灰猫さんのレビュー一覧
投稿者:灰猫
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紙の本試験に出るパズル
2004/09/25 16:23
うってつけ
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本屋さんは、国語入試問題必勝法のように、(間違ったふりをして?)受験参考書のところに並べてください。間違って買ってしまったとしても、おそらく参考書よりいい本を買ったことを確信して何も言わないでしょう。
文系理系といったカテゴライズには個人的には何の意味も感じないけど、キャラクタが狙いどおりという意味でバランスよく配置されているので、パズル自体は苦手なんだという人でも、こういうパズルには目がないという人でも、楽しめる一冊だと思います。
2004/09/18 12:31
頭の健康チェック
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本書は、インターネット上で週間掲載されているエッセイの単行本化第三弾です。
いつも思うのは、自分の考えは世間一般とは相容れないらしいと思っていることについて取り上げられていることが多いということ。著者の小説は「理系ミステリ」と呼ばれることもあるが、果たして「理系」と冠するようなことなのかがよく分からない。「文系ミステリ」という言葉など聞いたこともない。こういった世間の固定観念とそれに対する私個人の距離の置き方よりも、生産的でエンタテイメント性がある接し方が、浮遊研究室のメンバーによって多彩に示されている。お気に入りとしている所以がここにある。
自分の頭の中に、自分以外の価値観を住まわせて、時にはその価値観に自分を支配させないといけない(本当は拒否して辞めればいい)立場の人間にとっては、頭の健康チェックにうってつけの一冊、いや、三冊です。ネットで読めるからと言わずに、買って読んでも損はしないと思いますよ。コジマケン氏のイラストも素敵だし。
2004/10/01 23:09
存在の肯定
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何故少年・少女は犯罪に至るのか? その一つの類型を椎橋彬という少年の心をとおして描き、何故周りからの孤立を選んでしまうのかを里見沙希の心をとおして描き、最後に舛城徹という大人の存在を助けにして、自分たちがそのままで存在してもいいことを理解し、捉え方と接し方を変えることで他者へ触れる扉を開くまでを、流れるような文章で描いています。
相変わらずキャラクタがいつの間にか凄い活躍を始めますね。序盤は心理を追っていても、途中からは凄い加速度でスケールアップしていきます。椎橋彬の思考・行動には、ある郷愁を感じさせる子供らしい甘えがしっかりと描かれていて、何とも形容のし難い気分にさせられます。
この作品は松岡圭祐版エヴァンゲリオンといった感じですかね? 主題は同じだと思うのですが。最後の章を除いては。
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