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鴇 さんのレビュー一覧

投稿者:鴇 

34 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本ボディ・レンタル

2002/04/28 12:33

結局心と体は切り離せない。

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この毒々しい表紙は唇かな…? とにかく、イメージを裏切らない表紙です。

女子大生のマヤは「ボディ・レンタル」業を開始。それは自分の身体をモノとして人に貸し与え、どんなリクエストにも応じる…というもの。

読んだ感じだと、マヤのこの行為は逃避に過ぎない。体を売ることによって、心を空っぽにしようと試みる。
しかし、客選びにはそれなりのこだわりとプライドも有る。
なんだか一見矛盾するように感じる…。
とにかく、ここに書かれているのは、自分で自分を癒そう、踏み込んではならない方向へ、躊躇することなく踏み込んだ少女の悲しみだと私は感じた。

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紙の本ヴァニーユ

2002/04/28 12:28

ちゃんと生きていない

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表紙の写真はあの蜷川美花だ! この毒を孕んだ美しい写真は物語とよくマッチいていると思う。

まず表題作。違和感から逃れるためにフランスにやってきた主人公は、ドラックの体験中にその違和感が戻ってきてパニくる。顔面を怪我したところを助けられた男に「ヴァニーユ」と名付けられ、体と心の癒しを覚える…という話だ。あらすじだけ書くと、いかにも、な小説だけれど、この毒々しい美しさ、わかるんだよなあ、という痛々しさの表現力は素晴らしいと思う。

あと、彼女の最高傑作と名高い「ヴォイセズ」は、言葉を失っていく女性管制官のお話。管制官とはパイロットに指示をしたりするコントローラーのこと。なんか、これは怖かったです。

赤坂真理の作品に出でてくる主人公の多くは、ちゃんと仕事をもっていて、一見ちゃんと働いているにもかかわらず、ちゃんと生きていない。それをぐっと感じる本だった。

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紙の本ヴァイブレータ

2002/04/28 12:19

大人に成りきれない人の共感

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不思議な作品だと思った。
赤坂真理というと、10代、20代の読者が多いと思っていたが、これを読むと、大人にも解るんだなあ、という感じがした。なんていうか、大人といっても「まだまだ子供」だと自覚してしまう部分をもった人は多いと思うけれど、そういう人の共感を呼ぶのではないかと思った。
この小説は、大きな展開もなければ、これといった事件も怒らない。一定の速度で物語りはずるずると進んでゆく。その映像が見えてくる感じがとてもいい!

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紙の本蝶の皮膚の下

2002/04/28 12:14

J文学?そんなじゃなくって赤坂真理って読んで欲しい。

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ホテルのフロント係を務める梨花。彼女は脳に障害を抱える航と出会い、同棲を始める。彼女は航の暴力(障害のための)の中で暮らす…。
自虐的すぎる…と初め思った。理解出来ないところも多い。
航と梨花の心はまったく噛み合っていない。そうしようという努力さえまったく実らない。
それなのに、癒しを感じるのはどうしてだろう。それはかなわないながらも、心を同調させてゆく試みの過程が、とても心地よいものだからだと思う。
フィジカルなものではないものを癒す方法について考えさせられる。

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紙の本きつねのスケート

2002/04/24 20:41

ゆもとかずみとして書いた理由

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作者のゆもとかずみって湯本香樹実のことだと思うんですけど、この方はこういうのも書くのかあ…と思いました。湯本香樹実の描く子供向けの本は大人でも楽しめる感じですが、これはすっごく子供向け。正真正銘「童話」という感じです。
簡単言うと、ちょっとヤな子“きつね”と、いい子“のねずみ”の友情をあたたかく描いたお話。童話特有の、このデフォルメされたキャラクターがいい味出しています。秋から冬にかけての風景描写も美しい。
作者が湯本香樹実ではなく、ゆもとかずみとして書いたのも、読むとなんとなくわかる。

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紙の本幸福論

2002/04/22 22:10

幸福は、特別なことではないのだ。

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私がまだこの本を読んでいなかった頃、『思想界の巨匠!』と吉本隆明が紹介されているのを見ると、本も開かずに「難しいにき決まっている」「どうせ私には訳のわからんことが書いてあるに違いない」などと思い込んでいた。おろかだったと言うしかない。
知人にすすめられて仕方なく読んでみると、これがとてつもなく面白いのだ。小説よりもおもしろいぜ、と私は思った。
吉本氏の視線にはいつもハッとさせられる。世間一般で○と言われていることに対して、本当に○でいいのかな? と吉本氏は詰め寄る。…ううん。
ちょっとそれはどうなのかな?って思うこともあれば、目から鱗なこともあり。
どちらにしろ、元気を出したいときに読む、この本は今では私の愛読書だ。

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紙の本マリカのソファー/バリ夢日記

2002/04/22 22:03

小説+イラスト+写真

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バリの旅行記+小説である。吉本ばななの小説が、原マスミのあの独特のイラスト(吉本ばななの本では、文庫本『NP』などの表紙を描いている。一度見たら忘れられない絵)と、写真で彩られる。
旅からインスパイアされて小説ができたんだなあ、という感じが伝わってくる。

吉本ばななは「神」とか、けっこう呪術的なテーマを日常に溶け込ませたかたちで描く。そして当の本人は「私にとっては日常的なことです」なんて、インタビューなどでよく言っている。
この人の小説は、決して非現実的ではない。むしろ、ぞっとするほどのリアリティがある。
今回の話の舞台がバリのためが、そういう現実と非現実のバランスがものすごくいい感じだ。

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紙の本テレヴィジョン・シティ 上

2002/04/22 21:41

自分の中にそっとしまっておきたい本

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いつもの長野まゆみのように、ストーリーを説明するのが難しい。というか、この本の場合はちょっと恥ずかしい。
長野まゆみの読者は圧倒的に女性が多いらしい。その理由を考えてみると、それは、「恥ずかしさ」のためだではないかと思う。恥ずかしいと言っても、作者が自分の文章に酔っているゆえの恥ずかしさでは決してない。上手くいえないのだが、保坂和志という作家の言葉を借りると「読む側にチューニングが必要」だと言うことだ。なぜって、長野まゆみが特異な作家だからだ。こういう文体で、こういう世界を書く人はこの人しかいないからだ。慣れていない私たちは、「チューニング」が必要となる。それが上手く出来ないと、恥ずかしい、と感じるのではないだろうか。
この本を読むときは、長野まゆみの世界にどっぷり浸ってもらいたい。社会性とか、そういう煩わしいものの一切が排除されたこの幻想世界を楽しいで欲しい。
 

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紙の本甘い恋のジャム

2002/04/22 21:08

70年代、この世界!

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表紙を見てもらえばわかるでしょう。この70年代的キュートさ!
よく、リバイバル、なんていわれますが、70年代的なグッズって細々とですが人気をえ続けてたと思います。これは、水森亜土さんの最新イラスト集。

あくまでも、ここにあるのはポエム。ラブポエム。クールさを期待する人は読まないほうがいいでしょう。この人のポエムを読むと、少女時代のあの甘い気持ちを思い出しちゃいます。恥ずかしいなんていわず、この世界観に浸りたい!

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紙の本サグラダ・ファミリア 聖家族

2002/04/21 16:55

ひとりの、私という人間として。

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車か何かのCMでサグラダ・ファミリア って言う言葉を聞いたことがありました。意味は、聖家族、だったのですね。そう、これは家族の物語です。
だけど、家族って何なのでしょうか?
たしかに、少し前までは「こうあるべき」家族像というものが確かに存在していたように思います。しかし、今、家族そのものが求められていない気すらします。
この本を読むと、家族っていいな、と素直に思えます。この時代に生きる人間としてではなく、ひとりの、私という人間として。

ラストは泣きたくなる位せつないのですが、物語はここで終わっても、読者の心には、なにか小さな火のようなものが宿ったように感じました。

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紙の本春のオルガン

2002/04/21 16:37

気分晴天★

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児童文学って、よくとんでもない内容・設定がありますよね。でも、それは突飛な感じなのではなく、本の中だととても日常的な、当たり前な感じがします。これはそんな小説です。

きのう小学校を卒業したばかりのトモミの家族は、隣の家のおじいさんとのいざこざで崩壊状態。暗い気分のままで弟のテツとぶらぶらしていたトモミは、野良猫の住処である古いバスで暮らすことに決めた…。

ゴミ捨て場でのおばさんや猫とのふれあいで、トモミの心にかかっていた、もやもやした霧が少しずつ晴れていく様は、すがすがしく、流れるような感じがして気持ちがいい。
何気ない生活の中での小さな物語の感動。心の中が晴れ渡ります。

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紙の本学校ともだち

2002/04/21 16:28

未来なのに、あの頃、を感じる

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長野まゆみは一貫している。その表紙、漢字と古典的名詞の頻出する文体、ある種の男の子と言う登場人物、そして物語のサイド的なアイテムなのに彼女の作品の色ともなる珍しい小物たち。どれもどれも、同じ空気の中で書かれているという感じがする。それがSFであってもファンタジーであっても恋愛であっても青春であっても、とにかくそのスタイルが一貫しているのである。
それを物足りないと思う人は、長野まゆみをわかっていないと思う。そういう形式で書き続けるということが、長野まゆみが確立した、個性なのである。だからこそ、彼女は純文学にエッジに居続けることができる。

これは小学校の学級日誌の形ですすめられていく物語だ。子どもたちの言葉…。先生の言葉…。子どもたちは、ケンカをしたり、病気の人を見舞ったりするうちに、少しずつ変わって成長していく。その展開は自分の子どもを見ているような感覚だ。

舞台は近未来的だ。しかし、学校の中にあるのは、昔懐かしい雰囲気だ。この雰囲気。破壊とか、崩壊とかとはまたく別の、優しい雰囲気が素晴らしい。

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恋愛&結婚バイブル???

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一般的な意見に真っ向から立ち向かう。というか、一般的、と言われていることでも、「ちょっと変だよなあ」と私たちが思っていた結婚・恋愛に関する疑問を、この人はわかりやすく、しかも清々しく解いてくれる。まさに姉御!!!という感じ。姫野カオルコ氏の恋愛小説はすごく素敵なのだが、こういう考えで書いていたのかあ…と知ると更に素敵に思える。

ところで、ここにはどうして結婚してゆくのか、という表題に対する答えは特に書かれていないように思う。「まあ、人それぞれじゃないの?」と、突き放した印象すら受ける。しかし、恋愛や結婚とは、本来、人に教えを請うものではいし、自分のパワーで掴み取ってゆくものなのだから、それも納得と言う感じである。世話焼きな本ではないのだ。

また、恋愛&結婚において、「女は何を考えているかわからん」「男はないを考えているのかわらん」とお悩みのあなた。こりゃ、目から鱗のバイブルですよ!

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紙の本君はこの国を好きか

2002/04/20 19:43

最後まで読んで欲しい

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鷺沢萠氏は恋愛小説の旗手、なんてよく言われている。それが在日をテーマにした作品であろうと、ラブストーリーーであろうと、私はある一貫する雰囲気を感じる。それは一言で言えば。暗さとでも言うべきものなのだが…何といったらいいのだろう。

例えばこの物語の場合。
在日韓国人3世の雅美、韓国籍でありながら母国が喋れない。日本に住みながらも日本人ではない。そのことに違和感を感じていた雅美は、アメリカ留学中に出会った韓国人女性の言葉により母国でハングル語を学ぼうと決意する。でも、そこに待っていたのは異文化に対応できない自分だった…。

そう、異文化の中にいる自分。その他者であることの哀れみや悲しみというようなものを、このひとは人間の内側から見事に描写すると思う。そして、ラストには感動。

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紙の本虜囚

2002/04/19 20:16

作品のために描かれた作品…

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これは思いっきりボーイズですが、最近の小野塚カホリ氏はジャンルにとらわれず活躍している感じがします。『そどむ』は少女漫画誌に連載されたものだし、『凍み』は青年誌系コミックに連載されたものです。だから男性でも、小野塚カホリ氏のボーイズは読む、という方が多いようです。

氏の魅力とは何でしょう?
どのコミックでも読んでいて感じるのは、頭の回転が速そうなヒトだということです。ストーリーがどんなに自虐的でも、少女漫画的でも、どんなキャラを書こうとも、どんなジャンルをかこうとも、そこには物語を一歩ひいたところから見つめる、小野塚氏の冷静な視線があるように思います。
そこには、自分の作品に陶酔している作家に見られる恥ずかしさがまったくない。作品のために書かれている作品。読者のためではなく。そこが彼女の魅力だと思います。男女を問わず読める作品の理由だと。

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