ふるふるさんのレビュー一覧
投稿者:ふるふる

中国沈没 最悪のシナリオ−バブル崩壊で日本経済はこうなる!
2008/04/14 03:23
題名と反対の内容
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
こんな本を中国人が書いて大丈夫かと心配したが、杞憂であった。
内容は中国共産党公認的なもの。たとえば、中国国内の民主化運動については、経済の発展を阻害するからしない方がよい、共産党自体が徐々にいい方向に変わっていく、と言っている。多党化ではなく、あくまでも一党独裁のままで。
何らかの原因で中国国内が不況になった時が、共産党にとって危険な時だと私は思うが。
それにしても東アジアに関する記述で、日本の存在感が非常に薄いのは寂しい限りだ。日本は覇権を求めないからそれでもいいのだが。
また、日本の対中貿易の割合が増加してるのを「中国により依存していく傾向」としたり、「日中間の力関係の変化」としている。中国人のプライドを感じた。
ODAについては日中協力の象徴だと一行にだけに出てくる。数兆円出したはずだが、中国経済の発展には大して貢献しなかったのだろう。おそらく。

恐慌前夜 アメリカと心中する日本経済
2008/09/28 09:50
アメリカ発の世界恐慌に陥る可能性がある
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
その可能性がある事は納得できる。だからこそ、アメリカは資本(自由)主義経済とは思えないような「なんでもあり」の対策をとろうとしている。
アメリカの住宅公社2社を政府が救済する事になっている。その2社関係の債権を数兆円ずつ日本の三つの金融機関が持っているそうだ。しかし、アメリカ政府はその債権を償還する気はないし、能力もないとのこと。
本当だろうか。そういう話が満載の本である。

「民」富論 誰もが豊かになれる経済学
2008/02/28 01:17
今までにない経済の本
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
序章の「財政赤字は国民への贈与になる」は納得できた。政府が借金をし、お金を使うことで、それがまわりまわって個人の金融資産になっていったということだ。
また、巻末の「増税による財政再建」もなかなか良い考えだ。ただ、今となっては遅すぎだと思う。橋本内閣の頃なら間に合ったかもしれないが、今ではせいぜいプライマリーバランスを均衡させる所までがやっとというところだろう。(消費税率を17%まで上げる)
ただ、著者の考えは基本的に「反市場(原理)主義」「反グローバリズム」なので、私としては納得できないところが多い。著者はそうは思っていないようだが、限りなく社会主義経済に近い考え方だと思う。
社会主義経済の非効率性は歴史が証明している。

戦争の経済学
2008/01/25 01:14
一般読者向けの本ではない
9人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本の「想定読者は幅広い学者や学生」であり、大学の講義の教科書などに使えるとある。そのような本としては平易に書かれている。

資本主義は嫌いですか それでもマネーは世界を動かす
2008/09/26 01:16
最初のあたりはおもしろいのですが
5人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
経済の専門的な話になるあたりから、門外漢には少し理解しにくいところがでてきます。
本書で述べている事を一言で言うとしたなら、市場とそのプレイヤーである証券会社や銀行には適切な規制が必要である、ということでしょうか。

日本の10大新宗教
2007/12/16 02:05
現代日本の新興宗教の状況がこれ一冊でわかる
15人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
幕末・明治維新以降の新興宗教(新宗教)の歴史、現在の状況がわかる。宗教学者として、公平な立場から書かれている。具体的には、1、天理教 2、大本 3、生長の家 4、天照皇大神宮教と璽宇 5、立正佼成会と霊友会 6、創価学会 7、世界救世教、神慈秀明会と真光系教団 8、PL教団 9、真如苑 10、GLA
30年ほど前、夜のラジオで「インナートリップのれいゆうかい」というフレーズがよく流れていた。番組のスポンサーだった。「れいゆうかい」というのが宗教団体だということを、その10年後くらいに知った。そして、今日初めて「インナートリップ」の意味がこの本でわかった。「自分探し」ということらしい。

トヨタの闇 利益2兆円の「犠牲」になる人々
2008/01/14 14:44
大手出版社などはトヨタの悪口が書けない
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
大手出版社、新聞社、民放などはトヨタから多額の広告料をもらっているので悪口を報道できない。そこで、雑誌などの広告媒体を持たない弱小出版社(?)が出版したのが本書だ。報道の問題、過労死、労働組合、リコール、下請けいじめなどについて書かれている。過労死の問題は、実際にトヨタの職場で突然亡くなられた方の妻の視点から書かれていて、涙が出そうになる。
ただ、トヨタに対して非常に批判的な視点から書かれているので、それを意識しながら読んだほうがよい。リコールなどの問題で、トヨタの不具合発生率が非常に低いのはクレーム隠しのせいだとしているが、品質がいいからという見方も当然できる。

靖国への帰還
2007/12/21 03:16
いままでにない内田康夫の本
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
浅見光彦も岡部警部も出てきません。あえて言えばSFものです。しかし、著者が一番言いたいことは、靖国神社参拝に反対するのはおかしいということです。今までの著書でもちらちらと出てきていた太平洋戦争などに対する考えを、はっきりと述べたものです。(SFの形をとりながら)

富裕層が日本をダメにした! 「金持ちの噓」に騙されるな
2009/06/22 17:27
精神科医による日本社会全般に対する提言
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
必ずしもデータや専門性に基づいた提言ではなく、著者の思想を述べたものと言える。
著者は基本的に、小泉・竹中構造改革路線に反対してる。アメリカの言いなりになってしまっているとのことだ。
私は逆の考えを持っているので、本書の内容には納得できないところがいろいろとあった。
ただ、「ゆとり教育」を批判しているところは納得できた。あれは間違いなく失われた30年といえる行為だった。授業時間を減らしたのも大きかったが、国民の意識の中にそんなに勉強しなくてもいいんだというものを生じさせたことがより大きかったと思う。その教育の目標であった「生きる力」というのはイデオロギーにすぎなかったのではないか。幻ではなかったか。
それはもともと、マスコミによる受験戦争批判がきっかけで、それに国民の多くも共鳴して始まった政策なので、文部省だけが悪いというわけではないが。
また、労働者の賃金を上げるような政策をとるべきだというのもよく分かる。内需が大きければ、海外の不景気の影響もあまり受けずに済むはずだ。ただ、輸出競争力との兼ね合いで難しいのだろうが。
日本のパチンコ産業の利益が北朝鮮のミサイルに使われている、ということが書いてあった。事実だとしたら大問題だ。自分たちのお金が自分たちに対する脅威を生んでいるのだから。

偽善エコロジー 「環境生活」が地球を破壊する
2009/06/18 00:43
アルミ缶のリサイクルだけ、すばらしい
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
それ以外の地球に優しいといわれていることは、ほとんどダメだと言っている。
日本中がエコブーム状態で、反対意見を言いにくい雰囲気の今こそ、このような意見が出される必要があると思う。
特にNHKはエコに熱心だ。紅白歌合戦でも照明を絞ってろうそくの炎の中で歌うという演出をしていた。それならテレビ放送を止めたら?とツッコミを入れたくなった。

本当はどうなの?今の韓国
2008/12/20 00:46
普通の韓国人の様子がよくわかる
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
北京オリンピック、野球競技、準決勝、日本は韓国に敗れた。読売巨人軍に所属している韓国の主砲 イ・スンヨプ の勝ち越し2ランホームランで敗れた。試合後、星野監督はそのあとのエラーがらみの追加点を悔やんでいたが、やはり イ・スンヨプ のホームランで決したと思う。
試合終了後の両国選手の握手の場面。
両国の選手がそれぞれ一列になり、一人ずつずれながら全員と握手していた。韓国選手は「やったぜ。どんなもんだい。」といったところか。日本選手は、呆然自失であったろう。
両国の選手は、握手はするが当然頭を下げたりはしない。ところが、日本の列の最後にいた星野監督との握手になると、ほとんどの韓国選手が星野監督にだけは握手とともに頭を下げていた。最後にいた韓国の監督(結構若い)は、帽子まで取って頭を下げていた。
日本人から見ると、やや意外な行動であった。「あの日本」に勝った直後の韓国選手の態度であるから。
この本によると、韓国は儒教の影響が強く、年長者を敬う気持ちが強いとのこと。そのために、あのような態度をとったと思われる。
また、イ・スンヨプ の背中の名前の表記は「Lee」となっているが、その理由もこの本を読めばわかる。
本の最後に朝鮮半島の地図が出ている。本文に地名が出てくるので、最初に見ておいた方がよい。
この著者は日本に留学したり日本で本を出したりしているためか、あまり反日的な印象はない。しかし、この地図を見ていると、韓国人の強い民族意識を垣間見ることができる。
日本海は「東海(日本海)」とある。かっこ付きながら日本海とあるのは、本人の意思かあるいは編集者の指示か。ちなみに、黄海は「西海(黄海)」、対馬海峡は「南海(対馬海峡)」。東、西、南と非常にわかりやすい。当然、国内で海の名前を何と呼ぼうと自由である。
しかし、国際的に決まっている日本海という呼称を、韓国は東海と変えるように国際機関に要求して、日本政府ともめてきている。国際的な地名は慣習に従うものである。もしこれを認めるようなら、世界各地で地名紛争が起こるだろう。
また、日本の世界地図にはある朝鮮半島南北の境界線がない。(38度線はあるが。) 朝鮮民族は一つであり、朝鮮半島には国境などは存在しないということであろうか。

ゴルゴ13 151 (SPコミックス)
2008/12/12 01:28
麻生総理大臣(2008年12月現在)愛読のゴルゴ13 最新刊
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内容
ユビキタスの迷路
最後の酒
1インチの錯角
爆弾魔
総理同様、私も愛読しています。151巻になります。2003年頃の作品で、その後も雑誌連載が続いているので、まだまだ巻数は伸びそうです。
最近のSPコミックスの中では、平均的なレベルの巻だと思います。
一番印象に残るのは「ユビキタスの迷路」です。
かつて日本で、日本製のOS(TRON)を普及させようとしたところ、アメリカからの抗議で断念し、結局マイクロソフト社のOSが市場を独占することになりました。
もし、この時日本でTRONが普及していたら、世界におけるウインドウズの運命も変わっていたかもしれません。現在パソコンを1台買うごとに、かなりの金額をマイクロソフト社に払っているはず。企業に独占を許すとまずいことになるよい例です。
その争いの第二ラウンドともいえるのが、「ユビキタスの迷路」です。
ミステリー仕立てにもなっています。
上記のOSについての争いがあったころ、FSX(次期支援戦闘機)の開発に関しても同じようなことがありました。
ともに、アメリカ政府の圧力に日本政府が屈するということになりました。
そのころの日本経済は、飛ぶ鳥を落とす勢いだったのでこのくらいは他国に譲歩しても大丈夫という意識が政府にはあったのではないでしょうか。
そういう国益に反する決定が、ボディーブローのように日本経済に害を及ぼしてきたところがあるような気がします。
日本の技術者がいくら頑張っても、アメリカに頭を押さえつけられるというような感じでしょうか。
そういえば、かつてIBM産業スパイ事件というのもありました。
この事件も、どう見てもアメリカの罠に日本の企業がはめられたものでした。
ゴルゴ13の他の巻で少し出てきます。
ともかく、日本政府には頑張ってもらいたいものです。
政府のレベルは政治家のレベル。
政治家のレベルは国民のレベル、でしょう。

日本版サブプライム危機 住宅ローン破綻から始まる「過重債務」
2008/11/02 17:58
住宅ローンも消費者金融からの借り入れも同じ借金 気をつけよう
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
数年前、私は新築の建売住宅を見学した。3000万円の物件だった。きれいなキッチン(オール電化)や保温のための二重のガラス窓、二階にもあるトイレ。妻は目を輝かせて、見学したり業者の方の話を聞いていた。子供は大喜びで動き回っていた。二階の窓からふと東側の外を見ると、そこにお墓があった。墓地というほどではなく、お金持ちの家専用のような立派な墓だった。それを指摘すると業者の方は言った。「毎朝、お墓の方に向って朝日を拝むと、縁起が良いと言われていますよ。」
このような業者のセールストークにつられて、よく考えずに住宅ローンを組んでしまうと、後で後悔する。ほんとに話上手だ。
これから住宅購入をする人や購入後にローンで行き詰っている人の参考になる本。
後で金利が上がるタイプのローンが特に危ない。
著者は官僚経験者なので、国家的見地からの考えも述べている。
ただ、それほど目新しいことや驚くようなことは書かれていない。
結局、その新築物件は購入しなかった。(できなかった?)

ヴィズ・ゼロ
2008/02/04 07:14
処女作としてはすばらしいが
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
あとがきなどを読むと、著者はシステムエンジニアという職を持ちながらカルチャーセンターで小説を学んだとのこと。おそらく処女作であろう。そういう作品としては非常にハイレベルな作品である。特に前半がすばらしく、どう見てもプロの作品である。わくわくしながら読んだ。しかし、後半になるとトーンダウンしてしまう。少し非現実的な場面がいくつか出てきて、「そりゃないだろ!」と突っ込みを入れたくなる。わくわくした気分が、妙に冷静になってしまう。例えば、犯人が脱出する場面で人質を連れて行くのだが、ちょっと無理な気がする。また、犯人のパソコンを調べている警察官が、たくさんのわいせつ画像を見つけて「(犯人は)寂しい独身生活だったらしいですね」という部分がある。(おそらく女性の)著者の視点からそう見えるのだろうが、男性から見ると、寂しくてもそうでなくてもそのくらいのことはする。おそらく。私だけ?

ヤマダ電機の品格 No.1企業の激安哲学
2008/01/24 01:34
ヨイショ本ではありません
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題名からするとヤマダ電機を誉める内容と思うかもしれないが、その逆でヤマダ電機の問題点をいろいろと指摘している。当然、社長などへのインタビューはない。(できない)
家電量販店業界の歴史がヤマダ電機の成長とともに書かれていて、家電好きの者には大変おもしろい。
この本によると、昔からのライバルであったコジマの社長は友人とのこと。一方、ヤマダ電機の社長が絶対に許せないと思っているのがデオデオだそうだ。