1118さんのレビュー一覧
投稿者:1118
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紙の本「裏」を見通す技術 勝ちたいあなたに捧げる刑事の「㊙情報収集法」
2010/08/06 01:58
羊頭狗肉
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
タイトルは『「裏」を見通す技術』。警視庁の元刑事さんが書いた本。
その技術が何なのか知りたくて読んだのだが、はっきり書かれていないので、不満の残る本だった。
サブタイトルが「勝ちたいあなたに捧げる刑事の「マル秘情報収集法」とあるので、どんな収集法があるのかと期待したが、特に変った方法はなかった。
著者が言いたいマル秘情報収集法とは、普段の生活において注意力を発揮しなさいということと理解した。
読み進めていくなかで気になった点をいくつか。
「三味線」の項目で、取り調べ中の被疑者がした善意の誤解を訂正せず、あえてそのまま受け流して、自分に都合のよい状況を作り上げたことが述べられてあった。その手口を得意気に書くセンスはどんなものなのだろうか?
また、自身の仕事を振り返りながら、仕事中に喫茶店や映画館での息抜きも必要と書いてあったが、公務員には「職務に専念する義務」があるはず。
捜査に専念していたのかな?プロとしてどうなんだろう?
本文中に何度も自分はアウトローであると書いてあったが、その通りだと思った。
規格外刑事さんの回顧録といった内容。
【目次】
事件待機〈情報収集に臨む心構え〉
聞き込み、内定〈人から何を読み、何を得るか〉
ブツ捜査〈眼前のブツをいかにホシにつなげるか〉
取り調べ〈相手との勝負、命運を分けるのは……〉
裏付け〈勝った時こそ勝因を検討せよ〉
事件後のケア〈アフターケアは信用を得るためと次回への橋渡し〉
紙の本「つばさ」アテンダント驚きの車販テク 3秒で売る山形新幹線の女子力
2010/08/22 21:58
新幹線に乗って山形に行くのが楽しみになる本
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
山形新幹線「つばさ」に乗車しているアテンダント(車内販売員)茂木さんと、所属している(株)日本レストランエンタプライズ山形営業支店の皆さんのエピソード集。
車内販売という似たような環境で、売り手によって売り上げに大きな差がつくのはどうしてでしょう?
そこには、たくさんの工夫があるのです。
・お弁当を車内食事用だけでなくお土産用としてもPRする。
・会計時間を短縮するため、ポケットにおつりを準備しておく。
・ワゴンを押すのではなく引くことで、お客さんとアイコンタクトしやすくする。
・お天気や空席情報、予想される客層などを参考にしてワゴンに積む商品を選ぶ。
・お客さんとの出会い、ふれ合いを大切にする。
よく考えると、これらはみな予算0円で実現しているのです。
サービス業の鏡のような多くの工夫を生み出しているのは、普通の(といってもきれいで魅力的なお姉さんですが・・・)女性でした。
他にも山形営業支店の方のエピソードが載っていて、山形新幹線や山形駅に親近感を覚えました。
なお、3章の「昭和の車内販売を語る」は、車内販売の歴史を知るのに有益な内容ですが、前章までとの関連付けが弱く、少し唐突な印象を受けました。
【目次】
カリスマ・アテンダント茂木久美子さんに聞く
支店長はゴッドかあちゃん
昭和の車内販売を語る
「つばさ」関連年表
主な参考文献(16点掲載)
紙の本お坊さんが隠すお寺の話
2010/08/21 23:20
外野が提言するお寺の改革
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
以前は檀家の精神的支柱だったお寺。それが、今やどうでしょう。
多くの人にとって、お寺を身近に感じる機会がとても少なくなっているのではないでしょうか。
葬式仏教と揶揄される昨今、地方においては住職がいない空き寺が増加。
そして、某スーパーが打ち出した戒名相場の問題も記憶に新しいことです。
そのような現状を憂える在野の仏教研究家の著者が提言する新しいお寺の形。
・生半可なお坊さんよりも豊富な社会経験を持つ団塊の世代を僧として迎えてはどうか。
・本山と末寺の関係を見直してはどうか。
・弱者救済という視点を忘れず社会の現象に対応してはどうか。
・檀家制度を止めて、会費制、入退会自由の護持会制度にしてはどうか。
穏やかな文章でありながら。痛烈な内容が飛び出します。
著者の危惧の通り、このままだとお寺は更に縁遠くなるのでしょうね。
余談になりますが、本文中に例として挙げられている地域に住んでいる書評子は、「あの例はあのお寺のことかな?」と推測する楽しみがありました。
また、著者をお見かけしたことがありますが、有徳のお坊さんのような穏やかで笑みの素敵な印象のご老人でした。
【目次】
菩提寺は変えられる
お寺が危ない
お寺はなぜ消えていくのか
お葬式はどうして仏教なのか
お寺に未来はあるか
2010/08/23 22:48
眺めるだけでも楽しい一冊
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
パノラマ地図は鳥瞰図(ちょうかんず)とも呼ばれ、対象地域を斜め上から見下ろしたような構図で、また、地図の端に現実では見えない山や都市を描くことで距離感を表現した地図のことです。
大正から昭和前期にかけて、多くの観光パンフレットに用いられ一世を風靡しました。
この本は、そのようなパノラマ地図を鉄道路線別に集め、全体図と部分図で解説を加え、作図当時の状況と主な駅の案内をまとめています。
パノラマ地図の掲載数は、なんと47(内訳 関東23、東海8、関西16)。
山手線をはじめとして東急東横線、名鉄名古屋本線、阪神本線など、身近な路線が載っているので、眺めて現在と比較するととても面白いです。
難点を言えば、パノラマ地図は、本来その多くが折り図になっています。それを本のサイズに合わせて縮小しているため、全体図は見づらい場合が多いことです。
パノラマ地図は、古書店やネットオークションで売買されることが多いのですが、この本に掲載されているようなものは人気があり価格が高いため、なかなか入手することができません。
そのようなパノラマ地図を多数見ることができるこの本は、お得だと言えます。
【目次】
関東 東京・横浜を中心とした鉄道パノラマ地図
東海 名古屋を中心とした鉄道パノラマ地図
関西 京都・大阪・神戸を中心としたパノラマ地図
参考図書一覧(14点掲載)
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