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ヴィア・ノヴァさんのレビュー一覧

投稿者:ヴィア・ノヴァ

38 件中 31 件~ 38 件を表示

在野の研究者ならではのユニークで大胆な古代日本史

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 水銀は古代日本において、中国道教の不老長寿の薬の原料として、化粧品の朱や仏像の金メッキ時に使用するなど現在よりも大きな存在の鉱物でした。当時の日本最大の水銀産地は現在の奈良県の宇陀地方ですが、縄文・卑弥呼の時代を経て箸墓古墳の作られた古墳時代を中心に、飛鳥時代までの水銀の覇権をめぐる攻防を探り、それを制した「天つ神」を信仰する天皇(当時は大王)を中心とした勢力により、当時は後進の地に強大な大和が誕生したと著者は述べられています。

 この種の歴史の書物の常として、やや強引な解釈や仮説、不十分な検証が散見されます。しかし、在野の研究者ならではのユニークで大胆なアプローチにより古代史の様々な謎の解決への手がかりが得られている部分がたくさん有ると思いました(例えば、記紀での神武天皇の名にイワレ(磐余)が含まれる理由、繁栄したはずの磐余の地に当時の仏教寺院がなぜ無いのか、古代の鉱産資源開発の中心的存在の丹生氏と大和政権の複雑な関係など)。又、私の不勉強の故ですが、東大寺の大仏建立と平城京廃都の関係、有名なキリシタン大名の高山右近がなぜ築城の名人と呼ばれるようになったか等、大和誕生後の歴史についても水銀と大和地方の関わりの深い興味深い事実を知って感嘆しました。

 現在のイラクを見ても推測されるように、資源の覇権をめぐる攻防は血生臭く、悲劇を含むものであったようです。著者は本書の舞台である大和で生まれ住むだけに、光の「天つ神」勢力に蹂躙された悲劇の地元民である影の「国つ神」勢力に特別の思いを込めて話を進めています。今まで意識したことが無かったのですが、私の心の中にもしっかりと根付いている「国つ神」への信仰に何度かはっとさせられました。

 本書は架空の人物土ぐもさん(この名前にもかなりの含みあり)の語りとして、大和の地のままの言葉つきで書かれており、独特の語り口調はやや読み難く、好き嫌いが分かれるかも知れません。しかし、その語り口調も先述の地元民への共感の故であり、また語尾の断定や推測の言葉をうまくぼかしてしまう絶妙の裏技が隠されており、個人的にはメリットがデメリットを上回っていると思います。敢えて言えば、突っ込み役の登場人物神彦さんにもう少し活躍していただければ、バランスが取れ深みが出たのではと思います。本書は、謎の多い日本の古代史に興味を持つ方には興味深く読めると思います。

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かなりの反感と嫉妬、わずかな共感と同情を誘う偉大な科学者の回想

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 生物学20世紀最大の偉業「DNAの2重らせん構造の発見」をクリックともに成し遂げた天才科学者ワトソン自身による、偉大な発見とその後の数年、結婚するまでのワトソンの人生の回想。原題の「遺伝子、女の子、そしてガモフ」にあるように、ワトソンの研究の苦悩、女性への淡い思い、そしてガモフを中心に周りの偉大な科学者たちとの交流を描いている。

 このように書くとすごくさわやかな偉大な天才科学者の立派なお話になっていそうだけど、僕の読後感は全然違った。とにかくこのワトソンが、嫌なやつなのである。訳者があとがきで気遣うように、不快感さえ覚えるところがある。ワトソンの天才に対する僕の嫉妬心もあるが、それ以上に、ワトソンの他人に対する思いやりや理解の無さが目に付く。女性に対する感情も性欲のみで悶々としていそうで、相手を見下すかのような記述が目立つ。自分に都合のいいような強引な解釈。本書にも出てくるファインマンのようには面白くない、他人を傷つけるだけのいたずら。本書以外のワトソン著の本からの印象も同様だが、本書は特にひどいと思った。癒し系とまで言われた、最近の某ノーベル賞受賞者とは、正反対の印象を持つ人柄がそこかしこの行間から、溢れるかのように感じられる。

 散々悪口を言ってしまったが、訳者あとがきを見て少し考えが変わった。そう、ワトソンが偉大な発見をしたのは若干25歳のとき(ノーベル賞受賞はその9年後)である。駆け出しの研究者として、普通なら右も左もわからないような年で偉大な発見をしてしまった研究者が、偉大な業績に負けないように、必死に虚勢を張っているような気もするのである。訳者あとがきにあるように、嫌なやつだからこそ偉大な発明ができ、その後も第一線で活躍できたのだろうか。自分の嫌な面をここまで堂々と素直に書いたワトソンにわずかな共感と、彼ほど天才に生まれなくて良かったというさ微妙な同情を覚えた。

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紙の本絶対!クラシックのキモ

2004/06/27 09:35

一般的なクラシック音楽の常識を打ち破るための入門書

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 「クラシックは邪悪である」と述べられ、癒し、高尚といったクラシック音楽のイメージに異論を唱えてきた許氏が、本書でも、一般的なクラシックの常識に挑戦し打ち破るような、興味深い考えを披露している(例えば、癒しのイメージが強いショパンの葬送行進曲を「グロテスクで、おぞましい気味の悪さが胸の中でわだかまっている」と表現している)。入門書のような売り込み方をしているが、「音楽作品と自分ならではの個人的で切実な関係を結ぶ」(本書より)ことを望むような、マニアックな聞き方をする人にこそ薦めたい。

 そのマニアの間で、許氏やその一派の関心が高いようだ。その方々のために書いておくと、今までの許氏の本に比べて、若干おとなしくなったかのような気がする。一部の著者が選ぶ演奏について、その傾向が大きい。(前書きに述べられれように、個人のこだわりを大切にした結果であるのだろうが)。そのため評価は星3つとした。許氏も忙しくなりすぎたか、そろそろねた切れか、一ファンとして心配なところである。

 また、各曲の推薦盤のレコード会社や番号が書かれていない。レコード店でバイトしていた経験上、改善を望む。
 

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アメリカの提案を拒否するのではなく利用すればいいのでは

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 アメリカを主体にするアングロ・サクソンのイニシアティブでどんどん進むグローバリズム、日本では構造改革、規制緩和、世界標準の名の下でアメリカの都合のいい(=参入・儲けやすい)方向に変えられていく…。本書はその事実に気付き、危機を感じた著者による渾身の一冊である。

 近年の日本の改革がアメリカの国益のためであり、アメリカが書いたシナリオ通りに巧妙に日本が改革されていく様子は確かにぞっとするほど怖ろしく、アメリカ公文書によっているだけに真実味がある。しかし、アメリカが改革を迫る大義(例えば、日本の消費者のために、投資しやすくするため)を100パーセント否定できるだろうか。

 例えば、企業の決算における時価主義と原価主義の問題であるが、株の専門家でない普通の資産家が株に投資するには明らかに時価主義のほうが便利、安全であろう。一般の資産家による株の投資は、資金が円滑に流れるためには必要であり、個人投資家の少ない現状よりも結果として健全な成長をもたらすのではないだろうか。司法改革の面でも、アメリカの裁判が行き過ぎであるのは解るが、日本のように弁護士が極端に少なくて裁判に支障が出ている現状や、裁判官自身が憲法等の司法判断を放棄し三権分立を否定しているかのような様々な判決などは、やはり同じくらい異常であると思う。

 アメリカ政府の要求は、確かにアメリカの国益に結びつくように偏っており、アメリカの言う通りにする必要性の無いものも多々あるのは事実である。しかしアメリカの要求にもそれなりの真実があるのも事実であり、日本政府が自身の立場の正当性を明確に言い返せていないような気がした。少なくとも、著者の述べている「アングロ・サクソンのローカルなルール」という言い分だけでは、アメリカはもちろん、グローバリズムにあまり賛成でない私でさえも納得させられないものが多い。アメリカからの提案を一概に拒否するのではなく、冷静に検討したうえで日本なりに利用していく、出来ない部分はアメリカが納得する、あるいは言い返せないだけの明快な反論を用意する(例えば、アメリカの提案よりも日本の方式のほうがより消費者にメリットがあることを、数字を含めて具体的に反論する)、そうすることにより、より良い日本社会が実現できるのではと思った。

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あまり語られない偉大な発明羅針盤についての興味深い一冊

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 これまで、フェルマーの定理など著者の専門分野である数学関係の本は、非常に難しい事柄を解りやすくしかも非常に感動的に描いており、個人的には大推薦の名作であった。今回は意外なことに羅針盤である。しかし、敢えてここでは述べないが、著者と羅針盤はとても深い関係があり、思い入れも強い。

 羅針盤は改良されつつ、現在でも航海で必須の道具だそうである。しかし、その起源をめぐっては謎が多いそうだ。本書ではその謎を丁寧に解き明かしていく。中世ヨーロッパの発見や技術とされているものは、実は中国やイスラム世界からの導入や改善であるものが意外と多い。本書では磁石によって方位を知ることは中国で発見され、それがイタリアに導入されたことを明らかにする。しかしヨーロッパ世界で初めて、その技術が航海に利用され、その後の大航海時代を支える技術の大きな柱になったと結論付けている。羅針盤発見以前の航海の方法やその限界、またバスコ・ダ・ガマのインド航路の発見、コロンブスのアメリカ到達、マゼランの世界一周等で羅針盤の果たした役割を鮮やかに示す。また羅針盤の発見にまつわる伝説の謎とその種明かしも面白く、さすがと思わせる。

 しかし、なぜ中国やイスラム商人たちが航海に羅針盤を使用しなかったのか、その説明や根拠がかなり貧弱だ。また日本や朝鮮など中国周辺諸国での状況や、明の鄭和の大遠征で羅針盤がどう使われたのか全く記述が無いのも残念だ。ヨーロッパの一数学者が書いた本であるので、中国・イスラム世界については、言語的問題を含め限界があったのだろう。個人的な期待が大きかっただけに、少し厳しい評価をしたが、羅針盤という名前は知っていてもその重要性や歴史について触れられることの少ない偉大な道具について書かれた興味深い一冊ではある。

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紙の本誤読された万葉集

2004/07/23 09:04

かなり生意気で厳しい意見を書きますが…

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 自分の考えを述べることは自由であるが、専門家が自分の研究分野について述べるときには読み手を納得させるだけの論理を組み立てる必要があるのではないか、それが出来ないときには独りよがりの単なる意見や感想に過ぎないのではないか、かなり生意気で厳しい言い方ではあるが、本書を読んでそう思った。

 著者によれば万葉集は「既成概念や聖典視から脱却できない」見方が多かったという。著者自身は「文学史への関心から万葉集を考え」「古代という社会の感じ方や考え方に近づいて…万葉集の歌を読み直そう」としているそうだ。しかし、著者が捉える古代の社会についての考え方があまりに一面的で都合のよい解釈をしているように思われる。土台がしっかりしていない上に次々と歌の解釈が述べられており、どんどん不信感が増していく。歌の解釈も恣意的で著者の都合の良いように解釈されているのではと思うところが多々ある。

 万葉集の時代の視点で読み直す、そのこと事態は素晴らしい。しかし、万葉集の時代を再現することは不可能である。だからといって、万葉集の時代の視点で読み直すことが無意味だとは思わないが、時代の再現を慎重にしっかりとやらないと結局自分勝手な解釈に終わってしまうのではないかと感じた。

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見当違いの甚だしい呆れる内容の一冊

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 個人的な感想ですが、読んでいてこんなに腹の立つ本は久しぶりでした。専門機関でバイオ関係の勉強をした人には、反面教師的に読めるかもしれませんが、一般的にはオススメできない本かなと思いました。

 「21世紀はバイオの時代」というのは陳腐化するほどよく聞く話です。本書は従来のバイオテクノロジーと20世紀終わりごろから俄かに注目された材料工学、この二つがうまく組み合わさって、産業革命に始まる工業化時代、20世紀前半から約100年間続き今まさに終わろうとしている情報化時代を大きく超える規模のバイオマテリアルの時代が始まりつつあると述べられています。と書くといかにも最近よく出てくる話で、本書でも遺伝子解析による医療や創薬ビジネス、遺伝子組み換え植物やクローン羊ドリーなど注目の話が満載です。しかし、その新しい発見やビジネスの持つ意味や解釈が呆れるほど滅茶苦茶なのです。例えば、ヒトゲノム配列の読み取りは完了しました。これが大きなビジネスチャンスになると書いてあります。しかし、ほとんどの遺伝子は配列のみわかり、機能や発現の時期、場所等はほとんどわからない状態です。遺伝子の配列を基にした創薬は、大変な技術の発展と莫大な手間と投資が必要といわれていますが、そのことについて詳しくは述べられていません。クローン技術のところでもクローンの作り方は完全な誤解であるし、クローンの歴史を述べたところでは高校生の生物の知識でも間違った解釈をしているのがわかるくらい支離滅裂です。

 バイオテクノロジーの特徴として非常に競争が激しく、研究の投資額が莫大になってしまうのは本書でも述べられている通りです。バイオビジネスでは研究の持つ意味や将来性を正しく判断しないと大損をするでしょう。実際に製薬の大企業が大規模な合併を繰り返したり、研究費の高騰が薬の値段を上げ平等な医療が出来なくなるなどたくさん問題が出てきています。倫理面においても一つの国で研究を禁止しても他の国で研究は進むだろうと書いていますが、一つの誤った研究がバイオ産業全てを破壊してしまう恐れもあり、そういった意味での危機管理的な倫理の捕らえ方も必要とされるのではないのでしょうか。

 正しい判断が出来ない投資により膨らんだバイオバブルがITバブルのように弾けてしまわないか本書を読んで大変不安を覚えました。

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極限にまでかけ離れた世界をのぞき見た感想

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 多分この本の書評を書くのに僕ほどふさわしくない人間はいないと思う。自動車免許を持っていなのはもちろん、つい最近まで「シャコタンって何?」って奴なのである。「なんで北海道の話なんかしてるの」と聞いて相手を呆れさせたことがある(積丹半島と勘違いしてた嘘のような本当の話)。マフラーがどこのことか解らない非常識な無知(というより無恥か)であるので本書を読んでも訳の解らない所数知れず(というより正確に理解できてないところのほうが多い)のだが、逆に極限までかけ離れた世界をのぞき見た楽しみを紹介してみたい。(よって評価は保留にさせていただく)。

 やっぱりこだわりが凄くてものすごく幅広い世界であるというのが第一印象。著者が自分のことを「変態」なんていっているが十分理解できる。ずいぶん細かいところにまでチェックが入るし、僕なんかには理解も想像も出来ないようなこだわり部分が多い。また車の印象一つ語るのにこんなにも色々な表現を使い表現するのが凄い。おそらく全然理解できてはいないのだけど、著者の車に寄せる愛情や嬉しそうな顔、驚き、嫉妬心などを想像しているだけでも楽しめる。

 もちろん登場する車そのものも凄い。道路を走っているとほかの車がよけてくれる車、夏には耐えられないくらい暑い車、「100Km/hが0Km/hみたいな」車、速度を上げるとキティちゃんが汗をかく車、ウルトラ警備隊の車など高性能な車からゲテモノまで本当に幅広い。値段も4千万台の高級車から15万くらいの車(但し新車販売時は桁が違うくらい高い)まで様々。本書を読むまで気にしていなかったのだが、本当に色々とあるものだ。

 無知の故であろうが写真がたくさん有ればもっと楽しめたと思うし、車のオーナーや販売している店員さんが個性的に感じられたのでその方々の写真も是非欲しかった。しかも著者の伝えたかったことの一割も理解したとは思われないが、僕の知らなかった世界にとてつもなく幅広く大きく面白くエキサイティングな世界があるということは理解できた。本書の想定している読者のような車の楽しみ方はできないが、車やそれを運転している人を見る目が凄く変わって楽しく、なにより信号待ちが退屈ではなく逆に楽しみになっただけでも僕にとって大きな収穫となった一冊である。

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