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花見 大介さんのレビュー一覧

投稿者:花見 大介

8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本

IRとはなにか,企業にとってなぜ必要なのか。それをアドバイスしてきた著者の経験,実践例を通して解説

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 IRは輸入された概念である。わが国の産業界でIR活動の重要性が認識され,実際に取り組みが目立ちはじめて,まだ10年と経っていない。簡潔でわかりやすい訳語が定着していないため,「投資家向け広報」と一般にいわれているが,もう少し詳しく定義すれば,人によってかなりの相違が出てくることだろう。著者の定義は「自社株の投資価値を,株主や投資家に訴える広報活動」というものである。
 この定義からうかがえる著者の考えには,米英型の経営・発想が善であり,日本企業もそれの導入が不可欠だという揺るぎない信念,市場経済体制こそ唯一絶対のものであるという信仰に近い確信がある。こうした信念や確信が世界の潮流になってきているのは確かだろう。企業のIR活動支援を業とする著者の立場からすれば当然ともいえる。その意味でも,本書に盛られた内容は,IR論の主流を成すものであり,取りたてて新味がある議論を展開しているわけでもない。本書の魅力は,著者の経験に裏付けられた実践例の紹介にある。
 企業が経営情報をはじめできるだけ多くの情報を迅速に,正確に公表することは社会的責任だというのは,今やだれもが異議を唱えないコンセンサスとなった。IRも広報活動の一環をなすことはいうまでもないが,著者の指摘する「IRとは投資家に選んでもらえる企業をつくるための活動」というような,IRを狭く解釈し,社会的責任を念頭に置かない考えには抵抗感を覚える人も多いのではないか。
 IR関連の著書が近年,目立っているが,その多くは米英流の考え・実践の引き写しである。IRの生い立ち,わが国での足取りを考慮すれば,いたしかたない面があるが,そろそろ日本的な経営風土という味付けをした新鮮味のあるIR論が出てくることを期待したい。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本

どのような株式売買が規制に抵触するかを具体例で解説。マーケットの時代でのビジネスマンの必読書

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 「企業経営の目的は会社の価値を高めることにある」との認識が産業界で広がるにつれて,会社価値を端的に示す株価への関心がかつてとは比べられないほど高くなってきた。報酬が株価と連動するストックオプション制度を採用する企業が増えていることも,株価へ寄せる関心の高まりを助長している。
 こうした傾向を反映して,本書でも指摘しているようにインサイダー取引禁止規定に抵触しないかどうかと,証券取引等監視委員会が審査した案件は近年,急増している。インサイダー取引については,罰則規定を厳しくする方向で法改正されており,行政当局や市場関係者らの目も厳しくなった。企業経営者や資産運用・管理担当者にとどまらず,株の売買を志向するビジネスマン,ビジネスウーマンを含め,幅広い人々が一度は本書に目を通しておきたい。
 インサイダー取引禁止規定は1989年4月に法律,政令などが施行され,いくたの改正がこれまで施されてきた。本書は法改正に対応して装いを改めたもので,初版が注意すべき点や具体的な条文を例示することに重点を置いていたのに対し,新版は規制内容と企業側の対応により多くのスペースを割くなど,実務色を濃くするといった工夫をしている。インサイダー取引禁止規定に触れる条文や参考文献を示すといった改善もみられる。
 ただ,法体系はえてして複雑,解釈は難解であり,本書もとっつきにくい,理解しにくいという束縛から解放されたとはいえない。やさしく解説しようとするガイドブック作成委員会の意図は,Q&A方式の採用など随所にみられるものの,十分果たされたというわけにはいかないだろう。インサイダー取引の事件一覧を巻末資料でひとくくりにしないで,詳細に分析・解説するといった,いまひとつの工夫があればもっと読みやすくなる。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本

企業の究極の目的である企業価値の創造・増大を,株主の持つ経営チェック機能から論じた力作

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 「コーポレートガバナンス」を「企業統治」とわざわざ訳さなくていいほど日本でも仕組みなどが知られるようになった。アングロ・サクソン諸国,とりわけ米英両国の近年の企業経営の成功,日本経済・産業の低迷に直面して,米英流経営手法を見習う動きが高まり,この問題を扱った書物も増えてきた。しかし,ほとんどが単なる解説か実例の紹介にとどまっている。本書はコーポレートガバナンス論がひとつの独立した学問領域を形成するようになったと思わせる本格的なものである。
 企業が競走上,有利に立てるかどうかは,取締役が持てる能力を十分発揮できるかどうかにかかっている,と本書は指摘している。年功序列的な人事政策で役員となる例の多いわが国では率直にうなずけないかもしれない。銀行がコーポレートガバナンスの一翼を担ってきた日本とは対照的に,英国の銀行は伝統的に取引先の企業の株にかかわりを持つことを好まない。株式も持たない。そうした両国のさまざまな経営事情などを比べながら本書を読めば,興味が一層増すことだろう。
 日本と同様,英国でも法の規定からみた株主の権限と役割は大きい。だが,権利意識の進み,また会社は株主のものとの受け止め方が定着している英国でも,株主総会での議案への賛成票比率が日本と大差ない。そうした例にみられるように,株主が議決権を正しく行使しているとはいえないと説き,企業経営の中核を成すコーポレートガバナンスを整備するための数多くの具体的な提案をしている。
 米英流の経営は,今や世界的な標準になろうとしている。その意味で,経営者らが英国のコーポレートガバナンスの知識を身につけておくことが欠かせなくなってきた。本書はビジネス書としては難解であり,学術書といって差し支えないが,コーポレートガバナンスにかかわる人や機関などについて極めて広範に,実証的に分析してる点はとても魅力がある。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本

巨大企業の環境保全の足取りを克明に追う。企業の社会的責任を全うしようとする姿を浮き彫りに

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 企業論としてのトヨタ自動車は研究し,また語り尽くされた感があるが,本書は同社の環境対策に的を絞っている点に目新しさがある。大企業が環境を無視した経営を続けていては21世紀を生き抜けないし,企業マネジメントと環境マネジメントは表裏一体を成すというコンセンサスが形成されようとしている。その意味で,本書はタイミングのよい企画といえる。
 産業界の環境対策は,問題が起きた後で対応策を講じるという「出口対策」から,「入口」あるいは「源流」で問題を封じ込めようというように,近年,大きな意識の変化がみられる。いわば,受け身から積極姿勢へと転換したわけでである。環境対策費用の投入が一時的には負担となるものの,長い目で見れば企業業績にプラスに働くと認識するようになったこと,公害防止対策の方が補償よりも安上がりとわかったことも,企業姿勢を前向きなものとした。環境投資に経済効果があることは,トヨタの例からもうかがい知れる。
 トヨタ自動車が今日の環境先進企業になるまでには,試行錯誤の繰り返しがあったのはいうまでもない。しかし,ゼロエミッションにあと一息の水準までこぎつけたのは,経営トップをはじめとする多くの社員の企業の社会的責任に対する強い自覚,同社の律義さと何事にも一生懸命という社風に負うところが大きい。環境対策は製作工程,流通・販売ルートをはじめ目配りがキメ細かく,溶接の火花と同時に飛び散る鉄くずまで回収するという徹底ぶりである。いうまでもなく,環境対応はグループ各社,海外の子会社にも及んでいる。
 本書は科学ジャーナリストが,自ら現場を見ながらまとめ上げた。文筆を業とするだけにできるだけ平易に,理解しやすいようにと心を砕いている。技術論の一部を除けばだれもが十分読みこなせる。特に経営者,ビジネスマンに一読をお奨めしたい。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本

企業メセナの実態と今後の姿を浮き彫りにする。手引き書だが,心の豊かさを志向する人にも役立つはず

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 一部の先駆的な企業は別として,わが国の企業がメセナに多くの関心を寄せ,実際に取り組み始めたのは,今から10年ほど前,1980年代後半から1990年代前半のころである。同じ時期に,バブル経済が崩壊し,日本経済は長期低迷期に入ったが,メセナの動きは景気変動・企業業績にかなりの影響を受けながらも,1990年代半ば以降は金額,件数とも毎年,さほど大きな変動なしに推移してきた。ほぼ横ばいの傾向を「企業メセナが定着し,安定期に入った」と理解するか,あるいは「経済大国としては物足りない」と受け止めるかは,見方の割れるところだろう。どちらかといえば,後者に組したいところである。
 わが国では欧米,特に米国のように市民が日常的に寄付をするという習慣が乏しいため,芸術・文化の啓蒙,振興には企業の後押しに負うところが相対的に大きい。本書は,企業の協力を得て芸術文化活動をしたいという人や団体などが,企業側にどうアポローチしたらいいか,どう付き合っていったらいいかを解説したものである。企業がどのような理念に基づいてメセナ活動を展開しているかを豊富な事例をあげて紹介している。
 いうまでもなく,企業メセナはボランタリー活動であり,実施するか,しないかは企業側の自主的な判断に委ねられている。だが,本書で紹介されている企業の多くの事例を見れば,メセナには企業が社会的な責任を果たすという行為だけでなく,経営者の器ともいうべきものが大きく投影していることがわかる。一方で,芸術・文化に市民がどれだけ深く関わっているかが,民度や国民の知的水準を測る物差しになることも理解できる。
 「マネーの時代」といわれて久しいが,21世紀は「心の時代」「人間性尊重の時代」になるべきと説く人もいる。豊かな心を育てる一助として本書を利用したい。企業のメセナ担当者も参考にしたらよい点が多々ある。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本

日本経済・産業・企業のどこに問題があるかを分析したうえで,グローバル時代における望ましい方向を示す

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 わが国の経済・産業,および企業が抱えるあらゆる問題の所在を明らかにするとともに,処方箋を書くことを目的としている。ベースとなっているのは,関西経済同友会が2000年5月に政府や産業界に向けて公表した提言である。提言という性格上,内容は各界の最大公約数的なものがほとんどであり,産業界の現在の動向を追認した面も多い。著者の大胆な,あるいは独自の考えを展開しているわけではないし,それがねらいでもないだろう。
 現状認識や示した方向はき極めて常識的であり,それだけに異議を差し挟む人は少ないとみられる。すんなり理解できる表現と,専門的な知識を持ち合わせていないと読みこなせない難解なテーマ・記述とがかなり混在しているものの,優れた診断書ではある。具体策にはあまり触れていないため,企業が実際に計画を策定し,実行しようとすれば,テーマを絞った専門書を別途,参考にした方がいい。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本

環境マネジメントで産業界の先頭を走る企業の実践例。環境問題に対する経営姿勢にも学ぶところが多い

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 企業が環境対策に活発に取り組んでいるか,十分な成果をあげているかについて,経営トップの姿勢いかんが大きく左右することを本書は教えてくれる。換言すれば,企業の経営陣が企業の社会的責任をよく認識し,高い志を持つことが環境マネジメントを実践するうえで先決ということだ。その点,キリンビールは「リサイクル」とか「ゼロエミッション=廃棄物ゼロ」といった言葉が一般化する前から,歴代社長以下が環境対策に熱意をみせてきており,それが今日の環境優良企業につながった。経営の質の高さと息長い努力がうかがえる。
 環境対策はコストばかりかかって収益には貢献しない,という考えが産業界にはまだ根強く残っている。「公害対策」のイメージが強いためかもしれないが,そう受け止める経営者がいたら,時代感覚を疑われよう。環境対策は方法いかんで生産・販売コストなどを引き下げ,業績向上に結びつく。ISO規格認定取得の足取りを中心とした第3章の記述が一例である。環境マネジメントが功を奏すかどうかは,社員一人ひとりにどう環境マインドを植え付け,高めていくか,日々実行していくかにあるが,それには全社員の意識改革が欠かせないことも本書を読めば瞭然である。
 本書は日科技連出版社の「環境マネジメント」シリーズの第7弾目となる。環境社史とも読める。前6冊と同様,同業他社だけでなく,異業種の企業にもおおいに参考となる点が多々ある。豊富な事例紹介が本書の魅力のひとつだが,特に異業種企業にとって役に立つのは生産・物流・技術開発といった実際の対策・対応よりも,キリンビールの環境理念,活況コミュニケーション,環境会計など。とりわけ循環型社会構築へ向けての考えや取り組み姿勢を精読したい。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本

IRを市場経済時代の経営戦略の重要な一環として捉え,経営者や実務担当者の心構えを説く

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 わが国の産業界でもIR(投資家向け広報)活動に取り組む企業が急増するにつれ,IRに関する出版物も目立ってきた。これまでのIR書はどちらかと言えば入門書ないしはマニュアル本の類が多かった。企業間にIRのすそ野を広げるうえで大きな貢献をしてきたが,本書は類書とひと味違う。IRの精神,IRの心に重点を置いて解説している点に最大の特徴がある。
 題名に「実践」とあるものの,本書を読んでIRの現場が十分わかるわけではない。世界経済の,また各国のさまざまな分野での市場経済化に一層拍車がかかっているなかで,経営トップから実務担当者までが時代をどのように認識し,IR活動にどのような心構えで取り組むべきかを説いている。したがってIRをこれから本格的に展開しようとする企業の関係者が,題名にひかれてハウツー物のつもりで読めば失望することだろう。IR活動をある程度,手掛けてきて,疑問に突き当たったり,悩みを抱えたりしたとき,改めて足元を見直す際に,本書は役立つはずである。
 本書では「IRとは自社株のマーケティング活動である」と極めて明快に規定している。だから,企業は商品としての自社株を市場で適正に流通させ,適正な価格形成をさせる義務があるという。確かに,株式会社組織をとり,株式を上場,あるいは証券会社の店頭で公開している企業にとって,IRとは会社そのものを売り込む活動であると説明する出版物が多く,それ自体は間違いないにしても,企業(株式会社)までをひとつの商品と見立てる例はそう多くない。
 世界の市場は,アングロ・サクソン,ことに米国が牛耳り,米国流の経営手法が幅をきかせていることは否定しようがないが,本書に流れる筆者の思想は「市場至上主義」ともいえるるものである。換言すれば,米国型資本主義に対する信仰に近い思い入れだろう。証券アナリストとしての,IR支援会社の社員としての著者の経歴が色濃く反映したものといえる。このことは「会社は誰のものか」「市場は誰がリードしているか」という問いに対する答えにも鮮明に表れている。会社は株主のものであり,市場での主役はアナリストであると筆者は明言している。
 企業には経営者や従業員,株主,得意先や原材料や製品の購入先,取引銀行,地域住民や関係官庁などさまざまな利害関係者(ステークホルダーと一般にいう)がいて,企業業績はそれらの人々の動向と密接な関連を持つ。株式の売買差益の獲得だけを目的とした人なども含めて会社は株主のものとあっさり割り切ることには,抵抗感を抱く人も少なくない。市場ではアナリストが重要な役割を果たしていることは事実だとしても,主役だとの指摘に率直にうなずけない人もかなりいると思われる。自分の考えと筆者のそれがどう違うか,という気持ちで本書を読めば興趣が増すだろう。
 本書には「株式とは,いわば増殖された価値の帰属に関わる権利を表象させた抽象的な財であり,その抽象性ゆえに時間も空間も超えて流動性=貨幣に転化される高い可能性を有している」といった難解な表現が随所にある。経済・産業,経営・会計学の素養がなければ,読みこなしにくい。IRの精神をジョン・M・ケインズの経済理論までさかのぼって説明する必要があるかどうか。本書はIRの背景にある米国型の資本主義とはどのようなものか,市場の仕組み,実態はどのようなものかを理解させようという点では評価できるものの,IR活動に実際に従事する担当者,IRに関心を寄せるビジネスマンや学生が気軽に読めるというタイプの書とは異なる。        
(C) ブッククレビュー社 2000

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