Blackheartさんのレビュー一覧
投稿者:Blackheart
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紙の本白夜行
2004/02/09 23:39
よんでみれ!
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個人が受けた経験による感情やその気持ちは、言葉として理解できることはあるが、決して実感をもって受け止めることは出来ない。
「お前に何が分かる!」「あなたに何が分かるの!」というセリフ(言葉)を見聞きしたことがあるだろうが、経験のないものに「納得」という理解は決して出来ないもの。
人にはその人に数だけ異なった経験があると言えるが、読む人それぞれに、その感情の奥の方で噛み締めながら、読む人の経験値の数だけその書評がある。
そういう実感をもって、読み終えた時の心の中にこの作品から受けた塊が生まれるような作品です。
紙の本幻夜
2004/02/14 17:54
読みたまえ。
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生まれてからその命の尽きるまで、人はさまざまな起点に何度か立つことがある。いわゆる起点となる分かれ道に立ち、どちらに進むのか、どこへ向かうのかによって、最終的なゴールにたどり着くことになる。
方向性が分からないままに選択肢を選ぶこともあるだろう。また、方向性が分かっているからこそ躊躇なく、他の選択肢に目もくれずに進むこともあるだろう。
主人公の美冬は自分の方向性を確実に見極め、一生に一度たりとて遭遇することも困難な、千載一遇という言葉では表現できないほどの起点に立ち、まるで選択肢がないかのごとく自分の進む道を選んだ。彼女自身がそれを選ぶことのできない場所で、時間で、そして状況で。
美冬にとっては善でも悪でもなく、あくまでも自分が生きるための作業を淡々と片付けて行くようだ。
他人を利用する者はたくさんいるが、彼女はあくまでも自分を利用しているだけで、他人は美冬を利用しながら自らの起点を見失ってしまう。
これは主観ではあるが、この物語の「起点」とされている「白夜行」では主人公の周囲の人々の災いが苦々しく思ったものだが、この物語においては、主人公に肩入れをするような思いで読み終えたのが新鮮な気がした。
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