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  3. 蒼空猫さんのレビュー一覧

蒼空猫さんのレビュー一覧

投稿者:蒼空猫

63 件中 16 件~ 30 件を表示

紙の本

愛のプレゼント

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ねえ、ママ、ボクを愛してる?

愛された記憶。
それは愛されていた記憶。

息子を抱きしめながら、抱きしめてくれてた母をおもう。
息子に愛してるかと聞かれれば、間違いなく強く抱きしめ即答する。『誰よりも愛している。』と。

だけど、こどもは不安だ。だから聞く。自分をみてほしい、と。つたない言葉のかわりに全身で愛を叫ぶ。愛をうけようとする。愛をはかる。愛をためす。
親はわかっているはず、当たり前だと思い、愛の言葉をだんだんなくしてないだろうか。
日々の目先のいたずらに目をつりあげ、怒る事に忙しく、家事や仕事に疲れ、抱きしめることを忘れていないだろうか。
親からの愛情をうけ、愛を言葉や態度で確認し、こどもは愛を伝えることを学ぶ。極端にいえば、抱きしめられたことがなければ、だれかを抱きしめることなどできないのだ。

《ぼく》はいう。ボクが、こどもでいられる時間はみじかいんだ。

ホントにそれはあっとゆうまの時間なのだろう。
こどもにとって《イマ》この瞬間すらも成長をしつづける、きらきら輝くかけがえない瞬間の連続なのだから。

《ボク》はいう。ボクのこどもじだいは、じつはママとパパへのボクからのプレゼントなんだよ。

なんという素敵な言葉だろうか。
なんというあたたかい言葉だろうか。
ママにしてくれたのは産まれてきてくれたこども。
こどもが産まれてきてくれたことが最初のプレゼント

あらためて大事なことを気づかさせてくれる。
子どもをもつお母さんに、ぜひとも読んでほしいと思う。
私は、出産をむかえた友人にこの本をプレゼントした。
とても優しい気持ちになり、こどもに早くあいたくなったといってもらえた。
葉 祥明さんのかく絵や文はとてもシンプル。だからこそ語りかけてくるものが多い。それはとてもシンプルに心にやんわりとしみてくるだろう。

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紙の本

紙の本みどりのくまとあかいくま

2010/01/22 03:26

あったかい いろ・・

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

みどりいろが大好きなくま。
あかいいろが大好きなくま。

ふたりとも、自分のいろが一番だとおもっていた。

でも、相手のいろが素敵に想えたとき、二つのいろがひとつになったとき、ふたりをまってたのはとっても素敵な《しろ》。

まったく違ういろ。でも、だからこそ、鮮やかで、綺麗で・・ひかれゆく。自分にとって大事なものはひとつに限らない。みどりが大好きでも赤を好きになることはできる。
それはミルクにイチゴをまぜてイチゴミルクができるように、とてもゆっくり、優しく、甘く、ささやくように・・・


子どものとき、私はみどり色が大好きで、お気に入りの靴も、帽子もみどりいろだったのを柔らかな気持ちで思い出す。
それはきっと作者の絵が、とても柔らかであたたかく愛にみちていたから。

いま、私はあかい色が大好きな大切な人との隣で、奇跡のような《しろ》に出会えた事の喜びをじんわりと温めなおす。
そんな風におもえる、冬のよる読みたいあたたかい絵本です。

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紙の本

紙の本ぼくはおとうさん

2011/02/20 02:48

おとうさんになったら・・・

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

子どものとき、一度は「おとうさん」「おかあさん」になりたいと思ったことがありませんか。
子どもにとって、親は一番 ちかい大人であり 自由であるという憧れなのでしょう。

我が家の息子も大きくなったら「おとうさん」になって、おかあさん(私)と結婚するといいます(笑)
おとうさんになって何をするのか聴けば「ギターしてパソコンして、白い車にのって、珈琲をのむの!!」
なるほど。おとうさんが毎日していることを子どもはよくみています。

この本の子猫も、おとうさんが羨ましくてしかたないのです。
おとうさんの役と子どもの役を取り替えっこしてもらって、うきうきの子猫が最初にしたのは、ピカピカの靴をはき、ネクタイをしめ 眼鏡をかけること!
こどもは、大人のおおきなものが好きですが、大きなおとうさんの洋服を着て眼鏡をかけるだけで おとうさん気分になれるなんて素敵ですよね。
でも、最初はおとうさんにうきうきの子猫ですが つみきで遊んだりおやつをたべたり昼寝をしている こども(おとうさん猫)のそばで修理や留守番を頼まれ、「やっぱり こどもがいい」と思うのです。

大人にしてみれば 子どもが羨ましく思えることもありますが、恰好だけかえても こどもにはもちろんなれません。
子どもはこれから「大人」になることはできますが、大人は 大人にしかなれません。
とてもあたりまえのことだけれど、どちらの目からみてもそれぞれに「ない」もので「自由」におもえることが 羨ましいものなのですね。
いい見本になることは難しいですが、少なくとも、こんなおとうさん おかあさんになりたくないと思われないような生き方をしたいものです。

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紙の本

紙の本ウーリーのわたあめ

2010/07/25 00:22

ふわふわのシアワセ♪

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

夏の縁日の定番、わたあめ。
我が家の息子も大好きで、みつけるたびねだられます。

わたあめを作る過程も楽しいものですよね。
この本はそんな ふわふわわたあめと、ふわふわ羊のウーリーの楽しい仕掛け絵本なのです。
表紙をめくると・・・
切り抜かれた窓から、棒と紙をもったウーリーがいます。

そうです、ウーリーはわたあめの機械に砂糖をいれてわたあめを作る所でした。
「くるくるくるくるくるっくる~」
だんだん白いふわふわがいっぱいに大きくなります。
「ぐるっぐるくるくるるるる ぐるっくるー」
あらら、機械はとまらずドアから わたあめとウーリーは 
とびだしてしまいます。
空をとぶウーリーのわたあめは、雲をまきこんでわたあめぐもに!?
「ぐるぐるごろごろ・・・」
わたあめぐもからあまーい雨がふります。

さいご、小さくなってしまったわたあめですが、誰もが食べたくなるようなとても素敵なわたあめになっているのです。

白いウーリーに 白い雲。
どちらもわたあめににていますよね。
くるくるの擬音語の変化も、わたあめの変化も、仕掛けでおこる変化もどれもが子どものワクワク感をそそります。
ふわふわのしあわせがいっぱいつまった絵本なのです。


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紙の本

紙の本バルバルさん

2010/07/22 23:21

きょうはいかがいたしましょう?

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

バルバルさんは、目がとっても愛らしくって 鼻が大きくて 7・3分けのロングヘアの床屋さんなんです。
小さなまちのまちはずれの青い屋根がバルバルさんの床屋です。

あるひ、そんなバルバルさんの床屋に、いろんな動物のお客さんが「なぜか」次々とやってくるのです!
最初はもちろん驚いたバルバルさんですが、優しいバルバルさんは動物たちの要望を見事に叶えていきます。

ライオンはぼさぼさタテガミをすっきりと。
髪の毛をはやしたいワニにはいろんなカツラを・・・。
ワニがどのカツラもかぶりこなしてるのがなんともユニーク!
羊さんはメルメルさんの犬のように・・・。
思わず なるほど!といいたくなります。

どの動物も、嬉しそうに帰っていきます。
そろそろ店をしめようとしたバルバルさんはあることに気がつきます。

さて、床屋や美容院は同じく髪を切ったり整えたりする場所ですが、違いは美容院での男性客の顔剃りは違法ということでしょう。
カットをしてもらっている間というのはワクワクしてしまいます。
誰かに丁寧に自分を扱ってもらうのもいいきもちですよね。
どちらも、ただ髪を整える場所ではなく「ちょっと新しい自分」に出会える場所といっても良いでしょう。
誰しも多少の変身願望があるかと思いますが、動物たちもいつもとちょっと違う自分になりたかったのかもしれません。

バルバルさんの床屋さんには今日はどんな動物がくるのでしょうか。



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紙の本

紙の本たんじょうびのふしぎなてがみ

2010/06/13 02:01

たんじょうび おめでとう! ~誕生日絵本1~

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

誕生日を迎えた愛する息子に今年も誕生日の絵本を贈ります。

誕生日当日も楽しいけれど、近くなった誕生日をワクワクしながらまつのも楽しいものですよね。
その序章として有名なエリック=カールさんの作品です。

誕生日の前日に男の子は枕の下からふしぎな手紙を見つけます。
それは★をさがしたり、▲にはいったり ■をあけたりしなさい という内容の手紙でした。
しかもそこにある■をのぞくとびっくりするようなものがまっている!?

さあ、この記号が意味をするものはなんでしょうか。
ひとつひとつ指示通りに男の子はその記号のものを見つけていきます。
そして本も まさに男の子と同じく、記号にはいったり 見つけたり のぞいたりしながら進んでゆくのです。
ちょっとした しかけ遊びの絵本。
けれど、こどもは 目線が同じであること、ちょっとした冒険に自分のことのようにワクワクしながら読むのでしょう。

誕生日の宝探し。自分でみつけ手にしたものは喜びも格別でしょう。
男の子がもらったプレゼントはちょっぴりの冒険とワクワクする時間に、いっぱいの両親の愛情。
こんな ふしぎな手紙をいつか息子にも贈りたいものです。

アメリカの絵本作家エリック・カールさんはその画もとても特徴的で、ニスを下塗りした薄紙に指や筆で色をつけた色紙を切抜き、貼りつけていくコラージュの手法です。大胆で鮮やかな色彩感覚から「絵本の魔術師」ともいわれ、絵本は 40作以上にのぼり、39カ国語に翻訳出版され世界中で愛され読まれています。


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紙の本

紙の本こぐまちゃんのみずあそび

2010/05/26 01:46

だいすき!みずあそび!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ようやく暑いひもあり、先日今年初の水遊びをしました。公園の川に葉っぱを流し「ありさんのボート」をして、こぐまちゃん遊びをしていた息子をみて 本書を書評してみたいと思います。

大人気のこぐまちゃんシリーズ。なかでも「しろくまちゃんのほっとけーき」は186万部のベストセラーに!
本書は、そんなこぐまちゃんの 水遊びの様子を描いた絵本です。

画はいたってシンプル、はっきりとした配色に 楕円形を組み合わせたくま。みんな同じであまり表情がないようにも見えますが、だからこそ 子供たちが自分のもつ感情を自由にこぐまちゃんに投影することができるのでしょう。
表情はきっと 子供たちによっていろんな風に視えているはずです。
本書でこぐまちゃんは、ホースやジョーロで水遊びをたっぷりと楽しんでどろんこになり、ラストはタライをかぶってシャワーを浴びるという最後の最後まで水遊びのこの絵本。
対象は三歳から・・・こぐまちゃんと同じく水遊び泥遊びが大好きなお年頃。
水が流れたり しぶきが吹いたり 泡になったり・・・こどもたちにとって、水の変化するさまはたまらないでしょう。
全身で感じることができるのも子供ならでは。子供の水遊び大好きがいっぱいの本書なのです。何気ない日常だからこそ、子供たちはこぐまちゃんのやることを より身近に感じ喜ぶのでしょう。

さて、タライをかぶってシャワーを浴びるとどんな音がするかやってみたことがありますか?

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紙の本

紙の本やっぱりおおかみ

2010/04/24 01:22

けっ!!!!!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

なんだか初めて出会う本なのに、懐かしく感じて・・・どうしようもなく気になりついに手にした本書。

本書では丁寧に書き込まれ落ち着いた色あいのトーンのなか、おおかみだけは常にカゲで現されます。
ひとりぼっちのおおかみは、「じぶんに似たこ」を探して街をさまよい歩きます。
同じ姿をした仲間がいるみんなをみて、羨ましいとは思うけれど けして山羊や豚になりたいわけじゃない。
おおかみがちかよっても、ウサギや豚はすぐ逃げていく。
おおかみはそのたび自己防衛に「けっ」と捨て台詞。
きっとそのあとには「なんで俺だけいないんだろう」
「楽しそうでいいな」
「俺が求めているのはお前らじゃない」
といったネガテイブな意味が込められているのではないでしょうか。
けれど、さいごの「けっ」だけは違うのです。
自分というたった一人の存在を受け止めた「仕方ないけど、俺はおれだもんな」といった肯定の意味に変わるのだろうと思います。
飛んでゆく気球はおおかみの吹っ切れた気持ちを表しているのでしょう。

ストーリーは短く、主人公のおおかみの台詞も「け」がほとんど。
画から読み取るこの本は、ゆっくりとおおかみの孤独と成長がしみてくるのです。
似た子がいるから「仲間」とも限らない。
幸せとも自由とも限らない。
自分に卑屈である限り、自分を本当に認め求めてくれる人も現れないし カタチにとらわれていても前にすすまない。
自分を受け入れ前に進んだとき、同じカタチでないかもしれませんが仲間という存在ができるはずです。

そして読み終えてピンときました。
実家から持ち帰った古い絵本のなかにササキマキさん著書の「ムッシュムニエルのサーカス」がありました。魔術師ヤギがシュールでおかしく大好きだった絵本です。
20年以上たち、またササキマキさんの本に巡り合えたことを幸せに思います。

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紙の本

しあわせレシピ~絵本の世界をたべつくそう~

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は「絵本からうまれた おいしいレシピ」三冊の中から内容を抜粋新装改訂したもので、25万人のおいしい!!を集めたお菓子とパンのベスト版らしい。

まず、ぐりとぐらの世界をイメージした表紙に目を奪われる。草原のみどりと 大きなフライパンでつくられた つやつやふっくらなカステラ・・・そばにはぐりとぐらの小さな赤い帽子と青い帽子まである。

思わず手に取り中を見ると・・・「ハイジ」のふかふか白パンに、「はらぺこあおむし」のジャムマフィン、「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家、「わかったさん」のマドレーヌ、「ナルニア国ものがたり ライオンと魔女」の魔法のプリン、「チョコレート戦争」のチョコレート城・・・

食べ物が出てくる本は数多くあるが、いつも食べている食べ物でも お気に入りの絵本に出てくる食べ物は「特別」になるのは何故だろう。
どの本もたいていが仲間や家族と楽しく幸せそうにおいしそうにたべているからだろうか。

本書の中でも真っ先に作ったのが「ちびくろさんぼ」のホットケーキだ。子どもの頃、一度は食べたかった夢を叶えるべくワクワクしながら何枚も何枚も焼いていく。
ちびくろさんぼを思い出しながら・・・倒れないようにそうっと重ねてバターとシロップをたっぷりかける。思わず「わあっ!!」と子どもの様に手を叩く。
絵本の主人公になったような気分。ふふふ。

「ふたりはいっしょ」のがまくんとかえるくんのチョココーヒークッキーも食感サクサクほろ苦の、食べる手が止まらないクッキーだった。

次回は「魔女の宅急便」にでてくるフィッシュパイを是非つくってみたいとたくらむ。ほうきにのるのはさすがに躊躇われるが「お届けものでーす!」と食卓にだすのは楽しそうだ。ちょうど我が家には黒猫もいることだし。

絵本を読んで主人公と堪能し、リアルでも堪能できるなんて なんと《おいしい》本なのだろう。見るだけでも楽しいが、作ってみると より 作ったものが載った本が楽しくなりそうである。

きっと、料理はしあわせをつくる魔法なのだ。
絵本が 読む人をその本の世界につれてってくれる魔法のように。

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紙の本

紙の本おもいのことのは 詩画集

2010/02/03 00:42

ことのはのチカラ

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書に載せられている詩は、ヴェルレーヌの落葉にはじまり、中原中也に宮沢賢治、与謝野晶子・・・どれもが有名なものばかりで、本が好きな方ならば一度は目や耳にしたことがあるだろう。
これらの詩に合わせて描かれたガブリエル・ルフェーブさんの画は、紙の質感をいかした にじみや繊細なタッチの水彩。
それらは、優しくも儚く・・・残酷にも美しく詩をきわだせる。

たった何行かのことばに、どうしてこんなにも心をひかれてしまうのだろう。
たったひとつのことばに、どうしてこんなにもくるしくなるのだろう。

「ことのは」は言霊。時代をこえても人種をこえても場所をこえても、感じる心は同じ。必要なとき、必要なひとたちに感じることができる過去からの贈りものではないか。

その昔、勉強する時や書物をよむ時は月明かりのもとでだった。
字をかけることもあたりまではなかった。だが、いまの私達は好きなときに好きな本をよむことができる。書くことばも人を傷つけたり禁止用語でなければ自由だ。あたりまえのようだけれど、決してあたりまえではない。

この詩集のラストは西條八十の『書物』という詩であるが、その1節に「月の夜は やさしき詩集 夢のみをかたれる詩集」とある。
都会の空は狭く月の明かりも頼りないかもしれない。
けれど、窓辺にすわり時おり月を見上げながら、このことばたちに出会えた仕合わせをぼんやりと味わってみるのも悪くないように思う。


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紙の本

紙の本きょうはとくべつなひ

2011/01/30 03:29

おにいちゃんになったひ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ぴよちゃんシリーズが大人気の、優しくほんわかとした画をかく いりやまさとしさんと、童話作家の新井悦子さんとの作品となります本書は、赤ちゃんが産まれる日の 兄姉となる子どもの心境を描いております。

「きょうはとくべつなひ あかちゃんがうまれるひ」

赤ちゃんが産まれるひというのは確かに特別ですよね。ほとんどの赤ちゃん自身が、自分で「きょう」を選択し何時間もかけて外の世界に出てくるひなのですから。
そのひは、お医者さんにもわからないのです。

おかあさんがベッドで苦しそうに肩とお腹を揺らしているのをみて、だいちゃんは心配でたまりません・・・
おかあさんがとおい とおい部屋にいってしまい、ひとりになってしまった だいちゃん。
あかちゃんがうまれたらどうなるの??
だいちゃんの不安や心配が灰色の雲となって、だいちゃんに話しかけます。
変化の想像つかない上の子どもにとって、とても大きな葛藤です。
耐えられなくなった だいちゃんは泣いてしまいます。
けれど、だいちゃんは 灰色の雲から逃げ 大きな大きな青空を自分で手に入れるのです。
だいちゃんが「おにいちゃん」になった瞬間、赤ちゃんも産まれます。
抱っこを恐がるだいちゃんに おとうさんがこう伝えるのが素敵です。「きょうはとくべつなひなんだ だいちゃんがおにいちゃんになったひなんだ なんだってできるさ」
おとうさんの優しく力強い手のひらと言葉にじーんときます。

誕生の日は その日産まれてくる赤ちゃんだけでなく、待ちわびた親にとっても 上の子どもにとっても「特別な日」なのです。
上の子の気持ちを大事にしたこの絵本はきょうだいが産まれる家庭に、おすすめしたい一冊です。

我が家にも間もなく赤ちゃんが産まれる日がやってきます。
おにいちゃんの期待と不安をもつ息子のからだを抱きしめては、一番大事が もうひとつ増えるんだよ と、この本を読む日々です。
おにいちゃんになったひ、だいちゃんのようにあたたかい気持ちに包まれますように。

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紙の本

紙の本ありのあちち

2010/08/26 00:41

ちいさなアリの大きな好奇心

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小さな 小さな アリ。

この本は0才~3才児向けの簡単な絵本ですが、擬態語が多くテンポよく読めます。身近な存在であるアリの世界に子供たちも興味深々で保育園でも人気の絵本です。

小さなアリが台所へ冒険にでかけ、ビスケットを食べたり煎餅を食べてゲーゲー吐いたり・・・
小さなアリの世界なので、ビスケットもテーブルも全てが大きく描かれています。いつも見なれているものも大きな世界で見ると不思議です。
大きな大きなビスケットに、バナナの滑り台は子供たちの夢そのものでしょう。最後にアリがニコニコ向かったのは「シュウシュウ」言うところ・・・
危ない!!真っ赤に腫れた手をして大粒の涙を流すアリはかわいい顔だけど可哀想・・・
でもちゃんと、裏表紙で包帯を巻いてもらった笑顔のアリさんがのってます。
アリは、眼に入るいろいろなものを食べたり触ったりしたがります。好奇心が旺盛なこどもも同じですよね。

アリも子供も、楽しいことも痛いことも繰り返しチャレンジして学んでいくのでしょう。
親としてはハラハラでなんでもつい手を出したいところですが、親の広さの中で小さな冒険を繰り返すことは子供にとって、大きな成長となることでしょう。
この本のアリとともに小さな冒険にでかけてみませんか。


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紙の本

紙の本戦火のなかの子どもたち

2010/08/13 04:38

こどもたちの笑顔がいつもあふれる世界でありますように・・・

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私たちの多くは「平和」といわれる国にすみ「戦争」を遠いこととして生きていることでしょう。
けれども、今この瞬間もどこかの国では戦争があり、こどもが泣き、誰かが犠牲となっていることでしょう。
戦争は汚れた大人の欲とエゴと利益がうみだすもの。
そこにどんなに大義名分な理由があろうとも、「命」を脅かされる理由にはなりえません。

平和な国であってリアルな戦争をしらなくても、今のこどもは小さな戦争の中で生きているといえるかもしれません。
勝ち負けに善悪は紙一重だと思うからです。
どちらが凄いとか、優れているだとか、またはゲームのように誰かをおとしめることが楽しいとか、命の存在も価値も誰もが同じはずです。

本書の画はほとんどが黒の濃淡で描かれており、描かれたこどものつぶやきに胸をぎゅっとつかまれ切なく苦しくなります・・・
どのこの眼にも怒り・・・孤独・・・寂しさ・・危うさが ちひろさんの繊細な鉛筆と水彩の技法で見事に描かれているからです。
反戦活動をつづけたちひろさんが、こどもの笑顔をどれだけ守りたかったことか愛していたかが伝わるようです。
この本でちひろさんが色をつけたのは赤いシクラメンだけ。
赤は血の色であり戦火のいろであり激情のいろのよう。
『赤いシクラメンがちっても きえないこころのおともだち』
こどもたちは忘れることなどできないでしょう。

2010年。
今年は日本戦後65年目。
何度も私に戦争の話をしてくれた祖父もいなくなりました。
あと数十年のうちに戦争の悲惨さを伝えてくれる生き証人もいなくなることでしょう。
けれど、たったの年に一度でも8月15日になにがあったのかを生きている限り忘れてはならないと思うのです。

人間はいつ間違いをおかしてしまうかわからないのですから。
「今」が続いてなければ「未来」もないのですから。
こどもは「未来そのもの」なのですから。




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紙の本

紙の本ぼくの!

2010/05/11 00:29

オバケのような大人にならないために・・・

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

なんでもかんでも「ぼくの!」と独り占めしてしまうオバケ。
ひょんなことから メレルという名前の女の子の家に紛れ込みます。
メレルのベットに勝手にはいり、靴下を帽子にし 勝手にお風呂にはいり・・・
メレルはそんなオバケに呆れながらも優しく受け入れ、一緒に遊ぼうと声をかけるのですが、オバケがなんでも独り占めしてしまうのでついに怒ります。
そこでメレルとオバケは「仲良く遊ぶ」練習をすることにしたのです。

はじめは「ぼくの!」とボールを手放さなかったのがキャッチボールができるようになり、ブランコを離さなかったのが 交代して使えるようになり・・・嬉しくなった2人はパンケーキを焼いてお祝いをします。
そこへオバケを探しにきた人は、オバケをみて「ぼくの知っているオバケによくにている」といいますがオバケがとてもいいこなので、同じオバケとは気づきません
楽しい夜をみんなで過ごした次の日、オバケはある手紙を残し帰っていきます。

言葉もそうですがコミニュケーションというのはよくキャッチボールに例えられるものです。
投げなければ返ってもこないし、練習もしなければうまくはならないでしょう。
子どもは基本的に欲しいものは、なんでも自分のモノにしたいものですが、友達との付き合いのなかで我慢することや譲ることを学び、社会のルールと共に 集団で遊ぶ面白さや思いやりに気づくものです。
一人より2人 2人より大勢で遊ぶことは発見の連続ですものね。

たまにオバケのまま大人になってしまう人もいますが、大人になりより広い世界で仲良く遊ぶことを学ぶのは難しいものです。
メレルのような優しい大人も少ないでしょう。
大人にとって当然のルールでも、子どもはすぐに自分と結びつけることはできません。
幼少期から 遊ぶ練習の機会は、色んなカタチや場面で与えていきたいものだと感じました。
ボク(自分)だけでなく、共有することでより多くの楽しさを得られることに気づいたなら きっと オバケの世界はとてもひろくなったことでしょう。


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紙の本

紙の本ぼくとママのたからもの

2010/05/02 00:38

ココロのおもちゃ箱をいっぱいに・・・

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

こどものおもちゃ箱の中って いろんなものがごちゃごちゃつまっていて、つい 本書のママのように「おもちゃばこのなか おかたづけしたら?いらないものが たくさん ありそうよ」って言ってしまいいます。

もちろん こどもは「いらないもんなんて ないもん」

けんちゃんのママが おもちゃ箱の中から取り出したのは、石ころに 紙ふぶきに ミカンの皮に からっぽのキャラメルの箱・・・
大人からみたら ただの箱やゴミやツマラナイモノにみえるものたち。
けれど、けんちゃんにはちゃんと意味のある とってもとっても大切なモノだったのです。

石ころは 遠足でひろったライオン石
紙ふぶきは がんばったお遊戯会のもの
ミカンの皮は はじめて庭でとれた日に親子三人で食べたもの
キャラメルの箱は これを食べてとれた初めての歯

どれもこれも 友達や家族との楽しいキラキラした記憶のカケラ

そんな けんちゃんの話を聴いていくうちに ママは厳しい表情からとても穏やかな表情になります。
そんなママのたからものも 優しい記憶のカケラにつながります。
けんちゃんのたからものも ママのたからものも 今は必要ないかもしれません。
はたからみたら「ツマラナイモノ」かもしれません。
それでも 「捨てられない」のです。
それらを手にするたびに、幸せな思い出がまざまざとよみがえるからでしょう。
大切なのは その時のやさしさやうれしさの記憶なのです。

我が家の息子は散歩をするたびに石ころを拾い、落ちたコーヒーの豆を嬉しそうに集めています。
私も息子の初めて描いた絵や 歩いた靴は いとおしくて嬉しくてもちろん保存しています。

ものが増えるのは困りますが、ココロのおもちゃ箱は あふれるほど いっぱいにしていきたいものですね。





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