かるのだが、それでも、個性的な人物を主人公に据えた新シリーズも、是非書いて貰いたい。

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紙の本

紙の本花あざ伝奇

2002/01/17 21:41

直木賞受賞作収録の、中国歴史短編集。

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 中国が舞台の歴史小説は、これまで殆ど読んだことがなかった為、人名や地名などの漢字には難儀した。
 物語は歴史的事項を並べたてることで進行するパターンが多く、もう少し情緒的な描写も欲しいかな、と残念に思う気持ちもあるのだが、これは好き好きか。中国の歴史に造詣の深い人なら、楽しめるかもしれない。
 巻末の一編「張少子(チャンシャオツ)の話」は、第52回直木賞受賞作である。

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紙の本

江戸のホームドラマ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 作者は、川路家の人々に余ほど思い入れがあるのだろう。他の本でも、川路家の人々を取り上げていた。本書でも、中途からは「江戸奇人伝」ではなく、「旗本・川路家の人びと」となってしまっている。これは確かに褒められたことではないかもしれないが、川路家の面々を見ていれば、そうなってしまうのも無理からぬこととまで思わせる。そこには、「硬派な武士の家庭」という固定観念を打ち崩す、一種ホームドラマ的な世界があった。勿論、現代と江戸時代は同一のものではなく、相違点も多いだろう。例えば妻妾同居などだ。しかし、江戸時代の人々が、我々現代人とは全く違う人間かといえば、そんなことはない。また一つ、真の江戸を発見した。

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紙の本

紙の本悲愁中宮

2002/01/17 11:51

歴史の陰の、女たちの歎き。

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 一条天皇の中宮・定子──『枕草子』の作者である清少納言が仕えた、藤原一族の女性である。そこそこ有名ではあるが、藤原道長の陰謀の被害者ということもあり、これまで彼女をメインに据えた小説は少なかったのではないか。
 
 本書では、道長の命を受け、スパイとして定子に仕える左京という女御の目から、定子の光と影を描き出している。時代は違っていても、男と女の関係とは、いつの世もこうしたものだろうということを、如実に感じさせられた小説である。

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紙の本

紙の本直飛脚疾る

2002/01/17 11:33

疾(はし)り抜けた男たち。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 時は江戸時代後期。11代将軍の密書を、定められた刻限までに目的地へ届けることを使命とした、「直飛脚」を主人公にした短編連作集である。
 
 物語は、3人の直飛脚──秋元炎九郎、本荘錦之介、太田又兵衛を中心に進む。6篇の物語は、いずれも、作者らしい仕掛けの魅力に溢れている。
 
 定刻に間に合わぬ場合は即刻切腹という宿命を負い、事件に巻き込まれながらも、懸命に疾り続ける男たち。彼らの行く先には、何が待ち受けていたのか──それは、本書を読むことで知って頂きたい。

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紙の本

今も昔も変わらぬ少年犯罪。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ここ数年、少年犯罪が急激に増えたかのように言われているが、実際には減少しており、一番犯罪者が多いのは、1950〜60年代生まれなのだという。それはともかく、「津山三十人殺し」という殺人事件があったことは知っていたが、本書を読んで、22歳の若者の犯行だったのだということが分かった。彼がなぜ殺人に至ったのかというような、犯行の背景もよく分かった。それも妙に分析的に書くのではなく、客観的に書いているところが良かったと思われる。野次馬根性ではなく、しっかりと考証して書かれた本である。

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紙の本

死体と、大らかな江戸。

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 江戸の町は、死体とは切っても切れない縁があった。川には水死体が流れ、遊郭への通り道には獄門首が晒されている。人の肝は薬にもされた。だが、これは決して、江戸が殺伐として野蛮であったということを示すものではない。むしろ、江戸人の大らかさとして捉えるべきだろう。彼らにとって死体とは、恐怖の対象というだけではなく、一種の「隣人」でもあったのか。舟で川遊びをしていれば、時には水死体が漂ってくる。心中した死体が晒されていれば、いさんで見に行く。彼らの世界では、たしかに死体は身近な存在であったのだ。それは、あるいは無知ゆえであったかもしれない。だが、ここにも「江戸らしい大らかさ」を発見することが出来るだろう。

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紙の本

紙の本ネコの赤ちゃん

2002/01/17 15:05

一石二鳥のネコ本。

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 沢山の愛くるしい仔猫の写真と共に、仔猫を飼うにあたっての心構えや躾けの仕方、猫についての豆知識などが収録された本である。写真集ではあまり知識を得られず、本では文字ばかりで写真の少ないものが多いのだが、本書ではどちらも兼ね備えていて、まさしく一石二鳥である。
 印象的だったのは、本のしめくくりとして、「猫はペットではない」と書かれていたことである。猫にとって飼い主とは「仲間」であって、「主人」ではないということだ。まさしくその通りで、そこが猫の魅力と言えるだろう。このことをよく肝に命じておけば、捨て猫などということをする人間はいなくなるに違いない。

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紙の本

紙の本日本史怖くて不思議な出来事

2002/01/17 11:04

歴史の中に潜む不思議な出来事たち。

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 本のタイトル通り、古代から江戸時代までの様々な文献から、今日で言うUFO目撃談や、超能力者、妖怪など、「不思議な出来事」を抜粋し、紹介した本である。
 文献の書名や作者名が書いてある為、内容の信頼性も高く、原本を勉強してみたいと思う者にとっても親切である。
 本のタイトルが「不思議な事件」ではなく、「不思議な出来事」であるところに、本書の性質がよく現れている。「出来事」という柔らかな言葉が示す通り、学術的な内容ではない。しかし、当時の人々と妖しの者どもの、奇妙に密接した関係──両者の間には、必ずしも恐怖だけが介在するのではない──を表現するには、非常に適したタイトルである。
 本当の歴史というものは、表側に現れない、こうした「出来事」によって知ることが出来るのかもしれない。

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紙の本

紙の本吸血姫美夕 6

2002/02/01 01:21

仄かな灯し火が哀しみを照らす。

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 母への憧憬を描いた「深竹の子守唄」、はぐれ神魔の魔力によって美夕が大正時代へ飛ぶ「半夏生の館」、泉鏡花を連想させる、人間と異形の者との悲恋「灯し火渡る橋」の3編を収録。
 いずれもストーリー自体にはさほど新鮮味は無く、ともすれば甘ったるいという謗りを受けるかもしれない。自分も甘ったるいものは苦手である。が、その甘さこそが、作品の幻想的趣を向上させているのだという事実は否定出来ない。相変わらずムード満点のイラストが満載で、一コマ一コマが独立した絵と成り得る程である。

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紙の本

紙の本吸血姫美夕 5

2002/02/01 01:04

舞い散る花びら。

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 美夕と冷羽、そして夕維が一堂に会して戦う「桜の樹の下で」、純真な童子のはぐれ神魔・れおなを狩ることに心中で葛藤する美夕の「れおな…」、爛火が美夕に手を貸す、怪談風味の「花人形」、少年と塾の女性講師の悲恋「恋告草」の4編を収録。
 「桜の樹の下で」では、三人の美少女の三つ巴の戦いと、桜の花弁の舞い散るさまが、とにかく美しい。「恋告草」は少々ダークな味わいだ。幻想的な話も良いが、個人的にはダークな美夕の方が好きではある。少女漫画であるから、甘くなってしまうのも仕方がないとは思うのだが……。原作者と漫画家の、意思の違いというものもあるのかもしれない。

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紙の本

紙の本吸血姫美夕 4

2002/02/01 00:39

追跡の花。

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 「吸血姫美夕」第4巻は、全5章からなる長編「追跡人」である。夢魔神魔・椿と結ばれた少女・由摩。しかし美夕は、はぐれ神魔である椿を狩ってしまう。それを知った由摩は、人間の身でありながらも夢魔神魔と手を組み、椿の仇を討とうと美夕を付け狙うのであった──。
 美夕も由摩も悪人ではなく、両者の戦いには遣り切れないものがある。イラストはいつも美しいが、今回は特に、黒を背景とした表紙に神秘的な魅力を感じさせられた。

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紙の本

紙の本吸血姫美夕 3

2002/02/01 00:33

美しき対決。

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 美夕の上司でありライバルの冷羽が初登場する「冷羽登場!」、西洋神魔との再戦「幻影城」、美少女西洋神魔・リリスとの戦い「リリス」、うさぎの姿をした愛くるしい神魔・死無が初登場する「鏡よ鏡」の4編を収録。
 新キャラも登場し、シリーズとしても安定した感じだ。幼女の姿をしながらも威厳があり、日本人形的な色香を感じさせる冷羽のキャラが上手い。

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紙の本

紙の本赤い金魚

2002/01/27 00:28

梅本育子流・好色一代女。

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 22歳の仲居頭・お松が、身体をはって生きていく連作時代小説。「恋雀」「俎上の恋」「恋比目魚」「恋うさぎ」「恋狐」「恋かげろう」「笹紅」「蚊帳のたるみ」の8篇で構成されている。梅本育子氏の作品で、若侍の出て来る物語はあまり読んだことが無かったので、8篇の中では、「蚊帳のたるみ」が一番印象に残った。若侍と美貌の姉妹の、幻想のような愛欲絵巻が繰り広げられる。終わり方も夢の終わりのような余情と艶があって良い。
 お松は店の主を「ご主人様」と呼ぶが、「旦那さま」が正解であろうし、「旦那さま」の方が味も出ただろうと思うと、少し残念。武家娘の言葉遣いも町娘のように思えてしまう。とはいえ、作品としての出来は悪くない。むしろ出来の良い作品であるからこそ、こうした細部にもこだわって欲しいのだ。

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