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渡辺 保史さんのレビュー一覧

投稿者:渡辺 保史

17 件中 16 件~ 17 件を表示

紙の本少子高齢社会を支える市民起業

2000/10/06 15:22

豊富な実例紹介をもとに,地域コミュニティーに生み出される新しい「仕事」の姿に迫る

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 いま,地域密着型のスモール・ビジネスとして注目されている「コミュニティー・ビジネス」。本書は,全国に開花し始めた実に多様なコミュニティー・ビジネスの活動事例を丹念に紹介しながら,市民による起業が地域コミュニティーという「等身大の生活圏」をどのように変えうるかを展望している。
 著者らによれば,コミュニティー・ビジネスとは,地域生活圏に住まう人々が自らコミュニティーに役立つ事業に取り組み,その活動を通して「コミュニティーを元気にする」効果をもたらすものである。また,この活動は住民の自発性に基づくものであり,地域に潜在する資源を活用しながら,事業としての利益は確保するものの過度な拡大は求めず,営利事業とボランティアの中間領域的な性質を備え,活動範囲はローカルながらグローバルな視野に立った事業を展開する,といった特徴をもっている。
 本書が取り上げているコミュニティー・ビジネスの事例は全部で24にのぼるが,その分野は実に多彩だ。人の生活の基本といえる食・住から,介護や高齢者雇用,まちづくり,学習,人材育成・起業支援,メディアやコミュニケーションまで,それぞれの活動に取り組む人々が「他人事」ではなく「自分事」としてプロジェクトを立ち上げた経緯が具体的に語られている。言ってみればこれは,地域の生活者が等身大の視点で自らの暮らしの場を見つめ直した末に生まれた,「オルタナティブ」な(もう一つの)仕事のカタログともいえるだろう。
 企業優先の価値観に彩られてきた日本で,崩れて久しい地域コミュニティーに新たな関係性をデザインしようとするコミュニティー・ビジネスではあるが,本書では,それが本当に持続可能な発展を遂げていくための課題についても,簡単ではあるが具体的な指摘がなされている。実際に市民起業を考えている人や地域コミュニティーにかかわる自治体関係者,あるいは地域との関係を模索している企業人にとっても,大いに示唆に富む内容といえるだろう。
(C) ブックレビュー社 2000

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英国の地域文化再生に大きな役割を担ったミュージアム。その新たな可能性について提言

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 英国のブレア政権は発足以来,「学習社会構想」を推進し,知識が社会の至上価値となる社会の原動力である「人」を育てることに大きなエネルギーを注いでいる。とりわけ同国のミュージアム(博物館,美術館などの公共文化施設)はこの構想とリンクしたかたちで変革を遂げ,学習社会の形成に大きな役割を果たしつつある。
 本書は,英国のミュージアムが1990年代以降,どのようにして新たな戦略を確立し,国土や国民が持つポテンシャルを引き出すことによって,新たな富を創造しつつあるのかを詳述している。中核となるのは,同国におけるミュージアム改革のキーパーソンであるデヴィッド・アンダーソン(ロンドンV&A美術館教育長)によるテキストであり,そこに我が国で新しいミュージアム構想の具体化に取り組んできた著者・塚原正彦氏による解説,および日本におけるミュージアム再構築へ向けた提言が加わる。
 著者は,新たな時代のミュージアムが,従来のように文化資産を抱え込み人々を啓蒙する展示・体験施設を超えた,人々の「知の成長」をうながす場であると明言する。そして,こうしたミュージアムは,コミュニティーの生活者や産業とのリレーションシップを模索しながら,地域社会に眠っているさまざまな資源に光を当て,新たな富を創造していく,知識社会の形成にとっての要ともいうべき存在に位置づけられる,としている。つまり,地域社会全体がミュージアム化し,人々の生活のさまざまな場面に知的な体験を媒介する産業創造のノード(結節点)として成長していく——というのが彼らのビジョンだ。
 英国ではすでに着手され成果を上げている「知の成長」のためのミュージアムの新展開を単に紹介するだけでなく,日本でこうした戦略が実を結んでいくための具体的な提案も盛り込まれている。ミュージアム関係者のみならず,教育や地域活性化,企業の文化戦略などに関心のある読者にも薦められる一冊といえる。
(C) ブックレビュー社 2000

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