小野沢 博文さんのレビュー一覧
投稿者:小野沢 博文
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紙の本JSPによるWeb開発 サーブレットアーキテクチャを利用した新しいコンテンツ開発技法
2001/05/22 18:18
実際の開発プロジェクト経験に裏打ちされたJSPの入門書。豊富なコード例と実践的なヒントを満載
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JSP(JavaServer Pages)は,動的なWebサイトを構築するための強力な技術であり,今後特にJ2EEのプレゼンテーション層を構成する主要技術として,Java技術者の必須スキルになっていくだろう。
本書の対象読者は,Webページのデザイナーと,Webコンテンツのロジックを実装するJavaプログラマーだが,本書を十分に理解をするためには,HTML,XML,およびJavaの一通りの知識は最低限必要だ。さらに,サーブレットの基礎知識があればより深い理解が得られるだろう。
本書の第1の特徴は,基本的な事項から高度な内容まで非常にバランスよく全体が構成されており,それぞれの説明が懇切丁寧であることだ。前半部分では,JSPの概要と基礎,JSPスクリプトのプログラミング方法,JavaBeansのJSPからの利用方法と作成方法などを解説する。中盤のいくつかの章では,データベース操作やセッション管理を含んだ,より実践的なアプリケーションの作成方法を解説する。そして,後半では,カスタムタグの作成方法を解説する。特に最後の章では,かなり高度なカスタムタグの作成を扱っているが,前半からの段階を踏んだ説明によって,難なく理解できる構成になっている。これまで,Sun Microsystemsのチュートリアルでカスタムタグの作成に挫折された人も,本書で再挑戦してもらいたい。
本書の第2の特徴は,著者たちが経験した実際の開発プロジェクトに裏打ちされている点である。このため,本書は実践的なサンプル・コードで満ちあふれている。また,製品動向や製品に関する評価が随所に掲載されているが,これも非常に参考になる。そしてなによりも読者にとってありがたいのは,著者らの経験と知識が「ヒント」や「注釈」として,要所要所に挿入されている点である。
最近,JSPに関する入門書が何冊か出版されているが,本書はその点でも最も優れたものの1つである。これからJSPを習得する方にぜひ読んでいただきたい。
(C) ブックレビュー社 2000-2001
紙の本Tcl/Tk実践的プログラミング入門 使えるエディタを作りながら学ぶ
2001/01/25 12:15
テキスト・エディターを作成しながらを簡単に学べる,ユニークで実践的なTcl/Tk入門
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プログラミング言語を習得する一番の近道は,簡単なサンプル・プログラムを実際に動かしてみて,そこで行われていることをおぼろげながら理解すること。そして,真似をしながら,徐々に自分のプログラムを膨らましていく中で,文法や作法を身に付けていくことである。本書は,まさにこれに応えてくれるTcl/Tkの入門書である。
本書は,常識的な入門書とは異なり,最初の数章で,リスト,変数,ウィジェットと言った最低限必要な事項を説明しているだけで,その後はいきなりテキストエディターを題材にした本格的なプログラミングに入っている。このプログラミングの章でも,文法事項を1行1行解説しているわけではなく,後半に収録されているコマンド・リファレンスを頼りに,読者がセルフサービスで読み進めていくというスタイルである。この一見乱暴に見えるアプローチが,Tcl/Tkの習得には最適のようである。
一つ注文として,後半のコマンド・リファレンスを包括的で,かつ検索の容易なものにしていただきたかった。
(C) ブッククレビュー社 2000
2000/11/15 21:15
Javaのユーザー・インタフェース設計者必読のルック&フィール・デザイン・ガイドライン
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本書は,Javaを使用したシステム開発に携わるユーザー・インタフェース設計者に,クロス・プラットフォームなルック&フィールを実現するためのガイドラインを提供する。
グローバリゼーションの進展やインターネットの爆発的な普及で,同じアプリケーションがさまざまな状況や利用者から使用されるようになっている。複数のOS上のクライアントから利用されるのは今や当たり前で,さらにさまざまな言語や文化を持つ利用者や,障害を持つ利用者を想定したユーザー・インタフェースを設計することがますます重要になっている。特に,アプリケーションを提供する側にとって重要なのは,ソース・コードに変更を与えずに,いかにして多様な利用者の要求にこたえるかだ。本書は,これをJFCで実現する上での具体的な指針を与えている。
アプリケーション間で統一したルック&フィールを採用することは,設計や開発にかかるコストを削減すると同時に,ユーザー向けのトレーニングやドキュメンテーションにかかるコストも削減する。この点でも本書のガイドラインは貴重である。
(C) ブッククレビュー社 2000
紙の本XMLコンプリートガイド
2000/11/15 21:15
XMLの基本的な解説を中心に,最新の標準と具体的な応用例までカバーした便利な一冊
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本書は,特別な前提知識なしに,XMLの基礎と様々な拡張機能をサンプルをまじえながら解説している。XMLを取り巻く環境は実に変化が激しく,日々新しい用語や概念が登場している。これに追いつく近道は,流行に振り回される前にしっかりと基礎を学ぶことだ。本書の最初の3章をじっくり読めば,XMLの基礎が習得できる。後は,XLink,CSS,DOMといった自分の興味分野を目次と索引で探し出して,拾い読みすればよいだろう。
本書の優れている点は,単にXMLの文法を機械的に解説するのではなく,読者が陥りやすい間違いを先回りして説明している点と,実例が豊富な点である。たとえば,XMLとHTMLという似て非なるもののルールの違いを具体例で説明している。
データ・スキーマやXSLのようなドラフト段階の技術も,「将来変更される可能性がある」という断り付きで紹介されている。また,関連資料へのリンクも充実しているので,本書は最新の標準化動向を把握する上でも有用だ。
(C) ブッククレビュー社 2000
紙の本CORBA&COMインテグレーションガイド デスクトップ環境標準技術とサーバー環境標準技術の統合
2000/10/06 15:21
CORBAとCOMという異なる設計思想の分散オブジェクト技術を統合するメリットと,技術的基礎を解説
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OMG(オブジェクト・マネジメント・グループ)では,2つの代表的な分散オブジェクト技術であるCORBAとCOMの相互接続に関する標準仕様を定めている。本書では,このOMG仕様について包括的な解説を行い,さらにそれをサポートした製品を使って両者を統合するための方法を具体的に解説している。この両者の統合は,CORBAベースの堅牢な分散システムと,COMベースのパワフルなユーザー・インタフェース開発ツールの統合を意味する。私もこの分野のコンサルティングに従事しているが,この2つの異なる技術の長所を活用したシステムは,今後もさらに増えていくと確信している。
本書は,単なるOMG仕様の解説書にとどまっていない。まず,CORBAとCOMという設計思想の異なる技術を,その進化の過程から説明し,何がどう異なるのかを分かりやすくひも解いてくれる。さらに,OMGの相互接続仕様に関しても,その仕様が決まった背景を織り交ぜながら説明してくれる。正直言って,OMGの相互接続仕様には極めて複雑な部分が含まれており,私もこれまで,何故ここまで複雑にする必要があったのかと疑問に思っていた。たとえば,例外のマッピングは,COMとオートメーションで異なり,さらにシステム例外とユーザー例外では,マッピング方法が大きく異なっている。本書では,仕様がこのように決まった「納得のできる」背景を説明しており,この部分を読んだだけでも得をした気分にさせられた。
OMGの相互接続仕様は確かに複雑なものだが,Windows上の開発ツールから利用する場合には,その複雑さのほとんどは隠ぺいされる。本書では,CORBAサーバーを利用するActiveXクライアントをVisual BasicとVisual C++で作成する方法を説明し,アプリケーション開発者のレベルで見た場合,それがいかに簡単かを実証している。
(C) ブックレビュー社 2000
2000/10/06 15:21
空のフォームから出発し,徐々に機能を追加していくことで,VisualBasicを無理なくマスター
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本書は,毎週土日に1つの例題に挑戦し,合計8週間でVisual Basicの基礎をマスターできるように構成されている。私も一読して,プログラミング経験を前提にしておらず,Windowsのごく簡単な操作さえ知っていれば大丈夫そうなので,「これならいける」と思い,さっそく夏休み中の中1の娘で実験してみることにした。
本書の優れている点は,一度に多くのことを詰め込もうとしないことと,スクリーン例をふんだんに使っているので,分かりやすく飽きが来ないことだ。最初は,空のフォームの作成から始まって,ボタンを配置し,コールバック関数を記述しと,だんだんと機能を膨らましていく。
扱っている素材も,お店プログラム,お天気プログラム,おみくじプログラムと,中学生の娘の喜びそうなものばかりだ(本書がターゲットにしている大人の読者が喜ぶかどうかは分からないが...)。彼女の学習は順調に進んでいる。
(C) ブックレビュー社 2000
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