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ビーケーワン*さんのレビュー一覧

投稿者:ビーケーワン*

2 件中 1 件~ 2 件を表示

北野幸伯氏へのインタビュー 4

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

★8.もしドル基軸体制が崩壊したら、世界はもちろん、日本への影響はものすごく大きいですよね。世界にどんな混乱が起きると思われますか?
また、日本人である私たちは資産を守るためにどのようなことを心がけたらよいでしょう?

★回答8

これは、ドル体制がどのように崩壊するかにもよります。
アメリカが「大政奉還」し、世界が協調してドルを緩やかに下げていけば、大きな混乱は回避できるでしょう。

これはどういうことでしょうか?
つまり、世界最大の消費国アメリカを緩やかに没落させ、その期間に中国を世界の工場から(アメリカに代わる)世界最大の消費国に育てるという意味です。

もし、ドル体制が急速に崩壊したらどうなるでしょうか?
世界最大の消費国が没落するのですから、当然世界恐慌が起こります。

具体的には、ドルが大暴落し、アメリカでハイパーインフレが起こり、同国の消費が急減するところからプロセスは始まります。

それにつづいて、以下のようなことが起こるでしょう。

消 費が減少すると、1、物があまる →2、物があまるから価格が下がる →3、企業は生産を縮小する →4、そのため大量リストラを断行 →5、リストラすると失業者が増える →6、収入源のない人が増え国民所得が減少する →7、失業者には金がない。だから消費が減少する →8、消費が減少すると物があまる(ふたたび1へ)。
このように1~7が起こり、7が原因となって、また1~7のプロセスが繰り返される。

これを私は「ハイパーデフレスパイラル」と呼んでいます。

どのように資産を防衛するか。

ドル体制が崩壊するのですから、当然ドルは大暴落するでしょう。
その他の通貨は相対的に上がるということです。
ところが、日本も「先進国中最悪の財政状況」ですから、円も不安定なのです。

私は、前書を出した05年初めから「ユーロ」をもつよう、読者にすすめています。
その後ユーロは長期的上昇をつづけていますから、感謝のメールが山のようにとどいています。
資産を防衛する方法は、いくつかの通貨を分散してもつことでしょう。


★9.最後に、この本は、要点を太字で強調したり箇条書きにしてあって、国際経済や世界情勢が基礎からわかるのがうれしいです。しかも読み終えるといっぱしの情勢通になった気もします。忙しいビジネスマンにはこういう丁寧さはとてもうれしいです。このあたりは意識して書いていらっしゃるのですか?

★回答9

そうです。いくつかの点に留意して書きました。

第1に、一般人にもわかるように書くこと。

世界情勢・国際関係の本は難しいですね。
自分でいうのもなんですが、私の本は中学生でも理解できます。

第2に、キレイゴトを一切いわないこと。

「中学生でもわかる」などと書くと、「こどもニュース」みたいなのかなと思ってしまうでしょう。

私は、アメリカやイギリスの大本営発表を右から左に「わかりやすく」流すようなことはしません。
「CIAは、イラクに大量破壊兵器がないことを知らなかった」とか、「アメリカはイラクを民主化するために攻撃した」とかキレイゴトは一切いいません。

この本は、世界一わかりやすく、なおかつ世界情勢の本質を理解できるように書かれています。

第3に、客観性と資料性を重視すること。

「キレイゴトをいわない」というと、なんだか「過激な陰謀論」みたいですが、私は主観的ファンタジーで物をいいません。
本に書いてあることは、すべて公開情報に基づいています。
情報筋から聞いた内容は、最小限にとどめました。
それでも「え~こんなことが起こっているの!」と驚かれる内容が盛りだくさんでしょう。

第4に、読者の皆さんの視点を世界の指導者レベルまで高めること。

この本を読んだ後、皆さんの世界情勢に対する観点が変化していることに気がつかれるでしょう。

大国の意図が、以前よりもはっきりわかるようになり、今後の動きを予想することもできるようになります。

なぜこんなことが起こるのでしょうか?

それは、この本が皆さんにパラダイムシフトを起こすからです。
皆さんの視点は、知らない間に世界の指導者レベルまで引き上げられます。

この本を読んだ後、「いっぱしの情勢通になった気がする」のではなく、実際にそうなっているのです。

私がウソを言っているかどうか、ご自身で確かめてみてください。

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紙の本世界文学全集 全24巻セット

2007/08/03 12:09

ぼくがこの作品を選んだ理由(池澤夏樹) 第1集全12巻  河出書房新社パンフレットより転載

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1-1 オン・ザ・ロード  ケルアック
自由というのはこんなに楽しいものか。二十世紀半ば、『オン・ザ・ロード』は若者の解放宣言だった。男二人、ニューヨークからメキシコ・シティーまでのおしゃべり過剰の、気ままな、行き当たりばったりの旅にぼくたちは同行する。

1-2 楽園への道 バルガス=リョサ
文学はいつも反逆者の味方だ。フランスを捨てたゴーギャン、男性社会の偽善を糾弾したフローラ。彼らの反逆は今に通じている。この二人が孫と祖母の仲なのだから、作家にとってこれほど魅力的な設定はない。

1-3 存在の耐えられない軽さ クンデラ
静かな生活に政治が暴力的に介入する。満ち足りた日々は抑えきれない欲望に乱される。派手なストーリーに人生についてのしみじみと深い省察が隠れている。ぼくはテレザともサビナとも暮らしてみたい。

1-4 太平洋の防波堤 デュラス
仏領インドシナのけだるい風土がまず主人公だ。そこでは欲望もけだるくしか動かない。美しい娘とその兄と母という家族。性と富の曖昧な交換の物語に読者であるぼくたちは身を沈める。ぬるい風呂に浸るように。

 愛人(ラマン)       デュラス
まず、これは蒸留された『太平洋の防波堤』だと思った。貧しいフランス人植民者の娘と富裕な中国人との、恋にまでなりきらない性愛の仲が淡彩で投影される。それを回顧して語る声がものすごくエロティック。声が聞こえる小説はいい小説だ。

 悲しみよこんにちは サガン
十九歳でなければ書けない小説があるのだ。若くて、才気があって、まだ人生に無知なゆえに残酷。場所は南仏、時期は夏、美貌の人々、テーマは愛と策略と死……もう完璧ではないか。

1-5 巨匠とマルガリータ ブルガーコフ
時として小説は巨大な建築である。これがその典型。奇怪な事件や魔術師やキリストの死の事情などの絵柄が重なる先に、ソ連という壮大な錯誤の構築物が見えてくる。この話の中のソ連はもちろん今の日本であり、アメリカであり、世界全体だ。

1-6 暗夜   残雪
残雪が書くものはどの話でも、「私」の身にいろいろなことが起こる。不条理で、混乱していて、読む者はとまどうばかり。登場する他者には親しみのかけらもない。幻想と悪夢の世界。ところが、読み進むうち、世界は本当にこんな風かもしれないという気がしてくる。その時がいちばんショックだ。

 戦争の悲しみ バオ・ニン
戦争は文学を生む。大岡昇平が『野火』を書いたのでもわかるように、兵士の中から作家が生まれる。ヴェトナム戦争が生んだいちばんいい作家がバオ・ニンだ。この話では登場する女性たちの運命が哀切で、自分の国が戦場になることの底に見えない恐ろしさが伝わる。

1-7 ハワーズ・エンド フォースター
違う文化を出自とする人間たちが出会い、愛し合うようになる。しかし人と人の間で文化は衝突し、愛は苦戦を強いられる。フォースターはそういう状況を書くのがすごくうまい作家だ。異文化の中に身を置くことが多かったぼくには、このテーマは人ごとではない。

1-8 アフリカの日々 ディネーセン
なんといってもアフリカ。ジャングルではなく、ケニヤのさわやかな高原。一人のデンマーク女性のこのメモワールは、ヨーロッパ人とアフリカ人の出会いが最もうまくいった例だ。一九七八年、ぼくはこれに惹かれてケニヤまで行った。

 やし酒飲み チュツオーラ
現代人であるぼくたちの中に古代人が住んでいる。森や異界に畏怖を感じながら、駆け引きを使ってその畏怖の相手から宝物を得る。恐い夢を見ているようだが、でも読者はその恐い夢をずっと見ていたいのだ。

1-9 アブサロム、アブサロム! フォークナー
フォークナーは密度が高い。人と人の距離が近く、愛も憎悪も野心も欲望も強烈。登場人物の人柄はどれも忘れがたい。ぼくにとって『アブサロム、アブサロム!』を精読したことは、どこかの町で一年暮らしたのと同じくらいの重さがある。

1-10 アデン、アラビア    ニザン
若い人間にしかできない断言がある。余計なことを知って墜落する前の断言。この本の「ぼくは二十歳だった。それがいちばん美しい歳だとは誰にも言わせない」という書き出しの言葉を初めて読んだ時、それはフラメンコのギターのように美しく響いた。

 名誉の戦場 ルオー
フランスの田舎に暮らす、一見して仲のいい愉快な家族の背後に、実は戦争が濃い陰を落としている。第一次の方の世界大戦だから祖父の時代。その陰が明らかになってゆくからくりが見事で、しかもこれがデビュー作だというから感心する。

1-11 鉄の時代 クッツェー
差別はすべての国、すべての社会にある。しかしその心理をたいていの人は理解しない。理解するまいと思っている。差別が制度化された南アフリカで、クッツェーは差別がどう人の心を歪めるかを巧妙に書いた。彼の硬い鉄のペンが人の心のいちばん柔らかい部分を描いてゆく。

1-12 アルトゥーロの島 モランテ
舞台は島。主人公は少年で、自分より少しだけ年上の、つまりとても若い継母と共に住み、肝心の父は留守がち。性の誘惑に抗する若い二人の心理戦。これはメロドラマの構図だが、モランテはこの構図に人間の魂の真の姿を巧みに刻み込んだ。

 モンテ・フェルモの丘の家   ギンズブルグ
須賀敦子が文学者としてまだ苗木だった頃、その支柱の役を果たしたのがギンズブルグだった。二人の間には同時代を生きた共感があった。希望から落胆へ、そして改めて希望の種を拾う時期だった。須賀敦子が訳した『モンテ・フェルモの丘の家』にはその種がある。

→「ぼくがこの作品を選んだ理由(池澤夏樹) 第2集全12巻」はこちら

→特設ページはこちら

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