りんご酢さんのレビュー一覧
投稿者:りんご酢

スピリチュアル生活12カ月
2002/07/28 19:49
生きがいを発見!
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自分の半生を振り返ってみて、何にもしてないと思った。こんなふうに生きてみたい!っていうようなさしたる目的も目標もなく、ただ人様に迷惑はかけず、真面目に生きてきただけだった。でも今自分には何も自慢できるものがない。自分の存在価値が認められないって後悔しながらも、なんとなく棚の上に上げといて無為な生活をしてるって人は案外多いのではないだろうか?
趣味でも何でもいいから、生きてる実感を得るためにできることを手に入れたいと思った。今日からでも遅くないから、少しずつがんばっていきたい。私のこれからの人生を変えてくれる大切な本に出会えたことを感謝している。この想いを忘れずに、少しずつこの本にしたがって、生き方を模索していこうと思う。

ネガティヴ
2002/07/22 12:36
読み応え満点!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
妻の名前を使ってヒットした流行作家の夫が、欲を出して現実と小説の内容を同時進行させようともくろんだことが悲劇の発端だった。
妻に役者志望の男を近づけ不倫させようと仕組んだら、その周りで次から次へと関係者が殺されていき、信じられないことに、小説の世界と現実がごっちゃ混ぜになり、小説の中の登場人物まで現れて…
他の赤川作品と同じように読んでいては、置いてきぼりになってしまう、奥の深い複雑でしかも展開の早いサスペンスである。

試写室25時
2002/07/01 10:35
7つの映画のパロディったタイトルが絶妙!
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7つの映画のパロディったタイトルが絶妙。<何でもやる商会>がその映画のニュアンスを含めた依頼にチャレンジしていくユーモア&ミステリー。この手の作品を書かせたら日本で赤川次郎の右に出るものはまずいない!
「エクソシスト」「髪結いの亭主」「雨に唄えば」「東京物語」「プリティーウーマン」「学校の怪談」「真昼の決闘」といずれ劣らぬ名作ぞろいを、赤川さんがどう料理してミステリー作品に仕上げたか? タイトルを見ただけでわくわくしてきます。
頼りない所長の戸田をサポートする池上絢子(あきこ)の男気あふれた活躍が見物です。そう言えば、赤川さんて女性を活躍させてくれる作品が多いですよね? 杉原爽香シリーズといい、三姉妹探偵団、花嫁シリーズとか…また、エンディングがいつも暗くなりすぎず、なにか希望を持たせたものにしてくれるところも女性ファンを惹きつけて離さない秘訣と思われます。
この中では「雨に唄えば、弾丸が降る」の殺し屋さんと、「プリティーウーマン・イン・クラシック」のサキにすごく好感を持てるのは私だけじゃないはずです。

北条司短編集 1 シティーハンター−XYZ−
2002/07/09 22:09
珠玉の名作!
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シティーハンターの元になる2編と他5編の短編集。その中の3編は感動の珠玉作だと思う。
「天使の贈り物」「少女の季節−サマードリーム」「桜の花 咲く頃」である。
特に「桜の花 咲く頃」が気に入っている。主人公桜井真樹は桜の木を大事にしている小学生。幼い頃その桜の木から落ちた真樹だが、枝が支えてくれた為かすり傷で済んだのだ。それ以来命の恩人と思っていた。
そんな真樹の前に転校生サラが現れる。彼女は植物の気持ちがわかる超能力を持っていた。彼女はその超能力の為に海坊主みたいな父親と転々と暮らしていた。
しかし、その桜の木は腐りかけていて、台風の日に折れた枝が近所の窓を直撃してしまった。近所の迷惑を考えて、両親は桜の木をもはや切るしかないと真樹に言い渡す。真樹は猛反対して嵐の晩に家を飛び出してしまい、増水した川に落ちてしまう。
両親は心配して探し回り、サラの元へも訪れる。サラは桜の木がざわめいていると言って真樹の居所を言い当てる。その能力を知られたからにはまたこの町を去るしかなかった。といったストーリーである。まさにハートが熱くなる傑作だ。

スキップ
2002/07/22 13:21
こんなステップはご勘弁!
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女子高生の真理子は一晩寝て目覚めたら、自分と同じ年の子を持つ42歳のおばさんになっていた。つまり25年の未来へ17歳の真理子の魂だけがタイムスリップしてしまったのだ。普通タイムスリップというと肉体ともどもと思うがこれは違うのだ。真理子はれっきとした42歳のおばさんで中身だけ17歳の少女なのだった。
つまりちゃんと結婚していて年相応のおじさんの旦那がいるってことなのだ。しかも娘までいて、職業も持っていて高校の教師だった。通ってた立場が一気に教える立場に…到底無理な設定なのだが、夫と娘は今の真理子の状態をよく理解して協力してくれる。そのおかげで真理子も次第に自分の置かれた立場を受け止めこの世界で生きていくことを決心していく。
読み進んで行くうちに2つの疑問にぶち当たってしまう。おばさんの真理子の心はどこへ行ってしまったのか? エンディングはやはり真理子は17歳の肉体に戻れるのか?
それは読んでのお楽しみに!

オンリー・ミー 私だけを
2002/07/22 13:03
やはりただ者ではなかった三谷さん
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とにかく面白いです! 三谷さんの人柄が120%出ていてとにかく笑えます。
チャゲアスの話なんか最高じゃないですか? あんな洒落たジョークがわからないようではチャゲアスのファンもたいしたことないね!
長嶋茂雄と間違えられてって話も共感します! 迷惑ですよね! たまにいますよ、まったく似てないのに、大勢の前でその馬鹿野郎は言ってからにして、同意を得ようとするが、周りはシーンと静まり返って、言われた本人の方がこっ恥ずかしくなるってアレですよね〜
愛想のないファミレスのウエートレス、優越感に浸ってるスポーツインストラクターについても三谷さんと同意見です! 必ず遭遇しますもん。
「普通の人が普通の感性で書いた世界で最初のエッセイ集!」と後書きで書いてるけど、確かに感性は普通だと思うけど、三谷さんの立場でないとあれだけの芸能人の話題は書けないわけだから、普通の人ではないかな? やはり。

ブルー・ハネムーン
2002/07/19 19:11
全女性のあこがれ?
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男の結婚詐欺師って聞くと許せないが、同姓のよしみかもしれないけど、女の詐欺師だと小気味いいのは私だけではないはず。
姉小路久美子はその類まれな美貌と抜群のプロポーションで、カモにした男たちを手玉に取り、金を巻き上げる結婚詐欺師だ。次のターゲットに近づくため、コンピュータ関係の会社に出向していた久美子だったが、その会社に中途入社してきた美青年に鞍替えした。なにせ資産家の御曹司ときているのだから、逃す手はない。相棒の作家志望の修は今回の相手はきな臭いと感じていた。古い屋敷を丸ごと借りて大掛かりなリフォームを加え罠を仕掛けた久美子だったが…とんでもない展開になっていく。
女性の読者は久美子になったつもりで読んでいけば、ストレス解消になること請け合いです。

贅沢な恋人たち
2002/07/17 09:48
贅沢なラブストーリー
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実在する8つのホテルから、8人の人気作家が8つのラブストーリーを繰り広げる、まさに贅沢な1冊である。その8人というのが、村上龍、山田詠美、北方謙三、藤堂志津子、山川健一、森瑤子、村上友覗、唯川恵と豪華メンバーなので読む前から期待で胸はいっぱいだった。そしていずれもその期待を裏切らなかった。
各話の前に舞台になるホテルの写真が掲載されている。残念だが、文庫版なのでモノクロで味気ないが、その分ストーリーで大いに想像力を掻き立てられる。

いつも美空 5 (少年サンデーコミックス)
2002/07/08 19:11
正義は勝つ!
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スポーツ界のカリスマ中学生野神篤史に、美空たちレンタルクラブのメンバーは彼に挑戦状をたたきつけた。彼の全記録をメンバーたちが塗り替えたのだ。というのは、彼とその弟にただならぬ邪悪な空気を感じたからだ。彼らも13歳になったとき不思議な能力を与えられていたのだった。それを武器にして世界制覇を目指すなんてとんでもないやつらだった。
野神兄弟に命まで狙われることになる6人と1匹ですが、最後にきて普段な〜んの役にも立っていなかったレンタルクラブの顧問がおいしい役回りになってます。バケも感動的なエンディングの重要な要素になってます。

マスカット・エレジー
2002/06/28 01:28
楽しさてんこもり!
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1冊でミステリーから名推理、ホームドラマ、ファンタジーといろいろ楽しめる、短編集でありながら、ひとつのストーリーになっている。
フリーライター有吉葡萄は二年前に他界した父親がパチンコ屋で拾ってきたという鮎子と二人暮し。鮎子は葡萄に食べさせてもらっている居候でアカの他人に過ぎないのだが、葡萄の窮地にいろいろ助け舟を出してくれる。葡萄はその鮎子こそが、物心つく前に父と自分を捨てて出ていった母親ではないのかと疑い始める。が、突然鮎子が居なくなったと思ったら、葡萄の家は勝手に売却されていてた。37年間住み慣れた家を追い出されることになってしまった。
しかし、その売却金を鮎子は最初から葡萄に渡すつもりだったという。そのお金で自分の夢に向かって羽ばたけと背中を押してくれていたのだ。やり方は乱暴だったが、そこに鮎子の愛が感じられる。と盛り上がるが、その後も二転三転して本当に最後の最後まで何が起こるかわからないといった感じで面白かった。
それと同時に読んでいくうちに、鮎子がすごい魅力をもった人に思えてきた。そう、シンデレラに出てくる魔法使いのおばあさん、またあるときはシンデレラをこき使う継母のようでもある。ある意味大人向けのファンタジーなのかもしれない。

殺人を呼んだ本 わたしは図書館
2002/07/14 20:42
女は度胸!
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「野々宮図書館」という奇妙な洋館で起こるミステリー5本だてである。松永三記子はこの図書館の管理人として洋館に住み込みで雇われた。ここの蔵書は変わっていて犯罪や事件がらみの物ばかりであった。殺人事件で被害者が抱いて死んでいた本、若い女ばかり狙う変質者の愛読書、一家心中したときに足場代わりに積み重ねられた本とかなのだ。
しかもその本にまつわる幽霊が出没となれば、普通は逃げ帰ってしまうのが普通だが、それではお話が進まないので、三記子は、赤川シリーズによく登場するような好奇心の塊で冒険心に富んだキャラであった。三記子は幽霊たちにつきあって、その事件の真相をつきとめていく。終始楽しめる明るいミステリーである。

小さいことにくよくよするな! しょせん、すべては小さなこと
2002/07/11 23:35
人生の教科書です!
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会社の人間関係でストレスがたまりたまってどん底状態のとき、この本は私に一縷の光をさしてくれました。
100項目に分かれていて、今日はここを読んで気持ちをなぐさめよう! 今日はここを肝に銘じてふんばろう!とかいろいろ手助けしてもらいました。
しょせんすべては小さいことなんです、要はそれを受け止める側の問題なんです。心の持ち方で明日からの生き方が変わるんです。そんな身近なことに気がつかないで、ちょっとした問題をいかに大げさに考える人の多いことか? 現代人の心を癒す内容だと思います。

かりそめ
2002/06/24 14:51
潔さに感動
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梓が眼の不調を不倫の情事の後に打ち明けるところからスタートするところから、悲しい結末を予想してしまう。
久我がいくら入院した梓のことを想っても、不倫である為に病院へ問い合わせもままならず、苦しい立場ということを今更ながら痛感することになる。
死を覚悟した梓は残り少ない人生を「女」として凄まじい位に全うした。梓の救いは娘が良き理解者であったことだと思う。泊りがけの久我との旅行や逢瀬で深夜の帰宅などもこの娘の協力があったから可能だった。
梓が娘に最後の電話で“この世はかりそめだから”と言った。「この世にあるものはすべて消える。儚い、かりそめだから、だからこそ、思いっきり精一杯生きなさいって……」という娘の解釈は的を得てると思う。精一杯生きたから潔く死ねたのだと言う。

利休鼠のララバイ 杉原爽香二十八歳の冬
2002/06/20 20:49
これからどうなっちゃうの?
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主人公杉原爽香他登場人物が1年に1作品出版されるたびに1歳年をとり、毎回色が関係するタイトルがつけられ、微妙に内容のヒントになっている気がします。
今回は利休鼠(りきゅうねずみ)いわゆるグレーの部類ですよね。爽香たちの恩師川村布子は生徒の自殺を食い止められなかった為、教師の仕事も退職せざるを得なくなります。またそれを夫である太郎にも打ち明けられないという夫婦の危機状態にあります。太郎は前作の事件で知り合った女性と不倫関係に陥り、苦しんでいます。
爽香の夫明男にもちょっかいを出してくる社長礼譲も出て来たりと、限りなくグレーな人間関係を交えながら、バリトン歌手喜美原の事件に巻き込まれていきます。まだまだ爽香の苦難の日々は続きそうです。

探偵屋・純子 2
2002/07/30 21:41
劇的な再会!
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自分を捨てた父親を探すために探偵になった純子は、所長の沢渡にあこがれていた。しかし一方で自分の用心棒をしてくれる郷も同時に愛してしまっていた。沢渡にプロポーズされて結ばれた純子だったが、後悔したくないので郷に告白してやはり結ばれる。同時に二人の男を愛してしまっていた。
しかし郷の方は振られたと勘違いして行方をくらましてしまう。小さな漁村に身を寄せた郷は偶然に純子の父親と知り合いになっていた。純子は必死に郷の行方を探すとともに身ごもった郷の子を産み、育てていた。
郷をいささか乱暴な手段で取り戻した純子は、一夜限りでまた去ろうとしている郷に子供を見せる。籍はまだ入れてないから、父親の姓のままと打ち明けたら、郷には聞き覚えのある苗字で…ドラマティックな父娘の再会、ラストシーンが素晴らしい!