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いかリングさんのレビュー一覧

投稿者:いかリング

2 件中 1 件~ 2 件を表示

ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

藤子不二雄A著「笑ゥせぇるすまん」は、昭和43年11月号のビッグコミックの読み切りが初出となっている。当時のタイトルは『黒ィせぇるすまん』 であった。のち漫画サンデーの昭和44年10月22日号から約2年間連載した。

それから約20年後、『笑ゥせぇるすまん』とタイトルを変えてTBSの番組「ギミア・ぶれいく」でアニメ化した。そして大ヒット、大ブレイク。その勢いをかってあの「中央公論」で約6年間連載をした。

ギミア・ぶれいくは、1989年10月10日から1992年9月29日にかけて放送されたTBSの情報バラエティ番組である。夜9時からという大人の夜の時間帯に、しかも情報番組の中でアニメを放送するなんてすごい発想だなあ・・・と(当時は)思ったのだが、それもそのはず、大橋巨泉が仕切っていた番組なんです。おもしろいはずだよなあ。

ギミア・ぶれいくはとにかくおもしろかった!
最近あまりテレビを見ないので、どんな人気番組があるのかよくわからないんだけど、情熱大陸 とか あいのり とか 鳥越俊太郎のザ・スクープ とか 探偵!ナイトスクープ などの人気番組が集まって、ひとつの情報バラエティ番組をつくったような、そんな豪華な企画が盛りだくさんでした。

その中で「笑ゥせぇるすまん」はトップの視聴率をとっていたようだ。

********************************************
わたしの名は喪黒福造(もぐろふくぞう)

人呼んで 笑ゥせぇるすまん

ただのセールスマンじゃございません

わたしの取り扱う品物は ココロ

人間の ココロ でございます

おーほっほっほっほっほっ
********************************************
アニメ笑ゥせぇるすまんは、毎回このオープニングからはじまる。

笑ゥせぇるすまんは 心 を取り扱っている。
人間、誰しも虚栄心やエゴ、欲を持っている。
想像の中ではとんでもないことを考えていたりもする。

喪黒は、そんなフツウの人のエアポケット・心の隙間に入り込み、ちょっとの間だけその夢をかなえてあげる。

喪黒に束の間の夢を無理やりみせられて、しばらくたって「ハイッ、おしまい」といわれても、「はい、そうですか」といかないのが人間というもの。

夢は夢だから夢なんです、といわれても、一度体感した欲望を捨て去ることなど人間にはできない(と思う)。
喪黒に「これ以上入り込むとダメですよ」といわれても、ついつい欲望にかられてしまう。

そこで・・・


 ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!


と戒めをうけて、喪黒によって奈落の底に落とされる。

がしかし、はたして不幸なことなのだろうか・・・
もしかしたら倒錯した夢の中こそ幸せなのではないか?
喪黒にドーン!とやられたかなりの数の被害者は、実際とても幸せそうだ。

「笑ゥせぇるすまん」はいま読んでも古くなく、生きて行く上で大事何かを伝えてくれている。

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紙の本ミノタウロスの皿

2008/02/20 21:39

おそるべしF先生

9人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

F先生といえば少年少女たちに夢を与えてくれる『ドラえもん』だが、まさかこんなエグイ作品があったなんて・・・知らなかった。

人間を鋭く観察しているということもあるが、F先生ならではのコミカルな描写が、人間のいやらしさや社会の不条理さを残酷に際立たせている。

表題にもなっている短編「ミノタウロスの皿」の初出はビックコミック1969年10月10日号だ。

ストーリーはこうだ。主人公の乗っていた宇宙船が故障して地球に似た「イノックス星」に不時着し、ミノアという美しい少女に助けられた。しかし、そこは牛にそっくりな「ズン類」が人間を「ウス」と呼び家畜化して支配する世界だった。そして、ミノアは年に一度の大祭で「ミノタウロスの皿」として料理される食用種であった。主人公はミノアを救うためにズン類を説得し始める。だが、ここは地球と違う価値観が支配している世界である。言葉はむなしく空回りする。何も変えることができないと悟った主人公が最後にとった行動は・・・といった内容である。

この短編のキーとなるセリフがある。
「言葉は通じるのに話が通じない」である。

以前、キリスト教のとある宗派が英会話をタダで教えてくれるというので教会に行ったことがある。勉強会が終わった後「今日皆さんが集まることができたのも神のおかげです、アーメン」と言わされた。僕はとても感謝しているしありがとうと言いたい。だが、それは英会話を教えてくれた信者さんに対してである。

たしかに、彼らと知り合うことができたのは神のおかげかもしれない。しかし、それは運命とか宿命とかなんか得体の知れない宇宙の法則のようなふわふわしたものであり、人格神格をもった神ではないのである。

「いま我々が生きていられるのは神のおかげだ」「いやいや、僕らの血となり骨となっている動植物のおかげだ」などと延々とやりあった後、疲れた僕はそこに行くことをやめてしまった。

人の思考の基準になっているものは、生まれ育った社会の文化であったり教育であったりする。論理的に考えて正しい事だとしても、その論理のもとになっている基準が違うのなら、正解はいろいろあるはずだ。

こんなことを考えてしまう短編でした。
おそるべしF先生。

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