bは本好きのbさんのレビュー一覧
投稿者:bは本好きのb
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涼宮ハルヒの消失
2005/05/26 00:04
待って良かったら持っていって
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今度の冒険は、パラレルワールドだ!
と、いうわけでサスペンスなシリーズ第4巻です。
裏テーマは長門有希萌え。ああこんなにも彼女が魅力的になるという展開を、予想した者が果たしていたでしょうか。いやいない(反語)。
見つめられて顔を赤くして俯く長門有希。
意を決して一枚の紙を差し出す長門有希。
いつかの出会いを密かに大切にしている長門有希。
ああ。
そりゃあカラー見開き一人独占ドアップで頬に赤線も入るというものです。
何も分からない世界に放り出されて、失われたハルヒを求め、元の世界に戻ろうと奔走する主人公の不安と無力感を煽るスピーディな展開はかなりドキドキ。
ページをめくる手が止まりません。
今まで散りばめてきた伏線も効いてハルヒが「繋がった」時には涙が出ました。
もう一つの世界のSOS団というのも見てみたかったですね。
さぞかし面白い話が読めたことでしょう。
「だって、そっちのほうが断然面白いじゃないの!」

さよなら妖精
2005/05/25 00:51
哲学的理由がありますか?
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
遠い国から来たマーヤ。
あの雨の日に出会った彼女との謎に満ちて、鮮烈な、しかし穏やかな2ヶ月間。
少女がいなくなってしまったその一年後、最大の謎解きは始まる。
覗き込むような目、カールした黒髪、白い首筋、「哲学的意味がありますか?」、そして紫陽花。
出会いと別れと、祈りの物語。
ヒロインが「ユーゴスラヴィア人」。舞台が「1991年」。
この二つの単語でピンとくる方はどれだけいるでしょうか。
読了後、あなたは必ずこの二つで検索して見ずにはいられないでしょう。
この作品の空気はとても静かです。
そこかしこに織り込まれるユーゴスラヴィア薀蓄は
ミステリとしての材料だけにとどまらず、興味を惹かせます。
ヒロインと主人公たちの語学的齟齬も面白く。
日本語が上手くないヒロインというただの性格付けに終わってないところはいいですね。
きちんとセルビア・クロアチア語を母語として日本語をしゃべっている感があって、マーヤという一人の人間を感じさせてくれます。
弓道の出てくるワンシーンはかなり実際な視点から描かれていて
(著者は確実に経験者でしょう)、正確で独自の解釈が交えられていて好感。
でも専門用語の嵐だけど、知らない人はどう読むのでしょう。
マーヤの気持ちが味わえるのかな?
人間模様に関しては人間そんなに見た目どおりじゃないんだよ、というところでしょうか。
強いだけの女と思っていても、人に関心がないように見えても、本当にそうですか?
あなたの知らないあの人はどんな顔をしていますか?。
そして残るのは強く長い余韻。
「ねえ守屋君。わたしは、あの子のことは忘れたい、そう言ってるの。」
(みなさんが親切にしてくれたこと、絶対に忘れません。ありがとう、さようなら!)

鋼の錬金術師(ガンガンコミックス) 27巻セット
2005/05/25 02:56
その力、神か悪魔か。
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
エドワード・エルリック。国家錬金術師。
機械鎧で作られた右手左足のその身体から、二つ名を「鋼」という。
アルフォンス・エルリック。
「鋼の錬金術師」の弟にして、その魂を甲冑に宿らせた少年。
二人の兄弟が、禁忌を犯して失った、兄の手足と弟の身体を取り戻すため
錬金術の秘法「賢者の石」を求め旅する物語。
彼らが旅の中で出会う人々は強く、弱く、美しく、醜く、善良で、悪人で、人間であり、そして人間でない。
二人は人々をその錬金の力で救済するが、それ以上に救うことができない。
物語の中で登場人物たちは無情なまでに死んでいき、少年たちを無力感で包む。
しかしそれでも前に向かって進んでいく、その姿勢こそがこの作品の最大の魅力だ。
賢者の石を巡る、国を揺るがす陰謀。
暗躍するヒトでないモノ、ホムンクルス。
禁忌とされた人体練成に、隠された秘密。
その先に彼らが見るものは——。
「だけどなおれたちは、悪魔でも、ましてや神でもない。
人間なんだよ!!たった一人の女の子さえ助けてやれない!
……ちっぽけな人間だ……。」
「一瞬でも人間だった。俺が作って死なせてしまった…人間だ。」

リリアとトレイズ 2 そして二人は旅行に行った 下
2005/05/25 23:45
キスのご褒美まだ?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
待望のシリーズ最新刊。
「ラピュタ」の系譜にある正統派冒険活劇です。
期待を裏切らない出来でした。
読んでいる間の、その本の空気というものがありますが、
私はこの本の空気はとても好きです。それを言葉にするのはとても難しいことですがせめて、何故かと考えてみる。
空気を強く感じさせる本というのは、地に足着いた描写が上手い本なんだと感じます。
人々がそこにいて生きているということを感じさせてくれるということですね。
ただ、キャラクターがいて色々している、というだけではない。
主人公たちが見る世界がとても美しく映るから。
ヒロインリリアもツンツンツンツンからツンツンツンデレくらいになってこの先が非常に楽しみです。
二人それぞれの可愛いところも見れました。
空中戦は銃&飛行機マニアの著者自ら垂涎モノのばっちり飛行機バトルでワクワクでした。
そして238頁の本書の中のたった13頁の挿話、
「遺書」にあなたは滂沱するでしょう。
口に出せなかった思いが遺された手紙。
長い時を経て開かれるその封。
ただ一人に向けて綴られた文字。
胸が締め付けられ、涙なしにはいられない一遍です。
ヴィル。わたしは、あなたのことが好きでした。
ヴィル。ヴィルヘルム・シュルツ。
わたしは、あなたに伝えたい気持ちがたくさんあります。
ありがとう。さようなら。ヴィル。

優しい煉獄
2005/05/25 01:03
犯罪、始めました
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
森岡浩之最新刊
死んだ人間の人格と記憶をデジタル世界で再構成して
「第2の人生」を送ることが出来る時代。
いくつかあるそのデジタル世界の中の昭和60年代を舞台にした世界で
探偵を営む主人公がデジタル死人たちの(時には生きている人間からの)依頼をこなしていくお話。
ハードボイルド小説にサイバーパンクを混ぜてSF的香りでまぶした一作です。
ハードボイルド探偵の居場所は事務所と喫茶店。喫茶店にはもちろんマスター。
舞台アイデアは今作では背景に落ち着いて
昭和な死人たちと近未来な生人との人間模様が物語をまとめます。
死後の再開を約束した夫婦、現実世界から逃げ出してきた男、
犯罪を行うことが出来ない世界から来た少年。
彼らがそこで見るものは。
探偵小説としては目新しくもないかもしれません。
SFアイデアは相変わらず面白いけど作者が認めているようにデジタル世界云々は手垢にまみれているのも確か。
だけど斬新さに頼らなくとも面白い話を読ませるということを示した一冊でした。
でも一番読みたい著者の本は星界シリーズの続きです。
「おいマスター、このコーヒー冷めてるぞ」
「知らなかったんですか、お客さん
今朝からコーヒーは冷めるようになったんですよ。」

涼宮ハルヒの退屈
2005/05/26 00:18
真っ向勝負よ!
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今度は野球大会で異世界でタイムトラベルで密室孤島殺人事件だ!
なシリーズ第三巻。
雑誌掲載分のまとめです。
裏テーマはナースでチアガールで水着です。
アメリカ人はAVでコスプレといえばチアガールらしく、
先日州下院でチアガールは腰を振ってはいけないという法案が本当に可決されました。
相変わらず楽しい民族でいらっしゃいます。
日本人的には健康美の象徴なので露出度高くてもエロくはないですね。
水着孤島別荘殺人事件は、この作品らしい落とし方で好感が持てました。でももしかして・・・?と思わせる筆致はならでは。
異世界でカマドウマと戦う話は絶妙に微妙でしたが、
七夕でタイムトラベルはなかなかアイデアにも溢れて面白かったです。というかみくるさんが良かったです。
お題:七夕札。
『世界があたしを中心に回るようにせよ』
『地球の自転を逆回転にしてほしい』
『お裁縫がうまくなりますように』
『お料理が上手になりますように』
『調和』
『変革』
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