ヤマネズミさんのレビュー一覧
投稿者:ヤマネズミ
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紙の本ネムルバカ
2010/06/23 06:28
甘酸っぱい…だけでは言い表せない
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人によっては「古臭い感じ」を受けるかもしれない。
ぼろい大学寮などの舞台設定からと言うよりは、音楽活動に生活を削るセンパイ、気取った勘違い男、夜中の男2女2のドライブしかも海へ、というエピソードからか。
自分の価値はどれほどなのか、この先どうやって生活しているのか、誰に認めてもらえるのか、もらえないのか…
自分が見えなくなってさまよう様子が、大掛かりな仕掛けも事件もなく淡々と描かれている。易しい言葉で難しいことを説明するのが困難なように、派手な絵柄でもなく、大きなコマ割を使うでもなく、もちろん小賢しい台詞回しがあるでもなく、実に淡々と、しかし生々しく描かれている。
作品全体に流れる不思議な空気感は、本作に限らずこの作家の持ち味と言って良いだろう。
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